てるてる坊主保育園の季節の歌
てるてる坊主の季節の歌ねらい保育園
梅雨の時期は戸外活動が制限されやすく、気分が沈みがちな子も出やすい季節です。だからこそ、季節の歌を「ただ歌う時間」にせず、子どもが“今の季節を自分の感覚でつかむ時間”にすると、活動がぐっと立体的になります。てるてる坊主は、晴れを願う風習に触れながら、気持ち(晴れてほしい・外で遊びたい)を言葉や歌にのせやすい題材です。
保育園で「てるてる坊主」製作を取り入れるねらいとしては、古くから伝わる風習に親しむ、梅雨ならではの取り組みで季節を感じる、表現力を育む、梅雨の情景を味わう、天気への興味・関心を持つ、などが整理されています。これらは歌と非常に相性が良く、「歌→製作→飾る→天気を観察する」という往復が自然に作れます。たとえば朝の会で歌い、製作で形にし、窓辺に飾って“今日の空”を見に行くと、歌が生活に根づいたものになります。
活動のねらいを保育者自身が言語化しておくと、指導案や週案にも落とし込みやすくなります。例としては、次のように短く明確にしておくと便利です。
- 天気の変化に気づき、言葉で伝えようとする。
- 梅雨の季節の歌に親しみ、友だちと一緒に歌う楽しさを感じる。
- 身近な素材を使って、思いを込めた製作を楽しむ。
- うまくいかない日(雨)も含めて、気持ちを受け止め合う経験をする。
ここで大切なのは、「てるてる坊主を作ったら必ず晴れる」と教え込まないことです。むしろ、願う・祈る・楽しみにする、そして結果が違っても“気持ちを切り替える”という流れまで含めると、子どもたちの情緒面の学びにつながります。製作記事でも「必ず晴れるわけではないが、思いを込めることや友だちと気持ちを合わせることを学ぶ機会」と整理されています。
保育園の梅雨は、行事(保護者参加や園行事)も重なりがちで、天候の影響を受けやすい時期です。だからこそ「晴れるといいね」と願いを共有できる歌は、クラスの“同じ方向を見る体験”になりやすいという良さがあります。歌の時間に、子どものつぶやき(外で虫を見たい、滑り台したい等)を拾い、てるてる坊主に“願いの言葉”として貼り出すと、活動の厚みが出ます。
てるてる坊主の季節の歌歌詞保育園
保育現場で意外と困りやすいのが、「歌詞をどこまで扱うか」です。童謡『てるてる坊主』は3番まであり、3番に「そなたの首をチョンと切るぞ」という刺激の強い表現が含まれます。気づかずに全番を流すと、敏感な子が不安になったり、言葉だけが一人歩きしたりすることがあります。
一方で、この歌が“なぜそういう表現になったのか”を保育者が知っていると、扱い方に余裕が出ます。気象情報の解説では、3番の歌詞について作詞者に理由を尋ねた人がいて、当時の価値観として「子どもは残酷なこともするから、かまわない」という趣旨の返答があったこと、また童謡が発表されたのが1921年(大正10年)であることが紹介されています。つまり、現代の保育観・人権感覚とそのまま接続しにくい部分がある、と理解できます。
さらに意外なのが「幻の1番」の存在です。楽譜出版(1923年・大正12年)の際に削除された歌詞があり、「もしも曇って泣いてたら 空をながめて みんな泣こう」という内容があったとされています。これを知ると、“願いが叶わなかったときの気持ち”に寄り添う歌詞が元々あった、という見方もできます。保育園では、この視点を応用して、雨の日の過ごし方(室内で楽しく遊ぶ、雨音を聞く、かたつむりを探す等)に話題をつなぐと、歌が「天気の結果」だけに縛られません。
実際の運用としては、次のような整理が現実的です(園の方針や年齢に合わせて調整してください)。
- 0〜2歳児:1番中心(短く、繰り返しで安心感を作る)。
- 3〜5歳児:1〜2番中心(“願い→ごほうび”の物語性で想像が広がる)。
- 3番:基本は扱わない/扱う場合は保育者が意図を持って、言葉の説明とセットにする(怖がる子への配慮を優先)。
歌い方の工夫で、言葉の刺激をやわらげることも可能です。たとえば、同じフレーズの繰り返しを活かして、手あそび要素(吊るす動作、空を見る動作、手で雨を表す等)を入れると、“言葉”より“動き”が前に出て、年齢の低い子でも参加しやすくなります。保育者が大きな声で歌わせるより、子どもの声量に合わせて“歌が部屋に馴染む”ようにするほうが、梅雨の落ち着いた雰囲気にも合います。
参考(歌詞の背景や幻の1番・3番の解説が役立つ)。

てるてる坊主の製作保育園梅雨
歌と製作をつなげるときのコツは、「歌を歌ってから作る」だけではなく、「作りながら歌が出てくる」状況を作ることです。たとえば、首を結ぶ工程で“てるてる坊主”のフレーズを小さく口ずさんだり、窓に飾るときに“あした天気にしておくれ”をみんなで言ったりすると、活動が自然につながります。これができると、歌が“作品のBGM”ではなく、“生活の言葉”になります。
素材は、年齢と発達に合わせて変えるほど、現場は回しやすいです。製作アイデアとして、乳児向けにビニール袋、手形・足形、カラーセロファン、フィンガーペイント等、幼児向けにじゃばら折り、キッチンペーパーのにじみ絵、すずらんテープ、プチプチ、新聞紙、傘袋などが紹介されています。特に「にじみ絵」は梅雨らしい透明感が出て、飾ったときに教室が明るく見えるので、気分転換としても優秀です。
安全と運用の視点では、次のチェックが有効です(現場でトラブルになりやすい順)。
- 誤飲:丸シール・ビーズ・小さな飾りは、年齢によっては使用を避ける。
- 紐:首を結ぶ材料(リボン・すずらんテープ等)は短めにし、ぶら下げる位置は子どもの動線から外す。
- 接着:のり・ボンドは量を管理し、乾燥時間も計画に入れる(当日に持ち帰りだと服に付く)。
- 展示:窓に貼る場合は剥がれ落ちにくい方法を選び、落下して踏む事故を防ぐ。
飾り方にも“学び”を入れられます。窓辺に並べるときに「どこが一番よく空が見えるかな?」と問いかけると、子どもは自然に空や雲を見ます。さらに、雨の日に“雨粒が当たる音”や“窓の水の流れ”に気づく子も出てきて、歌が天気の観察へつながります。
導入として絵本を読むのもおすすめで、製作記事でも「雨や虹など気候に関連する絵本の読み聞かせ」が提案されています。絵本→歌→製作の順にすると、子どもが世界観に入った状態で手を動かせます。結果として、製作の集中が続きやすく、作品の“意味”も残りやすいです。
参考(年齢別の製作アイデアと、製作を取り入れるねらいがまとまっている)。

てるてる坊主の季節の歌梅雨手遊び
季節の歌は、歌唱が得意な子だけの時間になりがちです。そこで“手遊び”や“ミニ表現”を足すと、声が小さい子も参加しやすくなり、全体の一体感が出ます。特に梅雨は体を大きく動かす遊びが減りやすいので、歌の中に軽い運動要素を混ぜるだけでも、クラスの空気が変わります。
手遊びは難しくしすぎないほうが成功します。おすすめは、てるてる坊主の歌詞の繰り返しに合わせて、動きを固定する方法です。
- 「てるてる坊主」:両手で丸を作って頭(坊主の丸)を表す。
- 「あした天気に」:指で空を指す/窓の方向を見る。
- 「しておくれ」:手を合わせてお願いポーズ。
- 間奏や繰り返し:雨(指をぱらぱら)→晴れ(両手をひらいて太陽)→虹(腕でアーチ)を入れる。
歌の前後に“天気の導入トーク”を入れると、歌詞理解が深まります。ただし、説明が長いと集中が切れるので、質問は短くが基本です。
- 「雨の日の音って、どんな音がする?」
- 「雲って、今日はどこにいる?」
- 「晴れたら何したい?」
さらに、保育者側の小技として「歌を流す→歌う」だけでなく、「歌う→聴く」を組み合わせると効果が出ます。たとえば1回目は保育者が歌って子どもは動き中心、2回目は子どもが歌って保育者が伴奏や手遊びのリード、というように役割を回すと、飽きにくいです。雨の日が続く週は、テンポを少し落として“落ち着く歌の時間”として使うのも、クラス運営上のメリットがあります。
最後に、行事や天候都合で予定が変わりやすい梅雨こそ、「短時間で成立する歌あそび」が強い味方になります。5分で導入〜歌〜手遊びまで回せる形を作っておくと、予定が押した日でも“季節の積み重ね”が途切れません。てるてる坊主は、短いフレーズの繰り返しが多いので、こうした運用に向いています。
てるてる坊主の季節の歌保育園独自視点
検索上位の情報は「歌」「製作」「梅雨のねらい」までは充実していますが、保育園で実際に効いてくるのは“雨だった日の扱い”です。てるてる坊主を作ったのに雨が続くと、子どもはがっかりします。ここを「失敗」にしない設計が、保育者の腕の見せどころになります。
独自視点としておすすめなのが、「てるてる坊主の“結果”ではなく“観察と気持ちの記録”を主役にする」方法です。てるてる坊主の横に、小さなカードを貼り、毎日1つだけ記録します(幼児クラス向け)。
- 今日の天気:☀/☁/☔(絵でOK)
- 今日の空:雲が多い/風が強い/虹が見えた、など一言
- 今日の気持ち:うれしい/ざんねん/まあまあ(顔マークでもOK)
これを続けると、子どもが「願いが叶うか」だけでなく、「天気が変わること」「変わるから面白いこと」に気づきます。結果として、雨の日の保育の質が上がります。さらに“歌”も、晴れ祈願の呪文ではなく、季節の変化に寄り添う歌として定着します。
もう一つ、意外と効くのが「窓辺の展示レイアウト」です。てるてる坊主は“吊るす”文化なので、ただ壁に貼るより、少し揺れる状態のほうが雰囲気が出ます。ただし安全第一で、子どもの頭より高い位置に、落下しにくい方法で固定します。揺れを見て「風があるね」と言える日が出てくると、天気の話題が広がります。
また、歌詞の一部(「金の鈴」「あまいお酒」など)を“ごほうび”としてそのまま扱うのではなく、「明日晴れたら、みんなで何をしよう?」というクラスの約束に置き換えると、現代の保育に合います。たとえば「シャボン玉」「園庭でかけっこ」「虫探し」など、園の環境で実現できるものにするのがコツです。雨だった場合は「室内で雨の日探検(雨音・窓の水・かたつむり絵本)」に切り替える“次の楽しみ”も用意しておくと、がっかりが学びに変わります。


