たなばたさまの歌詞がわからない
“たなばたさま”という歌、よく考えると、ところどころ意味がわからないということはないですか?
この童謡は、七夕の祭りをテーマにしたもので、一部の言葉が古代日本語のため、意味が難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
例えば、「のきば」は屋根の端を指し、昔はこの部分に笹飾りを飾りました。また、「きんぎんすなご」は金箔や銀箔を砂状にしたものを指します。さらに、「ごしきのたんざく」は五色の紙片という意味で、五色は中国の五行説に由来します。
この五色は緑、赤、黄、白、黒を指し、日本の伝統行事に深く影響を与えています。このような豊かな意味を持つ”たなばたさま”は、世代を超えて歌い継がれ、七夕の楽しみを深める一助となっています。
たなばたさま きんぎんすなご(金銀砂子)の意味
「きんぎんすなご」って、どういうときに使われる言葉なんでしょうか?
たとえば、色紙や襖(ふすま)に見られる装飾など、日本の伝統的な美術にも使用されています。これらの装飾は金箔や銀箔を細かく砕いた「きんぎんすなご」によって美しく彩られています。
また、7月7日の七夕の日に歌われる、「たなばたさま」という歌で「お星さまきらきら、きんぎんすなご」と歌われるこのフレーズでは、「きんぎんすなご」は金箔銀箔に例えられた天の川を表しています。
このように、きんぎんすなごと言われても、現代の日常にでは見かけないものなのでピンとくる人は少なく、多くの人がただの歌詞や装飾として認識しているだけかもしれません。
のきば(軒端)の意味
「のきば」は、一般的には「軒端」と書きます。これは家の屋根が壁より突き出ている部分を指します。歌詞は、この「のきば」に飾られた笹の葉が風に揺れる様子を表現しています。
七夕の起源は中国の伝説に由来します。一説によれば、天の川を隔てて引き離された織女と牽牛が、年に一度だけ七夕の夜に会うことが許されたとされています。日本ではこれを織姫と彦星と呼び、実際に天の川を挟んで向かい合うように織姫と彦星の星があります。
また、七夕といえば短冊に願い事を書く風習がありますが、以前は農事や日常生活と強く結びついた行事でした。例えば、「七夕に作った竹竿は虫がつかない」「七夕に洗い物をすると、よく垢が落ちる」などといった風習がありました。これらの行事や慣習は昭和30年ごろまで続いていましたが、現在では都市化や生活様式の変化により、地域から姿を消しつつあります。
昔ながらの「サザエさんの家」みたいな建築物はなくなったきたので、しだいに「のきば」という言葉自体が消滅していったんですね。
昔の日本の家は軒が出ている家が多かったのですが、現在の日本の住宅は、デザインや敷地の条件、予算上などで軒の出が少ない家が多くなっています。
昔の七夕は、軒端で笹の葉が風に揺られる様子を眺め、楽しみました。しかし、現代の家にはその「のきば」がなくなりつつあります。