武島羽衣 花 歌詞の意味
保育で「花」を歌う前に、歌詞の「見ずや」を「見ないで」と教えてはいけません。
武島羽衣が作詞した「花」の歌詞全文
「花」は明治時代に制作された日本を代表する楽曲で、作詞を担当したのが武島羽衣、作曲が滝廉太郎です。音楽の教科書にも採用されているため、多くの人が一度は耳にしたことがあるでしょう。
参考)滝廉太郎「花」の歌詞の意味とは?現代語訳を取り入れながら解説…
歌詞は全3番構成になっています。1番は「春のうららの 隅田川/のぼりくだりの 船人が/櫂のしずくも 花と散る/ながめを何に たとうべき」です。2番では「見ずやあけぼの 露浴びて/われにもの言う 桜木を/見ずや夕ぐれ手をのべて/われさしまねく 青柳を」と続きます。
3番は「錦おりなす 長堤に/くるればのぼる おぼろ月/げに一刻も 千金の/ながめを何に たとうべき」で締めくくられます。各番とも春の隅田川の美しい情景が描かれています。
武島羽衣 花 歌詞の古語表現と現代語訳
歌詞に登場する古語表現を理解することが、子どもへの指導の第一歩です。「うらら」は晴れた春の空に穏やかな日の光が照っている様子を指します。「櫂(かい)」は船を漕ぐ道具、つまりオールのことです。
「見ずや」は否定に聞こえますが、実は「見てごらん」という意味なんですね。これは保育現場で最も誤解されやすい表現の一つです。「たとうべき」は「何に例えたら良いのだろうか(いや例えることはできない)」という感嘆の意味が込められています。utaten+1
「あけぼの」は明け方、「さしまねく」は私を招いている・呼んでいるという意味です。「錦おりなす」は美しい織物のように色とりどりな様子、「長堤」は長い土手を表します。「げに」は本当に、「一刻も千金」はそのひとときさえもとても価値があるという意味になります。
保育で子どもに伝える際は、これらの言葉を「春の気持ちいいお天気」「船を漕ぐ道具」「見てごらん」といった平易な表現に置き換えるのが基本です。
武島羽衣 花 歌詞が描く隅田川の四季と情景
歌詞の舞台は春の隅田川で、時間の移り変わりとともに変化する景色が表現されています。1番では春の日中、船人が漕ぐオールのしずくが花びらのように散る様子が描かれます。船をこいだときに出る水しぶきを花に見立てた表現です。
2番前半では明け方の時間帯が舞台になります。朝露に濡れて美しい桜の木が、作詞者に何かを訴えかけるようなオーラを放っている様子が歌われています。2番後半では夕暮れ時に変わり、枝を手のように伸ばして私を招いているような青柳が登場します。meryteacher+1
3番では日が暮れておぼろ月が登る場面です。織物のように美しい土手は、夕暮れの温かみのある日差しに照らされた様子を表現しているのかもしれません。時間帯ごとに異なる春の美しさを描き分けた構成が特徴的です。utaten+1
保育現場での武島羽衣 花 歌詞の活用方法
保育現場で「花」を取り入れる際は、年齢に応じたアプローチが重要になります。3歳児クラスではメロディーに親しむことを中心に、簡単な身振りをつけながら歌うのが効果的です。「花と散る」の部分で手をひらひらさせるなど、視覚的な動きを加えましょう。
4~5歳児クラスでは歌詞の意味を少しずつ伝えていきます。「春のうらら」は「ぽかぽかの春の日」、「櫂のしずく」は「船を漕いだときの水のしぶき」といった具体的な言い換えが有効です。実際に散歩で川や桜を見る機会と結びつけると理解が深まります。
卒園式や入園式などの行事でも活用できる楽曲です。季節行事として、春の遠足前に歌詞に出てくる「桜木」や「青柳」を園庭で観察する活動と連動させると、子どもたちの興味がより高まります。また、保育参観で保護者と一緒に歌う機会を設けると、世代を超えた音楽体験の共有にもつながります。
武島羽衣と滝廉太郎の共作背景
「花」は武島羽衣が作詞、滝廉太郎が作曲した明治時代の楽曲です。多くの人が「滝廉太郎の花」と記憶していますが、実は廉太郎は作曲のみを担当しています。作詞者の武島羽衣は明治時代の詩人・国文学者で、数多くの唱歌の歌詞を手がけました。wikipedia+1
武島羽衣の作詞スタイルは、日本の伝統的な美意識を平易な言葉で表現することに特徴があります。「花」の歌詞では「何にたとうべき」という表現が1番と3番に登場しますが、褒める対象も旋律の動きも異なるため、それぞれの違いを表現するのがポイントです。
滝廉太郎の作曲した旋律は西洋音楽の技法を取り入れながらも、日本人の感性に寄り添った親しみやすいメロディーになっています。武島羽衣の詩的な歌詞と滝廉太郎の優美な旋律が融合したことで、100年以上経った現在でも歌い継がれる名曲が誕生しました。
保育士として知っておくべきなのは、この楽曲が日本の音楽教育の礎を築いた作品の一つであるという点です。子どもたちに伝える際、単なる季節の歌ではなく、日本の文化遺産として大切にされてきた背景も意識すると、指導に深みが出ます。
滝廉太郎「花」の歌詞の意味を詳しく解説した記事(UtaTen)
元中学校音楽教師による「花」の歌詞解説と授業での活用法

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