ストーリーテリング保育読み聞かせ
ストーリーテリング保育読み聞かせの違いと使い分け
読み聞かせは、絵本という「共通の視覚情報」があるため、複数の子が同じ場面を同時に見て、同じタイミングで笑ったり驚いたりしやすい手法です。
一方、ストーリーテリング(保育現場では「素話」とも呼ばれる)は、小道具を使わず、語り手が物語を自分の中に落とし込んで語るため、子どもは耳で聞いて頭の中に映像を作ります。
保育の設計で重要なのは「どちらが上か」ではなく、ねらいに合わせて切り替えることです。
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想像の余白を増やしたい・聞く力を育てたい:ストーリーテリング(素話)が相性良い(絵がないので言葉を手がかりに集中しやすい)。
参考)https://www.kodomo.go.jp/promote/activity/storytelling/conduct.html
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経験の共有を作りたい・初めての題材で理解を揃えたい:読み聞かせが便利(絵と文字の情報で取りこぼしが減る)。
「保育園での歌に興味がある人」向けにさらに踏み込むと、歌はストーリーテリングと読み聞かせの“つなぎ役”になれます。語りや絵本の前に短い歌(手遊び・わらべうた)を入れると、場が整い、子どもが“耳を使うモード”に入りやすくなります。
ストーリーテリング保育読み聞かせの導入とおはなし会プログラム
園で「おはなし会」形式にするなら、最初から長時間にしないのがコツです。国立国会図書館 国際子ども図書館の事例では、全体で30分ほどの内容で、導入として手遊び・わらべうた等を入れ、ストーリーテリングと絵本の読み聞かせを組み合わせています。
この考え方は保育園でも応用できます。例えば、朝の会や帰りの会に入れやすい“短縮版(10〜15分)”の型を作ると、継続しやすいです。
- 導入(1〜2分):わらべうた/手遊びで集まる・呼吸を揃える。
- メイン①(3〜5分):短いストーリーテリング(素話)で「耳で想像」。
- メイン②(5〜7分):絵本の読み聞かせで「視覚で共有」。
- 終わり(1分):さよなら歌(余韻を残しつつ切り替え)。
意外と見落とされがちなのが、「終わった後の導線」です。事例では、おはなし会で紹介した本を棚の一角にまとめて展示し、子どもがすぐ手に取れるようにしています。
保育園でも、クラスの絵本コーナーに「きょうのおはなし」スペースを作るだけで、遊びの中の再読(リピート)や友だち同士の語り直しが起きやすくなります。
ストーリーテリング保育読み聞かせの練習と素話の覚え方
素話は「暗記が苦手だから無理」と思われがちですが、保育現場での定義は“本を丸暗記してそらんじる”ことではなく、物語を自分の中に落とし込んで語り聞かせることです。
つまり練習のゴールは、一語一句の再現よりも、「場面の流れ」と「言葉の核(決め台詞・繰り返し)」を保ち、子どもの反応に合わせて間を取れる状態です。
覚え方は、記事で紹介されているように「あらすじ→イメージ化→語って慣れる」の順で、映像のように登場人物を動かすと安定します。
さらに、国際子ども図書館の事例のように、個別練習だけでなく“プログラムを通して練習”し、他の職員の前で実演してアドバイスを受けると質が上がります。
ここで「歌」を絡める実務的な工夫を入れます。
- 素話の前後に、短いフレーズの歌を“しるし”として固定する(例:導入の手遊びは必ず同じ)。
- 素話の中で、繰り返しの言葉がある昔話を選ぶ(語り手も子どもも、リズムで覚えやすい)。
- お昼寝前は素話がやりやすい(道具が不要で、子どもが目を閉じて聞ける)。
また、場所の作り方も効果に直結します。壁を背にして座り、子どもの視界に注意を引くものが入らないようにすると集中が続きやすい、とされています。
歌が盛り上がりすぎた直後に素話へ入る場合は、導入の歌を“静かなわらべうた”に寄せるなど、声のエネルギーを設計しておくと破綻しにくいです。
ストーリーテリング保育読み聞かせの題材と絵本選び
題材選びの基本は、まず「覚えやすい話」を選ぶことです。
慣れてきたら、自分の声質や話し方に合う話を選ぶ、子どもが求めている長さに合わせる、といった視点が効いてきます。
ストーリーテリング向きの定番として、世界の民話・日本昔話、イソップなどが一般的とされています。
一方で読み聞かせは、年齢や季節感、子どもの興味に配慮して本を選び、メインとなる絵本に加えて、気軽に楽しめる絵本やことばあそび・詩の本を組み合わせるという考え方が示されています。
「歌(保育園での歌)」と相性が良い題材の見つけ方も整理しておきます。
- 物語内に擬音・反復がある:語りがリズミカルになり、子どもが口ずさみやすい(歌への橋渡し)。
- 季節行事と接続できる:歌と絵本を同じ季節テーマで束ねると、生活の実感に結びつく(選書でも季節感が重視される)。
- クラスの生活課題と接続:友だち関係、順番、片付け等を「説教」ではなく物語で扱える(素話は自由に題材を取り上げられる)。
ここで“あまり知られていないが効く”運用のヒントとして、学童保育の読み聞かせ実践では、プログラムに「ストーリーテリングを2話入れる」「視覚的に楽しめるものも入れる」など、年齢幅のある集団への対応が紹介されています。
参考)https://www.lib.pref.saitama.jp/guide/docs/johoshi25.pdf
保育園でも異年齢保育や合同保育の時間は同じ課題が起きるため、「短い素話×2+大型絵本」などの組み方は流用しやすい発想です。
ストーリーテリング保育読み聞かせの独自視点:歌を“記憶装置”にする設計
検索上位の多くは「ストーリーテリングの効果」や「読み聞かせのコツ」に寄りますが、現場で差がつくのは“継続の設計”です。
そこで独自視点として、歌を「記憶装置」として使い、語りの質を安定させる方法を提案します(単に盛り上げるための歌ではありません)。
具体策は、次の3つです。
- 合図の歌(導入固定):毎回同じ短いわらべうたを使うと、子ども側の注意の切り替えが自動化し、語り手も呼吸が整います。
- 場面ラベル(語りのしおり):素話の場面転換ごとに「同じ言い回し」を置く(歌のサビのように固定)ことで、語り手の迷子を防ぎます。
- 余韻の歌(終わり固定):語り終わりに“静かな短い歌”を置くと、興奮を落ち着けて次の活動に移りやすく、物語の余韻も守れます(事例でも最後にわらべうた)。
この設計のメリットは、保育者のスキル差を吸収しやすい点です。職員間で「導入の歌」「終わりの歌」を揃えておけば、担当が変わっても子どもは同じ型で受け取れます。
さらに、他の職員の前で実演し、声の大きさ、語り方、絵本の持ち方などを複数の目で確認する、という仕組みと組み合わせると、園として品質管理ができます。
最後に、園内共有の小ワザも置いておきます。語った素話や読んだ絵本を「きょうのおはなし」として展示すると、子どもが保護者に“もう一回読んで”を起こしやすく、家庭との接続が生まれます。
【導入・プログラム設計(手遊び・わらべうた、ストーリーテリング、読み聞かせの組み立て/練習方法)】
https://www.kodomo.go.jp/promote/activity/storytelling/conduct.html
【素話(ストーリーテリング)の定義、ねらい、メリット、覚え方、読み聞かせとの違い】
【集団・異年齢のプログラム発想(ストーリーテリングを2話入れる、視覚的教材も混ぜる等)】
https://www.lib.pref.saitama.jp/guide/docs/johoshi25.pdf

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