砂場遊び 保育園 遊び
砂場遊びのねらい:感触・想像・協同を育てる
砂場遊びは「ただ遊ぶ」だけでも成立しますが、保育園の遊びとして価値を言語化するには、ねらいを先に押さえると整理が早くなります。砂は水分量で性質が変わり、さらさら・しっとり・どろどろと感触が連続的に変化します。子どもはその変化を手のひら全体や指先で確かめながら、自分で調整して“ちょうどよさ”を見つけていきます(感覚の統合・素材理解の芽)。
年齢ごとの見立てで整理すると、活動の見取りが揃いやすいです。0~1歳は「触れる・落とす・握る・こぼす」といった反復が中心になり、2~3歳は砂を食べ物に見立てたり店屋さんごっこに広がったりします。4~5歳は友だちとイメージを共有し、川・池・城・道路など構造物を作り、役割分担しながら発展しやすくなります。
ねらいの例(園内で共有しやすい書き方)を、箇条書きでまとめます。
- 感触:砂や水を触って、性質の違いに気付く(さらさら・湿り・泥)。
- 想像:見立て遊びで、イメージを言葉や形で表現する(ご飯・ケーキ・ジュース等)。
- 協同:友だちと関わり、作る・直す・相談する経験を積む(山・川・トンネル等)。
砂場遊びの環境構成:道具・素材・水で遊びを広げる
砂場遊びは「道具の数と種類」で、けんかの起こりやすさと遊びの深まりが変わります。特に低年齢では、スコップやカップが足りないだけで取り合いになりやすいので、人数に対して“余るくらい”の量を用意すると安定します。 そのうえで、同じスコップでも大きさ・硬さが違うものを混ぜると、子どもが自分で選び、使い分ける場面が増えます(選択と工夫が見える)。
素材の追加は「園庭の自然物」が効きます。葉っぱ・木の実・小枝などを“おままごとに使える材料”として置くと、砂が料理になり、物語が生まれます。 砂だけだと「作って終わり」になりがちですが、素材があると“飾る・並べる・売る・渡す”が起き、関わりが増えます。
水の扱いは、遊びを一段深める強力なスイッチです。ジョウロで少しずつ湿らせると山が崩れにくくなり、トンネルや城など立体に挑戦しやすくなります。 さらに4~5歳では、水を流して川・池を作る活動にすると、流れ・溜まり・崩れの因果が見え、試行錯誤が自然に起こります。
砂場遊びの安全:目・口・異物を守るルールと見守り
砂場で起きやすい事故は「目」と「口」と「異物」です。砂を投げる、スコップが当たる、穴掘りで後ろに砂が飛ぶなどで目に入ると危険なので、遊ぶ前に短い約束を全員に揃えて伝えます(例:「砂は下に落とす」「友だちの顔の近くでは道具を振らない」)。
乳児・低年齢では、砂を口に入れるリスクが高いので、開始の目安や体勢にも配慮します。例えば0歳は「座れるようになってから」を一つの目安にし、必ず至近距離で見守ることが大切だとされています。 ごっこ遊びが盛り上がる年齢でも、“食べるふり”の勢いで砂が口に入ることがあるため、声かけは継続します。
異物については、毎回の「開始前チェック」を形式化すると事故が減ります。園庭の砂場でも、鋭利物・小さなゴミ・危険物の目視確認を行うことが勧められています。 公園の砂場を使う場合は利用者が多く状況が読みにくいため、事前に職員が確認してから子どもを入れる段取りにすると、現場が慌てません。
砂場遊びの衛生:手洗い・猫・シート・日光の基本
砂場は、猫など動物の糞便等が由来の寄生虫や大腸菌等で汚染されていることがあり、遊んだ後は石けんと流水でしっかり手洗いをすることが重要だと示されています。 ここは「砂場遊び=手洗いまでが活動」として、子どもにも分かるルーティンにしておくと、声かけが減っても回りやすいです。
園の環境側の対策としては、動物ができるだけ入らない構造、夜間はシートで覆う、糞便・尿があれば速やかに除去する、そして砂を定期的に掘り起こして日光に当てることが挙げられています。 特に「定期的に掘り起こして日光に当てる」は、砂の“表面だけ”を乾かすのではなく“全体”を扱う発想で、担当者が変わっても続けやすいルール化が必要です。
参考)https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/supoken/doc/studiesreports/2001_2020/H2602.pdf
意外に見落としやすいのが「砂場に消毒剤を使わない」という注意です。感染対策資料では、砂全体を日光に当てることとあわせて、砂場での消毒剤使用は行わない旨が示されています。 砂は子どもの皮膚に長く触れる素材なので、衛生管理は“薬剤頼み”より、侵入防止・除去・日光・手洗いの組み合わせで組み立てるのが現実的です。
砂場の衛生・消毒の考え方(砂場の管理方針の根拠)。
厚生労働省「別添2 保育所における消毒の種類と方法」:砂場(猫の侵入防止、糞便除去、手洗い、掘り起こして陽に干す)など、園内の衛生管理を具体的に整理できます。
砂場遊びの独自視点:泥団子で「乾く」時間を遊びにする
砂場遊びを“その日限り”で終わらせず、保育園の遊びとして深める独自の切り口に「乾く時間」を取り入れる方法があります。代表例が泥団子(特にピカピカ泥団子)で、ふるいにかけた砂を使い、適度に乾燥させながら磨く工程が含まれます。 この工程は、短時間で結果が出にくいぶん、子どもが「今日はここまで」「明日続きをやる」という見通しを持ちやすく、継続活動の芽になります。
泥団子は、うまくいかない原因が“水分量”や“粒の粗さ”に紐づくため、保育者の援助も「答えを言う」より「条件を一緒に整える」方向へ移りやすいです。例えば、砂が湿りすぎたら乾かす時間を作る、乾きすぎたら少しだけ霧吹きで調整する、磨く布の素材を変えるなど、環境の微調整がそのまま学びになります。 いわゆる工作よりも材料が身近なので、「失敗してもまた作れる」安心感があり、挑戦が続きやすい点も利点です。
現場で使える“遊びの流れ”の例(表でそのまま共有しやすくします)。
| 段階 | 子どもの姿 | 保育者の援助(例) |
|---|---|---|
| つくる | 丸める、崩れる、また丸める | 「どのくらいの水で固まる?」と一緒に試す(量を言い切らない) |
| 乾かす | 触りたくなる、割れやすい | 置き場所を決め、触ってよいもの・だめなものを視覚化する(名前カード等) |
| 磨く | 変化に気付く、集中する | 布(ストッキング等)で磨く方法を提示し、子どもの工夫を拾って共有する |
遊びアイデア(ねらいに合わせて選びやすい参考)。
保育IS「砂遊び・泥遊びのアイデア6選」:宝探し・トンネル・泥団子・川づくり等の遊び方と年齢の目安、注意点を具体例で確認できます。

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