スキップの歌を保育園で活かす選び方と指導のコツ

スキップの歌を保育園で活かす選び方と指導のコツ

スキップが「できる・できない」は、子どもの発達を見極める重要なサインになります。

この記事でわかること
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保育園で使えるスキップの歌の代表曲

「スキップキップ」「スキップ(新沢としひこ)」など年齢・場面別の選び方を解説します。

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スキップと脳・発達の深い関係

6歳までにスキップを通じた運動神経・脳中枢神経の発達を促す科学的な根拠を紹介します。

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保育士が現場で使える指導のポイント

スキップができない子への対応策や、ピアノ伴奏のコツ、楽譜の入手方法まで網羅します。


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スキップの歌とは?保育園での代表的な2曲を知ろう

 

保育園でスキップの歌といえば、大きく分けて2つの代表曲があります。どちらも「スキップ」という動きとセットで活用されていますが、使い方や対象年齢が少し異なります。まずはそれぞれの特徴を押さえておきましょう。

1つ目は、まど・みちお作詞/渡辺茂作曲「スキップキップ」です。「スキップキップ きっぷは いらない チョンチョンチョン」という歌詞でおなじみの、保育現場では定番中の定番。リズムがシンプルで、「チョン」のタイミングでジャンプをしたり、友達と向き合って手をつないでスキップをしたりと、遊び方のバリエーションが豊富です。「こどものうた200」にも収録されており、保育士試験でもなじみの深い曲です。

2つ目は、新沢としひこ作詞/中川ひろたか作曲「スキップ」です。「ぼくについておいでよ まちへ さあ でかけよう 心がむずむず おどりだしたいのさ ラララ スキップ」という歌詞が特徴的で、4〜5歳児クラスの生活発表会や日常のリズム遊びで広く使われています。新沢・中川コンビは「にじ」「世界中のこどもたちが」などの保育の定番曲を多数手がけており、この「スキップ」も保育現場での信頼が厚い1曲です。

これが基本です。2曲の違いを把握したうえで、クラスや場面に応じて使い分けることが大切です。

また、リトミックさくらさくらんぼリズム運動では、メロディーのついた童謡ではなく「静かな湖畔(カッコウ)」のピアノ伴奏をスキップに使う場合もあります。軽やかな3拍子のリズムがスキップの動きにぴったり合うため、律動・リトミックの場面で重宝されています。

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スキップの歌が保育園で果たす役割と発達上のねらい

スキップの歌を保育に取り入れることは、「楽しいから歌う」という以上の意味を持っています。重要なのは、スキップという動きそのものが、子どもの神経発達と深く結びついているという点です。

スキップは「右足でケンケン→左足へ体重移動」を左右交互に繰り返す動作です。これは、左右の脳を交互に切り替えながら連携させる「交差性協調運動」の一種で、脳中枢神経の発達に直接働きかけます。故・斎藤公子先生が提唱した「さくらさくらんぼリズム」においても、スキップは「汽車」「ギャロップ」と並ぶ高度なリズム運動として位置づけられており、全国500か所以上の保育園・幼稚園で取り入れられています。

斎藤公子先生は著書の中で「就学前の6年間は脳中枢神経が最も発達する時期であり、6歳頃までに大人の約90%に達する」と述べています。つまり、保育の現場でスキップの歌を活用して動きを促すことは、就学準備としての脳発達支援に直結しているのです。

つまり、スキップは運動能力の問題ではなく、脳と神経の発達を確認する指標です。

保育所保育指針の「表現」領域では、歌や音楽に触れることで「想像力を高め、自己表現を学ぶ」ことがねらいとされています。スキップの歌はその点でも理想的な教材で、歌詞の世界観をイメージしながら体で表現するという、知育・体育を同時に実現できます。

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スキップの歌を選ぶときの年齢別ポイント

スキップの歌は「保育で使えそうな曲だから」だけで選んではいけません。子どもの発達段階に合っていない曲を選んでしまうと、せっかくの活動が苦手意識につながってしまうリスクがあります。

3歳児クラス(3〜4歳)では、まだスキップの動作そのものが完成していない子が多い時期です。「遠城寺式乳幼児分析的発達検査」によれば、スキップができるようになる目安は5歳頃とされており、3歳では片足立ちやケンケンが発達の前段階にあたります。この時期には動きを強制するより、スキップキップのような短くリズムが単純な曲で「跳ぶことの楽しさ」を体験させることが優先です。歌詞より音とリズムに親しむことを意識しましょう。

4歳児クラス(4〜5歳)になると、スキップらしい動きが見え始めます。この段階では「スキップキップ」で2人組になって手をつなぎながら動く、目と目を合わせるといった応用遊びが効果的です。音楽のテンポに合わせて動きを変える練習を積み重ねることで、リズム感と協調性が同時に育まれます。

5歳児クラス(5〜6歳)では、「スキップ(新沢としひこ)」のような歌詞の豊かな曲が活きてきます。歌詞の情景をイメージしながらスキップする、生活発表会でスキップを使った表現運動に取り組む、といった発展的な活動が可能になります。この時期にスキップがうまくできない場合も、まず「他の動き(走る・ジャンプ・ケンケン)に問題がないか」を確認することが大切です。

年齢に合っていれば問題ありません。選曲の判断基準は「声域の広さ」「歌詞の理解度」「動きの複雑さ」の3つです。

スキップの歌の楽譜と著作権:保育士が知っておくべきこと

保育士として楽譜を使うとき、著作権の問題は避けて通れません。これを知らずにいると、思わぬトラブルにつながる場合があります。

「スキップキップ」(まど・みちお作詞/渡辺茂作曲)については、市販の弾き歌い楽譜(piascore、mucome、at-eliseなど)で購入可能です。保育での使用には個人・教育目的の範囲内であれば問題ないケースが多いですが、SNSへの演奏動画投稿は別途権利処理が必要です。piascoreでは「すきっぷきっぷ」のピアノ弾き語り楽譜がダウンロード販売されており、初〜中級向けで1ページに収まっているため実用的です。

「スキップ」(新沢としひこ作詞/中川ひろたか作曲)も現在著作権が存続しており、歌詞の無断掲載は認められていません。YouTubeの公式チャンネルで音源を確認しながら使用するのが安全な方法です。

一方、「静かな湖畔」をスキップのピアノ伴奏として使う場合は、作曲者が不明(ドイツ民謡もしくはイギリス民謡)のため著作権はすでに消滅しています。無料楽譜サイトで配布されているものを保育に使用しても問題ありません。「保育でラララ♪」では、このスキップ用の楽譜が無料公開されており、ピアノ初心者でも弾きやすいアレンジになっています。これは使えそうです。

楽譜を入手する際は「保育・教育目的か」「SNSに上げるか」の2点を必ず確認してください。目的と利用範囲が条件です。

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スキップができない子への保育士の関わり方【独自視点】

保育士が「スキップの歌」を歌って動きを促した場面で、「あの子だけできていない」という状況に出くわすことは珍しくありません。しかし、この場面での関わり方を間違えると、その子の運動への苦手意識を一気に強化してしまいます。

スキップができない主な理由は大きく3つに分類されます。①単に経験と練習の不足、②体幹・バランスの弱さ、③発達性協調運動障害(DCD)の可能性です。DCDは厚生労働省も支援マニュアルを公開しているほど認知が進んでいる概念で、縄跳びやスキップができないなどの運動の苦手さと、お箸・鉛筆が使いにくいなどの微細運動の問題が重なって現れます。スキップだけを問題視するのは危険です。

では保育士はどう動けばいいのでしょうか。まず確認すべきは「走る・ジャンプ・片足立ちに大きな困難がないか」という点です。これらに問題がなく、スキップだけができていない場合は、経験不足の段階と見て、次のようなアプローチが有効です。

  • ピアノ伴奏のテンポを落とす:スキップの歌を弾くとき、できない子に合わせてテンポをゆっくりにする
  • 「ケンケン・パ」の掛け声で動きを分解して教える:左足ケンケン→右足へ、の繰り返しを言葉のリズムに乗せる
  • 手をつないで一緒に動く:保育士がペアになることで、体のリズムが感覚として伝わりやすくなる

一方、「走り方がぎこちない」「段差でつまずく頻度が多い」「箸やハサミの扱いにも苦手さがある」など複数の困難が重なる場合は、発達支援の専門家への相談も視野に入れる必要があります。

厳しいところですね。しかし、早めの気づきが子どもを守ります。

保育士として大切なのは「みんなと同じようにスキップをさせる」という目標ではなく、「その子なりの体の動かし方の楽しさを引き出す」という視点に切り替えることです。歌のテンポを自在に操れるのは、録音音源にはできない保育士の強みです。スキップの歌を通じて、すべての子が「動くことが楽しい」と感じられる場をつくることが、保育の本質に近いと言えます。

発達性協調運動障害(DCD)支援マニュアル(厚生労働省)- DCDの特徴・判断のサイン・支援の方向性について公式資料として参照できます

シャンテ~キミの歌がとどいたら#~