卒園ソングと保育園と卒園式の歌

卒園ソング 保育園 卒園式

卒園ソングを卒園式で成功させる要点
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選曲は「テーマ・歌いやすさ・歌詞」で決める

感動系/振り返り/感謝/前向きなど式の狙いを先に決めると、曲が絞りやすくなります(例:思い出を振り返る歌詞、ありがとうが入る歌詞)。

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練習は「思い出の共有」から入る

写真や動画で園生活を振り返ってから歌うと、言葉の意味が体験と結びつき、表情や声に自然な説得力が出ます。

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歌詞・楽譜・DVDは著作権の確認が必須

式典で流す・演奏する・コピーする・文集に載せる・記念DVDにする・ネット公開する、で手続き要否が変わります。

卒園ソングの選曲ポイントと歌詞

 

卒園式の曲選びは「どんな式にしたいか(テーマ)」を先に決めると、候補が一気に整理できます。たとえば「感謝を伝える式」「小学校へ前向きに送り出す式」「園生活を振り返る式」など、ゴールを言葉にしておく方法です。卒園式は園ごとに空気が違うので、“良い曲”より“その園の一年を語れる曲”のほうが結果的に保護者に刺さります。

次に大切なのが、子どもたちが「歌いやすい」ことです。音域の上下が激しい曲、言葉が難しい曲は、練習時間が限られると崩れやすく、当日の緊張で声が出にくくなります。選曲時は、サビの最高音・最低音を実際に子どもが出せるか、早めに確認しておくと安心です。

そして「歌詞の魅力」。卒園ソングの王道は、園生活の具体的な情景(転ぶ、けんかする、笑う、泣く、遊ぶ)が入っている歌詞です。情景が具体的だと、子どもは思い出を思い浮かべやすく、歌が“自分の話”になります。卒園ソングの中には施設名を言い換えやすいものもあり、「ほいくえん/ようちえん/こどもえん」など園に合わせて歌える点が支持されやすいです。

参考:卒園ソングの選び方(テーマ・歌いやすさ・歌詞の観点)

卒園式で歌いたい名曲30選!おすすめ卒園ソングをテーマ別に紹…

卒園ソングの定番とランキング

「何を歌うか迷ったら定番から」の考え方は、卒園式ではかなり合理的です。定番曲は保護者側にも記憶があり、歌い出し数秒で感情が動くケースが多いからです。さらに在園児・卒園児・職員の誰が歌っても成立しやすい構造(繰り返しが多い、言葉が分かりやすい)を持っていることも多いです。

現役保育者アンケートのランキングでは、「さよならぼくたちのほいくえん・ようちえん」が1位として紹介されています。上位には「おおきくなったよ」「ね」「ビリーブ」「ありがとうこころをこめて」「こころのねっこ」「はじめの一歩」「たいせつなともだち」「思い出のアルバム」などが並び、定番と新定番が混ざる印象です。園のカラーに合わせて「しっとり一本」か「しっとり+明るい曲で締める」かを決めておくと、全体の構成が作りやすくなります。

また、同じ曲でも“どこで泣かせるか”が園によって違います。たとえば歌の前に子どもの一言を入れて感情を乗せる園もあれば、歌に集中して、最後に担任から短いメッセージで締める園もあります。曲そのものだけでなく、式の流れの中で曲をどう置くかも、卒園ソングの効果を左右します。

参考:現役保育者アンケートの卒園ソングランキングと選曲ポイント

おすすめ卒園ソング28選|人気ランキング・選曲ポイントを解説|保育士・幼稚園教諭のための情報メディア【ほいくis/ほいくいず】
年度末3月の卒園式に向けて、卒園ソングとしておすすめの28曲を詳しく紹介します。また、現役保育者へのアンケート調査による人気曲のランキングからベスト10を紹介。選曲のポイントと合わせて、卒園ソング選びに役立つ情報をまとめました。

卒園ソングの練習と卒園式

卒園式の歌練習は、音程やリズムより先に「気持ちの行き先」を作ると、短期間でもまとまりやすいです。具体的には、練習初日に「この歌は誰に届ける?(家族?先生?友だち?未来の自分?)」を子どもと一緒に言葉にします。言葉にした瞬間から、歌は“課題”ではなく“伝える活動”になります。

練習の流れは、次の順番が崩れにくいです。

  • ①BGMとして日常に流し、耳を慣らす(活動の邪魔にならない音量)
  • ②写真・動画・行事の振り返りで歌詞の情景を結びつける
  • ③短いフレーズで「息の位置」「語尾」「言葉のそろえ方」を整える
  • ④立ち位置・目線・お辞儀など当日の所作をセットで練習する

意外に効くのが「語尾の統一」です。卒園ソングはバラード調が多く、語尾が消えると一気に弱く聞こえます。大声でなくてよいので、語尾の母音をそろえて、最後まで“言葉として届ける”意識にすると、感動の質が上がります。

参考:練習時に「園生活を振り返る」「気持ちを届けたい人を思い浮かべる」などのポイント

卒園式で歌いたい名曲30選!おすすめ卒園ソングをテーマ別に紹…

卒園ソングの著作権と歌詞

卒園ソングは“歌うだけ”なら問題が少ない一方で、歌詞や楽譜を配ったり、映像に入れて配布したり、ネット公開したりすると、著作権・著作隣接権が絡んできます。特に「卒園文集に歌詞や楽譜を掲載する」「記念DVDを制作して配る」「式の動画をブログや動画サイトに載せる」は注意が必要です。

JASRACの案内では、卒業文集に歌詞や楽譜を掲載する場合でも、一定条件を満たすと「引用」として許諾がいらないケースがある、と整理されています。引用が認められる条件として、引用部分の明確な区分、本文が主で引用が従の関係、出所の明示などが挙げられています。逆に言うと、「ただ歌詞を全文載せる」は引用として成立しにくいので、園だよりや文集に載せたいときほど慎重に運用したいところです。

さらに、卒園式の映像をネットに公開する場合は、背景音楽に市販CDを使うとレコード会社や演奏者などの了解も必要になる、といった注意点も示されています。保育園の広報や保護者会制作の動画ほど、善意でやりがちな領域なので、事前に「公開範囲」「音源の種類」「申請要否」を確認しておくと安全です。

参考:入学式・卒業式での音楽利用(コピー、文集、DVD、ネット公開の手続き要否)

入学式・卒業式 | 学校で音楽を使うときには | ジャスラの音楽著作権レポート(JASRAC PARK)
オリジナルキャラクターの「ジャスラ」と一緒に著作権(ちょさくけん)やJASRAC(ジャスラック)について楽しく学ぼう!

卒園ソングの保育園と卒園式:独自視点(クラスの音)

検索上位の多くは「人気曲紹介」「ランキング」「泣ける定番」に寄りますが、現場で差が出るのは“クラスの音(クラスの歌い方)”をどう作るかです。同じ卒園ソングでも、言葉の意味がクラスの出来事と結びついたとき、歌は急に立体的になります。そこで、曲選びや練習と同時に「このクラスの一年を象徴する言葉」を3つ決めて、歌に重ねる方法が有効です。

たとえば「できた」「まけない」「ありがとう」など短い言葉を、日常の保育の中で繰り返し使い、歌の中でも同じ言葉が出てくる箇所に印を付けます。すると子どもは、歌詞を丸暗記するのではなく、“自分たちの言葉が出てくる歌”として歌えるようになります。これは泣かせるためのテクニックではなく、子どもが自分の成長を言葉で持ち帰るための設計です。

もう一つの独自視点は、卒園式を「別れ」だけで終わらせないことです。卒園ソングの最後の一行(また会おう、忘れない、これから)を、子どもが“未来の予定”として理解できるようにすると、涙だけでなく前向きな空気が残ります。具体例としては、歌の後に「小学校に行ったらやってみたいこと」を一言で言う、在園児へ「引き継ぎ」をする、などが現実的です。

最後に注意点として、歌詞の全文掲載や配布物への転記は、著作権の観点で運用が変わるため、園内ルール(職員間の共通理解)を先に作ると、準備がスムーズになります。式の成功は、当日の歌声だけでなく、準備過程で“安心して進められる状態”を作れるかにもかかっています。


なみだとえがおの卒園ソングベスト~泣きたい気持ち笑いたい気持ち/ちきゅうのシンフォニー~