ソナタの意味と韓国のドラマ「冬のソナタ」原題との違いを解説
「ソナタ」の意味を聞かれたとき、音楽のことと答えるのは半分だけ正しい。
ソナタの意味はイタリア語「鳴り響く」が語源
「ソナタ」という言葉は、イタリア語の動詞「sonare(ソナーレ)」、つまり「鳴り響く・演奏する」が語源です。 直訳すると「楽器によって演奏されたもの」という意味になります。wikipedia+1
カンタータ(cantata)という言葉と対になる言葉です。 カンタータが「歌う(cantare)」に由来する声楽曲であるのに対し、ソナタは歌を含まない器楽曲を指します。 つまり「声で歌う曲 = カンタータ」、「楽器で演奏する曲 = ソナタ」という対置関係が成り立っているわけです。ontomo-mag+1
ソナタという言葉が題名として初めて使われたのは、1561年にジャコモ・ゴルツァニスが作曲した《リュート曲集第1集》とされています。 当時はまだ「楽器で演奏される曲全般」を漠然と指す言葉でした。その後、モーツァルトやベートーヴェンが活躍した古典派の時代に、「ソナタ形式」という具体的な楽曲構成として確立されました。wikipedia+1
日本語では「奏鳴曲(そうめいきょく)」と訳されることもあります。 ただし日常会話では「ソナタ」というカタカナ表記のほうが圧倒的に定着しています。これは知っておくといいですね。
参考)ソナタの意味とは?韓国と関係が?訳は「あなた」でフランス語な…
ソナタの韓国語表記と「冬のソナタ」タイトルの真実
韓国語でもソナタは「소나타(ソナタ)」と表記します。 外来語をそのまま音写した形で、イタリア語由来の音楽用語として韓国でも広く使われています。
では「冬のソナタ」という有名な韓国ドラマは、なぜ「ソナタ」という名前がついているのでしょう?
実は、日本で知られるタイトルと韓国の原題は全く別の意味を持っています。 原題は「겨울연가(キョウルヨンガ)」で、直訳すると「冬の恋歌」です。 겨울(キョウル)が「冬」、연가(ヨンガ)は漢字語の「戀歌(恋歌)」を意味します。wikipedia+2
「恋歌」を「love song」と訳してしまうとニュアンスが異なってしまうため、NHKが海外輸出する際に「冬のソナタ」という題名に変更したとされています。 意外ですね。つまり「ソナタ」という言葉は原題には存在せず、日本版タイトルのオリジナルアレンジだったわけです。
台湾での中国語タイトルは「冬季戀歌」と原題に忠実な直訳になっており、英語版は「Winter Sonata」と日本語タイトルの流れを汲む形になっています。
参考)冬のソナタ(ふゆのソナタ)とは何? わかりやすく解説 Web…
以下のページでは「冬のソナタ」の韓国語原題や会話例文を詳しく確認できます。
韓国語で「冬のソナタ」は何という? – ネイティブ発音・会話例文つき|K-PLAZA
ソナタ形式の仕組みと「起承転結」の音楽的ストーリー
ソナタとソナタ形式は別の概念です。これが混同されやすいポイントです。
「ソナタ」は楽曲のジャンル(器楽曲の一形式)のことで、3〜4つの楽章から成ります。 一方「ソナタ形式」はその中の1つの楽章内で使われる、楽曲を構成する「型」のことを指します。kids.gakken+1
ソナタ形式の構造は、序奏・提示部・展開部・再現部・結尾部から成ります。 提示部で2つの対照的なテーマ(主題)が登場し、展開部でそのテーマが変形・発展し、再現部で元の主題が戻ってくるという流れです。 小説や映画で言えば「起承転結」にあたる、ドラマチックな構成です。harmonia-library+1
楽曲にストーリーを生み出すためにある、というのが原則です。 たとえばベートーヴェンのピアノソナタ第23番《熱情》は、この構造の教科書的な例として有名です。
参考)ソナタ形式とは?転調と主題に着目すれば音楽のストーリーがわか…
保育の場で子どもたちにクラシックを聴かせる際、「最初に出てきたメロディがまた戻ってくるよ」と一言伝えるだけで、子どもの集中力が変わります。これは使えそうです。
以下のページにソナタ形式を映画・小説にたとえてわかりやすく解説した記事があります。
ソナタ形式とは?転調と主題に着目すれば音楽のストーリーがわかる|Harmonia Library
ソナタと保育の現場:音楽教育での活用ポイント
「ソナタ」という言葉は、保育士にとって意外なほど身近なところに登場します。楽器演奏の発表会や音楽あそびの場で耳にすることも少なくありません。
ソナチネ(sonatine)という言葉を聞いたことはありますか?
ソナチネはイタリア語で「小さなソナタ」という意味です。 ソナタより規模が小さく、演奏難易度も低めのため、ピアノ学習の入門曲として幼稚園児や小学生によく使われます。 実際に欧米の名教師が幼稚園児にクレメンティのソナチネ Op.36 No.1を教える様子が動画で公開されており、子どもへのアプローチ方法として保育士にとっても参考になります。
🎵 保育現場でのソナタ・ソナチネの活用例。
- 発表会のピアノ独奏曲の選定(ソナチネは難易度の目安になる)
- クラシック音楽を聴かせる際の「構成解説トーク」の参考に
- 「冬のソナタ」主題歌「最初から今まで」を季節の音楽として活用
- 子どもに「楽器で演奏する曲をソナタという」と教える音楽語彙のひとつに
ヤマハ音楽財団の研究によると、子どもの作業効率を最も上げたBGMは、モーツァルトではなく童謡を「歌う・聴く」ことだったという結果が出ています。 クラシックの知識を活かしつつ、保育の場では童謡や親しみやすい曲とバランスよく組み合わせることが重要です。
参考)集中力や想像力もアップ!? 子どもの作業効率を上げるBGMは…
集中力や想像力もアップ!?子どもの作業効率を上げるBGMはどんな音楽?|ヤマハ音楽財団
ソナタ・韓国語・保育現場をつなぐ独自視点:「音楽語彙」を子どもと共有する意義
「ソナタって何?」と子どもに聞かれたとき、答えられる保育士は実は少数派です。
音楽用語を「知っている大人」がそばにいるだけで、子どもの音楽体験の深さが変わります。 「ソナタはね、楽器だけで演奏する曲のことだよ。歌がない分、音だけでお話を作るんだよ」という一言で、子どもが音楽に向ける聴き方が変わります。
🎵 「ソナタ」を子どもに伝えるときの3ステップ。
- 「楽器で演奏する曲をソナタというよ」と語源レベルで簡単に説明する
- 「最初に出てきたメロディがまた戻ってくるかな?」と聴き方のヒントを出す
- 「冬のソナタって知ってる?韓国のドラマの歌だよ」と身近な例を出す
韓国語でソナタを「소나타(ソナタ)」と書くように、音楽用語は国境を越えて共通の言葉として機能しています。 保育士が「音楽の言葉」を自然に使うことで、子どもの語彙と感性が同時に育まれます。日本・韓国・イタリア、それぞれの文化で同じ音楽の概念が使われていることを子どもに伝えれば、文化的多様性への関心にもつながります。
これが条件です。音楽語彙を持った保育士かどうか、が子どもの音楽体験の質を左右します。


