背くらべの意味と由来から保育での活用

背くらべの由来と意味

「おととし」は作詞者が2年間帰省できなかった事実を表しています。

この記事のポイント
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作詞者の想い

海野厚が2年間帰省できず、弟を想って書いた切ない童謡

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保育での活用

端午の節句の由来や伝統文化を子どもに伝える教材として最適

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歌詞の真実

「昨年」ではなく「おととし」の柱の傷に隠された意味

背くらべの童謡が生まれた背景

 

「背くらべ」は大正8年(1919年)に海野厚が作詞し、中山晋平が作曲した童謡です。この歌は5月5日の端午の節句に、兄が弟の背丈を柱で測る様子を描いています。jouhouiroiro+1

作詞者の海野厚は雑誌「海国少年」の編集長を務めていましたが、仕事のため2年間も故郷に帰省できませんでした。

その切ない想いが歌詞に込められています。

参考)背くらべ 歌詞の意味 柱のきずは おととしの 童謡・唱歌

「柱のきずはおととしの」という歌詞には、昨年は測れなかったという事実が反映されているのです。つまり、これは弟の成長を見守れなかった兄の視点から書かれた歌なんですね。

海野は後に結核のため28歳の若さで亡くなっており、この歌には家族への深い愛情が表現されています。保育士としてこの背景を知ると、歌の見方が変わってきます。

背くらべの歌詞に込められた意味

「やっと羽織の紐のたけ」という表現は、2年前の弟の身長を示しています。「たけ」は人の身長や衣類の縦方向の長さを指す言葉です。nazenani-komichi+1

この歌詞は、おととしの柱の傷を見て「あの時はやっと兄さんの羽織の紐の丈だったんだ」と懐かしむ様子を描いているんです。現在の自分の背丈ではなく、過去の思い出を振り返っているということですね。

参考)背くらべ: 二木紘三のうた物語

「昨日比べりゃ何のこと」は、昨日おととしの傷と今の背丈を比べたら大したことなかった、という意味合いです。2年間で大きく成長したことを実感している場面が表現されています。

参考)【童謡】「背くらべ」の全歌詞と意味!「柱のきずはおととしの~…

歌詞全体を通して、家族の絆と子どもの成長を喜ぶ気持ちが伝わってきます。

これは保育現場でも大切にしたいテーマです。

端午の節句と背くらべの風習の由来

端午の節句は元々、5月最初の午の日を指していました。「端」は「始め・最初」という意味で、「午」と「五」の発音が同じ「ウー」だったことから5月5日になったんです。

参考)端午 – Wikipedia

鎌倉時代から「菖蒲」が「尚武」と同じ読みであること、菖蒲の葉が剣の形を連想させることから、男の子の節句とされました。男の子の成長を祝い健康を祈る行事として定着したということですね。

柱に背丈の傷をつける風習は、子どもの成長記録として古くから行われてきました。しかし現代では住宅事情の変化により、この風習も薄れています。

参考)校長室から – 市川市立平田小学校

保育園では、この伝統文化を子どもたちに伝える貴重な機会になります。日本の暦の区切りに行う行事として、季節の移り変わりへの関心を育てることができるんです。

参考)こどもの日(5月5日)の由来と伝え方|おすすめの活動アイデア…

背くらべの歌詞で誤解されやすいポイント

多くの人が「おととし」の部分を不思議に思います。

なぜ「昨年」ではないのかという疑問です。

この謎を解くカギは、作詞者の海野厚が2年間帰省できなかったという経歴にあります。つまり歌詞は、離れて暮らす兄が弟の成長を気にかける気持ちを表現しているんです。

「やっと羽織の紐のたけ」も誤解されやすい表現です。これは現在の背丈を言っているのではなく、おととしの記録を振り返っている表現なんですね。duarbo.air-nifty+1

保育士がこの歌を子どもに教える際は、シンプルに「お兄さんが弟の背を測ってあげる優しい歌」として伝えれば十分です。複雑な背景は保育士の知識として持っておくことが大切です。

童謡「背くらべ」の歌詞解説と音楽的背景について詳しく知りたい方はこちら

保育現場での背くらべ活用の独自アイデア

「背くらべ」は単なる童謡ではなく、子どもの成長を可視化する教材として活用できます。身体測定の前後に歌うことで、自分の成長への興味を引き出せるんです。

製作活動と組み合わせる方法も効果的です。画用紙で身長計を作り、子どもたち同士で背比べする活動を取り入れてみましょう。友達との比較を通して、高さや長さの概念に触れることができます。

参考)11月の主となるテーマ「大きさ」 – 大阪市都島区 なのはな…

端午の節句の行事では、こいのぼり製作や行事食と一緒にこの歌を歌うことで、日本の伝統文化への親しみを深められます。暦の区切りに行う行事として、季節の移り変わりについて関心を持つねらいも達成できます。

参観日や発表会での活動にも適しています。保護者の前で歌うことで、家庭でもこの歌が共有され、親子のコミュニケーションツールになります。

参考)https://tryt-worker.jp/column/hoikushi/detail/ho591/

家庭との連携が保育の質を高めます。取り入れているわらべうたや童謡は各家庭にも周知することが推奨されているんです。

背くらべを使った年齢別の保育活動例

0歳児クラスでは、保育者が抱っこしながらゆっくり歌ってあげるだけで十分です。テンポに合わせて体を揺らす活動として取り入れられます。

参考)https://shirafuji.ac.jp/shirafuji_gakuin/wp-content/uploads/2023/04/202003sugiyama.pdf

1~2歳児では、手遊びと組み合わせて楽しめます。保育者の動きを真似る段階なので、簡単な振り付けをつけて歌うといいですね。shirafuji+1

3~4歳児になると、歌詞の意味を少しずつ理解できるようになります。「お兄さんが背を測ってくれるんだよ」と説明しながら歌いましょう。実際に背比べ遊びを取り入れると、体験と歌が結びつきます。

5歳児クラスでは、端午の節句の由来と一緒に教えることができます。「昔は5月5日に柱で背の高さを測る風習があったんだよ」と伝えると、歴史や文化への興味が広がるんです。

朝の会での毎日の歌遊びや、設定保育での取り組み、自由遊びのさりげない触れ合いなど、様々な場面で活用できます。日常的に取り入れることで親しみを持ってもらえます。

背くらべを歌う際の保育上の注意点

身体測定や背比べ活動では、子ども同士の比較に配慮が必要です。「大きい方が良い」という価値観を植え付けないよう注意しましょう。

発達の個人差は大きいものです。背の高さは個性の一つであり、優劣ではないことを保育士が理解しておく必要があります。

背比べ遊びをする際は、安全に配慮して触れ合いをおこなってください。勢いよく背中合わせになって転倒するリスクもあるんです。

子どもの要望に答えて何度も繰り返すことは良いことですが、特定の子だけが主役にならないよう全員が楽しめる工夫をしましょう。不適切保育にならないよう、子どもの人権を侵害しない言葉がけが大切です。tobira.hoikupass+1

「○○ちゃんは小さいね」などの直接的な表現は避け、「みんなそれぞれ違って素敵だね」という肯定的な声かけを心がけます。比較ではなく、一人ひとりの成長を認める姿勢が基本です。

こどもの日(端午の節句)の保育活動アイデアをもっと知りたい方はこちら

背くらべと一緒に教えたい童謡と活動

「背くらべ」と同じ端午の節句をテーマにした童謡として「こいのぼり」があります。2曲を組み合わせることで、5月の行事をより深く理解できます。

参考)5月の保育|行事とおすすめ活動アイデア・製作・遊び・歌・絵本…

中山晋平が作曲した他の童謡も一緒に紹介すると良いでしょう。「しゃぼん玉」や「あめふり」など、親しみやすい曲が多いんです。同じ作曲家の作品として紹介することで、音楽的なつながりを感じられます。

身長や大きさをテーマにした絵本と組み合わせる方法も効果的です。11月のテーマとして「大きさ」を取り上げ、友達と背比べや髪の毛の長さ比べを楽しむ活動も提案されています。

パートナーソングという手法で、異なる2曲を同時に歌唱する活動もあります。レクリエーションとして盛り上がり、練習のしやすさもポイントです。

参考)【パートナーソング】異なる2曲を同時に歌唱!童謡唱歌&最新曲

わらべうたと童謡を組み合わせることで、古くから歌い継がれてきた伝承遊びを味わう経験になります。同じリズムを繰り返すことで思考力を育むねらいも達成できるんです。

背くらべから広がる保育の可能性

この歌を通して、家族の絆や兄弟愛について子どもと対話できます。「お兄さんが弟を大切に思っているんだね」という気づきを促すことができるんです。

成長の喜びを共有する機会としても活用できます。4月と5月、または年度始めと年度末で身長を比較し、成長を実感させる活動が考えられます。

保護者との連携ツールとしても優れています。家庭で身長を測る際にこの歌を歌ってもらうよう提案すると、親子のコミュニケーションが深まります。

日本の伝統文化を伝える入口として「背くらべ」は最適です。こどもの日の由来を知り、日本の伝統的な文化に触れて親しむねらいを設定できます。

発声しやすい曲調なので、音楽活動の基礎としても使えます。ヨナ抜き音階が使われており、日本人にとって親しみやすいメロディーなんです。tsurumi-u.repo.nii+1

雑誌「海国少年」で活躍した海野厚の他の作品も調べてみると、保育の引き出しが増えます。作詞者の生涯を知ることで、歌に込められた想いをより深く理解できるでしょう。

わらべうたを保育に取り入れる具体的な方法とねらいについて詳しくはこちら

日本のうた こころの歌 CD付きマガジン隔週刊33背くらべ