手話ソング簡単に保育園で取り入れるおすすめ曲と練習のコツ

手話ソング・簡単に保育園で始める完全ガイド

手話を「正しく」教えようとするほど、子どもは覚えにくくなります。

🤲 この記事でわかること
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保育園で人気の簡単な手話ソング5選

「にじ」「ありがとうの花」「ともだちになるために」など、年齢別に選べるおすすめ曲を厳選して紹介します。

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子どもが短期間で覚えられる練習のコツ

「歌」と「手の動き」を分けて教えるステップ式の導入方法や、発表会まで間に合わせる練習スケジュールを解説します。

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保育士が知っておくべき手話の背景知識

手話ソングをただの振り付けにしないために、ろう文化への理解や手話の種類についての基礎知識もわかりやすく紹介します。

手話ソングが保育園で簡単に取り入れられる3つの理由

 

保育園で手話ソングが人気を集める背景には、子どもの発達段階に非常にマッチしているという事実があります。3〜6歳の幼児期は、手や体を動かしながら学ぶ「身体知」が最も伸びやすい時期です。耳で聞くだけでなく、目で見て手を動かすことで記憶に定着しやすく、歌を覚えるスピードが格段に上がります。

保育士にとっても嬉しいポイントが3つあります。

  • 🎯 特別な道具が不要:ピアノや楽器がなくても、その場ですぐに始められます。
  • 🤝 クラス全員が参加しやすい:歌が苦手な子も、手の動きで表現することで発表に参加できます。
  • 📅 発表会の演目として完成度が高い:歌と動きが揃った瞬間の感動は、保護者の心を強く揺さぶります。

実際、保育士向けの現場レポートでも「子どもたちが一番本気になる演目が手話ソング」という声が多数報告されています。毎年発表会で取り入れる保育園が増えているのには、こうした実績があるからこそです。これは使えそうです。

また、手話ソングには「インクルーシブ保育」としての側面も見逃せません。クラスに聴覚に課題のある子や言語発達がゆっくりな子がいる場合でも、手話ソングを通じて「自分もみんなと一緒に参加できる」という体験を積めます。これが子どもの自己肯定感を育むことに直結しています。

手話ソングは「普及のきっかけ」です。

手話ソング・保育園で簡単に始めるおすすめ定番曲5選

保育の現場で特に選ばれているのは、歌詞がシンプルで手の動きの意味が直感的にわかる曲です。以下に年齢の目安とともに紹介します。

🌈 ① にじ(作詞・作曲:新沢としひこ/中川ひろたか)

保育園・幼稚園で最も検索されている手話ソングの1つです。「きっと明日はいい天気」という歌詞のとおり、前向きなメッセージを手話で表現します。サビの「虹」の表現(右手の指を弧状に動かす)が非常に覚えやすく、3〜4歳児から取り組めます。発表会だけでなく、日常保育の朝の会にも取り入れやすい一曲です。

  • 🎵 対象年齢:3歳〜(年少・年中)
  • ⏱️ 練習目安:2〜3週間

🌸 ② ありがとうの花(NHK「おかあさんといっしょ」より)

卒園式や生活発表会で圧倒的な人気を誇る一曲です。「ありがとう」という手話表現(両手を胸の前で広げて前に出す動き)がサビの中心で、保護者が見て意味を理解できるため感動が増します。年中・年長クラスに特に向いており、卒園ソングとして定番中の定番です。

  • 🎵 対象年齢:4〜6歳(年中・年長)
  • ⏱️ 練習目安:2〜4週間

🤝 ③ ともだちになるために(新沢としひこ)

穏やかなテンポで手の動きがゆっくりなため、手話ソングの「入門曲」として最適です。「友だち」「笑顔」「一緒に」など、子どもたちが日常でよく使う言葉の手話表現が多く含まれていて、日常保育でもそのまま活用できます。

  • 🎵 対象年齢:3〜5歳(年少・年中)
  • ⏱️ 練習目安:1〜2週間

🌍 ④ せかいじゅうの子どもたちが

「地球」「笑顔」「手をつなごう」など、スケールの大きな手話表現を学べます。年長クラスの発表や全園児合同のステージでよく選ばれます。テンポが少し速いため、保育士がまず全体をゆっくり確認してから子どもたちに教えるのがコツです。

  • 🎵 対象年齢:5〜6歳(年長)
  • ⏱️ 練習目安:3〜4週間

🌟 ⑤ ビリーブ(BELIEVE)

卒園前の年長クラスが取り組むことで最大の感動を生む一曲です。「信じてる」「輝く未来へ」などの表現が、テンポのゆっくりな伴奏と合わさって非常に映えます。歌詞の意味をしっかり理解した上で取り組ませると、子どもたちの表情が一変します。

  • 🎵 対象年齢:5〜6歳(年長)
  • ⏱️ 練習目安:3〜5週間

曲選びが基本です。年齢と時期に合った曲を選ぶことが、子どもたちの意欲を最大限に引き出す第一歩になります。

手話ソングを保育園で簡単に覚えさせる・ステップ式の練習方法

保育士が子どもたちに手話ソングを教える際、最もよくある失敗が「歌いながら手を動かす練習を最初からやってしまう」ことです。これは大人の感覚では当然のようですが、幼児の脳には「歌う」と「手を動かす」という2つの課題を同時に処理する負荷がかかりすぎています。その結果、どちらも中途半端になり、子どもが「難しい」と感じて意欲を失うケースが多く報告されています。

効果的なステップ式の進め方は以下のとおりです。

ステップ1:歌詞と旋律を完全に覚える(1週目)

まず手を動かさずに、歌だけを繰り返して覚えます。日常の朝の会や給食後など、1日2〜3回歌うことで自然と覚えられます。このとき、歌詞の意味を噛み砕いて説明してあげると理解が深まります。

ステップ2:ゆっくりテンポで手の動きを体験する(2週目)

音楽を流さず、保育士がお手本を見せながら一動作ずつ確認します。「この動きは”ありがとう”という意味だよ」と言葉の意味と動きを紐づけることがポイントです。動きの意味を知った子どもたちは、表情が豊かになります。

ステップ3:音楽に合わせて通し練習(3週目以降)

ここで初めて歌と手話を合わせます。最初はゆっくりバージョンの音源があれば活用し、テンポを段階的に上げていきます。子どもたちが自信を持って動けるようになると、自然と声が大きくなっていきます。

練習は1日10分が原則です。30分以上の練習を続けると飽きが出て逆効果になるため、短時間集中を心がけましょう。発表会2〜3日前に「本番衣装を着て通し練習する」と、子どもたちが本番モードに切り替わるため、仕上がりの完成度が上がります。

また、保育士バンクの公式YouTubeチャンネルでは、「にじ」「ありがとうの花」などの手話ダンス振り付けを1動作ずつ丁寧に解説した動画が無料公開されています。研修に頼らず自己学習できるため、ぜひ活用してください。

手話ソングで保育園の発表会を感動的に仕上げる演出アイデア

手話ソングの発表は、動きが揃っているだけで感動を生みます。ただし、演出に少しの工夫を加えるだけで、観客(保護者)の心への刺さり方が何倍にも変わります。

🎀 衣装で世界観を統一する

シンプルな動きだからこそ、衣装の統一感が視覚的なインパクトを高めます。たとえば「ありがとうの花」であれば、花のカチューシャやコサージュを全員につけるだけで一体感が出ます。「せかいじゅうの子どもたちが」なら、虹色のリボンや各国カラーをイメージした衣装が効果的です。豪華である必要はありません。テーマカラーが揃っているだけで舞台映えします。

📹 隊形移動を取り入れる(年長向け)

全員が同じ位置で歌い続けるよりも、サビで前後左右に隊形が変わるだけで「動きのある発表」に見えます。保護者席からは「あの子が前に出た!」という瞬間が、わが子の成長を実感するシーンになります。隊形移動は2〜3パターン程度に抑えると練習の負担も少なくなります。

🎤 最後に「ありがとう」の手話で締める

どの曲を選んでも、発表の最後に全員で「ありがとう」の手話を保護者に向けて届けるシーンを作ると、会場が一瞬静まり返ります。子どもたちが無言で手を動かすだけで気持ちが伝わる、これが手話ソングの最大の強みです。言葉よりも深く届きます。

実際に卒園式でこの演出を取り入れた保育士の記録には「保護者の9割以上が涙していた」という報告があります。準備に特別な費用は不要で、事前に「最後はお父さんとお母さんに”ありがとう”を届けよう」と子どもに伝えておくだけで十分です。保護者に忘れられない発表会になります。

手話ソングを保育園で使う前に知っておきたい・ろう文化への配慮

実はここが、多くの保育士が見落としがちな重要な知識です。手話ソングを保育に取り入れる際、「手話の動きさえ正確ならOK」と思いがちですが、それだけでは不十分です。

日本の手話には大きく2種類あります。ろう者が母語として使う「日本手話」と、日本語の語順に合わせて手話単語を並べた「日本語対応手話」です。保育園の手話ソングで使われるのは、ほとんどが「日本語対応手話」に相当するものです。これは「日本手話」とは文法体系が根本的に異なる別の表現手段です。

ろう文化の研究者・NPO法人インフォメーションギャップバスター代表の伊藤芳浩さん(ろう者)は、手話ソングについて「手話が振り付けとしてのみパフォーマンス化してしまっている」という課題を指摘しています。重要なのは、手話ソングを単なる「かっこいい振り付け」として扱うのではなく、「手話は言語である」という事実を子どもたちに伝えることです。

意外ですね。では保育士はどう対応すればよいでしょうか?

具体的には以下の3点を意識するだけで十分です。

  • 🗣️ 「これは手話という言語で”ありがとう”と言っているんだよ」と意味を必ず伝える
  • 📖 振り付けの動きに込められた言葉の意味を子どもと一緒に確認する
  • 🤔 「耳が聞こえない人たちが使っている言葉だよ」と多様性の入り口として紹介する

この3点を意識するだけで、手話ソングは「演目」から「学び」に変わります。子どもたちがダイバーシティ(多様性)を自然に受け入れる最初の一歩にもなります。

ろう文化への理解が基本です。特別な研修が必要なわけではなく、言葉の意味を添えることが大切です。

参考:手話ソングとろう文化の関係について、NPO法人インフォメーションギャップバスターの代表・伊藤芳浩さんへのインタビュー記事(日本財団ジャーナル)はこちらから詳しく読めます。

なぜ手話歌にモヤモヤする? 手話文化の大前提をろう者に聞いた|日本財団ジャーナル

手話であそぼ!: みんなで楽しく手話ソング (Piccolo Selection)