設置場所と保育と玩具
設置場所の動線とコーナー保育
保育室の玩具の設置場所を決めるとき、最初に見るべきは「動線」です。遊びの動線が他の遊びとクロスしないか、玩具を置いたときに遊ぶスペースが子どもにとってわかりやすいか、という視点が重要だと示されています。
たとえば、ブロックや車など“広がりやすい遊び”は、通路・出入口・ロッカー前など生活動線の中心から外し、ぶつかりやすい交差点を作らない配置が基本になります。
逆に、絵本や机上遊びのように静かな活動は、落ち着ける壁際や棚の裏側など「視界の刺激が少ない設置場所」に寄せると集中が続きやすい、という考え方がコーナー保育の解説でも繰り返し語られています。
ここで、歌が好きな人向けの視点を一つ足すと、歌は「移動の合図」と相性がよい点がポイントです。♪お片付けの歌、♪次のコーナーへ行く歌、♪手洗いに行く歌…というように、歌は一斉指示よりも柔らかく“動線の切り替え”を支えます。動線が整理された室内ほど、歌の合図が自然に機能しやすく、子どもが迷わず次の場所へ移動できます。
参考）保育園に学ぶ！子どもが片付けられる、おもちゃ整理術｜たまひよ
設置場所の安全と収納棚と低い高さ
安全面では「誤飲・転倒・衝突」を想定して、玩具の設置場所と収納方法をセットで考える必要があります。コーナーを作る際は安全が最優先で、子どもが出し入れしやすい低い収納棚があるとよい、という実践ポイントが明記されています。
また、未満児のエリア分けではパーテーションの高さ目安が50〜60cm程度で、座った子どもからは周りが見えにくい一方で保育者からは見えやすい、という具体値が紹介されています。
「仕切りを置いたら見守れなくなる」不安がある場合は、背の低い棚・透け感のある仕切り・棚同士の連結など、視界と安全性を両立する方向で設置場所を再設計すると事故リスクを抑えやすくなります。
意外と見落とされがちなのが、“設置場所そのもの”より「設置した後の取り出し・戻し」です。はさみ等を使う場面では、子どもの手が届かない場所に保管し、一度に出す数は見守れる範囲にするなど、運用で安全度を上げる具体策が挙げられています。
参考）コーナー保育とは？ねらいやメリットとデメリット、レイアウトの…
つまり、危険度の高い道具は「置かない」だけでなく、「出し方・戻し方・数」まで設計して初めて、設置場所が安全になります。
設置場所の見える化と片付けとわかりやすさ
片付けが回り始める設置場所には共通点があります。それは「子どもが見てわかる」ことと、「使う場所の近くに戻せる」ことです。保育園の収納は子どもの動きを想定し、“どこで何をいつ使うか”を考えて配置されている、という整理術の解説があります。
さらに、乳児にとっては「見えないものはないのと同じ」という感覚があるため、玩具がぱっと目に入る環境が大切だという現場の言語化は、設置場所の作り方を一段具体にしてくれます。
棚の高さが合わないと遊べない、逆に合っていると落ち着いて遊ぶ、という指摘もあり、単に“収納量”の話ではなく「身体感覚に合う設置場所」が重要だとわかります。
見える化を進めるときは、次のような設計が実務的です。
・📦「分類」：机上遊び、ままごと、ブロックなど遊びの性質で棚を分ける（混ざりにくい）。
参考）保育室が狭い！そんなとき、どうレイアウトする？環境設定や遊び…
・🏷️「ラベル」：写真・絵・シルエットで“戻す場所”を示す（文字だけにしない）。
・🧺「入れ物」：自然物にこだわり籐かご等を使った事例があり、触感や見た目が落ち着く方向に働くことが示唆されます。
参考）実践施設に聞いた「コーナー保育」の環境づくり — コドモンス…
・✨「余白」：詰め込みすぎず空白を保つと選びやすい、という棚づくりの考え方が紹介されています。
参考）【保育士直伝】モンテッソーリおもちゃ棚の選び方と収納術！子ど…
また、部屋が狭い場合は「道具やおもちゃを共有して収納物を減らす」「収納場所を同じにして入れ替える」という現実的な手も提案されています。
設置場所が固定できない園ほど、“共有と入れ替え”で運用し、子どもの選択肢を守るのが有効です。
設置場所の歌と絵本とままごと
歌に興味がある読者にとって、玩具の設置場所づくりは「歌の時間」そのものを増やすためではなく、歌が自然に生まれる“場面”を増やすための工夫になります。コーナー保育では、絵本コーナー・ままごとコーナー・製作コーナーなど遊びの種類ごとに環境を整える考え方が整理されており、設置するもの（棚、机、素材等）も具体例として挙げられています。
たとえば、ままごとコーナーはキッチン・食器・衣装などを置くと遊びが立ち上がりやすいとされ、少しだけ道具を出しておくと低年齢でも手に取りやすい、という配置のコツも共有されています。
ここに歌を足すと、♪「いらっしゃいませ」の歌、♪「おべんとうばこ」の歌、♪「おかたづけ」の歌など、ごっこ遊びの“役に入りやすい合図”として機能しやすくなります（役に入りやすい環境づくりの話と噛み合います）。
絵本コーナーは、表紙が見える置き方だと目に留まりやすいという提案があり、歌絵本・わらべうた絵本を「見える場所」に出しておくと、子どもが自分で歌の世界に入るきっかけが増えます。
さらに、歌の導入は“静→動”“動→静”の切り替えの補助にもなるため、運動遊びの設置場所を生活動線から少し離すなど、活動の性質を分けるレイアウトの指針と相性が良いです。
設置場所の独自視点：くつろげる居場所とソファー
検索上位では「コーナー」「収納」「安全」が中心になりがちですが、意外に効くのが“くつろげる居場所”の設置場所です。環境を整えるとき、子どもにとって居場所（安心してくつろげる場所）があるかが大事で、各部屋にソファーやクッション等を置き自由に休憩できる場所を作っている、という具体的な実践が語られています。
この視点は、玩具の設置場所の議論を「遊ばせる」から「回復させる」へ拡張します。疲れたらゴロゴロして、元気が出たらまた遊ぶ、という循環が回ると、玩具の取り合い・衝突の火種が減り、結果として安全面にもプラスに働く可能性があります。
歌好きの観点では、この“居場所”は、静かに歌を口ずさむ・絵本を見ながら歌う・少人数でわらべうたをする、といった活動が自然に生まれやすい設置場所にもなります。
居場所を作るときのコツは「通路のど真ん中に置かない」ことです。動線が交差する場所に休憩スポットを置くと、落ち着く場所が落ち着かなくなるため、遊びの動線がクロスしないかを見て配置する、という考え方に戻って判断すると失敗しにくいです。
保育の環境を整える考え方（動線がクロスしない・子どもの目線・居場所などの具体例）がまとまっている参考：
https://hekinan-ecec.com/_userdata/201808.pdf
コーナー保育のねらいとコーナー例（制作・絵本・ままごと等の配置発想）がまとまっている参考：
https://hoikunext.com/leader/cornerhoiku/
片付けやすい配置（動線とわかりやすさ）の考え方がまとまっている参考：
保育園に学ぶ！子どもが片付けられる、おもちゃ整理術｜たまひよ
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