線路は続くよどこまでも 歌詞 2番 保育の実践ガイド
線路は続くよどこまでも 歌詞2番と原曲「Railroad」の背景
「線路は続くよどこまでも」は、アメリカ民謡「I’ve Been Working on the Railroad(俺は線路で働いている)」が原曲で、日本語版は子どもの歌として大きくイメージが変えられています。 原曲は大陸横断鉄道建設に関わった労働者たちの過酷な仕事を歌った労働歌であり、「朝から晩まで線路で働き続ける」という内容が繰り返されます。 一方、日本語の1番の歌詞は「野をこえ 山こえ 谷こえて はるかな町まで ぼくたちの たのしい旅の夢つないでる」と、旅への期待やワクワク感が前面に出た世界観へと作り替えられています。
2番については、資料によって扱いが異なり、「線路の仕事」という歌詞が紹介されることがありますが、これは別歌として成立していた時期もあり、鉄道工事現場の厳しさや、汽笛とともに続く労働の様子が描かれています。 特に「つらい仕事でも しまいには つるはしをおいて 息絶える」といった表現は、陽気なメロディとのギャップから「怖い」と話題になることもあり、保育現場でそのまま扱うには配慮が必要な内容です。 そのため、幼児向けの音源や動画では、多くの場合1番を中心に構成し、2番は歌っても「旅」や「列車の音」に焦点を当てた、より柔らかい表現に統一している園も少なくありません。
参考)民謡「線路は続くよどこまでも」の歌詞の本当の意味…怖すぎると…
保育者としては、原曲の背景や別歌詞の存在を知った上で、子どもとの活動では「線路がどこまでも伸びていくワクワク感」「旅に出る想像力」「列車のリズム」に焦点を当てると、安全で豊かな学びにつながります。 声楽を学んでいる方にとっては、単に楽しく歌うだけでなく、「労働歌だったからこそのリズム感」や「コール&レスポンス的なノリ」を理解しながら歌うことで、表現の厚みを出すことができます。
このように、2番歌詞や原曲に潜む重たいテーマは、保育の場では直接的に扱わず、保育者側の教養として知っておくことで、保護者からの質問や子どもの素朴な疑問に丁寧に応えられるようになるでしょう。 例えば懇談会で「この歌って怖い意味があると聞いたのですが…」と質問された時に、「元は鉄道のお仕事の歌ですが、園で歌っているのは旅の楽しさを描いた歌詞です」と説明できれば、安心感にもつながります。
線路は続くよどこまでもの原曲と歌詞背景について詳しく解説している資料です(歌詞の意味理解と保育者の教養の参考)。
民謡「線路は続くよどこまでも」の歌詞の本当の意味…怖すぎると話題に…
線路は続くよどこまでも 歌詞2番を保育で扱うときのねらいと注意点
保育現場で「線路は続くよどこまでも」を取り上げる際、多くの指導案では「リズムにのって楽しく歌う」「汽車ごっこや手遊びに発展する」といったねらいが掲げられています。 特に幼児期は、歌詞の細かい意味よりも、テンポや繰り返しの楽しさ、みんなで声を合わせる一体感が育ちやすい時期ですから、「ランララララ」の部分で身体を大きく動かし、グループでの協調を体験させることが効果的です。
一方で、2番歌詞を含めて歌う場合、「仕事」「線路工事」「汽笛」など、子どもにとって抽象的な言葉も登場しやすくなるため、導入や説明の仕方に工夫が必要です。 例えば、2番をあえて「線路のお仕事をしている人たちが、早くみんなを乗せてあげようとがんばっているイメージ」として語り、ストーリーとして整理したうえで歌うことで、怖さではなく「誰かを支える仕事」の側面を伝えやすくなります。
年齢別の指導案では、2歳児では「今日は汽車さんの歌だよ。線路ふるふるしてみようね!」というように、歌詞を細かく説明せず、線路や汽車というモチーフに親しむことが中心に据えられます。 3歳児では「山をこえたらどこに行くかな?」と問いかけ、歌詞の情景を簡単な物語としてイメージさせることで、「野をこえ 山こえ 谷こえて」の世界が、子どもの想像遊びに自然につながるように導入します。
参考)せんろはつづくよどこまでも|まな&ゆうによる振り付き動画
4歳児、5歳児になると、「歌いながら誰が前に出て汽車の動きをリードする?」「みんなでオリジナル振り付けを考えて、汽車ごっこをしてみよう!」といった活動へ発展させることで、「曲の構成を感じる」「仲間と役割分担をする」といったねらいも設定できます。 このタイミングで2番の一部を取り入れ、「1番は旅の様子、2番は線路をつくる仕事の人」という対比で紹介すると、社会への関心や「見えないところで働く人への想像力」を育てるきっかけにもなります。
参考)線路は続くよどこまでもで手遊びをしよう!手遊びのねらいも紹介…
ただし、歌詞の中の過酷な表現や死を連想させる一節は、そのまま子どもに提示するかどうかを、園として慎重に判断する必要があります。 実践的には、日常の保育では1番を中心に歌い、発表会や行事の際に、選抜したフレーズだけを加えるなど、「安全な範囲」で2番の世界を垣間見せる方法が現実的です。 声楽を学んでいる保育者であれば、職員研修や勉強会の場で、原曲を含めた歌詞全体を研究し、自分の中でしっかりと意味を整理しておくと、指導に自信を持てるでしょう。
線路は続くよどこまでもを保育に取り入れる際のねらいや手遊びのポイントをまとめた資料です(ねらい設定の参考)。
線路は続くよどこまでも 歌詞2番と年齢別の導入・振り付けアイデア
実際の保育では、歌詞2番を丸ごと教えるのではなく、「1番+ランララララ+簡単な追加フレーズ」で構成し、年齢に応じて体の動きを組み合わせる形が取り入れやすいです。 例えば、サビの「ランラ ランラ ランラ」の部分で、手拍子や膝打ちを入れると、子どもたちが自然にリズムを感じながら参加でき、一体感が生まれます。
年齢別には、次のような導入が考えられます。
・2歳児。
「今日は汽車さんの歌だよ。線路ふるふるしてみようね!」と声をかけ、保育者が腕で線路のうねりを大きく表現し、それをまねっこさせる。歌詞の意味説明はほとんどせず、音やリズムを楽しむことを優先する。
・3歳児。
「山をこえたらどこに行くかな?ジャンプして探してみよう」と伝え、「野をこえ 山こえ 谷こえて」のところで、立ったりしゃがんだり、ジャンプしたりと、歌詞と動きをゆるく対応させる。2番を使う場合は「線路のお仕事の人が、みんなを乗せるためにがんばっているんだよ」と一言添え、イメージをシンプルに保つ。
・4歳児。
「歌いながら誰が前に出て汽車の動きをリードする?」と問いかけ、先頭の子が汽車役になり、他の子が連結して列車ごっこをする。1番を旅の場面、2番を「線路をつくる場面」として、リズムの違いや歌い方の変化(強弱・テンポ)を体験させると、音楽的な感性も刺激される。
参考)【動画】電車の旅に行った気分で手遊び♪ 線路は続くよどこまで…
・5歳児。
「みんなでオリジナル振り付けを考えて、汽車ごっこをしてみよう!」と提案し、グループごとに動きを考える活動へ発展させる。 1番では景色を表す動き(山をよじ登る、谷をのぞきこむなど)、2番では線路を作る仕事の動き(トンテンカンとつるはしを振るまね、線路を運ぶまねなど)と役割を分けることで、「歌詞の意味を体で理解する」経験になる。
また、「線路は続くよどこまでも」は、手遊び歌としても広く紹介されており、「手や膝をパンパン、手の重ね合わせ」といった簡単な動きの繰り返しが、指先の器用さやリズム感の育成につながるとされています。 歌詞に合わせて表情を変える(楽しい部分で笑顔、少し不安な場面で驚いた顔など)ことを取り入れると、子どもが歌詞の意味に興味を持ちやすく、言葉への感受性も育まれます。
線路は続くよどこまでもの年齢別導入や発展遊びを具体的に示している資料です(導入・振り付けアイデアの参考)。
線路は続くよどこまでも 歌詞2番を活かす声楽的指導ポイント
声楽を学んでいる保育者にとって、「線路は続くよどこまでも」は、子どもの歌でありながら、発声・ブレス・日本語の歌い回しを丁寧に練習できる教材でもあります。 メロディ自体はシンプルですが、音域の中心が歌いやすい中音域にあり、跳躍も少ないため、幼児に無理のないキーを選べば、自然な胸声で歌いやすい構造です。
指導ポイントとして、まず大切なのは、「せんろは つづくよ どこまでも」のフレーズを、一息で無理なく歌えるブレス配分をつかむことです。 子どもには「せんろは つづくよ|どこまでも」と区切ってもよいですが、保育者自身は、一続きのレガートとして歌い、線路が本当にどこまでも続いているような、滑らかなフレーズ感を示すとよいでしょう。
参考)線路は続くよどこまでも考察!楽譜からの歌詞の意味!ピアノコー…
2番を歌う場合、「仕事」「線路」「汽笛」など子音の多い言葉が増えるため、子どもが早口になってしまったり、言葉が聞き取りにくくなることがよくあります。 声楽の観点からは、
・子音をやや前に置き、母音を十分に響かせること
・「つ・づ・ど・こ」などの破裂音を、はっきりしつつも詰まらせないこと
・テンポを無理に上げず、子どもが言葉を言い切れる速さを守ること
が重要です。
さらに、原曲が労働歌であることを踏まえると、2番ではやや強めのアクセントを感じさせる歌い方(拍の頭を意識して「トン・テン・カン」と打つようなイメージ)を取り入れると、曲全体のコントラストが生まれます。 1番は軽やかで前に進むリズム、2番は重みのあるビート、と歌い分けると、子どもたちにも「場面が変わった」という印象が伝わりやすくなり、表現の幅が広がります。
声楽を学ぶ立場からは、保育者が自分自身で原曲「I’ve Been Working on the Railroad」を歌ってみることも、表現のヒントになります。 英語版では、ロングトーンの扱いやシンコペーションのノリが強く、身体のどこでビートを感じるかを体験することで、日本語版を歌うときにも「ただの童謡」以上のグルーヴを子どもに伝えられるようになるでしょう。
線路は続くよどこまでもの楽譜と歌詞の意味について音楽的な視点から考察している資料です(声楽的な理解の参考)。
線路は続くよどこまでも 歌詞2番と保育現場での「怖さ」とどう向き合うか(独自視点)
インターネット上では、「線路は続くよどこまでも」の2番が「怖い歌詞」だと話題になることがありますが、その多くは「線路の仕事」「つるはしをおいて 息絶える」といった別バージョンの歌詞に基づく解釈です。 保育現場では、こうした話題が直接子どもに伝わるケースは少ないものの、保護者や実習生など大人から質問を受ける可能性があります。
ここで大切なのは、「怖い歌だからやめる」か「何も説明せずに歌い続ける」か、という二択ではなく、「保育で扱う歌詞の範囲」と「大人が知っておく背景」を切り分ける視点です。 具体的には、
・子どもと歌うのは、旅の楽しさを描いた1番(+安全な範囲の2番)
・2番の重い表現や原曲の労働歌としての側面は、保育者・学生・保護者向けの学びとして位置づける
という整理が考えられます。
また、「怖さ」を逆手に取り、小学校高学年〜中学生向けのワークショップや、保育者養成校での授業では、「なぜ楽しいメロディに、こんなに過酷な歌詞がついているのか?」という問いから、歴史や労働、人種差別といった社会的テーマに広げることも可能です。 そうした学びを経験した保育者が、幼児とはあくまで「旅」と「線路」の明るい側面を共有することで、歌の持つ多層的な意味を、自分なりに抱えたまま実践に臨むことができます。
さらに、現代の保育では、「見えないところで働く人へのリスペクトを育てる」ことも重要なテーマになっています。 2番の背景を踏まえつつ、「この線路を走る電車には、たくさんの人が安全に乗れるよう、線路を直したり見守ったりする人がいるんだよ」と語ることで、怖さではなく「支える人」の存在に焦点を当てるアプローチもとれます。
参考)https://files01.core.ac.uk/download/pdf/132268824.pdf
最後に、AI時代の教育では、歌や物語が持つ「裏の顔」をすぐに検索できる環境だからこそ、保育者自身が情報に振り回されず、自分の価値観と園の方針に基づいて取捨選択する姿勢が求められます。 「線路は続くよどこまでも」の2番と保育の関係を考えることは、その一つの実践例として、歌の意味・歴史・子どもの発達をつなぐ良いトレーニングになると言えるでしょう。

