世界各国 民謡 音楽
世界各国 民謡 音楽:童謡 唱歌 わらべ歌
保育園で扱う「歌」は、実は一枚岩ではありません。教育目的で整えられた歌、生活や文学をうたう歌、そして子どもの遊びの中で自然に伝わる歌が混ざり合っています。こうした区別を頭に置くと、「世界各国 民謡 音楽」を園の活動に入れるとき、どこまでアレンジしてよいかの判断がしやすくなります。
日本の文脈で整理すると、民間伝承の遊び歌が「わらべ歌」、教育教材として作られたものが「唱歌」、情操教育を目的に文学者や音楽家が作ったものが「童謡」という捉え方が提示されています。さらに、童謡・唱歌が「次世代の人づくり」という共通目標で継承されてきた、という説明もあり、園での歌活動が単なる娯楽ではなく文化の受け渡しであることがわかります。
参考リンク(童謡・唱歌・わらべ歌の定義と、歴史年表がまとまっている):
ここで意外に効くのが、「民謡は“保存される音源”というより“場で生きる型”」という観点です。園では、正しい歌詞や発音を最初から完璧に目指すより、歌の核になる反復(コール&レスポンス、掛け合い、輪の動き、じゃんけん)を先に体験すると、子どもが主役になりやすいです。特に、異文化の歌を導入するときは「歌う→わかる」の順ではなく、「遊ぶ→覚える→後から意味がつながる」の順が現実的です。
導入の設計例(年齢や発達に応じて調整)
・0〜2歳:擬音・短いフレーズ・揺れ(抱っこ・膝)中心
・3〜4歳:手拍子・輪・簡単な交代(リーダー交代)
・5歳:質問遊び、即興の替え歌、役割の追加(鬼役・ナレーター役)
世界各国 民謡 音楽:海外発祥 童謡
「世界各国 民謡 音楽」を扱うとき、最も導入しやすい入口は“すでに園で歌っている曲のルーツ”をたどる方法です。子どもにとっては「いつもの歌」なのに、大人が由来を知ることで活動が一段深くなります。「この曲、実は海外で生まれたんだよ」と言えるだけで、異文化への好奇心が自然に立ち上がります。
海外発祥として紹介されやすい例には、輪唱で親しまれている「かえるの合唱」がドイツ起源とされる、といった話題があります。また、海外で生まれた曲が日本で定着する過程で、歌詞の意味やユーモアが省かれたり、情景描写や労働歌に寄ったりするなど、性格が変わることもあると説明されています。こうした“変化のしかた”は、民謡や童謡が翻訳・受容されるときに起こる典型で、保育者が話題提供しやすいポイントです。
園向けの実践では、次の順番が扱いやすいです。
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まず日本語でいつも通り歌う(安心の土台)
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「原曲の国」を地図や国旗で示す(視覚で接続)
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原曲の特徴を1つだけ追加(リズム・掛け声・輪の回り方など)
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最後に“違い探し”を言葉にする(子どもが気づいた点を拾う)
注意点として、由来情報はサイトや本によって表現が揺れる場合があります。園で使うなら、「断定しすぎず、紹介の言い方を柔らかくする」のが安全です(例:「〜が元になったと言われています」)。
参考リンク(海外発祥の童謡をまとめ、由来の違いに注目する視点がある):
【びっくり!】海外発祥の童謡。なじみ深いあの童謡も実は(RAG Kids)
世界各国 民謡 音楽:あそび歌 韓国・朝鮮
保育園に最適化しやすいのは、歌単体ではなく“あそび歌”として伝わっているものです。言語が違っても、遊びのルールが理解できれば「参加」が成立するからです。日本の園文化(手遊び・集団遊び)とも相性が良く、クラスの一体感づくりに直結します。
たとえば、神奈川県の「あそび歌プロジェクト」の資料では、いろいろな国のあそび歌を調べ、歌詞や振り付けをアレンジして子どもたちが楽しめる形にしていることが説明されています。さらに、歌の背景や国の文化も紹介するとされ、単なる歌唱に留まらない構成になっています。
この資料の中には韓国・朝鮮の「あそび歌」も複数あり、質問とやりとりで進むもの、途中で鬼ごっこに発展するものなど、展開が強いタイプが含まれます。保育園では、こうした“展開型”の歌は集中が切れにくく、クラス運営の流れ(導入→盛り上げ→終わり)を作りやすいです。
参考リンク(世界のあそび歌を調査し、歌詞・振り付け・文化背景と共に紹介しているPDF):
みんなであそぼう!- 世界のあそび歌(共生共創事業 PDF)
実践のコツ(安全面も含む)
・最初は「ルールの確認」を短く:やることを1個に絞る
・走る展開がある場合は、範囲を床テープ等で見える化する
・言葉が難しい箇所は、無理に日本語訳で“歌として”揃えず、掛け声として扱う
・先生が“通訳役”になりすぎない:子ども同士のやりとりを待つ
意外な小ネタとして、民謡・あそび歌の世界では「同じタイトルでも地域差で歌詞や旋律が変わる」ことが研究の中でも指摘されています。これは、園で替え歌や動きが変化していく現象と同じで、「変わること自体が自然」と説明できる材料になります。
世界各国 民謡 音楽:民謡 コレクション
「世界各国 民謡 音楽」を継続的に扱うなら、ネタ切れを防ぐ“探し方”が重要です。個人の経験だけに頼ると、結局いつもの曲に戻りがちなので、地域別に探せるデータベース型のページを押さえると便利です。
民謡を地域別(日本・アジア・オセアニア・ヨーロッパ・北米・中南米・アフリカ)に分けて検索できる「世界の民謡コレクション」が紹介されており、民謡をそのまま編曲したものから、民謡に着想を得た作品まで幅があるとも説明されています。保育園向けに“そのまま歌う”必要はなく、ここで見つけた曲のリズムやフレーズを「手遊び」「朝の会の短い歌」「移動の合図」などに転用する発想が現実的です。
参考リンク(地域別に民謡を探す入口として使える):
園に落とすときの“変換”テンプレ(曲を見つけた後の作業)
・サビ相当の反復フレーズを10秒に切り出す
・テンポを「歩ける速さ」へ寄せる(行進・整列に使える)
・動きは3種類以内(手拍子/足踏み/回る など)
・歌詞の意味説明は最後に1行だけ(長い説明は集中が切れる)
ここでの独自視点としておすすめなのが、「保育園の歌=発表用」だけにしないことです。民謡の多くは“生活の中の音楽”なので、発表会の完成度よりも、日常の小さな場面(片付け・手洗い・移動・待ち時間)で何度も歌われる方が、本来のあり方に近づきます。そうすると、子どもが勝手に替え歌を作り、クラス固有の“伝承”が生まれやすくなります。
世界各国 民謡 音楽:独自視点 民謡 音楽
検索上位の多くは「曲紹介」「国別まとめ」「歌詞解説」になりがちですが、保育園の現場で効くのは“運用の設計”です。そこで独自視点として、クラスの中に「ミニ民謡アーカイブ(園内伝承の見える化)」を作る方法を提案します。民謡は固定された作品というより、口伝えで変化しながら残る文化なので、園で起きる自然な改変(言い間違い、替え歌、動きの変化)を“失敗”ではなく“文化の動き”として扱うと、活動の価値が上がります。
やり方はシンプルです。週1回、世界の歌(民謡・あそび歌・童謡)を1つだけ短く導入し、子どもが生み出した要素を記録します。記録は「正確な歌詞」ではなく、子どもが実際に口にしたフレーズや、自然発生した動き、リーダー交代のルールなど、“場で生まれたもの”を残します。
運用例(記録のフォーマット)
・曲名(日本語で呼びやすい名前でもOK)
・国(わかる範囲で)
・今日の型(手拍子/輪/じゃんけん/鬼ごっこ など)
・子どもの発明(替え歌1行、動き1つ)
・次回やるなら(テンポ調整、人数、場所)
アーカイブ化のメリット
・先生が引き出しを持てる(同じ曲でも年齢で再利用できる)
・子どもが「自分たちの歌」と感じやすい(主体性が出る)
・異文化理解が“知識”ではなく“体験”になる(伝わり方まで含めて学べる)
最後に、世界の歌を扱うときは、文化の尊重と安全配慮が両輪です。資料の注意書きのように、原曲には生活表現(嗜好品など)が含まれる場合があるため、園としては「歌詞をどう扱うか」を事前に決めておくのが安心です。置き換え・省略・説明の入れ方をチームで共有しておくと、保護者説明が必要な場面でも揺れにくくなります。


