魚の歌の歌詞と振り付きを保育士が使う完全ガイド

魚の歌の歌詞と振り付き保育実践ガイド

「さかながはねて」の歌詞は3フレーズしかないのに、5歳児でも本気で盛り上がります。

🐟 この記事で分かること
📝

魚の歌「さかながはねて」の歌詞と振り付け

基本歌詞から振り付けの手順を丁寧に解説。初めてでも明日から使えます。

🎯

0歳〜5歳の年齢別ねらいと導入のコツ

同じ1曲でも、年齢によってねらいを変えるだけで発達支援の効果が最大化します。

歌詞アレンジと保育活動への応用

絵本・食育・季節テーマと連携する実践アイデアも紹介。保育の幅がひろがります。


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魚の歌「さかながはねて」の基本歌詞と振り付けの手順

 

「さかながはねて」は、作詞・作曲を中川ひろたかさんが手がけた手遊び歌です。幼稚園や保育園で広く親しまれており、同名の絵本(世界文化社)は第12回MOE絵本屋さん大賞パパママ賞にも選ばれた人気作品です。歌詞そのものはシンプルで、短い繰り返しフレーズで成り立っています。

基本の歌詞は以下のとおりです。

歌詞フレーズ 振り付け
さかながはねて 両手のひらを合わせ、指先を左右にくねくね上に泳がせる
ぴょーん 両手を頭上に一気に跳ね上げる
あたまにくっついた ぼうし 両手を頭にのせてトントンと軽く叩く
さかながはねて 同じく両手をくねくね上に泳がせる
ぴょーん 再び両手を頭上へ跳ね上げる
おめめにくっついた めがね 両手の親指と人差し指で輪を作り、目の周りに当てる
さかながはねて 同様にくねくね
ぴょーん 同様に跳ね上げる
おくちにくっついた マスク 片手を口に当てる
さかながはねて 同様にくねくね
ぴょーん 同様に跳ね上げる
おへそにくっついた でべそ 片手をグーにしておへそに当てる

「さかながはねて ぴょーん」というフレーズが歌の核になっています。このワンフレーズの見せ方が、クラス全体の盛り上がりを左右します。保育士がオーバーに跳ねる動作を入れるだけで、子どもたちの視線が一気に集まります。声色を変えたり、テンポを少しゆっくりにして「ぴょ…ーん!」と溜めを作ったりするのも効果的です。

繰り返しのリズムは子どもにとって安心感を生む要素でもあります。「次も同じフレーズが来る」と分かるからこそ、子どもが積極的に参加しやすくなるのです。これが基本です。

参考:絵本「さかながはねて」の作者・振り付け情報が掲載されている公式サイト

さかながはねて|まな&ゆうによる振り付き動画 – ほいくnote

魚の歌を使った0〜5歳の年齢別ねらいと導入コツ

同じ「さかながはねて」でも、年齢によってねらいを変えるだけでまったく別の保育活動になります。年齢に合わせた導入こそが、手遊び歌を「ただ歌うだけ」から「意味のある保育」に変える鍵です。

  • 🍼 0〜1歳児:保育士の動きを「見る・聞く」だけでも十分な参加です。ゆっくりしたテンポで優しく歌いかけると、音や保育士の表情に反応し、コミュニケーションの土台が育ちます。抱っこしながら手を動かしてあげるのもよいでしょう。
  • 🐟 2歳児:「まねっこあそび」から入るのが鉄則です。「お魚ってぴょんってはねるよ〜!」と言いながら保育士が大きく動くと、子どもも自然に模倣します。動きと言葉が一緒に出てくることが、この年齢の発達の証です。
  • 🎵 3歳児:「どこにくっついた?ほっぺ?あたま?」と問いかけで想像を促す導入が有効です。頭・目・口など身体の部位を覚えるねらいが達成されやすく、語彙力の底上げに直結します。
  • 🧠 4歳児:「次はどこにくっつくかな?予想してみよう!」と声をかけ、予測する思考力を刺激できます。テンポを少し速めるとさらに盛り上がり、即時反応能力が育ちます。
  • ✏️ 5歳児:「自分だけのオリジナル”くっつきバージョン“を考えてみよう」という創作導入が可能です。子どもが自分で歌詞を考えて発表する活動にまで発展させられます。発想力と語彙が一気に試される年齢です。

年齢別にねらいを意識するだけで、同じ1曲が複数の学びの場になります。

特に注意したいのが1歳児クラスへの導入方法です。「0歳児から使えるから簡単」と思って速いテンポで歌ってしまうと、むしろ子どもたちが混乱します。0〜1歳はテンポをゆったりにして、保育士が目線を合わせながら歌うことが最優先です。これだけ覚えておけばOKです。

参考:年齢別のねらいと導入の仕方が詳しくまとめられたページ

【動画あり】「さかながはねて」の手遊び!歌詞や楽しむポイント – 保育士バンク

魚の歌の歌詞アレンジ集と「おひざ終わり」の使い方

「さかながはねて」が他の手遊び歌と大きく異なるのは、歌詞のアレンジが自由にできるという点です。この柔軟さが保育士に長く選ばれている最大の理由のひとつです。代表的なアレンジ例をまとめました。

  • 🎩 あたまにくっついた→たんこぶ:片手をグーにして頭にのせる。思わず笑える面白フレーズです。
  • 👂 おみみにくっついた→イヤリング:親指と人差し指で耳たぶをはさむ。細かい指の動きが手先の器用さを鍛えます。
  • てくびにくっついた→とけい:片手をもう一方の手首に巻きつける。腕まわりの動きが入って動作の幅が広がります。
  • 👃 おはなにくっついた→てんぐ(ピノキオ):1本指を鼻先に当てる。子どもたちが大笑いするフレーズです。
  • 👖 おしりにくっついた→パンツ:両手をおしりに当てる。少し恥ずかしさと笑いが混ざる場面です。
  • 🧎 おひざにくっついた→おしまい:両手をひざに置いて終わる。活動の区切りに使える万能エンディングです。

特に便利なのが「おひざにくっついた→おしまい」のアレンジです。朝の会・帰りの会・製作前のざわついた場面で、手遊びを「おひざ」でゴールにすることで、子どもたちが自然に落ち着いた姿勢をとれます。意外ですね。

使い方はシンプルで、歌の最後のフレーズを「おひざにくっついた おしまい!」に変えるだけです。声のトーンを少し落ち着いた低めにすると、クラスの空気がすっと切り替わります。「静かにしなさい」という言葉を使わずに場を整えられます。アレンジはシンプルなものから始めるのが原則です。

さらに上級のアレンジとして、子ども自身がくっつく場所を決める「リクエストバージョン」があります。「次はどこにくっつく?○○ちゃんが決めていいよ」と声をかけると、子どもが主体的に参加するようになります。5歳児では自分でオリジナル歌詞カードを作り、みんなの前で発表する活動にまで発展させられます。

参考:アレンジバリエーションが豊富に掲載されている保育専門サイト

さかながはねて〜幅広く楽しめる、参加型手あそび♪〜 – HoiClue

魚の歌の歌詞が持つ発達支援効果とその科学的な背景

「さかながはねて」が保育や療育の現場で選ばれ続けるのには、発達的な根拠があります。単なる「楽しい歌」ではなく、複数の発達領域を同時に刺激できる構造になっているのです。

まず、歌いながら体の部位に触れるという動作は、「身体化された認知(embodied cognition)」という認知科学の概念と深く関わっています。これは「知識や記憶は、身体の感覚・運動と結びついているほど定着しやすい」という考え方です。「あたま(頭)」という言葉を聞きながら実際に頭を触ることで、単語の意味が体験として記憶に刻まれます。説明だけで教えるよりも、はるかに語彙の定着が早くなるということです。

次に、「ピョン!」「くっついた!」というオノマトペ(擬音語)が豊富に含まれている点も見逃せません。オノマトペは幼児が最初に獲得しやすい語彙のひとつで、発語を促す効果があるとされています。発語が遅れている子どもを持つ療育施設でも発語支援ツールとして活用されているのはそのためです。

さらに、模倣(まねること)の動作が脳の発達を促します。保育士の手の動きを「見る→まねる」という2段階の処理は、ミラーニューロンと呼ばれる神経細胞の働きを活性化させると言われています。

大阪芸術大学の研究では、手遊びが「言葉の発達や数の理解を助け、旋律・拍子・リズムを楽しみながら習得させる」活動として有効であることが示されています。また、国士舘大学の論文では、手遊び歌が「集団活動時の導入として効果的であること」「指先を使うことで知能の発達に有効であること」が明示されています。1曲で複数の発達領域をカバーできます。

こうした複数の発達支援効果が1曲にまとまっているのが「さかながはねて」の強みです。

参考:手遊び歌の発達支援効果に関する学術論文(国士舘大学リポジトリ)

手遊び歌の使用法における一考察 —幼児の発達段階をふまえて(PDF)

魚の歌の歌詞を軸にした絵本・食育・季節テーマ連携アイデア

「さかながはねて」は手遊び歌単体で使うだけでなく、他の保育活動と連携させることで一週間のテーマ活動が作れます。これは多くの保育サイトではあまり取り上げられていない視点です。

🐟 魚テーマの週間活動例

  • 🌟 月曜日:絵本「さかながはねて」(世界文化社・中川ひろたか著)を読み聞かせし、魚がくっつく場面を一緒に指さして楽しむ。
  • 🎵 火曜日:手遊び歌として実践。前日の絵本を覚えている子どもから自然に声が出てきます。
  • 🐠 水曜日水族館の写真や図鑑を見せながら「どんな魚を知ってる?」と会話を広げ、「さかながはねてに出てくる魚はどれかな?」と問いかける。
  • 🎨 木曜日:魚の塗り絵や製作活動(紙の魚を作って壁に貼るなど)を行う。
  • 🎤 金曜日:「自分だけのさかながはねてバージョン」を発表する。歌詞を考えて友達に披露します。

1曲の手遊びが、言語・造形・表現・自然認識という複数の保育領域をつないでくれます。

🍣 食育との連携アイデア

「さかなを食べると体が強くなる」という知識を食育に絡めることも有効です。魚にはDHA・EPAなど脳の発達に関わる栄養素が含まれています。給食前に「今日も魚のご飯だよ、一緒にさかながはねてを歌ってから食べよう!」と一声かけるだけで、食への関心が高まります。歌と食が結びつくと、苦手な食材のハードルも自然と下がります。これは使えそうです。

☀️ 夏の季節導入として

7〜8月は「水・川・海・魚」がテーマになりやすい時期です。「さかながはねて」は春〜夏(4〜8月)に使いやすく、海の日(7月第3月曜日)前後の活動にも特にぴったりです。「みんなはさかなが泳いでいるところを見たことがあるかな?」と問いかけることで、水辺の自然への関心につながる導入ができます。

絵本版では、ねこ・いぬ・ぞうなどさまざまな動物も登場し、手遊び歌と絵本をセットで活用することで導入がよりスムーズになります。絵本には手遊びのやり方も掲載されており、初めて取り入れる保育士でも安心して使えます。

参考:魚テーマの保育活動と手遊び歌のつなげ方を解説したページ


でっかい魚の唄