リュート楽器の値段と種類・購入方法の完全ガイド

リュートの楽器としての値段・種類・購入を完全解説

安いリュートを買うと、むしろ30万円以上の追加出費になる可能性があります。

🎵 この記事でわかること
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リュートの値段の全体像

入門モデルで約3〜15万円、ステューデントモデルで15〜20万円、手工品の本格モデルは60〜100万円以上。種類と目的によって大きく異なる価格帯を詳しく解説します。

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リュートの種類と特徴

ルネサンスリュート・バロックリュート・テオルボなど、時代や用途によって異なる種類の構造・弦の数・音色の違いをわかりやすく紹介します。

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失敗しない購入方法

日本国内の専門店、海外通販、中古市場のリスクと対策、弦のランニングコストまで、リュートを始める前に知っておきたい購入の全知識をまとめました。

リュートとはどんな楽器?値段を知る前に基本を押さえよう

 

リュートは中世・ルネサンス・バロック時代のヨーロッパで「楽器の王」とまで称された撥弦楽器です。洋梨型のふっくらした胴体と、後方に折れ曲がった糸巻き部分(ペグボックス)が見た目の大きな特徴で、一度見たら忘れられない独特のシルエットを持っています。

起源はアラビアの「ウード(ʿūd)」という楽器にさかのぼり、10世紀頃にイスラム文化を通じてヨーロッパへ伝わりました。スペインやイタリアなど地中海沿岸から広まり、徐々にヨーロッパ独自の形状へと変化していきます。「リュート(lute)」という名前自体、「木」を意味するアラビア語が語源と言われています。

音の出し方はギターと同じく指で弦を弾く指弾き(プラック奏法)が基本です。ただしギターと大きく違うのは「コース」という構造で、1コース(1列)につき2本の弦が並行して張られているのが標準です。つまり6コースのルネサンスリュートでも実際の弦の本数は11〜12本になります。これが音の豊かな共鳴感と深みをつくり出しています。

リュートの音色は一言で言うと「しっとりと深い余韻」があります。かのエリザベス女王1世が「眠れぬ夜にお抱えのリュート奏者の音色によって眠りについた」という記録が残っているほど、その響きは古くから人の心と体を癒すものとして愛されてきました。

つまり、リュートは見た目・音色・歴史のすべてが個性的な楽器です。

セシリアギタースクール「リュートクラス」解説ページ(ルネサンス・バロックリュートの種類・特徴・調弦の詳細)

リュートの楽器としての値段相場|入門モデルから手工品まで

リュートの値段を調べると、最初に驚くのがその価格帯の広さです。安いものは数万円から、高いものは100万円を超えるものまであり、同じ「リュート」という名前でも価格がまったく違います。

まず大きく3段階で把握するのが基本です。

🟡 入門・量産モデル(約3〜15万円)

中国・パキスタンなどで量産されたモデルや、海外大手楽器店のエントリーラインがこの価格帯に入ります。Takamine Lute Guitarのような国内でも比較的入手しやすいモデルは約3万3千円前後です。また、海外の即納系ブランド「Muzikkon」や「The Early Music Shop(EMS)」のスチューデントモデルは送料込みで10〜15万円前後になることが多いです。

🟠 ステューデント・中級モデル(約15〜30万円)

東京・池袋などのリュート教室が初心者に推奨するクラスの楽器です。池袋のセシリアギタースクールでは「ステューデントモデルで15〜20万円ほど」と明示しています。ヨーロッパの楽器専門店「Le Luth D’Or(パリ)」の入門モデルも概ねこの価格帯に入ります。弦の張りやすさ・音の出方・セッティングの精度が量産品とは大きく異なります。

🔴 手工品・上級モデル(約60万〜100万円以上)

日本やヨーロッパの職人(リュート製作家)が一台一台手作りするモデルです。国内専門店「ギタルラ社」(東京)では、8コース・ルネサンスリュートで30万円台後半〜55万円以上の手工品が並んでいます。セシリアギタースクールでは手工品は「60〜100万円ほど」と案内しており、ヨーロッパの有名製作家に新品をオーダーすると、その価格は100万円を大きく超えることもあります。

価格差が大きいのが原則です。

また中古市場についてはヤフーオークション(ヤフオク)での過去落札相場が平均約2万2千円(「リュート 楽器」カテゴリ、過去120日分)というデータがあります。ただし後述するように、中古購入は相当なリスクを伴います。

竹内太郎(リュート奏者・教師)による楽器購入アドバイスページ(入門用楽器の価格・品質リスクの詳細解説)

リュートの楽器の値段に影響するコース数・種類の違い

リュートの値段に直結する要素として、まず「コース数(弦の組数)」と「種類(時代別の形式)」を理解することが重要です。コース数が増えるほど製造コスト・難易度が上がり、一般的に価格も高くなる傾向があります。

リュートの主要な種類は以下の通りです。

種類 時代 コース数の目安 全長の目安 特徴
ルネサンスリュート 15〜17世紀初頭 6〜10コース 約90〜110cm 中高音中心のソロ・伴奏用。入門に最適
バロックリュート 17〜18世紀 10〜14コース 約100〜120cm 低音拡張型、複雑なポリフォニー対応
アーチルート 17世紀 11〜14コース 約120〜140cm さらなる低音強化、室内音楽・通奏低音向け
テオルボ 16世紀末〜18世紀 13〜19コース 約150〜180cm ネックが2段に分かれた大型楽器。テニスラケットより長い

特に注目したいのがテオルボのサイズ感です。全長170cm以上に達するモデルもあり、これは大人の身長に近いほどの大きさです。バロック音楽のオーケストラや室内楽で通奏低音を担う専門的な楽器で、入門用としては一般的ではありません。

初心者が最初に手を出すべきは6〜8コースのルネサンスリュートが原則です。コース数が少ないほど弦の張替えコストも低く、チューニングの手間も少ないという現実的なメリットがあります。

一方、8コースのルネサンスリュートの場合、実際の弦の総本数は15本になります(最高音コースは1本の単弦、それ以外は2本の複弦)。一見シンプルそうに見えても、ギターの約2倍の弦が張られているわけです。これはメンテナンスコストにも影響します。

これは使えそうです。

Wikipedia「リュート」(コース数・調弦・構造・歴史の詳細資料)

リュートの楽器を安く買うと起こる「出費の連鎖」に注意

リュートを始めようとする人が最初に陥りやすい失敗が、「とにかく安い楽器を買う」という選択です。これは結果的に大きな出費につながることが少なくありません。

東京でリュートを指導するプロ奏者・竹内太郎氏は自身のWebページでこう明言しています。「欧米の楽器店が中国やパキスタンなどで作らせているリュート、旧東ヨーロッパで製作しているメーカーの楽器などは、価格的にはかなり安いが、まあ『悪いことは言いませんからやめた方が良い』と言わざるを得ない」というのです。

問題になるのが「楽器のセッティング不良」です。弦高(弦と指板の距離)や弦幅が適正でないと、まず弾きやすい音が出ません。専門製作家に調整を依頼することになりますが、そのリペア費用は2万〜5万円程度かかることもあります。調整しても本来の音質には遠く、やがてやる気を失って楽器の買い替えを検討することになります。

しかし問題はそこで終わりません。安価な量産品は中古市場での転売が極めて困難で、買い取り価格もほぼつかない状態になることが多いです。最初の楽器代・調整費・買い替え費用を合計すると、最初から15〜20万円のステューデントモデルを購入するよりも高くつく計算になることがあります。

痛いですね。

17世紀のリュート教則本の著者トーマス・ロビンソン(1603年)も「初心者のうちから良い楽器を持つべきである。良い楽器はその姿と音で、弾く喜びと学ぶ勇気を与えてくれる。悪い楽器は学ぶものの魂を押さえつけてしまう」と述べており、この教訓は400年たった今も変わらないと言えます。

予算が限られている場合の具体的な対策としては、楽器の購入よりも先に「教室の無料レンタル制度」を活用することが現実的です。セシリアギタースクール(東京・池袋)などでは「一定期間の無料貸し出し楽器」を用意しており、実際に弾いてみてから購入判断ができます。まずレンタルで試す、という順番が安全です。

リュートの楽器の弦の値段とランニングコスト|意外な出費の落とし穴

リュートを購入する際に見落としがちなのが「弦のランニングコスト」です。ここを知っているかどうかで、毎年の出費が数万円単位で変わります。

リュートの弦は大きく「ガット弦(羊腸弦)」と「合成弦(ナイロン・フロロカーボン・ナイルガット)」の2種類があります。

🎵 合成弦(ナイロン系)

入門用として最も手頃です。ナイルガットで有名なイタリアのAquilaブランドなどが展開しており、1セット数千円〜1万円程度で揃えられます。低音弦は金属巻き弦になるため、消耗が早いものもあります。

🎵 ガット弦(羊腸弦)

本格的な古楽演奏を目指す人が選ぶ弦です。ドイツのKüerschner(キルシュナー)やアメリカのGamut(ガムート)などが有名です。7コースのルネサンスリュート1台分のフルセットを組むと、キルシュナーで約110ユーロ(約1万2千円〜)、ガムートで約140ドル(約1万5千円〜)がかかり、これに送料が数千円プラスされます。

注目すべきは「太いガット弦1本の価格でギター弦なら1セット買える」という事実です。ギターの弦が1セット1,000〜3,000円程度であることを考えると、コスト感覚がまったく異なります。

ただし、ガット弦の太い低音弦は「音程が狂わない限り交換不要」という側面もあります。細い高音弦は切れやすいため頻繁に交換が必要ですが、太い低音弦は長持ちするため、トータルで見るとそれほど割高にならないケースもあります。

もう一つの重要な点が、ガット弦は一般の楽器店ではまず入手できないということです。国内でリュート弦を常時扱っている専門店は、名古屋の「ミューズ音楽館」など限られた店舗のみで、多くの場合は海外から直接取り寄せることになります。ガット弦が条件です。

名古屋・ミューズ音楽館「リュート弦価格表」ページ(国内でリュート弦を扱う専門店の参考リンク)

保育士がリュートに興味を持ったときの、独自の視点からのすすめ方

音楽と子どもの発達に深く関わる保育士にとって、リュートは非常に興味深い選択肢になり得ます。一般的にはあまり語られない切り口ですが、リュートの音楽的・教育的な可能性は見過ごせないものがあります。

まず音色の面での特性です。リュートの音量はギターよりも小さく、ふっくりとした温かみのある余韻が特徴的です。保育の現場では子どもを落ち着かせる「読み聞かせのBGM」「お昼寝のBGM」として、大きな音よりも優しく揺れる弦の響きが向いているケースがあります。エリザベス女王が眠れない夜にリュートの音で眠りについたという逸話は、まさにその音の持つ効果を物語っています。

実際に、リュートで子どもたちの音楽活動を伴奏する取り組みをしている教室も存在します。子ども向け音楽スクール「Skyward Music(東京)」では、子どもたちのカズー演奏にリュートを伴奏として取り入れ、「ボワーンという響きとカズーの音色が混ざり合って、スクール全体が中世に迷い込んだよう」という体験が生まれたと報告されています。これは使えそうです。

次に歴史教育との親和性です。リュートは中世・ルネサンス・バロックの音楽史と切り離せない楽器です。絵本や物語で登場する「お城の吟遊詩人」が抱えている楽器がリュートです。保育士として「昔の音楽や楽器」に触れる機会を子どもたちに与えたい場合、リュートはその入り口として非常に語りかけやすい存在です。

ただし、リュートは保育現場で「みんなで弾く楽器」にはなりません。入手の難しさ・価格の高さ・弦の繊細さを考えると、保育士個人の「教養・趣味・自己研鑽」として学ぶ楽器として考えるのが現実的です。教室の中で「こんな楽器があるよ」と見せるための一つのアイテムとして機能する場面を想像してみてください。

リュートに関心が生まれたら、まずは日本リュート協会のWebサイトを訪れ、近隣の教室情報やメーリングリストへの参加を検討することをおすすめします。無料体験レッスンを実施している教室も多くあります。

日本リュート協会公式サイト(教室情報・メーリングリスト・イベント情報の参照先)
Skyward Music「日本でここだけ!?リュートが伴奏するこども音楽教室」(子どもとリュートの音楽活動の実例紹介)

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