りんごのひとりごと歌詞意味
この一文が読者の常識を覆すものとして、歌詞に隠された意味に注目します。
多くの保育士さんは、りんごの視点で歌われたかわいい童謡と思っていますが、実はこの曲には「作詞当時の病床での創作エピソード」と「地方から都会へ出される切なさ」という二重の意味が込められています。
りんごのひとりごと歌詞全文と基本構成
「りんごのひとりごと」は1940年(昭和15年)に発表された童謡で、作詞は武内俊子、作曲は河村光陽によるものです。歌詞は3番まであり、りんごが主人公として自分の体験を語る形式になっています。uta-net+2
歌詞の構成は非常にシンプルです。
1番では、りんごが北国の畑から箱に詰められて汽車で町の市場へ運ばれる様子が描かれます。2番では、果物店で顔を磨かれて店先に並び、青空を見上げながら故郷のりんご畑を思い出す場面が続きます。
3番が最も感情的な部分です。りんご畑のおじいさんが今頃どうしているか、箱にりんごを詰めながら歌っているか、たばこをふかしているかと、故郷の人を想う気持ちが表現されています。
各番の最後には「りんご りんご りんご りんご かわいい ひとりごと」というリフレインが入ります。このリフレインが、りんごの心の声を優しく包み込む効果を生んでいるのです。
短い歌詞ですが、起承転結がはっきりしていますね。
りんごのひとりごと歌詞に込められた深い意味と解釈
表面的には可愛らしい童謡ですが、この歌には複数の解釈が存在します。最も一般的な解釈は、地方の農産物が都会へ出荷される過程を描いた作品というものです。
参考)https://blog.goo.ne.jp/hatokaku/e/d295f577b4a62de2d29c4f79fd6b7d31
しかし、より深い解釈として注目されているのが、東北地方から都会へ働きに出た人々、特に出稼ぎや人身売買の犠牲になった娘たちの姿を重ねた読み方です。「北の国」「箱につめられ」「町の市場へ」という表現が、当時の社会背景を暗示していると指摘されています。munojiya.exblog+1
作詞者の武内俊子は1939年に猩紅熱で入院中、お見舞いに持参されたりんごを見てこの歌詞をノートに走り書きしました。病床で故郷を想う気持ちと、りんごが故郷を離れる姿が重なったのかもしれません。wikipedia+1
曲調も少し哀愁を帯びています。明るい歌詞とこの哀愁のコラボレーションが、チャップリンの作品のように「悲しみの中に笑いがある、笑いの中に悲しみがある」深みを生んでいると評されています。
つまり、子ども向けの童謡でありながら、大人が聴くと別の感情が湧き上がる作品なのです。
保育現場では、こうした背景を知った上で、子どもの発達段階に応じた説明を工夫することが大切です。幼児にはりんごの旅の物語として、年長児には故郷を想う気持ちとして伝えることができます。
りんごのひとりごと作詞者武内俊子の背景
武内俊子(1905-1945)は広島県三原市出身の童謡作詞家・童話作家です。彼女の代表作には「かもめの水兵さん」「赤い帽子・白い帽子」などがあります。
「りんごのひとりごと」誕生のエピソードは特に印象的です。1939年、武内が猩紅熱で入院していた際、長妻完至氏がお見舞いに持参したりんごを見て、彼女はノートに歌詞を走り書きしました。その後、見舞いに訪れたキングレコードの担当者・柳井堯夫氏がそのメモを見つけ、河村光陽氏が曲をつけて完成したという経緯があります。weblio+1
病床という限られた環境だからこそ、見舞いのりんごから豊かな想像力が生まれたのですね。
武内俊子は40歳という若さでこの世を去りましたが、彼女が残した童謡は今も多くの子どもたちに歌い継がれています。「りんごのひとりごと」には、透き通るような童心と未来へ向けた明るさが感じられる一方で、故郷への郷愁という大人の感情も織り込まれています。duarbo.air-nifty+1
保育士として、作詞者の背景を知ることで、この歌をより深く子どもたちに伝えられます。単なる歌唱指導ではなく、創作の過程や作者の想いにも触れることで、子どもたちの情操教育につながるのです。
りんごのひとりごと保育活動での活用方法
「りんごのひとりごと」は秋の季節(9月から11月)の保育活動に最適な童謡です。保育園や幼稚園では、季節感を感じられる歌として広く取り入れられています。
具体的な活用方法として、まず食育活動との組み合わせが効果的です。本物のりんごとレプリカを用意し、見た目や重さ、香りの違いを体験させることで、五感を使った学習ができます。0歳児から2歳児には「りんごどうぞ」と言って渡しながら名称を繰り返し伝え、言語発達を促進します。
参考)0~2歳児“りんご”をテーマに活動を展開(言語、感覚、日常生…
劇遊びや表現活動にも適しています。
りんごになりきって歌う活動は、子どもたちの想像力と感情表現を育みます。りんごが箱に詰められる場面、汽車に乗る場面、店先に並ぶ場面を身体で表現することで、物語の理解が深まります。
季節の制作活動とも連携できます。りんごの絵を描いたり、折り紙でりんごを作ったりしながら歌を歌うことで、総合的な学習体験になります。日常生活の練習にもりんごの要素を取り入れることで、色や形、感触の違いを学べます。
年齢別の配慮も重要です。0歳児クラスでは保育士が歌って聴かせる、1歳児・2歳児クラスでは絵本やペープサートと組み合わせる、3歳児以上では歌詞の意味を簡単に説明しながら歌うといった工夫が考えられます。
参考)【保育園で楽しめる9月の歌】秋の手遊びや童謡15曲!季節の歌…
導入時期は9月から11月の秋シーズンが基本ですね。
お遊戯会や発表会の演目としても人気があり、振り付けを工夫することで子どもたちの表現力を引き出せます。また、敬老の日の行事で祖父母世代と一緒に歌うことで、世代間交流のツールとしても機能します。
参考)https://hoikukyuujin.com/hoiku_club/11999
りんごをテーマにした保育活動の展開アイデア
「りんごのひとりごと」を起点として、様々な保育活動を展開できます。言語、感覚、日常生活の練習など、モンテッソーリ教育の視点からも効果的な教材です。
まずりんごの観察活動から始めましょう。本物のりんごを用意し、色(赤、黄色、緑)、大きさ、重さ、表面の感触を観察させます。切ったりんごの断面を見せて種の数を数えたり、りんごの香りを嗅いだりする活動は、科学的思考の基礎を育みます。
調理活動も有効です。りんごを洗う、皮をむく(保育士が行い子どもは観察)、切る、食べるという一連の流れを体験することで、食べ物への感謝の気持ちが育ちます。安全に配慮しながら、年齢に応じてりんごジュース作りやりんごの蒸しパン作りなどにも挑戦できます。
言語活動では、りんごに関する絵本の読み聞かせが効果的です。
「りんごがドスーン」「りんごかもしれない」など、りんごを題材にした絵本は多数あります。これらの絵本と「りんごのひとりごと」を組み合わせることで、りんごへの興味が深まります。
感覚教育として、りんごのレプリカと本物を混ぜて「食べられるりんご」と「食べられないりんご」を分類する活動も面白いです。遠目では判断がつかないほど精巧なレプリカ(100円ショップでも購入可能)を使うことで、観察力が鍛えられます。
造形活動では、りんごの木の制作、りんごスタンプ、りんごの塗り絵など、多様な表現方法があります。指絵の具でりんごを描く活動は、3歳児クラスから楽しめます。絵の具を出すタイミングや方法を工夫し、子どもたちの期待を高めることが大切です。
参考)https://kinkiesd.xsrv.jp/wp-content/uploads/2023/04/2022_teaching-plan_teacher_kinder-9.pdf
これらの活動全体を通じて、りんごという一つのテーマから多角的な学びを展開できるのです。
季節感を大切にしながら、子どもたちの興味関心に沿った活動を選択することで、より深い学びにつながります。


