ピチクリピィ 保育園 遊び歌
ピチクリピィ 保育園 遊び歌のねらい
保育園で「ピチクリピィ」を遊び歌として扱うとき、まず大切なのは“歌えるかどうか”より、どんな育ちにつなげるか(ねらい)を先に定めることです。手遊びは道具が不要で場所も選びにくく、短時間で子どもの注意を集めたいときに有効だと整理されています。
そのうえで、ねらいは大きく3つにまとめると、指導計画や日誌に書きやすくなります。
- コミュニケーション:楽しさの共有で安心感が高まり、保育者との距離が縮まりやすい。
- 手指の運動・リズム感:意図したタイミングで指先を動かす経験になり、模倣もしやすい。
- 気持ちの切り替え:次の活動に移る前の“合図”として機能し、声かけ連発より穏やかに切り替えやすい。
特に擬音(ピチ・クリ・ピィのような音のまとまり)は、言葉の意味理解が十分でない年齢でも「音が面白い」「口に出したい」という動機が先に立つため、参加の入口を作りやすいです。声の出し方を工夫すれば、気持ちが高ぶりすぎない“整える遊び”にも“盛り上げる遊び”にも調整できます。
保育での手遊びのねらい(コミュニケーション、手指の運動、脳の活性化、切り替え等)の根拠として、以下が参考になります。
保育園での手遊びのねらい・ポイントの根拠:保育園で子どもが喜ぶおすすめ手遊び!ねらいとポイントをおさえ…
ピチクリピィ 保育園 遊び歌の導入
導入で一番効くのは、「子どもが自然に見たくなる形」を先に作ることです。保育現場の手遊びのポイントとして、目を見て笑顔で歌う、動きを分かりやすく、止めるところはピタッと止めるなど“メリハリ”が有効だとされています。つまり「大きく動いて、止める」で視線が集まります。
具体的には、次の流れが失敗しにくいです。
- 0秒:保育者が両手を胸の前にそろえて静止(“これから始まる”の合図)。
- 3秒:小さめの声で「ピ…」だけ出して止める(子どもの「なに?」を引き出す)。
- 5秒:子どもが見たらテンポを上げて「ピチクリピィ」と短く1回だけ。
- 10秒:2回目でジェスチャーを追加(鳥・羽・口ばし等、わかりやすい形を固定)。
「最初からフルで歌う」より、「短く区切って、子どもの反応を待つ」方が、参加の余白が生まれます。参加が苦手な子についても、無理に参加させず、繰り返しの中で自然に動き出すのを待つことが大切だとされています。最初は“見るだけ参加”を許容し、口だけ・指だけ・最後だけ参加など、選べる参加にすると安心です。
ピチクリピィ 保育園 遊び歌のポイント
ポイントは「歌い方」と「場面選び」を分けて考えることです。手遊びは、活動の導入や短い時間で注目を集めたいときに大活躍するとされ、歌い方としては、明るい口調・分かりやすい手の動き・表情の工夫が挙げられています。つまり、同じ歌でも“使いどころ”で成功率が変わります。
場面別の使い分け例です。
| 場面 | ピチクリピィの使い方 | ねらい |
|---|---|---|
| 読み聞かせ前 | テンポはゆっくり、音量は小さめ、最後は静止で終える | 気持ちの切り替え |
| 移動前(トイレ・外遊び) | 短く1回だけ、合図として固定化する | 切り替えの合図 |
| すきま時間 | 速さを変える・声を高低で遊ぶ・保育者がわざと間違える | 模倣・やりとり |
| 泣きやすい時間帯 | 保育者の表情と目線を丁寧に、動きは大きくしすぎない | 安心感 |
また、実際の歌遊びとして「ピッピとチッチ」という名称で、泣いている子も思わず見てしまう歌遊びとして紹介されている例もあります(園の発信動画)。ここから学べるのは、“ストーリー性(小鳥の行方など)”や“視線誘導”が入ると、子どもが吸い込まれるように集中しやすい点です。
参考(園の歌遊び紹介の雰囲気が分かる):https://www.youtube.com/watch?v=xHqKTpM1GwI
ピチクリピィ 保育園 遊び歌の年齢
年齢で考えると、「できる・できない」より「楽しみやすい設計」に寄せるのが現実的です。乳児は、歌詞の意味理解よりもメロディーや動きのある手遊びが向くとされ、擬音が多い(とんとん、ころころ、グーなど)手遊びが覚えやすい例として挙げられています。ピチクリピィ系の音は、まさにこの“擬音の強さ”で乳児にも入りやすい部類です。
目安の組み立て例(※クラスの実態に合わせて調整)。
- 0〜1歳:保育者が見せる遊び中心。子どもは目で追う・音を聞く・手を握ってもらう程度でOK。
- 2歳:一部をまねる(最後の「ピィ」だけ、手をぱたぱた等)。“できた感”を作りやすい。
- 3〜5歳:ストーリーやゲーム要素を入れる(誰が一番小鳥になれる?声の大きさを変える等)。
大事なのは、手遊びが苦手な子への配慮です。手遊びの練習・関わりのポイントとして「無理に参加させない」「繰り返し行う」が挙げられており、見ているだけでも“共有”は成立します。参加が少ない日は「今日は目で参加できたね」と認め、翌日また繰り返す方が、結果的に集団が安定します。
ピチクリピィ 保育園 遊び歌の独自視点
検索上位の“定番:ねらい・手遊び一覧”から一歩進めるなら、「ピチクリピィを“観察ツール”として使う」視点が実用的です。手遊びは、保育者が目と目を合わせて同じ動きと楽しさを共有し、距離を縮める手法だと整理されていますが、この“同じ動き”は、子どもの状態がそのまま出やすい場面でもあります。つまり、ピチクリピィは短時間で子どもの様子を見取る“スキャン”に向きます。
例えば、次の観察ができます(記録にも落とし込みやすいです)。
- 模倣の質:手の形を再現できるか、タイミングが合うか(手指の協応)。
- 対人の入り口:保育者の目線に一瞬でも返ってくるか(安心感・関係性)。
- 切り替え耐性:終わりの静止で止まれるか(次の活動への移行)。
- 音への反応:小さい声→大きい声の変化に気づけるか(聴覚注意)。
さらに“意外と効く”のが、あえて「間」を作る運用です。ピチクリピィを一定回数で止め、「次は誰がリーダー?」と役割を渡すと、ただの手遊びが“順番を待つ練習”に変わります。ここで注意したいのは、盛り上げすぎると次の活動に移りにくいことなので、ラストは必ず小さく、短く、静止で終える型を固定すると安定します。
手遊びを「注目を集める声かけの代替」にする考え方は、手遊びの活用意義としても説明されており、日々の保育の負担軽減にもつながります。日誌には「歌ができた」ではなく、「切り替えがスムーズになった」「見る参加から手が動き始めた」など、育ちの変化で書くと評価されやすいです。


