王国の歌と保育園ごっこ遊び
王国の歌と保育園ごっこ遊びのねらい
「王国の歌」をきっかけにしたごっこ遊びは、まず“共通の物語”をクラスで持てることが強みです。検索キーワードとしての「王国の歌」は宗教団体で用いられる賛美歌集の名称でもあり、一般に想像される「王様の歌」「王国っぽい歌」とは意味が異なる場合があるため、園内で扱う際は“曲名の出所”と“活動のねらい”を切り分けて確認しておくと安心です(園の方針・保護者理解の観点)。実際に「王国の歌(Kingdom Songs)」はエホバの証人が集会などで用いる賛美歌で、かつて「御国の歌」とも呼ばれ、歌集として曲数や改訂の経緯が整理されています。
王国の歌の背景(用いられ方・歌集の位置づけ)を把握しておくと、「保育園の活動で何を指しているのか」を職員間で揃えやすくなります。王国の歌は集会の始まり・終わり・中間などで歌われるなど、一定の場面構造の中で使われることが説明されています。
保育園のごっこ遊びに落とす時は、歌そのものを“教材”として押し付けるより、「王国」という枠組み(城・門・市場・衛兵・行進など)を共有して、子どもが遊びの筋を作るための足場にします。ねらいは、次のように整理しやすいです。
・友達と同じイメージを持って遊びを組み立てる(世界観の共有)
・役割になりきり、言葉や身振りで表現する(表現の広がり)
・ルールを相談して決め、変えていく(自治・交渉)
・歌やリズムに合わせて動く(集団の同調と切り替え)
意外と見落とされやすいのが「王様役」への集中です。王国の世界観は魅力的な分、“強い役”に人気が偏り、遊びが止まりがちです。そこで、最初から「王様がいない日」「王様が複数いる日」「王様は手紙で指示だけ出す日」など、権力の中心を分散させる設定を用意すると、遊びが持続します。
参考:王国の歌(Kingdom Songs)の背景・曲数・用いられ方の概要
王国の歌と保育園ごっこ遊びの導入
導入のポイントは「歌を先に教える」より、「王国の生活」を先に見せることです。例えば、登園後の自由遊びに“王国の門”を作り、通る時に合言葉(門番のやりとり)を入れるだけで、子どもは遊びの中に入れます。歌はその後で“儀式”として入れると、導入が滑らかになります。
導入の一例(年中〜年長を想定、もちろん調整可)
・環境:段ボールで門、布でマント、椅子で玉座、紙で硬貨、紙皿で王冠
・はじまり:門番が「入国審査」をする(名前・用件・持ち物を言う)
・生活設定:市場(お店ごっこ)、城の厨房、衛兵の詰所、郵便局(手紙)
・歌の位置づけ:開国式、出発式、戴冠式、行進などの“区切り”に使う
ここでの保育士の援助は、過剰に筋書きを作らないことが重要です。世界観は“最低限”でよく、子どもが足りない部分を埋めた瞬間に遊びが自分のものになります。声かけの例は、指示ではなく問いかけ中心が合います。
・「門の外にはどんな人が来るかな?」
・「王国の約束って必要?どんな約束がいい?」
・「困った時は誰に相談する設定?」
また、園内で「王国の歌」という言葉が指すものが曖昧な場合、職員間では次の確認が安全です。
・“曲名としての王国の歌”なのか、“王国っぽい歌”の総称なのか
・歌詞の出所・著作権・宗教性に配慮が必要か(行事での扱い含む)
一般的に「王国の歌」は特定の歌集名として整理されているため、言葉だけで誤解が起きやすい点は押さえておくとトラブル回避になります。
王国の歌と保育園ごっこ遊びの環境
環境構成は「ごっこの継続」と「交渉が生まれる余白」の両方が必要です。作り込みすぎると、子どもは“正解の遊び方”を探し、自由度が下がります。逆に物が少なすぎると、役割ややりとりが続かず、鬼ごっこ化して終わります。
王国ごっこが続く環境のコツ
・役割が増えるコーナーを用意する(門番、料理人、配達、工事、衛兵、商人)
・交換できる物を作る(王国通貨、スタンプ、通行証、手紙、地図)
・“決める場”を作る(議会の椅子、掲示板、王国ニュースの紙)
・音の合図を準備する(鈴、太鼓、手拍子)※歌の代替にもなる
意外な効き方をするのが「手紙」です。口頭で揉める場面でも、手紙という形式にすると感情が落ち着き、交渉が成立しやすくなります。例えば「王様へのお願い」「困りごと相談」「市場の注文票」を作ると、文字への興味(年長)や絵で伝える力(年中)も同時に育ちます。
さらに、“王国の外”を設定すると遊びが深まります。外の国(隣国)、森、海、洞窟など「まだ知らない場所」を地図に描き足していくと、冒険→帰還→報告という流れが生まれ、歌や合図を挟む区切りが作りやすくなります。
参考:保育の遊びアイデアをカテゴリで辿れる(ごっこ遊び・製作遊び等の入口として使える)
王国の歌と保育園ごっこ遊びのルール
ルールは最初に完成させず、「困ったことが起きた時に増やす」のがコツです。特に王国ごっこは、上下関係(王様・兵士・庶民)を導入しやすい分、“命令する/させる”のやりとりが強く出ることがあります。そこを「遊びの面白さ」と「人権・安全」の両方から整える必要があります。
おすすめのルール設計(子どもと一緒に決める前提)
・王様は1回10分で交代(タイマー)
・命令ではなく「お願い」に言い換える(言い方ルール)
・拒否してもよい(断り方の型:「いまはできない」「かわりにこれなら」)
・困ったら議会で相談(場と手順を用意)
・体に触れる遊び(捕まえる等)は“園の約束”に合わせる
保育士の援助の核は、ジャッジよりも翻訳です。
例:「それはダメ!」ではなく
・「いま、どんな気持ち?」
・「本当はどうしてほしい?」
・「相手は何が嫌だった?」
を言葉にして、子ども同士が“次の提案”を出せるところまで橋渡しします。
また、遊びの終わり方(終結儀式)をルールにすると、切り替えが良くなります。王国の旗を片付ける、王冠を箱に納める、最後の歌(または合図)をして閉国する、などです。王国の歌という“儀式の枠”は、本来は集会の始まりや終わりで歌うなど、場面を区切る働きが説明されているため、「区切りの合図」としての発想に転用しやすいです。
王国の歌と保育園ごっこ遊びの独自視点
独自視点として提案したいのは、「王国=固定の国」ではなく「王国=移動するチーム」として扱う方法です。つまり、教室の一角に城を固定するのではなく、日によって王国が“引っ越し”し、別の部屋や園庭の一部が新しい首都になる設定にします。これにより、子どもは環境を読み替える力(象徴化)を自然に使い、遊びがマンネリ化しにくくなります。
移動王国の具体案
・今日は積み木エリアが首都、明日は絵本コーナーが首都
・園庭の遊具を「港」「見張り台」「森」に読み替える
・王国通貨のデザインを季節で変える(秋は木の実スタンプ、冬は雪の結晶)
・“王国ニュース”として、子どもが昨日の出来事を1枚の紙に描いて掲示する
この方法の良さは、「ごっこ遊びが一部の子の専有になりにくい」点です。場所が固定だと、いつも同じ子が同じ役を取りやすくなりますが、場所が動くと参加の入口が増え、役割の新陳代謝が起きます。さらに、移動のたびに“開国式”として短い歌や合図を入れると、活動のまとまりが出ます。
最後に、タイトルの狙いワードに含まれる「王国の歌」は、一般的には特定の歌集名として情報が整理されているため、園で扱う言葉として使う時は、誤解がないように「王国の世界観の歌(園オリジナル)」など呼び方を工夫するのも実務的です。保育の創造性を守りつつ、保護者対応の説明責任も果たしやすくなります。
旅の歌 保育園 童謡
旅の歌 保育園 童謡の手遊び歌
保育園で「旅の歌」を扱うとき、いちばん強い武器になるのが手遊び歌です。移動や待ち時間は子どもが退屈しやすく、注意が散りやすい場面ですが、歌と簡単な動きをセットにすると、視線・手・体の向きがそろい、集団の落ち着きが作りやすくなります。特に遠足や園外保育の“出発前”は、指示を増やすほどざわつくことがあるので、短い歌で合図を共有できると運営が安定します。
代表例として定番なのが「バスごっこ」です。貸切バス移動の場面では、「大型バスにのってます」で知られる曲の正式名称が「バスごっこ」であること、作詞が香山美子、作曲が湯山昭であることが紹介されています。車内で“ハンドルを回す”動作や“切符を渡す”動作が繰り返しになるため、動きが覚えやすく、座ったままでも楽しめる点が強みです。さらに、受け渡し動作に合わせてお菓子や飲み物を回していく遊びに発展させる工夫も紹介されており、移動時間の気分転換と秩序づくりが両立しやすいです。バス内で立ち歩かずに楽しめる設計にしやすいのも、保育者にとって重要なポイントです。
参考)幼稚園・保育園の貸切バス旅行!おススメのバスレク「手遊び歌」…
実践の組み立て例(入れ子にしない箇条書き)
- 導入:保育者が1番だけ“見本”で歌う(動きは大きく、説明は短く)。
- 共有:2番から子どもも参加(できる動きだけでOKにする)。
- 変化:テンポを少しだけ上げて“旅のわくわく感”を演出。
- 収束:最後は一気に静かにして、次の指示(降車・整列など)へつなぐ。
注意点として、バスの車内では“音源を流す”こと自体に配慮が必要です。貸切バス内で持ち込んだDVDやCD等を流せない旨に触れている情報もあり、現場では「生歌」や「手拍子」で成立するレパートリーを持っておくと安心です。
旅の歌 保育園 童謡の線路は続くよどこまでも
「線路は続くよどこまでも」は、旅のイメージをそのまま“電車ごっこ”に落とし込みやすい曲です。リズミカルで、繰り返しが多い構造のため、子どもが途中参加しやすく、隊列移動(廊下・園庭の移動)や、行事の導入にも使いやすいのが特徴です。実習に役立つ手遊び例の中でも、この曲が「電車に乗っている様子を表したリズミカルな手遊び歌」であり、簡単な動きを繰り返すので子どもも一緒に遊びやすい、と紹介されています。
手遊びとしては、2人組で手を合わせる型や、1人でもできる型など複数のバリエーションが語られており、クラスの人数や月齢差に合わせて選び分けできます。特に“2人以上でやる”形式は、相手のタイミングに合わせる経験になり、関わりが薄い子同士の距離を縮めるきっかけにもなります。
参考)線路は続くよどこまでもで手遊びをしよう!手遊びのねらいも紹介…
現場で効くポイントは「旅の歌=楽しい」だけで終わらせず、“切り替え”の道具にすることです。たとえば、歌の最後のフレーズを「しゅっぱつ」「とうちゃく」などの合図に変え、到着=静かに話を聞く、出発=並ぶ、というようにルールと結びつけると、叱る回数が減りやすくなります。なお、園や自治体が公開している手遊び動画では、手合わせの手遊びが「タイミングを合わせる」ことを要し、スキンシップに加えて協応動作の発達にもつながるという説明もあり、ねらいの言語化に役立ちます。
旅の歌 保育園 童謡の一円玉の旅がらす
“旅”をテーマにしながら、乗り物ではなく「ものの移動」に目を向けられるのが「一円玉の旅がらす」です。子どもにとって身近な硬貨が主人公になるので、「旅=遠足」だけでなく「旅=巡る・渡る・手から手へ」という広い概念につなげやすいのが面白さです。年長児なら、歌から発展させて「お金はどうして回るの?」「お店の人に渡ったらどこへ行くの?」と“社会への好奇心”の入口にもできます。
この曲は、NHK「みんなのうた」で1990年2月〜3月に初回放送されたこと、作詞が荒木とよひさ、作曲が弦哲也であることがNHKの曲情報として示されています。保育者が由来を短く押さえておくと、活動の導入(今日は“旅の歌”の中でも、ちょっと変わった旅の話)に説得力が出ます。
参考)一円玉の旅がらす
また、関連解説では「旅がらす」を“旅をするカラス”と誤解しやすい点に触れつつ、この曲がNHK「みんなのうた」で放送された楽曲であること、作詞・作曲者名なども整理されています。歌詞解釈に踏み込みすぎる必要はありませんが、保育者側が誤解ポイントを知っていると、子どもの素朴な質問に落ち着いて対応できます。
参考)一円玉の旅がらす 歌詞の意味と衣装 NHKみんなのうた
遊びへの落とし込み例(入れ子にしない箇条書き)
- 乳児:手のひらに“見立て一円玉”をのせる(丸い紙)→「いってらっしゃい」のやりとり。
- 幼児:紙のコインを順番に回す→“渡すときの言葉”を決める(ありがとう、どうぞ)。
- 年長:お店屋さんごっこで“お金の旅”を再現→役割交代で社会性を育てる。
旅の歌 保育園 童謡の旅愁
「旅愁(りょしゅう)」は、保育園の“日常の手遊び”よりは、行事や季節の雰囲気づくり、年長の鑑賞体験に向く旅の歌です。メロディがゆったりしていて情緒が強く、秋の空気感や“ふるさとを思う気持ち”がにじむため、遠足そのものよりも、季節の移ろい・家族への思い・心の言葉を扱う導入として活用しやすいタイプです。歌詞を全部歌い切るのではなく、サビ的に印象が残る部分を“聴く”活動にするだけでも成立します。
権威性の根拠として、旅愁は犬童球渓が1907年に訳詞した翻訳唱歌であり、1907年8月発表の音楽教科書「中等教育唱歌集」で取り上げられた、という説明があります。保育者はこの事実を“豆知識”として短く紹介するだけで、子どもが「昔から歌われてきた歌なんだ」と受け止めやすくなります。
さらに、原曲がアメリカのジョン・P・オードウェイの『Dreaming of Home and Mother』であることに触れた解説もあり、「旅の歌」が国を越えて伝わる、という意外性も提示できます。年長児の“世界”への興味に合わせて、地図や写真に軽くつなげると、歌が知識体験にもなります。
参考)唱歌「旅愁」歌詞の意味を考察!海を渡ってきた名曲に作詞家・犬…
由来の参考(原曲と背景の解説)
旅愁の原曲「Dreaming of Home and Mother」の解説(歌の背景と内容の概要)
参考)Dreaming of Home and Mother 邦題…
旅の歌 保育園 童謡の独自視点:安全と生活
検索上位の多くは「おすすめの歌」「手遊びの紹介」に寄りがちですが、保育園で本当に効くのは“旅の歌を安全と生活習慣に接続する設計”です。つまり、歌を盛り上げの道具にするだけでなく、移動・待機・乗車といった場面で、子どもが守る行動を自然に選びやすくする「流れ」を作ることがポイントになります。歌は指示よりも受け入れられやすいので、叱る回数を減らし、保育者の声量も守れます。
具体的には「バスごっこ」のように、最後のフレーズを“シートベルト”などに言い換える工夫が紹介されており、旅の歌が安全確認の合図として機能することが示唆されています。楽しい遊びの中に安全行動を埋め込めるので、「注意して!」と強く言わずに済む場面が増えます。
設計のコツ(入れ子にしない箇条書き)
- 合図を固定する:「歌が終わったら口を閉じる」「2回手拍子で前を見る」などを毎回同じにする。
- テンポを使い分ける:盛り上げたいときは速く、切り替えたいときはゆっくりにする。
- 座ってできる動きを中心にする:移動中・車内は“安全優先”で成立するレパートリーを選ぶ。
- 役割を与える:運転手・車掌・切符係などを交代にし、待つ時間も参加に変える。
こうした「旅の歌→行動の型→安心」の流れは、遠足や園外活動だけでなく、雨の日の室内移動、避難訓練の集合、行事の出番待ちにも応用できます。歌を“万能の注意喚起”にせず、場面ごとに短い型を決めることで、子どもも保育者も疲れにくい運営に近づきます。


