おほしさま歌を保育で活かす振り付けとねらいの全解説

おほしさまの歌を保育で使うための完全ガイド

「おほしさま」の歌を七夕に使っても、著作権を確認しないと1,000万円の罰金リスクがあります。

この記事でわかること
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「おほしさま」は2曲ある!

保育現場でよく使われる「おほしさま」には都築益世 作詞/團伊玖磨 作曲の童謡版と、武鹿悦子 作詞の別バージョンがあります。どちらを選ぶかで保育のねらいが変わります。

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年齢別の振り付けとねらいを解説

乳児(0〜2歳)から幼児(3〜5歳)まで、それぞれの発達段階に合わせた振り付けのアレンジ方法とねらいをわかりやすく紹介します。

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著作権の落とし穴に注意

現代の手遊び歌には著作権が存在します。SNSへの動画投稿や保育発表会での無断使用がトラブルになるケースも。正しい知識で安心して保育に活用しましょう。

おほしさまの歌には2種類ある――保育士が知っておくべき基礎知識

 

「おほしさま」という名前の歌は、実は保育現場で複数の曲が流通しています。代表的なのは、都築益世 作詞・團伊玖磨 作曲の童謡版と、武鹿悦子 作詞・山崎はちろ 作曲の別バージョンです。どちらも七夕や夜空の星をテーマにしていますが、曲調も歌詞の内容も異なります。

都築益世版の歌詞は「おほしさまぴかり おはなし しましょ」というフレーズで始まり、星が話しかけてくるような親しみやすい世界観が特徴です。團伊玖磨による旋律はゆったりとしており、乳児クラスでも落ち着いた雰囲気で使いやすい一曲です。つまり、静かな導入に向いています。

一方、武鹿悦子版も保育士試験の参考楽譜「こどものうた200(チャイルド本社)」などに収録されており、弾き歌いの練習曲としても知名度があります。保育士資格取得を目指す学生が練習する楽曲リストにも登場することから、養成校での認知度も高い曲です。

さらに「おほしさまゆび」(阿部直美 作詞・作曲)という指遊び歌も存在し、「いち いち いちごぼし ピカリ」と指を1本ずつ立てながら数えていく、数唱と指先運動を組み合わせたユニークな構成になっています。これが原則です。

3種類の「おほしさま」系の歌があることを知っておくと、季節や子どもの発達段階に合わせて使い分けができ、保育の幅がぐっと広がります。

曲名 作詞・作曲 特徴 対象年齢の目安
おほしさま 都築益世/團伊玖磨 ゆったりした童謡 0〜5歳
おほしさま(別バージョン) 武鹿悦子/山崎はちろ 弾き歌いの練習曲としても定番 0〜5歳
おほしさまゆび 阿部直美 指遊び・数唱つき 2〜5歳
おほしさまはなかよし ぼくときみ。 現代の手遊び歌、七夕向け 1〜5歳

保育の現場で「おほしさまを歌おう」と言ったとき、先輩保育士と自分とで違う曲をイメージしているケースは少なくありません。事前に「どの曲版か」を確認しておくのが基本です。

おほしさまの歌の振り付けと保育での導入方法

おほしさまの歌を保育に取り入れる際、最もシンプルで効果的な振り付けは「手をひらひらさせてお星さまを表現する」動作です。両手の指先をゆらゆらと動かすだけで、乳児クラスの子どもたちでも視覚的に星をイメージしやすくなります。これは使えそうです。

具体的な振り付けの一例をご紹介します。

  • 「おほしさまぴかり」→両手をひらひら動かす(星が光る表現)
  • 「おはなし しましょ」→両手を口元に当てる(ないしょ話の表現)
  • 「あちらのそらで こちらのそらで」→右手、左手と交互に指を向ける
  • 「ぴかぴかぴかり」→両手の指先をすばやくひらひらさせる

乳児クラス(0〜2歳)では、保育士が歌いながらゆっくり手を動かして見せるだけで十分です。子どもが真似しなくても、保育士の手の動きを目で追うこと自体が視覚刺激として機能し、発達を支えます。

幼児クラス(3〜5歳)では、振り付けに「両手でキラキラ」「頭の上で星形を作る」などの動作を追加し、体全体を使った表現に発展させることができます。4〜5歳の子どもたちには、星の形を意識した両手の動きを繰り返すことで、空間認識力と模倣力がともに育まれます。

「おほしさまはなかよし」(ぼくときみ。作)の手遊びでは、両手でそれぞれお星さまの男の子・女の子を表現し、「ぎゅっ!」で両手を組み合わせる動作が特徴的です。あそびうた作家「ぼくときみ。」のサイトでは保育で使う際のコツとして「手に目線を向け、表情でリアクションをすることで手が擬人化される」と解説されており、先生の演技力がポイントになります。

あそびうた作家「ぼくときみ。」公式サイト:おほしさまはなかよしの歌詞・振り付け・保育で使うコツを詳しく解説

おほしさまの歌を使う保育のねらいと年齢別活用法

保育活動に「おほしさま」の歌を取り入れるねらいは、年齢によって変わります。ねらいを意識することは、子どもへの言葉かけや活動の展開方法を決める上で重要な土台になります。

0〜2歳児(乳児クラス)のねらいは、主に「夜空の星に興味を持ち、歌の心地よさを味わう」ことです。「ほいくis」の資料でも、きらきら星・おほしさま系の歌について「夜空の星に興味を持ち、歌を楽しむ(対象:0〜2歳)」と示されています。乳児にとってはメロディーのリズムそのものが刺激となるため、保育士がゆったりと歌って聞かせるだけでも十分な意味があります。

3〜5歳児(幼児クラス)のねらいとしては、「季節の行事(七夕)を歌で味わう」「日本の伝統文化に親しむ」「友だちと一緒に歌う楽しさを味わう」などが挙げられます。七夕行事の導入として歌うことで、短冊の製作や夜空の星への興味へとつなげることができます。

手遊び歌は特に発達への効果が研究でも注目されています。鹿児島大学の研究では「手指を使う動作が脳に働きかける効果は大きく、音楽に合わせた指先運動が脳を活性化させる効果を持つ可能性が示唆された」と報告されています(鹿児島大学リポジトリ掲載論文)。指先を動かすことは脳の発達に直接つながるということですね。

さらに、国士舘大学の研究では「手遊び歌を行うと、子どもは自然に大人の手指の動きを真似して動かすようになり、言葉の発達や数の理解を助ける」とされています。おほしさまの歌で「ぴかり」「きらきら」という音の繰り返しを楽しむことは、音韻意識(言葉の音に敏感になる力)を育む基礎にもなります。

鹿児島大学リポジトリ:幼稚園における手遊び歌に関する実践的研究(指先運動と脳発達の関係を詳しく解説)

年齢別に整理すると、以下のように活用できます。

年齢 主なねらい 活用のヒント
0〜1歳 音や歌の心地よさを感じる 保育士がゆっくり歌って聞かせる
2歳 保育士の動きを真似して楽しむ 手のひらひらを一緒に
3歳 言葉とリズムを楽しむ 歌詞を覚えて一緒に歌う
4〜5歳 七夕の由来と結びつける 絵本・短冊製作と組み合わせる

きらきら星との違いと「おほしさま」2曲の使い分け方

「きらきらぼし」と「おほしさま(童謡)」は保育現場でどちらもよく使われますが、実は由来も曲調もまったく異なります。意外ですね。

きらきら星の原曲は、18世紀フランスのシャンソン「Ah! vous dirai-je, Maman(ああ、話したいの、ママ)」です。これをイギリスの詩人ジェーン・テイラーが1806年に「Twinkle, Twinkle, Little Star」として英語詞に仕立て、日本では武鹿悦子が日本語詞を付けて広まりました。同志社女子大学の記事では「『きらきら星』は民謡ではなくシャンソン(シャンソンは恋や日常を歌うフランス語圏の歌謡)が原曲」と解説されています。「きらきら星はイギリスの歌」という思い込みは、実は誤りです。

一方、「おほしさま(都築益世版)」は日本人作曲家・團伊玖磨が作曲した純粋な日本の童謡です。團伊玖磨は「ぞうさん」などでも知られる昭和を代表する童謡作曲家で、おほしさまはその代表作のひとつとして養成校の楽曲リストにも掲載されています。

使い分けの目安として、以下を参考にしてください。

  • 七夕行事の導入→「おほしさま(童謡版)」が日本の季節感に合わせやすい
  • 英語教育との連携→「きらきら星」の原曲「Twinkle Twinkle Little Star」を紹介しながら使うと知的好奇心を刺激できる
  • 手遊びで体を動かしたい→「おほしさまはなかよし」「おほしさまゆび」

「子どもたちが飽きてきた」と感じたとき、同じ星のテーマで別の曲に切り替えることでリフレッシュ効果があります。これだけ覚えておけばOKです。

また、きらきら星の原曲が「ああ、話したいの、ママ」というタイトルであることは、保育士の音楽知識として話のネタにもなります。発表会や保護者向けの通信に「実はこんな由来があります」と一言添えるだけで、保護者との会話のきっかけが生まれます。

おほしさまの歌と著作権——保育士が知っておくべきリスクと正しい使い方

保育現場で「おほしさまの歌」を使うとき、著作権について意識している保育士は多くありません。しかし、現代に作られた手遊び歌には著作権が存在し、無断使用は法的リスクにつながる場合があります。

著作権侵害が成立した場合、著作権法第119条第1項により、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(あるいは両方)が科される可能性があります(文化庁公開資料より)。痛いですね。

ただし、保育現場での「歌い聞かせ」や「子どもたちと一緒に歌う」行為は、一般的に著作権法上の「非営利・無料での上演」に該当するため、多くの場合は問題ありません。注意が必要なのは以下の場面です。

  • SNS・YouTubeへの手遊び動画の投稿
  • 楽譜の無断コピー・配布
  • 発表会CDやDVDの作成・販売
  • 有償のオンラインセミナーでの使用

特にSNSへの投稿は要注意です。Instagramや FacebookはJASRACと許諾契約を締結していますが、X(旧Twitter)は2024年時点で提携がなく、演奏動画の投稿には個別の確認が必要です。

「おほしさまはなかよし」(ぼくときみ。作)については、著作権をスタジオぼくときみ。が管理しており、公式サイトで「保育で使う時は著作権についてのページを必ずお読みください」と明記されています。こうした現代の手遊び歌を使う前に、必ず作者のサイトや著作権管理団体のページを確認することが大切です。

一方、都築益世・團伊玖磨版の「おほしさま」などは、著作権の保護期間(著作者の死後70年)を確認する必要があります。團伊玖磨は2001年に亡くなっていますので、2026年時点では保護期間内です。楽譜を園内で使う分には問題ありませんが、コピーして外部配布する場合は別途確認が必要です。

著作権フリーの楽曲を使いたい場合の対処としては、保護期間が終了したパブリックドメインの童謡を選ぶ方法があります。保護期間が終了しているかどうかは、作者の没年を調べてから判断するのが確実です。

文化庁:著作権が侵害された場合の対抗措置(罰則・告訴の手続きについて詳しく記載)
愛知文教女子短期大学:保育現場で必要な著作権の知識(JASRACとの連携によるやりがちな著作権違反の事例)

七夕保育に「おほしさまの歌」を活かすアレンジアイデア

「おほしさまの歌」を七夕行事の保育活動に組み込む方法は、歌うだけにとどまりません。以下に、現場ですぐ使えるアイデアをまとめました。

①歌と製作活動の組み合わせ

おほしさまの歌を歌いながら、星形の折り紙や短冊製作を行うことで、歌と季節行事がひとつの活動としてつながります。「おほしさまぴかり」と歌いながらキラキラシールを星に貼るだけでも、0〜2歳児は大喜びです。活動の流れは「歌で導入 → 製作 → 飾り付け」の順にするのがスムーズです。

②絵本との連携

七夕をテーマにした絵本を読んでから歌を歌う、あるいは歌の後に絵本を見せることで、子どもたちの理解と共感が深まります。おすすめの絵本としては、「みんなのおねがい(すとうあさえ 作、2〜3歳〜)」や「たなばたのねがいごと(村中李衣 作、5〜6歳〜)」などがあります。

③パネルシアター・手袋シアターとの組み合わせ

「おほしさまゆび」の歌詞に合わせて手袋シアターを使うと、視覚的な楽しさが加わり、子どもたちの集中力が上がります。手袋の各指に「いちごぼし」「にこにこぼし」「さんかくぼし」などのキャラクターを付けたシアターは、乳幼児教育研究所などからも教材として販売されています。製作が難しい場合は既製品を活用するのも手です。

④七夕会の出し物として

七夕集会の出し物に「おほしさまはなかよし」の手遊びを組み込む場合は、事前に何度か練習して子どもたちが動きを体に覚えさせることが大切です。「ぎゅっ!」の場面で子どもたち同士がペアになって手をつなぐアレンジを加えると、社会性の育ちにもつながります。

⑤朝のサークルタイムへの取り入れ方

七夕前後の1〜2週間、朝のサークルタイムに「おほしさまの歌」を毎日歌うことで、子どもたちが自然と歌詞を覚えていきます。繰り返しの経験が記憶力と言語感覚を育てます。1日1〜2回、無理なく取り入れるのが原則です。

七夕は「日本の伝統文化に触れる」という保育のねらいとも合致しており、歌をきっかけに「織姫と彦星」の話へと自然につなげていける行事です。歌が行事の入り口になるということですね。


お星さまのレール