お茶の歌の歌詞を保育士が子どもに伝える方法
「茶摘み」の歌詞は2番まで全部歌える保育士は、実は全体の2割しかいません。
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お茶の歌「茶摘み」の歌詞全文と基本情報
「茶摘み」は、1912年(明治45年)に刊行された『尋常小学唱歌(第三学年用)』に初めて掲載された文部省唱歌です。作詞者・作曲者はともに不詳とされていますが、100年以上にわたって歌い継がれています。2007年には文化庁と日本PTA全国協議会が選定した「日本の歌百選」にも選ばれた、日本を代表する唱歌のひとつです。
保育士の方にとってまず押さえておきたいのは、歌詞の全文です。1番だけ知っていて2番を歌えない方も少なくありませんが、2番こそがお茶づくりへの誇りや想いが詰まった大切な部分です。
| 番 | 歌詞(漢字) | よみがな |
|---|---|---|
| 1番 | 夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る あれに見えるは茶摘じゃないか あかねだすきに菅の笠 |
なつもちかづく はちじゅうはちや のにもやまにも わかばがしげる あれにみえるは ちゃつみじゃないか あかねだすきに すげのかさ |
| 2番 | 日和つづきの今日このごろを 心のどかに摘みつつ歌う 摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ 摘まにゃ日本の茶にならぬ |
ひよりつづきの きょうこのごろを こころのどかに つみつつうたう つめよつめつめ つまねばならぬ つまにゃにほんの ちゃにならぬ |
注目してほしいのが、2番の最後「摘まにゃ日本の茶にならぬ」というフレーズです。これは「自分たちが摘まなければ、日本のお茶は生まれない」という生産者の強い責任感と誇りを表しています。
また、教科書では「茶摘み」ではなく「茶つみ」と表記されています。これは「摘」という漢字が小学校低学年では習わないためで、正式な曲名は「茶摘み」です。これを知っておくと、ふとした場面で「先生物知り!」となれます。
茶摘(ちゃつみ)の歌【夏も近づく八十八夜】お茶の歌 – 掛川茶(お茶の産地から歌の詳細情報を確認できます)
お茶の歌「茶摘み」の歌詞に出てくる難しい言葉の意味
歌詞の中には、現代の子どもには馴染みのない言葉がいくつか登場します。保育士がしっかり意味を理解しておくことで、子どもたちに自信を持って説明できます。
まず「あかねだすき(茜襷)」について見ていきましょう。「たすき(襷)」とは、和服の袖やたもとが邪魔にならないように、肩からたすき掛けにして結ぶ紐や布のことです。「あかね(茜)」は植物の名前で、その根っこを乾燥させると赤い染料が取れます。根が赤いことから「赤根(あかね)」と呼ばれるようになりました。
少し意外なのが、茜のたすきには実用的な意味もあったという点です。茜には止血作用があるとされており、素手で茶葉を摘む作業で指先を傷つけることも多かった茶摘み娘たちにとって、茜のエキスを練り込んだたすきは暮らしの知恵でもありました。子どもたちに「このリボンにはけがを治す力があったんだよ」と話すと、目がキラキラしますよ。
次に「菅の笠(すげのかさ)」です。「菅(スゲ)」は日本全国の川辺や湿地に生える草で、高さ1メートルほどになります。この草を乾燥させてたたき、繊維をほぐしたものを編んで作った笠が「菅の笠」です。日差しや雨を防ぐ、いわば天然の帽子ですね。
「日和(ひより)」という言葉も歌詞に出てきます。「行楽日和」「お出かけ日和」という言い方でもおなじみですが、本来は「空模様・天気」そのものを指します。2番にある「日和つづき」とは「晴天が続いている」という意味です。茶摘みは雨天では行えません。濡れた茶葉を摘んでしまうと品質が落ちてしまうため、晴天が続くことは農家にとってこの上ない喜びだったのです。
- 🎀 あかねだすき:茜色(赤みがかった色)のたすき。着物の袖をまとめて作業しやすくするもの。止血作用もあったとされる。
- 👒 菅の笠:「スゲ」という植物の葉を編んで作った帽子。日差しや雨除けに使用。
- ☀️ 日和(ひより):天気・空模様のこと。「日和つづき」は晴天続きの意味。
- 📅 八十八夜(はちじゅうはちや):立春から数えて88日目。毎年5月1日〜2日頃にあたる。
子どもへの伝え方として、「あかねだすき」は「赤いリボンみたいなもの」、「菅の笠」は「わらで作った帽子」と言い換えると伝わりやすいです。イラストや写真を見せながら説明すると、さらにイメージしやすくなります。
お茶の歌「茶摘み」の歌詞のルーツと歴史の豆知識
「茶摘み」の作詞者・作曲者はともに不詳です。しかし、歌詞のルーツについては有力な説があります。
歌詞の1番・2番のそれぞれ後半(「あれに見えるは茶摘みじゃないか あかねだすきに菅の笠」「摘めよ摘め摘め 摘まねばならぬ」の部分)は、京都府綴喜郡宇治田原町(うじたわらちょう)に古くから伝わる「茶摘み歌」が基になっているという説が有力とされています。
宇治田原町は「日本緑茶発祥の地」として知られており、鎌倉時代にお茶の栽培が始まったとされています。そして江戸時代中頃の1738年(元文3年)、この地の農家・永谷宗円(ながたにそうえん)が「青製煎茶製法(あおせいせんちゃせいほう)」を考案し、現在私たちが飲んでいる緑茶の原点を作りました。お茶の老舗「永谷園」の創業家の先祖がこの永谷宗円です。意外な歴史のつながりですね。
歌詞の2番にある「摘まにゃ日本の茶にならぬ」という部分、元々の宇治田原の茶摘み歌では「田原」の茶を指していたとも言われています。「日本」という言葉に改められることで、一地域の仕事歌が「日本全体のお茶文化を支える歌」へと昇華していったわけです。
- 📜 発表年:1912年(明治45年)
- 📚 初出:尋常小学唱歌 第三学年用
- 🏆 選定:2007年「日本の歌百選」に選定
- 📍 歌詞のルーツ:京都府宇治田原町の茶摘み仕事歌(有力説)
- 🍵 つながり:永谷宗円(永谷園の先祖)が緑茶製法を確立した地と同一
保育の場でこうした豆知識を伝えると、単なる「歌の時間」が日本文化を学ぶ豊かな時間に変わります。もちろん子どもに全部話す必要はなく、「この歌、京都のお茶畑で働いていた人たちが歌っていた歌がもとになっているんだよ」と一言添えるだけで十分です。
茶摘(ちゃつみ)夏も近づく八十八夜 歌詞の意味 – WorldFolkSong(歌詞の由来・宇治田原との関係など詳細情報)
お茶の歌「茶摘み」手遊びのやり方と保育で使うときのコツ
「茶摘み」の最大の魅力のひとつが、2人組の手遊び歌としての楽しさです。「せっせっせーのよいよいよい」という掛け声からスタートする、あの懐かしい手合わせ遊びです。
つまり、歌を歌いながら相手と手を合わせる遊びということですね。
▼ 基本的な手遊びの手順
- 2人で向かい合って立つ(または座る)
- 「せっせっせのよいよいよい」で繋いだ手を拍子に合わせて上下に動かす。「よいよいよい」のタイミングで手を交差させてトン・トン・トン
- 「なつも/ちかづく」のリズムで、自分の手を叩いてから相手の右手・左手と交互に合わせる
- 各フレーズの最後は相手の両手のひらをパンと合わせる
- これを歌詞に合わせて繰り返す
地域や園によってやり方に若干のバリエーションがありますが、基本は「自分の手拍子 → 相手の手」の繰り返しです。慣れてきたらテンポを少しずつ上げると盛り上がります。間違えても笑い合えるのがこの手遊びの魅力で、子ども同士の関係づくりにも一役買います。
手遊びが子どもの発達に与える効果は複数の研究でも確認されています。具体的には次のような効果が期待できます。
- 🧠 脳の発達:手は「外部の脳」とも呼ばれ、左右の手を交互に動かすことで脳の活動が活性化する
- ✋ 手先の器用さ:細かい指の動きを繰り返すことで、巧緻性(手先の器用さ)が育まれる
- 🎶 リズム感・反射機能:歌と動作が一体になることで、リズム感と反射機能が養われる
- 💬 言語発達:歌詞の言葉を繰り返すことで、語彙が自然と増える
- ❤️ 心の安定・コミュニケーション:相手と息を合わせる体験を通じて、信頼感や協調性が育まれる
保育の場での活用ポイントとして、「茶摘み」の手遊びは5歳児以上に特に向いています。相手との息合わせが必要なため、友達との関係が育ちつつある年中〜年長クラスでの導入がスムーズです。4歳以下の子には、まず保育士と1対1でゆっくりやってみるところから始めると安心です。
手遊びの効果ってスゴイ!子どもの心と体を育む活用のコツ – 保育のお仕事(手遊びが発達に与える効果を詳しく解説)
お茶の歌と「八十八夜」の豆知識・子どもへの伝え方
「八十八夜」という言葉、「夏も近づく八十八夜」という歌い出しで多くの人が知っていますが、意味を正確に言える方は意外と少ないものです。
八十八夜とは「雑節(ざっせつ)」のひとつで、立春(2月4日頃)を1日目として数えて88日目の日のことを指します。毎年おおむね5月1日か5月2日にあたります。「八十八」という数字を一文字に組み合わせると「米」という漢字になるため、農業にとって重要な節目として昔から大切にされてきました。
この時期に摘まれたお茶は「新茶」や「一番茶」と呼ばれ、冬の間に栄養(旨味成分・テアニンなど)をたっぷり蓄えた若葉を使うため、渋みが少なく風味が豊かです。まさに一年で一番おいしいお茶ということですね。
昔から「八十八夜に摘んだ新茶を飲むと、一年間無病息災で過ごせる」という言い伝えがあります。「八十八」には「末広がりで縁起が良い」という意味もあり、新茶は縁起の良い贈り物としても長年親しまれてきました。「この歌のお茶を飲むと、一年間元気でいられる魔法がかかっているんだよ」と伝えると、子どもたちは一気に目を輝かせます。
子どもに歌詞を教える場面では、まず絵本やイラストを使って「茶畑」と「茶摘み」のイメージを共有することが効果的です。実際に急須でお茶を入れて飲んでみる体験と組み合わせると、食育にもつながります。「このお茶も、誰かが一生懸命葉っぱを摘んでくれたんだね」という言葉が、感謝の心を自然に育みます。
| 伝えるポイント | 子どもへの言い換えフレーズ |
|---|---|
| 八十八夜 | 「春が終わりそうな5月のはじめのこと」 |
| あかねだすき | 「着物がじゃまにならないようにする赤いリボン」 |
| 菅の笠 | 「草を編んで作った帽子」 |
| 日和つづき | 「晴れの日がずっと続いていること」 |
| 摘まにゃ茶にならぬ | 「摘まないとお茶にならないから、みんなで頑張ろうってこと」 |
また「茶摘み」の季語は「春」です。俳句では5月の八十八夜の頃を春の終わりとして扱うため、この歌も「初夏の訪れを感じる春の歌」という位置づけになります。知っておくと季節感の説明がしやすくなります。
保育士だけが知る「お茶の歌」活用の独自アイデア
「茶摘み」の歌と手遊びは、ただ歌って手を合わせるだけでなく、保育の様々な場面に応用できます。ここでは他の情報源にはない独自の切り口を紹介します。
まずは「カラーリング作業との組み合わせ」です。歌詞に出てくる「あかねだすき(赤)」と「若葉(緑)」の2色をテーマにした塗り絵を用意し、歌を聴きながら塗ってもらう活動は、歌の世界観と色彩感覚を同時に育みます。茶畑のパノラマ塗り絵はシンプルに作れるうえ、作品として園内に飾るとインパクトがあります。
次に「新茶の日プチ体験」です。5月頃に合わせて、子どもたちが実際に急須でお茶を入れる体験を取り入れてみましょう。茶葉の形・匂い・色の変化を観察しながら「この葉っぱを摘んだのがこの歌の人たちだよ」と話すと、歌と体験が直結して記憶に残ります。お茶を飲む前に「摘まにゃ日本の茶にならぬ」の歌詞を一緒に確認するのもおすすめです。
さらに「グループ対抗の手遊びリレー」も盛り上がる活動です。手遊びに慣れてきたら、3〜4人のグループで「誰が一番長く間違えずに続けられるか」という軽いゲーム感覚で競い合う活動です。失敗したときの笑いと、成功したときの達成感が同時に体験できます。勝敗よりも「楽しく続ける」ことを大切にしながら進めると、競争心よりも協調心が育ちます。
最後に「折り紙の菅の笠づくり」です。新聞紙や折り紙でシンプルな三角帽子(笠の簡略版)を折って、みんなで被ってみる活動も楽しいです。実際に「菅の笠はこういうものだったんだよ」と見せながら、子どもたちが自分の笠を持って「茶摘みごっこ」をすると、歌の情景が一気にリアルになります。
これらの活動はいずれも準備コストが低い割に、体験としての深みがあります。5月の行事や季節の製作活動として計画しやすいのも保育士にとってありがたいポイントです。
八十八夜の茶摘みの歌詞と意味を解説!手遊びや時期も紹介 – 日本文化を伝えるサイト(歌詞の意味・手遊び・新茶の知識が丁寧にまとめられています)

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