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どちらの歌詞を選びますか?
日本古謡さくらさくら歌詞の意味と由来
教科書に載っている歌詞は昭和16年改訂版です。
日本古謡さくらさくらの成り立ちと歴史
「さくらさくら」は日本古謡と表記されることが多いですが、実際には幕末の江戸時代に子ども用の箏の手ほどき曲として作られました。
作者は不明です。
元々は「咲いた櫻」という題目で、「さいたさくら。
花見てもどる。吉野はさくら。竜田はもみじ。
唐崎の松。
ときわときわ。深緑」という歌詞でした。
桜だけでなく、もみじや松まで含まれていたんですね。
参考)【童謡の謎】「さくらさくら」の歌詞が2番まであるのには深いワ…
明治21年(1888年)に音楽取調掛が発行した「箏曲集」に、歌詞を改作して記載されました。
これが明治版の歌詞です。
その後、昭和16年(1941年)に文部省が『うたのほん 下』という教科書に掲載する際、子どもが歌いやすいように再び歌詞を変更しました。
これが昭和版となります。
つまり、メロディは江戸時代からあるものの、歌詞は明治以降に付けられたということですね。
日本古謡さくらさくら明治版の歌詞と意味
明治版の歌詞は以下の通りです。
- さくら さくら
- やよいの空は
- 見渡すかぎり
- かすみか雲か
- 匂いぞいずる
- いざや いざや
- 見に行かん
「やよい」は旧暦3月の異称で、草木が生い茂る月という意味です。
視線は空に向かっています。
参考)童謡「さくら さくら」の歌詞の意味は?1番と2番の違いを徹底…
「匂いぞいずる」は、桜の香りがただよってくるという意味として解釈できます。春の空を見上げていると桜の香りが風に乗ってただよってきた、だから桜を見に行こうという流れです。
「いざや」は「さあ」という意味の古語で、「見に行かん」は「見に行こう」という意味です。香りで桜の開花に気づき、花見に誘う情景が描かれています。
日本古謡さくらさくら昭和版の歌詞と違い
昭和16年改訂の歌詞は以下の通りです。
- さくら さくら
- 野山も里も
- 見渡すかぎり
- かすみか雲か
- あさひに匂う
- さくら さくら
- 花ざかり
明治版との大きな違いは、視線が地上に向いている点です。「野山も里も」という表現から、目の前に広がる桜の風景を直接見ている状況が分かります。
「あさひに匂う」の「匂う」は、ここでは「鮮やかに色づく」という意味です。朝日に照らされて桜がピンク色に輝いている様子を表現しています。
霞や雲は桜の比喩表現として解釈され、満開の桜が霞のように見えるほど一面に咲いている情景です。最後は「見に行こう」ではなく、「花ざかり」で締めくくられています。
文部省が小学2年生の必修教材に指定した際、この昭和版が選ばれました。ただし明治版も忘れられず、両方とも現在まで歌い継がれています。
参考)【童謡の謎】「さくらさくら」の歌詞が2番まであるのには深いワ…
日本古謡さくらさくらを保育で活用するコツ
保育現場では、どちらの歌詞を選ぶかで活動の展開が変わります。昭和版は直接的な表現なので、幼い子どもにも伝わりやすいです。
具体的な活用場面としては、春のお散歩前に歌うと季節感が高まります。桜の写真や絵本と組み合わせると、歌詞の意味が視覚的に理解できますね。
リズム遊びとして取り入れる場合、ゆったりとした曲調を生かして、桜の花びらが舞う様子を身体表現で楽しめます。布やスカーフを使って花びらに見立てる活動も効果的です。
斎藤公子メソッド(さくらさくらんぼ保育)を実践している園では、童謡の合唱や日本の伝統文化を大切にしています。「さくらさくら」は日本の心を伝える教材として最適です。
歌詞に出てくる「やよい」や「霞」といった古語を、子どもの年齢に合わせて説明することで、言葉の豊かさも育ちます。5歳児クラスなら、明治版と昭和版を比較して違いを発見する活動も知的好奇心を刺激します。
参考になる指導法については、文化庁の伝統音楽に関する資料も役立ちます。
さくらさくら歌詞の言葉遊びと季節の保育
「さくら」という言葉自体に、日本人の文化的背景が込められています。『さ』は田んぼの神や穀物の霊を意味し、『くら』は神が宿る場所という意味があります。
保育活動では、この由来を簡単に伝えると、ただの花見の歌ではなく、豊作を願う日本人の祈りが込められていることが分かります。
歴史的な深みが増しますね。
言葉遊びとして、「さくらさくら」の繰り返しのリズムを生かした手遊びを作ることもできます。「さくら」と言いながら両手を広げて花が咲く動作をすると、小さな子どもも楽しめます。
3月から4月にかけての保育計画に組み込む際、実際の桜の開花時期と歌を結びつけると、自然観察の導入になります。園庭や近隣の桜の木を観察しながら歌うと、歌詞の世界が現実とつながります。
卒園式や入園式といった節目の行事でも、「さくらさくら」は定番です。式典の雰囲気を和らげながら、日本の春の美しさを共有できます。
製作活動と組み合わせるなら、桜の花びらを折り紙で作りながら歌うと、視覚・聴覚・触覚が統合された学びになります。完成した作品を飾って春の環境構成にも使えますね。


