なりきり保育の表現遊び
なりきり保育の表現遊びと歌
保育園で「歌が好き」な子は多いですが、歌は単体で終わらせず、表現遊びへつなぐ“導入装置”として扱うと活動が伸びます。
例えば、童謡に合わせて歌詞に出てくる動物や虫に変身し、音楽を聞きながら動きをつけることで「言葉」と「身体表現」を同時に経験できる、という考え方が紹介されています。
ここで大切なのは、保育者が「正解の動き」を決め過ぎないことです。
歌を合図にしたなりきりは、次のような段階設計がしやすいのが利点です。
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ステップ1:歌詞の単語(うさぎ、かえる等)を聞いて反応する(聴く→動く)。
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ステップ2:歌詞の情景(海、空、ジャングル等)を聞いて自分でテーマを選ぶ(想像→選択)。
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ステップ3:友だちの動きを見て「何のなりきりか」を当てる(観察→やりとり)。
また「歌が得意ではない子」も、声ではなく動きから参加できるため、活動への入口が複数になります。
結果として、歌の時間が“発表の場”になりにくく、表現遊びとしての居心地が保ちやすくなります。
なりきり保育の模倣遊びと見立て
なりきりの土台は「模倣遊び」です。
模倣遊びは、子どもが周囲の人や物の様子を真似る遊びで、その中に「見立て遊び」や「ごっこ遊び」が含まれる、と整理されています。
見立て遊びは“ある物を別の物に見立てる”遊びで、例として積み木を電話に見立てて話す、という具体例も示されています。
ここを押さえると、表現遊びの準備が「大道具づくり」だけで終わらなくなります。
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例:タオル=しっぽ、輪=ハンドル、積み木=マイクなど、子どもが“変換”できる余地がある素材を置く。
参考)なりきりごっこ遊びアイデア15選!保育に取り入れるねらいや注…
- 例:完成品の変身グッズより、あえて用途が固定されない小物を混ぜ、見立ての余白を作る。
さらに、模倣遊びでは社会性・コミュニケーション能力・想像力が育つ、というねらいが説明されています。
特に「実際には無いものを頭の中でイメージして遊びを発展させる」点は、歌の世界観(森・海・空など)と相性がよく、環境を少し整えるだけで遊びが続きます。
なりきり保育のねらいと援助
変身(なりきり)遊びのねらいとして、「テーマの特徴にあわせて全身を動かす」「自分なりに工夫して変身する」「表現する楽しさを学ぶ」が挙げられています。
そして遊びの進め方では、保育者の掛け声や音の合図でテーマを切り替えつつ、子どもの動きを観察して次のテーマへ進む“流れ”が提示されています。
このとき「この動物はこう」と動きを決めず、子どもが自由に表現できるように援助する点がポイントだとされています。
援助の基本は「設計はするが、支配しない」です。
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声かけの型:導入は具体(例:「絵本に出てきたゾウ、どんな歩き方?」)で、途中から抽象(例:「今の動き、何の気持ち?」)へ。
- 観察の視点:動きを真似しているのか/自分で工夫しているのか/友だちと役割分担しているのかを見て、介入量を変える。
- 介入の線引き:夢中で遊んでいる時は、保育者が輪に入って提案する必要はない、という考え方も示されています。
意外と効くのが「止める合図」のデザインです。笛や音でピタッと止まれる流れは、興奮が高まった時のリセットにもなります。
止まれない子がいる場合は“注意”よりも、止まれた子の姿を見せる配置(円の外側で保育者が一緒に止まる等)にすると、模倣が起きやすくなります。
なりきり保育の年齢別
年齢によって「なりきり」の中身は変わります。
0歳児は近くにいる人の動きや表情を真似ることを喜び、1歳児では見立て遊びやままごとが始まり、2〜3歳児では友だちと役割を分担して遊ぶようになる、という流れが示されています。
4〜5歳児になると家庭だけでなく社会を再現したごっこ遊びや劇遊びも楽しむようになる、と説明されています。
歌と合わせる場合の“現場向け”調整例です。
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1〜2歳:絵本を見ながら変身し、保育者が真似しやすい動きを率先して見せる(ヘビならうつ伏せでくねくね等)。
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3〜5歳:場所(ジャングル・海・空)からイメージして変身し、友だちの動きを当てるなど、観察と共有を足す。
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3〜5歳:リレーと組み合わせ、待つ子も他児の動きを見て楽しめるようにする。
「歌に合わせる」と聞くと、つい“振り付けを揃える”方向に寄りがちです。
しかし、年齢が上がるほど“揃える”より“役割と物語を共有する”方が、ごっこ遊びとして深まりやすいので、同じ歌でも「誰の歌?どこで起きてる?」と設定を足す方が伸びます。
なりきり保育の独自視点
検索上位の記事は「アイデア集」や「ねらい・援助」を中心にまとまりやすい一方で、現場では“歌の選び方”より“歌の使い方”が差になります。
そこで独自視点として、なりきり表現遊びを「音の合図」「言葉の合図」「沈黙の合図」の3つで設計すると、クラスの状態に合わせて安定しやすくなります。
この発想は、変身遊びの「笛などの合図で変身→止める→次へ」という流れを、音だけでなく言葉・沈黙にも拡張するイメージです。
具体例(歌が中心の活動で“荒れにくい”運用)。
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音の合図:サビに入ったら全員動物、間奏は“止まる”など、曲構造をルール化する(止まる練習にもなる)。
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言葉の合図:歌詞の単語が出たら変身、という「聴いて反応」を作る(集中の持続に効く)。
- 沈黙の合図:保育者が黙ってポーズを取る→子どもが真似して静まる、という模倣を利用する(注意より速い場面がある)。
さらに“意外な盛り上がり方”として、子どもが作った効果音(擬音)を歌に足す方法があります。
動きが単調になったら「雨の音は?」「風の音は?」と音を募集し、歌のテンポを崩さない範囲で挟むと、表現が「動きだけ」から「声・間・聞く」へ広がります。
保育所保育指針(告示)本文:保育のねらい・内容の公式文書(指導案の根拠づけに有用)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00010450&dataType=0&pageNo=1

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