七つの子と保育園と童謡と歌詞と意味

七つの子と保育園と童謡

七つの子と保育園と童謡:活動のねらい
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歌詞の情景をつかむ

「夕方」「山」「古巣」など、言葉から場面を想像し、ことばの理解と表現を育てます。

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やさしい問いで対話

「なんで鳴くの?」「どんな気持ち?」と問い、子どもの考えを受け止めて広げます。

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表現あそびへ展開

手遊び・身体表現・制作に結び、歌うだけで終わらない保育の流れをつくります。

七つの子の童謡の歌詞と作詞作曲

 

七つの子は、日本の童謡として長く親しまれている作品で、作詞は野口雨情、作曲は本居長世です。

初出は1921年に童謡・童話雑誌『金の船』に発表されたとされ、当時の童謡運動の流れの中で広まっていきました。

保育園で扱う場合、まず「歌として知っている」子と「初めて聞く」子が混在しやすいので、導入では“知識”より“音と情景”から入るとスムーズです。

例えば冒頭の「烏 なぜ啼くの」という問いは、そのまま子どもに返せる強いフレーズなので、歌う前に一度だけ保育者が朗読して「なんでだと思う?」と短く聞き、答えは評価せず受け取ります。

歌詞は短く、繰り返しも多いので、0〜2歳児でも「かわい かわい」など同じ音の連続に乗りやすい一方、意味理解は年齢で差が出ます。

そのため、年齢が低いほど「声の強弱」「間(ま)」「視線」「手の動き」で“かわいがる感じ”を表現して見せ、言葉の説明は最小限に留めます。

また、歌詞の表記(漢字・かな)については、園だよりや掲示で扱う際に注意が必要です。原詩に近い表記では「啼く」「御覧」などが出てくるため、保護者向けには読みやすいひらがな中心にしつつ、職員間では由来を共有しておくと説明の一貫性が保てます。

参考)七つの子 – Wikipedia

参考:作品の初出・原型(「山烏」)や、雨情自身の童謡観(「愛の世界」)の手がかり

https://www.ujokinenkan.jp/ujo_noguchi/song20.html

七つの子の童謡の意味とカラス

七つの子の「七つ」が何を指すのかは、7羽なのか、7歳なのか、または「たくさん/幼い」といった幅を持つ表現なのかが、たびたび議論になります。

少なくとも、現実のカラスの生態から「一度に7羽の雛を育てるのは不自然」「7年生きたカラスを“子”と呼ぶのは不自然」といった点が指摘され、解釈が一つに定まりにくい作品として紹介されています。

ここは保育園でむしろ強みになります。

答えを一つに固定しないことで、子どもの想像や経験(きょうだい、家族、動物を見た体験)を持ち寄りやすいからです。

活動例(幼児クラス向け)。

  • 🐦「七つ」ってなに?:7という数の認識に寄せすぎず、「“いっぱい”って感じもする?」と感覚の言葉で広げる。​
  • 🌄「山の古巣」ってどこ?:写真や絵で“山”“巣”のイメージを出し、環境(自然・生き物)への関心につなぐ。
  • 👂「啼く」ってどんな声?:カラスの鳴き声を真似る→強い声・小さい声→感情語(うれしい/さみしい)に接続する。

注意点として、カラスを「こわい」「悪い」と決めつける語りは、子どもが身近な鳥への恐怖だけを強める場合があります。

この歌は「かわいい」「いい子だよ」という肯定的な言葉が中心なので、保育では“親子の情愛”や“帰巣”の安心感に焦点を当てるほうが、情緒の安定につながりやすいです。

七つの子と保育園の導入と手遊び

保育の導入に手遊びを取り入れると、これから行う活動への注意を集めやすく、切り替えにも使いやすいとされています。

また、手遊びは遊びながら単語を増やしたり、生活の区切りを伝えたりする目的でも使えると紹介されています。

七つの子に直接「定番の振り」が固定されているわけではないので、園の子どもの姿に合わせて“簡単な合図”として設計するのがコツです。

おすすめは「歌そのものを手遊び化」するより、歌に入る前の30秒で“身体を整える導入”を作るやり方です。

導入の手遊び(例)。

  • 👐「はじまるよ」型:最後を「七つの子、はじまるよ」にして、着席と視線をそろえる(歌詞の内容は改変しすぎない)。

    参考)導入に役立つ手遊びアイディア14選【保育・絵本・子どもを引き…

  • 👀「まるい目」ゲーム:両手で丸を作って目に当てる→「だれの目?」→子どもが当てる(集中のスイッチになる)。
  • 🪶「とぶ・とまる」:手を羽にして“飛ぶ”“巣にとまる”を静かに表現し、興奮を上げすぎず導入できる。

年齢別の目安。

  • 0〜1歳児:保育者が抱っこや膝の上で、ゆっくりしたテンポと表情で“安心”を伝える。
  • 2歳児:まねっこ中心。「かわい かわい」のところだけ参加でもOKにする。
  • 3〜5歳児:問いかけ→歌→表現あそび(劇ごっこ/制作)と流れを作りやすい。

歌の導入は「静かにしなさい」より、「今から“山の古巣”を見にいく歌だよ」など情景の予告にすると、自然に集中が寄ります。

とくに夕方の降園前など落ち着きたい時間帯に入れると、歌の雰囲気と生活のリズムが合いやすいです。

七つの子の童謡と金の船

七つの子は1921年に『金の船』に曲譜付き童謡として掲載され、本居長世の曲とともに発表されたと説明されています。

また、この童謡は野口雨情が以前に発表していた詩「山烏」をもとに改作された経緯があるとされます。

保育園でこの背景を“そのまま講義”する必要はありませんが、保育者が知っていると関わりが深くなります。

たとえば「同じ作者でも、最初から今の形だったわけではない」という事実は、子どもの制作活動(下書き→作り直し)を肯定する声かけに転用できます。

子どもに伝えるなら、歴史は短い一言で十分です。

  • 📚「昔の絵本みたいな雑誌にのって広まった歌なんだって」​
  • 🖊️「はじめは別の詩(山烏)だったのを、子どもに歌いやすく直したみたい」​

ここから活動に落とすなら、「雑誌ごっこ」「表紙づくり」がおすすめです。

クラスで“童謡のページ”を作り、子どもが描いたカラスや山を貼って「みんなの金の船(クラス版)」のように綴じると、歌が“その場で終わらない”記録になります。

参考:『金の船』での発表や「七つ」の解釈の幅(7羽/7歳/幼い等)の整理

七つの子 – Wikipedia

七つの子の童謡の替え歌

七つの子には替え歌が知られており、1980年初頭に「カラス なぜ鳴くの カラスの勝手でしょ〜」という形がテレビ番組で流行した、と紹介されています。

保育園の現場では、替え歌は「子どもが勝手に歌い出すもの」として出会うことが多いので、禁止より設計が安全です。

例えば「替え歌は“おもしろい遊び”として別枠にして、本来の歌を歌う時間は分ける」だけでも、活動の秩序が保ちやすくなります。

扱い方の提案。

  • 🎭 ルール化:本来の歌=“七つの子タイム”、替え歌=“お笑いタイム”と時間を分ける(子どもが見通しを持てる)。​
  • 🧠 ことば遊びへ昇華:「なぜ鳴くの?」の答えを子どもが考えて短い文で作る(相手を傷つけない言い方の練習にもなる)。
  • 🤝 保護者対応:替え歌が先に知られている家庭もあるため、園では「元の童謡は“かわいい”を大事にして歌う」方針を共有しておく。​

このセクションは、検索上位で「歌詞」「意味」中心の記事が多い中でも、園で起きがちな“替え歌あるある”を保育のマネジメントに落とす独自視点として使えます。

替え歌を完全に排除すると対立が生まれやすい一方、枠を作ると子どもが切り替えを学ぶ機会になります。

(ここまでで、狙いワード「七つの子 保育園 童謡」を軸に、歌詞・意味・導入・背景・替え歌まで一続きで深掘りできる構成です。)


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