長靴の歌おかあさんといっしょを保育で活かす全ガイド
「ながぐっちゃん!!」は実は、雨の日より晴れた日に生まれた歌です。
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長靴の歌おかあさんといっしょ「ながぐっちゃん!!」の基本情報と誕生背景
「ながぐっちゃん!!」は、NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」で2008年6月に放送された月の歌です。作詞はもりちよこさん、作曲は柴草玲さんが担当しています。うたのおにいさん・横山だいすけさんとうたのおねえさん・三谷たくみさんの歌声で広く親しまれた一曲で、2024年〜2025年にかけても放送で再使用され、現在も根強い人気を誇っています。
曲の主人公は「長靴」そのものです。これがこの歌のユニークなポイントで、長靴の視点から「晴れていてお外に出られない、雨が降ればいいのに!」という気持ちを描いています。晴れた日には退屈で、靴クリームでほっぺを汚してしまい、やっと雨が降った日には傘やカッパと一緒にパチャパチャ水たまりで遊ぶ——という流れのストーリー仕立てになっています。つまり「晴れ→退屈→雨→喜び」という感情の流れが歌詞にそのまま込められているわけです。
「ピピポ ラララ タプタラタン」という反復フレーズが特徴的で、子どもが自然に口ずさみやすい構造になっています。テンポは明るく軽快で、1番・2番・3番ともに同じ繰り返しのサビがあるため、小さな子でもすぐに覚えられます。2〜4歳の子どもを主なターゲットにした動画構成でも使われているとおり、乳児クラス後半から幼児クラス前半の保育に自然になじむ曲です。
また、柴草玲さんは「おかあさんといっしょ」の楽曲を複数手がける実力派作曲家です。もりちよこさんも同番組の別の月の歌「そらそらそうめん」を手がけており、2021年の放送回では「ながぐっちゃんデー」と視聴者に呼ばれるほど、お二人のコンビの親しみやすさは保護者・保育者の間でも評判です。
長靴の歌「ながぐっちゃん!!」の歌詞が持つ教育的な意味と保育ねらい
「ながぐっちゃん!!」の歌詞には、保育現場で活かせる要素がいくつも詰まっています。まず注目したいのは、擬音語と造語のたっぷりな使用です。「ピピポ」「タプタラタン」「ぱちゃぱちゃ」「ぺたぺた」「うひゃひゃのひゃ」など、音から楽しさが伝わる言葉が随所に散りばめられています。これらの擬音語・擬態語に繰り返し触れることで、子どもの語彙力・表現力・リズム感が自然に養われていきます。
言語発達の観点から見ると、音楽に含まれる韻律的なパターンへの接触は、言葉の分節感覚を育てるうえで重要な刺激です。つまり「リズムのある言葉」と「意味のある言葉」を同時に学べる場として、歌は非常に効率的な教材と言えます。
次に、「感情の変化を追う」という点も重要なねらいになります。この曲は「退屈→困った→喜び」という感情のストーリーをそのまま歌にしており、子どもが感情の流れを音楽で追体験できます。「今、長靴ちゃんはどんな気持ちだろう?」と問いかけながら歌うと、情緒理解の活動にもつながります。これは感情の言語化が難しい2〜3歳前半の子どもに特に効果的です。
さらに、「雨や自然への前向きな関心を育てる」というねらいも見逃せません。梅雨の時期、子どもの中には「雨でつまらない」「外に出られなくて嫌」という気持ちが出てきます。そんなときにこの歌を一緒に歌うと、「長靴ちゃんも雨が大好きだって!」という気づきが生まれ、雨の日を楽しいものとして受け取る感性のきっかけになります。保育のねらいとして「自然の変化に興味を持つ」を設定しているクラスであれば、この曲はドンピシャの教材です。
| 保育ねらい | 歌詞の対応箇所 | 発達への効果 |
|---|---|---|
| 言語発達・擬音語への親しみ | ピピポ ラララ / ぱちゃぱちゃ など | 語彙力・音感・リズム感の向上 |
| 感情の理解と表現 | 退屈→困った→喜びの流れ | 情緒的共感力・感情語の習得 |
| 自然への興味と季節感 | 雨・水たまり・カッパ・傘 | 梅雨の自然事象への好奇心 |
| 社会性・協調性 | みんなで一緒に歌う構造 | 友達と声を合わせる楽しさ |
長靴の歌を保育活動に組み込む具体的なアイデアと導入の工夫
「ながぐっちゃん!!」を保育の活動に組み込む方法は、歌を流すだけにとどまりません。この曲の活用は大きく「室内活動」と「屋外活動の導入」の2パターンに分けて考えると整理しやすいです。
まず室内活動としては、手拍子や足踏みを取り入れたリズム遊びが定番です。「ピピポ ラララ」のフレーズに合わせて手を2回叩く、「タプタラタン」で足踏みをするなど、体全体を使った遊び方にするとより盛り上がります。年齢が上の幼児クラス(3〜5歳)であれば、長靴・傘・カッパのペープサートや人形を使った歌劇スタイルにアレンジすることも可能です。子どもが「ながぐっちゃん」を演じるごっこ遊びに発展させると、表現活動としての幅が広がります。
次に、梅雨の水たまり遊びの「前段階の導入歌」として使う方法もあります。雨の日に長靴を履いて外に出る前、または外から帰ってきた後に「今日みんなも長靴でぱちゃぱちゃしたね!これが長靴ちゃんの歌だよ」と紹介すると、歌と体験がつながり記憶に残りやすくなります。体験と音楽を組み合わせることで、記憶の定着と感情の豊かさが同時に促されます。
絵本や製作との連動も効果的です。雨をテーマにした絵本を読み聞かせた後にこの歌を歌ったり、梅雨の製作活動(てるてる坊主・カッパの絵・長靴製作など)の導入や締めとして歌を使ったりすると、活動全体のまとまりが生まれます。これはいいですね。テーマのある1日の活動に一貫性を持たせられる点が、保育士にとっての大きなメリットです。
製作のアイデアとしては、紙皿や画用紙で「ながぐっちゃん」の長靴を作り、色を塗って飾る活動が2〜4歳に向いています。完成した長靴を持ちながら歌を歌うと、達成感と一体感が生まれます。こうした「作る→歌う→飾る」の流れは、子どもの主体性と達成感を両立させる活動設計として有効です。
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長靴の歌おかあさんといっしょを他の梅雨ソングと組み合わせる方法
「ながぐっちゃん!!」は単独でも十分に使えますが、他の梅雨ソングと組み合わせると、保育の時間がより豊かになります。ここでは「ながぐっちゃん!!」と相性のよい関連曲を整理します。
まず「あめふり(北原白秋作詞・中山晋平作曲)」との組み合わせです。こちらは昭和初期から歌い継がれる名曲で、傘を題材にした落ち着いたテンポの歌です。「ながぐっちゃん!!」が明るくアップテンポなのに対し、「あめふり」は情緒的でしっとりとした雰囲気があります。両方をセットで使うことで、「楽しい雨」と「しみじみとした雨」の両面を子どもたちに体験させられます。対象年齢は「あめふり」が0〜3歳向け、「ながぐっちゃん!!」が2〜4歳向けですので、乳児・幼児合同活動にも使いやすい組み合わせです。
「ながぐつマーチ(上坪マヤ作詞・峯陽作曲)」も好相性の一曲です。乳児クラスでも歌いやすい短い曲構成で、「ドン ドン」という足踏み部分が子どもの参加を促しやすい点が特徴です。「ながぐつマーチ」で長靴に親しみを持たせてから、「ながぐっちゃん!!」でより発展した物語性のある歌へと移行する流れが、特に2〜3歳のクラスにおすすめです。
「あめふりくまのこ(鶴見正夫作詞・湯山昭作曲)」は幼児クラス(3〜5歳)に向いています。しっとりとした曲調で、絵本「あめふりくまのこ」と組み合わせて読み聞かせ→歌という流れが定番です。つまり、年齢に応じて「ながぐつマーチ→ながぐっちゃん!!→あめふりくまのこ」という段階的なカリキュラムを組むことも可能です。
| 曲名 | 対象年齢 | 特徴 | ながぐっちゃんとの組み合わせ方 |
|---|---|---|---|
| あめふり | 0〜3歳 | 落ち着いたテンポ・定番童謡 | 情緒的な雨の側面を補完 |
| ながぐつマーチ | 0〜3歳 | 短くシンプル・足踏み遊び | 導入として先に歌い親しみをもたせる |
| ながぐっちゃん!! | 2〜4歳 | 明るい・物語性あり・擬音語豊富 | メインの一曲として |
| あめふりくまのこ | 3〜5歳 | 絵本連携・やさしい曲調 | 幼児クラスの発展曲として |
活動の組み立てとして、保育士が「今日は雨の歌の日!」と設定する方法もあります。「雨をテーマにした絵本を読む→あめふりをみんなで歌う→ながぐっちゃんで体を動かす→製作で長靴を作る」という流れで、1日を通したテーマ保育が完成します。梅雨の6月にそのままそっくり使えるプランです。
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長靴の歌おかあさんといっしょ活用で気をつける保育士だけが知る落とし穴
「ながぐっちゃん!!」を保育に取り入れる際、実はいくつかのつまずきポイントがあります。保育士が事前に知っておくと、スムーズに活動を進められます。
1点目は「歌詞の著作権」についてです。保育活動の中でこの歌を歌うこと自体は問題ありません。ただし、歌詞を印刷して配布したり、動画撮影してSNS等に投稿する場合は著作権の確認が必要です。NHK・JASRACが管理する楽曲ですので、例えば園の発表会映像をYouTubeにアップする場合は注意が必要です。著作権については確認が必須です。
2点目は「子どもによっては雨が怖い場合がある」という点です。雷を伴う雨を経験した子や、感覚過敏のある子は、雨や雨音が怖いと感じることがあります。「雨の歌を楽しもう」という導入で全員が同じ気持ちになるわけではありません。歌の前に「雨って楽しいこともあるね」と軽く問いかけ、子どもの反応を見ながら進めることが大切です。
3点目は「テンポが速いため、乳児クラス0〜1歳には難易度が高い」という点です。「ながぐっちゃん!!」はリズムが軽快なため、0歳・1歳児が歌うには少し難しい面があります。0〜1歳クラスで使う場合は、保育士がゆっくり歌いながら抱っこや膝上でリズムを体で感じさせる方法が向いています。歌うのではなく「聴いて体でリズムをとる」形がちょうどよいです。
4点目は「動画視聴に頼りすぎない」という点です。YouTubeなどで「ながぐっちゃん!!」の動画を流すだけでは、子どもは受け身になりがちです。保育のねらいを意識するなら、動画視聴はあくまでも歌を覚えるための参考程度に留め、実際に子どもたちが声を出して歌う・体を動かす時間をメインに設計することが大切です。歌はあくまで「子どもが参加するもの」が基本です。
保育士として現場でこの曲を使い続けるなら、「6月以外でも使える」という視点も持っておくと資産になります。水遊びが始まる7〜8月の「プール遊びの導入歌」、レインコート・傘を題材にした製作活動の締め、天気の話をするサークルタイムのBGMなど、梅雨の時期を過ぎても活用できる場面は複数あります。季節限定と思い込まず、通年使えるレパートリーとして手元に置いておくことをおすすめします。
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