緑のそよ風 保育園 童謡
緑のそよ風の歌詞と意味を保育園で理解するコツ
「緑のそよ風」は、清水かつら作詞・草川信作曲の童謡で、春の明るい情景を描き、1948年(昭和23年)1月にNHKラジオで発表されたとされています。
保育園で扱う際に大事なのは、歌詞の“説明”よりも、子どもが引っかかる言葉を「見つける→真似する→体で表す」の順で深めることです。たとえば「ちょうちょも ひらひら」「ボールが ぽんぽん」など、擬態語・擬音語は、言葉の理解が追いつく前から身体表現で参加できます。
歌詞に出てくるモチーフは、意外と“保育の一日”に近い並びです(自然→遊具→運動遊び→水辺→友だちの家へ)。
そのため、活動を組むときは「1番=自然」「2番=遊具」「3番=運動」「4番=水辺」「5番=散歩」というように、番ごとにテーマを固定すると、導入が短くなり、保育者もねらいを明確にしやすくなります。
※歌詞そのものは著作権保護期間が終了した旨が示されている資料もありますが、園だより・配布物に全文掲載する場合は園の運用ルール(出典表記の有無など)に合わせると安心です。
歌の基本情報(作詞作曲・発表年)の根拠として参考
緑のそよ風のねらいを保育園の活動に落とす(春・自然・言葉)
「緑のそよ風」は、春の光景や遊びを次々に映す構成なので、“季節を感じる”を大枠に置きつつ、発達に応じて「ことば」「運動」「協同性」にねらいを振り分けられます。
特に1番の「豆の花」「七色畑」「つまみ菜」は、普段の生活では馴染みが薄い語彙が混ざり、そこが教材として強いポイントになります。
ねらい例(年齢別の言い方の目安)
- 0〜1歳児:心地よいテンポに合わせて体を揺らし、同じフレーズを繰り返し味わう(「いい日だね」など)。
- 2〜3歳児:擬音語・擬態語(ひらひら/ぽんぽん)を声と動きで真似し、言葉の楽しさを知る。
- 4〜5歳児:歌詞の場面転換(自然→遊び→友だち)を理解し、季節の絵やごっこ遊びに展開する。
活動化の例(準備が軽い順)
- 🌿「ちょうちょもひらひら」:スカーフや花紙を蝶に見立てて、音の長さに合わせて上下左右に動かす。
- 🌱「豆の花」「つまみ菜」:園庭や散歩で“豆っぽい葉”を探す(本物でなくてよい)。見つけたら「七色畑ごっこ」で色分けする。
- 🏃「ボールがぽんぽん」:実際にボールをバウンドさせ、歌のテンポを速めたり遅くしたりしてリズムの違いを体感する。
また、保育者が「何を教える歌?」と構えすぎると硬くなりがちですが、この曲は“爽やかな日をまるごと肯定する”空気を持つため、朝の会や散歩前の気持ちづくりに向きます。
歌詞解釈の補助として、豆の花をエンドウの花として捉える見方も紹介されており、自然観察の導入に使えます。
春の歌として保育で歌う文脈(春の歌・童謡の紹介)

緑のそよ風の遊び(ぶらんこ・ボール・ふなつり)を保育園で再現する
この歌は、2番以降に「ぶらんこ」「ボール」「ふなつり」「丘越えて」と、具体的な遊びの場面が出てくるのが特徴です。
ここを活かすと、歌を“鑑賞”で終わらせず、運動遊び・模倣遊び・ルールの芽生えに自然につなげられます。
再現アイデア(安全と環境に合わせた代替も含む)
- 🎠「ぶらんこ」:実物のブランコが難しければ、椅子に座って両手で鎖を持つ真似→体を前後に揺らす“座ってぶらんこ”。
- ⚾「ボールがぽんぽん ストライク」:野球要素は“勝ち負け”より“合図で止まる”に寄せ、保育者の「ストライク!」でストップするルール遊びにする。
- 🐟「小川のふなつり」:水遊び前ならタライに浮きを浮かべ、揺れ(さざなみ)を手で作って観察する。魚は紙製でも十分成立します。
4番の「きらきら金ぶな」は、“金色の魚=特別”というワクワクを作れる言葉です。
図鑑を使うなら「フナ」の写真を見せるだけでもよく、歌の中の言葉が現実の自然につながる経験になります。
緑のそよ風の背景(NHK・戦後)を保育園の言葉で伝える
「緑のそよ風」は、NHKの委嘱で作られたとされ、戦後間もない時期に明るい気分を届ける文脈で語られることがあります。
大人向けの背景知識は深い一方、保育園では“時代説明”を目的にせず、「昔も今も、春は気持ちいい」という共通体験に落とし直すと伝わりやすいです。
保育者の語り(短く、情景に寄せる)
- 「この歌は、春の匂いがする言葉がいっぱい出てくるよ。」
- 「昔の子どもも、風が気持ちいい日に外で遊ぶのが好きだったんだって。」
- 「歌の中の“豆の花”や“ちょうちょ”を、みんなの散歩でも探してみよう。」
少し意外な小ネタとして、この歌は成増駅前に歌碑がある(清水かつらがその地で亡くなったため)とも紹介されています。
園での活用としては、「歌が“場所”と結びつく」こと自体が面白さなので、地図や写真を見せて“歌の旅”にするのも教材化の一つです。
背景(NHK委嘱・当時の広まり方等)を読み物として補強したいときの参考

緑のそよ風×保育園の独自視点:歌詞の「順番」で一日を作る
検索上位では「歌詞」「春の歌」「保育で歌いたい曲紹介」に寄りがちですが、園の実務に効く独自視点としておすすめなのが、歌詞の場面転換を“園の一日の設計図”にする方法です。
各番の情景は、子どもの生活導線に近く、活動の切り替えが苦手なクラスでも「次は歌の何番みたいな遊び?」と予告しやすくなります。
例えば、こんな“番=活動”の対応が作れます。
| 歌の番 | キーワード | 園での活動例 |
|---|---|---|
| 1番 | ちょうちょ/豆の花 | 自然探し・色探し(七色畑ごっこ) |
| 2番 | ぶらんこ/巣箱 | 揺れる遊び+鳥の観察(窓・丸の形探し) |
| 3番 | ボール/汗 | ボール運動+水分補給や休息の話(汗をふく) |
| 4番 | 小川/ふなつり | 水の揺れの観察+魚の制作遊び |
| 5番 | 丘越えて/苺 | 散歩・遠足ごっこ+旬の食(いちご)につなぐ |
この方法の良さは、行事っぽく盛らなくても、日常保育の中で“歌が生活を整理する道具”になる点です。
さらに、子どもが自分から「今日は4番の気分!」のように選べるようになると、気持ちの言語化(今日は静かに水遊びがしたい等)にもつながります。


