またあした保育歌おかえりうた伴奏

またあした 保育 歌

またあした 保育 歌:声楽目線で保育うたを整える
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ねらい

「またあした」と言える余韻を、声と伴奏で作る。保育現場で無理なく届く“歌声の設計”を確認する。

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声楽の活かしどころ

大きな声ではなく、ことばの輪郭・息の流れ・響きの位置で届かせる。喉を守りつつ明るい声へ。

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現場適応

簡易伴奏・テンポ・キーを調整して、子どもが乗れる拍感を作る。弾き歌いで視線と間も確保する。

またあした 保育 歌の「おかえりのうた」歌詞から読む場面設計

 

保育現場で「またあした」に直結する代表例として、“帰りの会”で歌われる「おかえりのうた」があります。動画公開されている歌詞には、「きょうも たのしく すみました」「せんせい さよなら また また あした」といった、1日の終わりを肯定し、次回の登園へ気持ちを橋渡しする言葉が並びます。お別れの瞬間は、子どもにとって小さな分離体験です。だからこそ、この種の“生活の歌”は、音楽としての完成度以上に「場面の機能」が重要になります。帰りの導線(片づけ→身支度→挨拶)に沿って歌詞が進む構造は、子どもにとって次の行動を予告する“音のスケジュール”として働きます。これは声楽の観点でも面白く、ことばのアクセントとフレーズの山が、そのまま保育の動線になるからです。

また、「また また あした」と反復する部分は、強いメッセージを“やさしく”刻むための仕掛けです。声楽的には、ここで音量を上げるより、語頭子音(ま・た)を明確にし、母音を丸く揃えるほうが、集団の同時発声が揃いやすくなります。子どもは母音をまねし、保育者は子音で揃えやすい。つまり、歌詞の反復は合唱指導の助けにもなります。

さらに、帰りの会はざわつきやすい時間帯です。声を張って“勝つ”方向に行くと、喉を痛めるだけでなく、子ども側も興奮が上がって帰り支度が遅れます。ここで必要なのは「強さ」ではなく「輪郭」です。声楽の発声感覚で言えば、息をたっぷり吐き切るより、短めの息で語尾をそろえ、フレーズ終止で“着地”を作る。最後の「…あした」で響きを少し前に残しつつ、母音を長く引っ張らずに切ると、空間に余韻が残っても子どもの動きは締まります。

(帰りの歌の歌詞例として参考)

おかえりのうた(歌詞・動画の掲載)

♪おかえりのうた ー きょうも たのしく すみました〜♪〈振り付き〉
🌟ボンボンアカデミーは、保育士や教員の方、ご年配の方々、おうち学習にもぴったりな「おもしろくて、ためになる」動画がいっぱいの教育系YouTube公式チャンネルです。いっちー&なるの歌、ダンス、体操動画を中心に、昔話、生き物、乗り物、英語チャ...

またあした 保育 歌の簡易伴奏と弾き歌いで声を守るコツ

保育の歌で見落とされがちなのが、伴奏が声に与える影響です。音楽之友社の保育向け曲集は「幼児ひとりひとりに目を配りながら弾き歌いができる簡易伴奏」を適宜編曲している、と紹介しています。ここが重要で、簡易伴奏は“ピアノが簡単”という意味だけではありません。弾き歌いが成立する=呼吸・視線・姿勢が崩れにくい、という保育者の身体条件を守る設計でもあります。実際、左手が動きすぎる伴奏は体幹が固まり、胸郭の可動が落ち、結果として喉主導の発声になりやすい。声楽を学んでいる人ほど、良い響きを出そうとして上半身を固定しがちなので、むしろ“簡易”が武器になります。

簡易伴奏で最も効くのは、和声の情報量を減らしつつ拍感を明確にすることです。例えば、帰りの会で子どもが歩き回っているなら、伴奏は低音のバスを刻むより、上声で軽く拍を示した方が落ち着くことがあります(低音は身体を動かす方向に働きやすい)。また、子どもの声域は大人より高く、集団になると全体が上に寄りがちです。保育者が声を張り上げずに支えるには、伴奏のキー(調)を「歌いやすさ」ではなく「話し声の延長」で決めるのが安全です。声楽的に言うと、パッサッジョ付近(声区の切り替えが起きやすい帯域)に長く滞在するキーは疲れます。保育では毎日歌うので、1回の出来より“繰り返せるキー”が正解です。

弾き歌いの姿勢も、声楽の基礎がそのまま活きます。ポイントは「目線が下がりすぎないこと」。譜面台が低いと頸部が前に倒れ、喉頭周りが緊張します。譜面台を上げ、肩をすくめず、骨盤を立てる。すると息が入り、響きが前に集まります。保育の歌は、オペラのようにホールを響かせる必要はありませんが、身体に無理のない共鳴は必須です。

(簡易伴奏・弾き歌い向け編曲の考え方が分かる参考)

幼児保育の歌とリズム(内容紹介に「簡易伴奏」)

幼児保育の歌とリズム - 音楽之友社
幼児ひとりひとりに目を配りながら弾き歌いができる簡易伴奏を適宜編曲。「生活の歌」「行事の歌」「季節・自然の歌」「リズムあそび歌」「どうぶつの歌」「のりものの歌」「たべものの歌」「たのしい歌」など、15テーマに則して編集されている。

またあした 保育 歌の発声:子どもに届く声と喉を痛めない響き

声楽を学ぶ人が保育の歌でつまずくポイントは、「良い声=大きい声」ではない、と頭では分かっていても、現場の雑音と動きの中でつい出力を上げてしまうことです。保育室は反響が少ない場合も多く、子どもの声や生活音が重なるので、声量で対抗し始めるとすぐに喉が消耗します。ここで必要なのは、声帯で押すのではなく、音の“芯”を作る発声です。

具体的には、次の3つが効果的です。

・👄 母音を縦に揃える:「あ」を広げすぎず、口角だけで開けずに口腔内の空間を確保する。

・🫁 息を長く流しすぎない:保育歌は短いフレーズが多いので、息を“溜めて一気に吐く”より、少量で回すと喉が楽。

・👂 子音を設計する:「さよなら」「また」など語頭の子音を明確にすると、音量を上げなくても言葉が前に飛ぶ。

特に「またあした」のような別れのフレーズは、声を明るく保ちつつ、情緒を落ち着かせる必要があります。声楽のテクニックで言えば、響きは前(マスク)に集めながら、声の色は硬くしない。ここで役に立つのが“話し声の高さ”を基準にした導入です。歌い出しだけ、話し声に近いトーンで提示し、子どもがついてきたら少しだけ響きを足す。逆に、最初から「歌声モード」で立ち上げると、子どもが聞くより真似に行き、テンポが乱れやすい。

また、意外に効くのが「語尾を抜かない」ことです。優しくしたいとき、語尾を消しがちですが、語尾が消えると子どもは聞き取れず、ざわつきます。結果として、次のフレーズで大声になり悪循環になります。語尾は息で支え、音量は下げても輪郭は残す。この“弱いのに明瞭”が、保育現場で最強です。

最後に、子どもは音程よりリズムと抑揚に反応します。声楽で鍛えた音程感は強みですが、保育では「拍」「言葉」「間」で安心感を作る。たとえば「また また あした」の反復は、2回目をほんの少し短く、リズムを締めると“終わり”が伝わります。こうした小さな設計が、喉を守りながら場を整えます。

またあした 保育 歌のテンポとリズム:行事・帰りの会で崩れない進行

「またあした」系の歌は、卒園式のような行事で歌われる別れ歌と、毎日の帰りの会で歌う生活歌が混在しやすい領域です。どちらも“別れ”を扱いますが、テンポ設計は真逆になりがちです。行事は感情が高まりやすいのでテンポが遅くなり、帰りの会は動きが多いのでテンポが速くなりやすい。声楽を学ぶ人は、気持ちを込めてテンポを落としたくなりますが、日常保育では遅いテンポが必ずしも良い結果を生みません。遅いテンポは、子どもの集中が切れた瞬間に崩壊します。

崩れないテンポの条件は「子どもが次の拍を予測できること」です。予測できると、動作(片づけ、整列、挨拶)が揃い、集団が落ち着きます。ここで使えるのが、伴奏と歌の“役割分担”です。歌は言葉を運び、伴奏は拍を固定する。もし弾き歌いで両方が不安定になるなら、思い切って伴奏を単純化し、右手で拍(コードの分散よりブロック)を示すと効果があります。

リズム面でのコツを、現場で使いやすい形にするとこうです。

・⏱️ テンポは「歩く速さ」を基準にする:帰り支度が進むテンポは、子どもが歩いて移動できる速さ。

・👏 手拍子を“最初だけ”入れる:最初の1コーラスだけ拍を共有し、安定したら外すと集中が戻る。

・🪑 間(ま)を作る位置を決める:歌い終わりの無音の2秒が、次の行動を生む“合図”になる。

また、意外と見落とされるのが「前奏の長さ」です。前奏が長いと、子どもは待ちきれずにしゃべり出します。短い前奏(2小節程度)でスタートし、歌いながら場を整えるほうが、保育の実務に合います。声楽的にも、前奏で深呼吸を作りすぎると、息が余ってフレーズが間延びします。短い前奏→自然な息→明瞭な言葉、の流れを作ると、テンポが安定します。

参考として、保育者向けに歌やダンス動画を多数配信しているボンボンアカデミーは、幼稚園・保育園での人気曲を多く扱う教育系チャンネルであることを公式サイトで紹介しています。現場テンポの感覚をつかむ素材として、こうした実演動画を観察するのも有効です。

(保育現場向けの歌コンテンツの位置づけが分かる参考)

ボンボンアカデミー公式サイト(教育現場向け配信の説明)

ボンボンアカデミー公式WEB
保育士や教員の方に役立つ人気の歌、たいそう、ダンス、唱歌、英語曲、学習、昔話等「おもしろくて、ためになる」動画がいっぱいの教育系YouTube公式チャンネル。

またあした 保育 歌の独自視点:声楽学習者のための「さよなら」母音トレーニング

検索上位の“楽譜・歌詞・手遊び”情報だけでは拾いにくい、声楽学習者ならではの独自視点として、「さよなら」や「またあした」の母音配列に注目したトレーニングを提案します。保育の別れ言葉は、実は母音が開きやすい音の連続です。「さよなら」は a-o-a、「またあした」は a-a-a-i-a のように、口が横にも縦にも動きやすい。これが疲労につながるのは、“口の形”を変えすぎて咽頭が安定しないからです。声楽では母音を揃えると言いますが、保育歌ではさらに「ことばとして自然で、かつ母音が統一されて聞こえる」必要があります。

そこで、次の練習を授業の発声練習に混ぜると、現場耐久性が上がります。

・🧩 「さよなら」母音スライド:sa-yo-na-ra を一度 “a-a-a-a” の母音で歌い、次に元の母音に戻す。母音を変えても響きの位置が動かないか確認する。

・🎯 「またあした」語頭の子音練:m と t の子音をはっきり出し、母音は小さく揃える(子音で前に出して、母音で支える)。

・🪞 鏡で頬を見ない:口角を上げる表情だけで明るくしようとすると、喉が上がる人が多い。頬ではなく、上顎の奥の空間が保てているかを見る。

この練習の狙いは、“保育の言葉を、声楽の支えで言う”状態を作ることです。オペラ的な誇張は不要ですが、支えのない話し声で毎日歌うのも危険です。保育の歌は短い反復が多いので、反復による疲労が蓄積します。母音の安定は、疲労を減らし、音程も安定し、結果として子どもが歌いやすくなる。つまり、声楽学習者が現場に提供できる価値は「上手さ」より「再現性」です。

加えて、別れの歌は保護者が耳にする機会も多い。保育者の声が安定していると、場の信頼感が上がり、子どもも落ち着きます。「またあした」を“明日が来る前提”として穏やかに置ける声は、技術で作れます。声楽の訓練は、そのためにこそ使えます。


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