旧暦7月7日と保育と行事と七夕会

旧暦7月7日と保育と行事

旧暦7月7日×保育行事を「歌」で深める全体像
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新暦七夕と旧暦七夕の違い

旧暦7月7日は新暦だと8月頃に当たり、星が見えやすい時期。行事の意味づけがしやすく、歌の導入にもつながる。

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保育のねらいを歌で可視化

「由来を知る」「星や空に興味」「製作表現」など、七夕のねらいを歌唱活動と結びつける。

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意外な豆知識で印象に残す

そうめんの行事食、旧暦の決まり方、星の探し方など“へえ”があると、行事の記憶が強く残る。

旧暦7月7日 保育 行事として七夕会を組み立てる視点

 

七夕会を「毎年やる恒例」にしないコツは、行事の核を“体験”に置くことです。七夕のねらいとしては、七夕の話を聞いて由来や意味を知ること、星や空・天気など自然への興味につなげること、七夕に関連するものを製作で表現することが例として挙げられています。これらは、活動の順番を少し工夫するだけで、歌・製作・遊びが一本の線でつながります。

たとえば導入は、いきなり製作に入るよりも「短いお話→歌→製作→発表」の流れが扱いやすいです。お話は“織姫と彦星”のストーリーを軸にしつつ、園児が理解しやすい因果(働き者→遊びすぎ→会えない→年に一度だけ会える)に絞ると集中が続きます。行事の意味を伝える役割を、保育者の説明だけに背負わせず、歌詞のフレーズ(星・空・願い)に分散させると、子どもの中で自然に定着します。

また、七夕は「節句」の一つ(七夕の節句)として伝えられてきた背景があり、季節の節目としての行事という説明ができます。節句という言葉自体が難しければ、「季節のかわり目に、元気にすごせますようにって願う日」と言い換えるだけでも十分に保育的です。

(参考:七夕の起源・ねらいの例・行事食などがまとまっている)

七夕(7月7日)の由来と伝え方|おすすめの活動アイデア|保育…

旧暦7月7日 保育 行事で歌(たなばたさま)を導入にする方法

保育園の七夕で歌が強いのは、「全員が同じテンポで参加できる」点にあります。特に“たなばたさま”のような定番曲は、行事の合図になりやすく、制作の前後、集会の切り替えにも使えます。歌唱は発表目的に寄せすぎると緊張が強くなるので、導入は“音と情景づくり”に徹するのが安全です。

歌の導入を旧暦7月7日とつなげるなら、ポイントは「星が見える時期」という実感です。新暦の7月7日は梅雨の時期に重なりやすい一方、旧暦7月7日に相当する頃(伝統的七夕)は星空観察に向きやすい、という説明ができます。星が見えた/見えなかったという体験は、子どもにとって“行事の記憶”そのものになり、歌のフレーズが生活経験に結びつきます。

歌の扱いで現場が助かる小技も置いておきます。

  • 🎵「うたう→1回止める→歌詞の言葉を指さし確認→もう一回うたう」

  • 🎵歌詞の意味説明は長くしない(1フレーズに1文だけ)

  • 🎵楽器は“盛り上げ”より“合図”に(鈴・タンバリンでサビ前に入るなど)

この形にすると、歌が「上手に歌えたか」ではなく「行事の言葉を味わえたか」へ評価が移り、保育のねらいに沿いやすくなります。

旧暦7月7日 保育 行事で短冊・笹飾り・願い事を深掘りする

短冊に願い事を書いて笹に飾る風習は、中国由来の「乞巧奠(きこうでん)」が背景にある、と説明されています。もともとは織姫の機織りの上手さにあやかり、裁縫や機織りの上達を願う行事だったものが、のちにさまざまな願いへ広がったとされています。保育ではここが“指導の糸口”になり、単なるお願い事から「できるようになりたいこと」「頑張りたいこと」に接続しやすいです。

願い事の書き方を年齢別に変えると、クラス運営が安定します。

  • 0〜1歳児:写真+シールで「笹に飾る経験」を中心に(文字は保護者・保育者が代筆)

  • 2歳児:二択カード(例:のりもの/たべもの)で選んで一言にする

  • 3〜5歳児:「できるようになりたいこと」を引き出す(例:なわとび、はやくはしる、うた)

そして、笹飾りは“製作の難易度”だけで設計しないのがコツです。子どもが作った飾りは「飾る」瞬間に完成します。飾る行為が共同作業になり、空間が変化していくプロセスが行事の高揚感になります。写真記録もこのタイミングが強く、保護者への共有価値が上がります。

さらに深掘りするなら、願い事は「将来の夢」だけに寄せない方が、生活と地続きになります。たとえば、

  • ⭐ 生活の願い:はみがき、かたづけ、はやね

  • ⭐ 友だちの願い:なかよく、けんかしない

  • ⭐ 挑戦の願い:うんてい、こま、けんけんぱ

    こうした願いは、保育の指導計画(生活習慣・運動遊び・人間関係)にそのまま戻せます。

旧暦7月7日 保育 行事に行事食(そうめん)を入れる意外な意味

七夕の行事食は「そうめん」とされ、由来としては、中国で7月7日に亡くなった子どもの霊が熱病を流行らせた際、その子が好きだった「索餅(さくぺい)」を供えたという故事が、そうめんにつながったという説が紹介されています。保育園の行事では、飾りや歌に比べて「食」は記憶に残りやすいので、ここを押さえると行事の厚みが一段上がります。

ただし怖い話に寄せる必要はありません。幼児向けには、

  • 「むかしの人が、夏に元気にすごせるように、食べものでも願った」

  • 「細い麺が、天の川みたいに見えるね」

    といった言い換えで十分です。食育の観点では、行事食を“特別メニュー”で終わらせず、前後の活動とつなげると学びになります。

例として、当日だけで完結させず、前日に「そうめんって何で細いの?」「小麦からできる?」のような観察を入れると、子どもの疑問が生まれます。さらに、歌の導入で「天の川」を扱っていると、食の場面で「天の川そうめん」という言葉が子どもから出てきて、活動が循環します。

旧暦7月7日 保育 行事を「星空観察×歌」でつなぐ独自視点

検索上位の記事は、どうしても「由来」「製作」「出し物」に寄りがちです。差別化するなら、旧暦7月7日の価値(星が見えやすい)を“観察”へ落とし込み、歌をその観察の前後に置く構成が効きます。伝統的七夕は旧暦の七月七日に当たり、2025年は8月29日であること、また「処暑」を含む日以前で最も近い新月を七月一日として数える、という決め方が紹介されています。

ここを保育に翻訳すると、「旧暦は月の満ち欠けと関係が深い」「だから七夕の日の月の形にも意味がある」という学びになります。難しければ、0〜5歳の発達に合わせて段階化できます。

  • 🌙低年齢:夜の空は暗い/明るい、月がある/ない、を感じる

  • 🌙幼児:月の形が変わる(丸い・半分・細い)を言葉にする

  • 🌙年長:星を見つける、織姫星(ベガ)・彦星(アルタイル)の名前に触れる

観察のやり方も、園で無理のない形にすると続きます。

  • 🔭「今日の空はどう?」を“帰りの会”で30秒だけ話す(ルーティン化)

  • 🔭保護者に「夜、1分だけ空を見る」ミッションを配布(家庭連携)

  • 🔭翌日に「見えた/見えなかった」を共有し、歌に戻る(経験の言語化)

この設計だと、歌は“練習”ではなく“思い出の再生ボタン”になります。旧暦7月7日を扱う記事としても、単なる暦の豆知識ではなく、保育の行事に実装できる方法論として伝わります。

(参考:伝統的七夕の日付、決め方、星の探し方が詳しい)

https://www.astroarts.co.jp/special/2025tanabata/

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