コウモリの歌・童謡で学ぶ保育活動の完全ガイド

コウモリの歌・童謡を保育で活かす完全ガイド

コウモリを題材にした童謡を毎年同じように歌っているだけだと、子どもの知的好奇心を7割以上引き出せていない可能性があります。

この記事でわかること
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コウモリの童謡・わらべうたの種類と歌詞の意味

「こうもりこい」などの伝承わらべうたから現代の知育童謡まで、歌詞に込められた背景と保育での使い方を解説します。

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子どもに伝えたいコウモリの意外な生態知識

「哺乳類なのに飛べる唯一の動物」「超音波で暗闇を飛ぶ」など、歌に合わせて伝えると子どもの目が輝く知識を紹介します。

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ハロウィン×コウモリの歌を使った保育活動アイデア

10月の保育計画にすぐ使えるコウモリの歌を使った製作・手遊び・絵本読み聞かせの組み合わせをご紹介します。


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コウモリの歌・童謡の種類と「こうもりこい」のわらべうた解説

 

コウモリを題材にした歌は、古くから日本各地に伝わるわらべうたから、現代の知育系オリジナル童謡まで複数存在します。保育の現場でよく耳にするのは、「こうもりこい」と呼ばれる伝承わらべうたと、YouTubeなどで公開されている現代オリジナル童謡の2系統です。

「こうもりこい」は日本各地に異なるバリエーションが残っています。群馬県には「コウモリこっこ草履こっこ 草履をやるから下りてこい」という形で伝わり、兵庫県・加古川市周辺では「こうもり来い じょりやろぞ 雨が降ったら下駄やろぞ」という歌詞が記録されています。これはわらべうたの研究資料にも残る伝承です。

夕暮れどきに空を飛ぶコウモリに向かって靴や草履を投げると、コウモリが障害物と勘違いして急降下してくる、という遊びに合わせて唄われた歌です。靴や下駄を「あげるから来い」と呼びかける、子どもらしい無邪気さが詰まっています。

現代的な童謡としては、YouTube「コウモリさん(童謡)」や「知識が身につく歌 コウモリのうた『ぶらりんコウモリ』」などが2〜4歳向けの知育コンテンツとして人気です。コウモリの生態をリズムに乗せて楽しく学べる内容になっています。つまり「伝承のわらべうた」と「現代の知育童謡」の2つを使い分けることが保育の幅を広げる鍵です。

また、ハロウィン系の保育歌として「今夜はハロウィンナイト(作詞:川崎やすひこ、作曲:新沢としひこ)」にもコウモリが登場し、「コウモリ はばたく にしのそら」というフレーズが含まれています。10月の保育計画の選曲リストに加えると、季節感を盛り上げる一曲になります。

種類 代表的な歌 対象年齢の目安 特徴
伝承わらべうた こうもりこい(地域により異なる) 3歳〜 遊びと一体化した言葉遊び
現代オリジナル童謡 コウモリさん・ぶらりんコウモリ 2〜4歳 生態知識が含まれた知育系
ハロウィン系保育歌 今夜はハロウィンナイト 3歳〜 10月の行事導入に最適

保育の場面に合わせて使い分ければ大丈夫です。

コウモリの歌で深まる!保育士が知っておきたいコウモリの生態知識

コウモリを歌や活動で扱うとき、生態の知識をひとつ添えるだけで子どもの反応が大きく変わります。ここでは特に保育で使いやすい、コウモリの意外な事実を整理します。

まず最も重要な知識が「コウモリは鳥ではなく哺乳類」という点です。空を飛ぶ姿から鳥類だと思い込む子どもは非常に多く、実際に保育現場でも「鳥さん?」と聞いてくる子が続出します。コウモリは哺乳類の中で唯一、継続的に空を飛べる動物です。日本には現在約35種類のコウモリが生息しており、日本の哺乳類全体の4分の1以上を占めています。

これは意外ですね。

翼のように見える部分は「飛膜(ひまく)」と呼ばれる薄い皮膚の膜で、人間でいえば手のひらと指の間の皮が大きく広がったようなものです。骨格は人間の腕と指に相当する構造を持っています。ハトの羽のような羽毛はなく、触ったら絹のようにすべらかな薄い膜です。

次に、コウモリは「超音波(エコーロケーション)」で暗闇を飛ぶ能力を持っています。口や鼻から超音波を発し、物体に当たって戻ってきたエコーを耳で聞くことで、周囲の状況を把握します。これはイルカも同様の能力を持つことで知られています。子どもへの伝え方としては「目を使わずに、声の跳ね返りで周りが見える」と表現すると非常にわかりやすいです。これは使えそうです。

また、日本でもっとも身近なコウモリは「アブラコウモリ(イエコウモリ)」です。体長は約4〜5センチメートル、はがきの短辺(10センチ)の約半分ほどの大きさです。夜間に蚊や蛾などの昆虫を1時間に約600匹も食べるといわれ、実は害虫駆除に役立つ存在でもあります。コウモリのイメージが「こわい」から「役に立つ生き物」へと変わる知識のひとつです。

さらに、コウモリは中国文化では縁起のいい動物とされています。中国語で「コウモリ(蝙蝠)」の「蝠(fú)」が「福(fú)」と同じ発音であることから、幸福を運ぶ動物として珍重されてきました。日本でも明治中期ごろまでは中国の影響でコウモリを縁起物とみなす文化があり、江戸時代には歌舞伎役者がコウモリ紋の着物を流行させたこともありました。ハロウィン活動の前後にこのエピソードを子どもに話すと、コウモリへの見方がぐっと広がります。

コウモリの生態知識を伝えるときは「超音波」「哺乳類」「飛膜」の3つだけ覚えておけばOKです。

コウモリの童謡・手遊びを使ったハロウィン保育活動のアイデア

10月の保育計画に「コウモリの歌」を取り入れる場合、歌単体で終わらせず、製作・手遊び・絵本との組み合わせでひとつのストーリーとして展開すると、子どもの集中度が上がります。

活動の流れとしては、まず絵本でコウモリのイメージを作ることから始めると自然です。おすすめは「こうもりぼうやとハロウィン(原題:Littlebat’s Halloween Story、ダイアン・メイヤー文)」です。図書館の屋根裏に住むコウモリの男の子が主役で、「おはなし会」の光景を眺めるうちにお話の世界に引き込まれていくほのぼのとした内容です。コウモリへの親しみを育てる導入絵本として非常に使いやすい一冊です。

絵本の読み聞かせのあとは、コウモリの歌を使った手遊びへとつなぎます。英語の手遊び歌「Sleeping Bats(ねぼすけコウモリ)」も人気が高く、YouTube「ハロウィーンの手遊び 親子でねぼすけコウモリさん」は未就園の小さな子どもから楽しめる内容です。日本語の「こうもりこい」のわらべうたと合わせて使うと、伝統文化と現代保育のバランスがとれた活動になります。

製作としては「ペーパー芯コウモリ」が定番で、トイレットペーパーの芯と黒い折り紙だけで作れるため、2〜3歳児でも保育士のサポートつきで取り組めます。翼の形に切った紙を広げてぶら下げると、天井からコウモリが逆さまにぶら下がっているように見えます。本物のコウモリが逆さに止まっているのは、足の筋肉構造上、リラックスすると自然に握る方向に力が入るためで、エネルギーをほとんど使わずにいられます。製作中にこのエピソードを話すと「なるほど!」と子どもの反応が盛り上がります。

🎃 ハロウィン×コウモリ保育活動の例

活動 内容 対象年齢
絵本読み聞かせ こうもりぼうやとハロウィン 3〜5歳
手遊び歌 ねぼすけコウモリ(英語歌) 1〜4歳
わらべうた こうもりこい(伝承) 3歳〜
製作 ペーパー芯コウモリ 2歳〜
知識タイム コウモリは哺乳類・超音波のお話 4〜5歳

保育ねらいとしては「秋・ハロウィンの季節感を感じる」「生き物への興味・関心を持つ」「音楽のリズムに合わせて体を動かす楽しさを味わう」などを設定しやすい活動です。

保育士が知っておくべきコウモリと法律・安全の注意点

コウモリの歌や活動で子どもがコウモリに興味を持ったとき、実物のコウモリに関する知識も保育士として押さえておく必要があります。これを知らないままだと、子どもや保護者への対応で困る場面が出てきます。

コウモリは「鳥獣保護管理法」によって保護されている動物です。これは鳥類だけでなく哺乳類も含むため、哺乳類であるコウモリにも適用されます。無許可での捕獲・殺傷は法律違反となり、違反した場合は「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科せられる可能性があります。知らなかった場合でも適用されるため注意が必要です。

保育園の敷地内や窓際にコウモリが迷い込んできた場合、素手で絶対に触れないことが鉄則です。野生のコウモリには多数の病原菌が付着している可能性があり、ヒストプラズマ症などの感染症リスクがあります。また海外の事例では狂犬病ウイルスとの関連も報告されています。

💡 コウモリを見つけたときの対応手順

  • 子どもを遠ざけ、絶対に触らせない
  • 窓を開けるなどして自力で出られるよう誘導する
  • 動けない状態の場合は、厚手の手袋や段ボールを使って触れずに移動させる
  • 速やかに自治体の環境・保健部門に連絡する

コウモリが保育室に入り込んだという事例は実際に起きており、子どもが「さわりたい!」と興奮することも多いです。事前に「コウモリは歌の中では友だちだけど、本物は病気のことがあるから触らないよ」と伝えておくと、万が一のときにパニックを防げます。これが原則です。

朝倉市の公式情報でも「野生のコウモリには感染症やアレルギーのリスクがある」として注意が呼びかけられています。保護者への情報提供としても活用できます。

コウモリについてのお知らせ(朝倉市公式)・感染リスクと取り扱いの注意

コウモリの歌・童謡を通じて育む子どもの生き物への共感力【保育士独自視点】

コウモリの歌を「歌って終わり」にせず、子どもが生き物への共感力を育む機会として活用するには、保育士の言葉かけひとつで大きく変わります。これは他の童謡にはあまりない、コウモリならではの教育的可能性です。

コウモリは「怖い・気持ち悪い」というイメージを持つ子どもが多い一方、ハロウィンの季節には「かっこいい」「おもしろい」と感じる子どもも増えます。この季節のゆらぎを使って「なぜコウモリは夜に出るの?」「なぜ逆さまにぶら下がるの?」という問いを投げかけると、子どもの思考が動き始めます。

「コウモリは逆さにぶら下がっているとき、眠れるし休めるんだよ。人間が椅子に座ってリラックスするのと同じなんだ」という伝え方は、4〜5歳児に非常に響きます。違う形でも「心地よさ」があるという気づきが、生き物への尊重心に自然につながります。

実際に保育現場でも「コウモリは唯一空を飛べる哺乳類で、人間と骨が似ている」という話をしたあと、子どもが自分の手をじっと見て「コウモリの翼ってここかな」と話した、という事例が報告されています。これはいいことですね。

生き物への共感力を育てるうえで、「コウモリの歌」は単なる季節の歌以上の教育価値を持っています。保育士が生態知識をひとつ持って歌いかけるだけで、子どもの問いの質が変わります。

🦇 コウモリの歌を活かす言葉かけの例

  • 「コウモリさんは暗いところでもぶつからないよ。なんでだと思う?」→ 声を出して確認する超音波の話へ
  • 「コウモリさんはネコやイヌと同じ仲間(哺乳類)なんだよ」→ 分類への興味・比較思考へ
  • 「昔の人はコウモリを幸せを運ぶ動物だと思っていたんだよ」→ 文化・ものの見方の多様性へ

中国でコウモリが縁起物とされてきた文化的背景(「蝠」と「福」の発音が同じ)は、4〜5歳児の「知りたい・驚きたい」という気持ちに刺さるエピソードです。「怖い」イメージ一辺倒にならないよう、文化的な視点を添えることで、子どものコウモリへの見方を豊かにすることができます。

歌を通じて生き物を好きになれるかどうかは、保育士の言葉かけにかかっています。コウモリの歌はその入口として、実は非常に優れた素材です。生き物の「違い」を面白いと思える子どもを育てることが、保育における生命尊重の根幹だといえます。

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