この道 保育園 童謡 ねらい 年齢別 保育

この道 保育園 童謡

この道 保育園 童謡:記事の概要
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ねらい

情緒・言葉・表現を伸ばすために「この道」をどう位置づけるかを整理します。

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年齢別

乳児〜幼児での導入の仕方、活動の広げ方を具体例で紹介します。

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著作権

園で歌う・配布する・動画にする等、現場で困りがちな点の考え方をまとめます。

この道 童謡 歌詞 作詞 作曲

 

童謡「この道」は、作詞が北原白秋、作曲が山田耕筰として広く知られています。

保育の場では、作品名と作者名を短く添えるだけで「ただ歌う」から「文化として味わう」へと活動の質が上がります。

一方で、歌詞の全文を園だよりや配布プリントに載せる、掲示物として常設する、といった使い方は別の配慮が必要になるため、まずは「歌う活動」を中心に設計すると安全です。

活動に入れる前に、保育士側が押さえておきたいポイントを、子どもに言い換えられる言葉でメモしておくと便利です。

  • 「この道」は“前に進む道”の歌というより、“思い出をたどる道”の歌として読める。
  • 同じ言葉(この道、ああ そうだよ)が繰り返されるので、安心感を作りやすい。
  • 歌詞に出てくる植物や景色(花・丘・雲など)を、園の生活や散歩に結び付けやすい。

※歌詞そのものの転載は避け、導入では「この道は、思い出の景色が出てくる歌だよ」のように要約して話すのが扱いやすいです。

参考)童謡・唱歌 この道 歌詞 – 歌ネット

この道 保育園 ねらい 設定保育

歌や伝承的な歌遊びを活動に取り入れるねらいとして、「触れ合い」「体を動かす楽しさ」「言葉や言い回しに触れる」「繰り返しのリズムによる学び」などが整理されています。

「この道」はわらべうたのような手遊び中心の構造ではない一方で、ゆったりしたテンポと反復があるため、落ち着いて呼吸を整えたり、情緒を安定させたりする導入として設計しやすい曲です。

設定保育にするなら、「歌う→思い出の景色を言葉にする→表現する(描く・動く)」という流れにすると、音楽が“活動の入口”として機能します。

ねらいを「音楽」だけに閉じず、保育の記録に書ける形へ翻訳すると通りが良いです。

  • 情緒:ゆったりした旋律に合わせて呼吸を整え、静かな集中を作る。
  • 言葉:繰り返し表現(同じ言い回し)から、語感・抑揚を味わう。
  • 表現:思い出の景色を、体の動きや製作で表す(見立て遊び)。
  • 社会性:友だちの「思い出の道(散歩道・帰り道)」を聞き合う。

この道 保育園 年齢別 おすすめ

年齢によって「歌の扱い」は変えると無理が出ません。わらべうたの年齢別の取り入れ方として、乳児は触れ合い中心、幼児は友だちと一緒に楽しむ、という整理がされています。

それを「この道」に当てはめると、乳児は“聞いて安心する歌”、幼児は“思い出を語れる歌”として設計するのが現実的です。

また、日常的に口ずさむだけでも子どもが興味を持ちやすい、という観点は、朝の会帰りの会に「この道」を定着させるヒントになります。

現場で使いやすい年齢別の例です(園の実態に合わせて調整してください)。

  • 0〜1歳:保育士が小さめの声で歌い、抱っこ・おんぶ・入眠前の切り替えに使う(“聞く歌”)。

    参考)【保育園】わらべうたを取り入れよう!ねらいや年齢別のおすすめ…

  • 2歳:歌の一部だけを一緒に口ずさむ(“繰り返し”を拾って参加しやすくする)。​
  • 3歳:散歩の帰り道に歌い、「今日見た雲」「今日見た花」を一言で発表する(短く成功体験)。​
  • 4歳:歌→絵(道・丘・雲)→友だちの絵を見て言葉にする(鑑賞の経験)。​
  • 5歳:卒園・進級の時期に「この道=これまでの園生活」と重ね、思い出を“語り”にしてから歌う(行事に寄せる)。​

この道 保育園 著作権 JASRAC

園での「歌う」行為と、歌詞を印刷・配布する行為、音源や動画として公開する行為は、必要になる手続きや考え方が異なることがあります。

JASRACは音楽の著作権を管理し、利用者へのライセンスと使用料の分配を行う団体であるため、園の発信(行事動画の公開など)ではJASRACの情報に当たるのが基本線になります。

また、楽曲によって管理状況が異なるため、JASRACの作品データベース(J-WID)で作品名から確認できる導線が用意されています。

現場で起きやすい「困りどころ」と、判断の順番をシンプルにまとめます。

  • 園内で子どもと一緒に歌う:まずは「園の保育活動として歌う」範囲に留め、配布物に全文掲載しない運用にするとトラブルが減る。

    参考)一般社団法人日本音楽著作権協会 JASRAC

  • プリントに歌詞を載せたい:作品ごとの管理状況をJ-WIDで確認し、必要なら園のルール(本部・自治体・法人)に沿って申請可否を決める。

    参考)https://www2.jasrac.or.jp/eJwid/main?trxID=F00100

  • 行事を撮影して動画公開したい:公開範囲(園内限定・限定公開・一般公開)で扱いが変わり得るため、JASRAC等の案内や園内規程に照らして判断する。​

参考リンク(JASRACの検索画面:作品名から管理状況を確認する入口)

JASRAC作品データベース検索(J-WID)

この道 保育園 童謡 記憶 みち(独自視点)

「この道」を保育園で扱うときの独自視点としておすすめなのが、“道の歌=移行の歌(トランジション)”として使う設計です。

子どもは活動の切り替え(遊び→片付け→移動→次の活動)で気持ちが揺れやすいので、毎回同じ旋律・同じ言い回しが出てくる歌は、環境の合図として働きやすいです。

わらべうたが「繰り返し」で思考や安心感につながるという整理を、手遊び以外の“歌だけ”にも応用するイメージです。

具体的には、「この道」を“思い出の歌”としてだけでなく、“今ここに戻る歌”として使います。

  • 朝の会の前:入室〜着替え後に小さく歌い、気持ちを落ち着けて輪に入る合図にする。
  • 散歩の帰り:園に近づいたら歌い、興奮を静めて室内活動へつなぐ。
  • 午睡前:絵本→照明を落とす→歌、の順で「眠りの道」を作る。
  • 行事練習の前:発声練習ではなく“気持ちを揃える歌”として扱う(音程より呼吸)。

この設計の良い点は、技能(上手に歌う)よりも状態(落ち着いて次へ行ける)を成果に置けることです。

保育記録には「活動の切り替え時に同じ歌を用いて見通しを持たせ、安心して移動できた」のように書けるため、音楽の得意不得意に左右されにくい実践になります。



(予告)あのコはだぁれ?