こどもコーラス フェスティバル 2025 の全貌と保育士が知るべき活用法
合唱加盟団体でなくても参加費を払えば出演できます。
こどもコーラス フェスティバル 2025 の基本概要と開催地
こどもコーラス・フェスティバルは、全日本合唱連盟と朝日新聞社が主催する日本最大規模のこども合唱祭です。2025年は年に2回の開催となりました。これは珍しいことですね。
第1弾「2025こどもコーラス・フェスティバルinうおづ」は、2025年3月16日(日)に富山県魚津市の新川文化ホール(ミラージュホール)で開催されました。全国から11団体・251名が出演し、13:00開演・16:30終演という約3時間半のプログラムでした。つまり、1団体あたり平均約13〜15分の演奏時間が与えられたということです。
第2弾「2025こどもコーラス・フェスティバルin藤岡(第38回少年少女合唱祭全国大会)」は、2025年12月21日(日)に群馬県藤岡市の「藤岡市みかぼみらい館」で開催されました。こちらは「第26回少年少女合唱団群馬県フェスティバル」との共催という形式で、16団体が出演しています。12:30開演・17:00終演(予定)という構成で、沖縄から群馬、東京、千葉、愛知、岡山まで広域からの出演団体が集まりました。
このフェスティバルの起源は1987年にさかのぼります。当初は「少年少女合唱祭全国大会」という名称でスタートし、その後「全日本ジュニアコーラス・フェスティバル」「こどもコーラス全国大会」と名称を変えながら、2008年に現在の「こどもコーラス・フェスティバル」という名称になりました。歴史は38年以上に及びます。
以下に、2025年2回の開催情報をまとめます。
| 項目 | うおづ(第1弾) | 藤岡(第2弾) |
|---|---|---|
| 開催日 | 2025年3月16日(日) | 2025年12月21日(日) |
| 会場 | 新川文化ホール(富山県魚津市) | 藤岡市みかぼみらい館(群馬県藤岡市) |
| 出演団体数 | 11団体・251名 | 16団体 |
| 入場料(うおづ) | 一般1,500円/中学生以下500円 | — |
| 主な講師 | 藤原規生、三宅悠太 | 古橋富士雄、横山潤子 |
| 全員合唱曲 | 「ことばを追い越して」(三宅悠太作曲) | 「ほほう!」(横山潤子作曲) |
保育士や合唱指導者にとって参考になる情報は、こちらの公式ページで随時更新されています。
全日本合唱連盟「こどもコーラスのページ」(全日本合唱連盟公式)
こどもコーラス フェスティバル 2025 の参加方法と費用の内訳
フェスティバルへの出演参加は、書類審査が必要です。参加したいと思い立っても、誰でもすぐに出られるわけではありません。
藤岡大会を例に挙げると、応募期間は2025年6月23日(月)〜7月31日(木)でしたが、応募が少なかったため8月22日(金)まで延長されました。つまり、募集期間は約2か月間だったということです。出演が決まった後に支払う費用は、団体登録料15,000円+個人参加料1,500円/人です。10人の団体であれば、15,000円+(1,500円×10人)=30,000円が最低ラインとなります。これは合唱指導者にとって事前に把握しておきたい出費です。
一方で、合唱連盟への加盟は必須ではありません。募集要項には「合唱連盟への加盟の有無は問いません」と明記されています。また、参加対象は「少年少女合唱団」だけでなく、小・中・高の合唱部も歓迎とされています。入門的な取り組みから参加できるという点は、保育現場の関係者にとって大きな可能性です。
選考は全日本合唱連盟青少年委員会が書類をもとに審議します。人数や声のレベルの評価だけでなく、どんな活動をしてきたかも判断材料になると考えられます。結果は応募締切後、約3〜4週間で各団体へ通知されます。
🎤 参加費の目安(10名の団体の場合)
- 団体登録料:15,000円(固定)
- 個人参加料:1,500円 × 10名 = 15,000円
- 合計:30,000円(交通費・宿泊費は別途)
費用は確認が必要です。交通費や宿泊費が加わる遠距離参加の場合は、さらに数万円単位の追加費用も見込む必要があります。参加前にしっかり予算計画を立てることが重要です。
こどもコーラス フェスティバル 2025 の講師と全員合唱曲の魅力
フェスティバルの大きな特徴のひとつが、プロ講師による「生講評」です。各団体の演奏が終わるたびに、招聘された専門家が直接コメントを届けます。これは得難い体験ですね。
うおづ大会では合唱指揮者の藤原規生先生と作曲家の三宅悠太先生が登壇しました。参加団体から報告されたエピソードによると、三宅先生は「指揮者なしでこの歌を歌うのをきいたのは初めてのこと、とても驚きました」と、型にはまらない演奏に率直な言葉を送ったといいます。専門家から子どもたちの表現を肯定的に評価されることは、指導者にとっても子ども自身にとっても自信につながります。
藤岡大会の講師は、合唱指揮者・古橋富士雄先生と作曲家・横山潤子先生の2名でした。古橋先生はNHK東京児童合唱団の常任指揮者(音楽監督)を務めた経歴を持ち、日本コダーイ協会副会長も歴任するなど、こども音楽教育の第一人者です。横山先生は東京藝術大学卒・同大学院修了の作曲家で、同声・女声合唱の分野で多くの作品を残しています。
全員合唱も見どころのひとつです。藤岡大会の全員合唱曲「ほほう!」(工藤直子作詩・横山潤子作曲)は、NHK全国学校音楽コンクールの課題曲にも採用された作品です。この曲を作曲した横山先生本人の指導のもとで全員で歌うという体験は、他では得られない特別な瞬間です。
うおづ大会の全員合唱「ことばを追い越して」(三宅悠太作曲)もフィナーレで演奏され、会場を包んだ合唱の感動は参加した指導者たちにも大きな影響を与えました。「会場全体が一つの歌に包まれ、大感動だった」という声が残っています。
こどもコーラス フェスティバル 2025 の交流プログラムが保育士に刺さる理由
フェスティバルは演奏会だけではありません。午前中に行われる「交流会」にこそ、保育士・指導者にとっての宝があります。
うおづ大会では、10:00〜11:30の時間帯に約1時間半の交流会が設けられました。参加した子どもたちは「まつ組」「ゆり組」「つつじ組」という3グループに分けられ、それぞれ異なる団体が混じり合う形で活動しました。グループ名が保育室のような呼び方なのは、偶然ではないかもしれません。
実際に参加した指導者によると、交流会でこどもたちは「発声の仕方」「練習法」「高い声の出し方」など、自然と情報交換をしていたといいます。専門家が教える前に、子どもたち同士が互いから学んでいたわけです。これは参加前には想定していなかった学びの形です。意外ですね。
また、ジャンケン列車やはないちもんめといった遊びを通じた交流では、高校生の先輩団員が小さな子どもたちに合わせて腰をかがめて遊んでくれたというエピソードも印象的です。年齢を超えたつながりが自然に生まれるのは、このフェスティバルならではの文化です。
保育士の視点で見ると、異年齢交流によって子どもの自己表現力や協調性が育まれる様子が、ここでは「合唱」という共通言語によって実現されています。音楽を通じた非認知能力の発達という観点は、東京藝術大学の研究でも「コミュニケーション能力・主体性・自己表現能力・集中力・社会性などを育む」と明記されています。
「子どもの心を育む音楽活動」(東京藝術大学・音楽活動と非認知能力の関係を解説した研究資料)
こどもコーラス フェスティバル 2025 の観覧・参加が保育士のキャリアになる3つの理由
フェスティバルは「出演」だけが参加の形ではありません。観覧チケットを購入して「見る側」として参加するだけでも、保育士としての指導力を大きく底上げできます。
① プロ指揮者の言葉をリアルタイムで聞ける
藤岡大会では古橋富士雄先生、横山潤子先生が1団体ごとに講評を行いました。NHK東京児童合唱団の元音楽監督が「なぜこの演奏が良いのか・どこを改善すべきか」をその場で語る言葉は、どんな研修資料よりも具体的で実践的です。これは使えそうです。
うおづ大会の入場料は一般1,500円、中学生以下500円でした。1,500円という金額で一流の合唱指導者から複数団体分の講評を聞けるのは、コスト対効果として非常に高いといえます。通常の音楽セミナーや指導者研修が数千円〜数万円かかることと比べると、観覧は圧倒的にリーズナブルな学びの機会です。
② 全国レベルの演奏を「生」で聞ける
251名が出演したうおづ大会では、富山・石川・岐阜・長野・岡山・東京と広範囲の合唱団が一堂に集まりました。それぞれの団体の発声の特徴・曲目の選定・指揮者の動き方を比較して観察することで、自分の指導のひきだしが増えます。
③ 演奏曲目から「保育現場で歌える曲」が見つかる
各団体の演奏曲目は毎年フェスティバルの公式ページで公開されています。保育所・幼稚園で実際に取り組んでいる合唱団が選ぶ曲は、子どもたちの声域や表現力に合わせた実用的なレパートリーが揃っています。選曲の参考にするだけでも、観覧の価値があります。
こういった学びの場を定期的に活用することが、保育士としての音楽指導力を継続的に高める近道です。
こどもコーラス フェスティバル 2025 の歴史から読む「合唱で子どもが育つ」根拠
1987年に福岡で産声をあげたこのフェスティバルは、2025年で38年・第38回を迎えました。毎年場所を変えながら開催されてきたこの大会には、単なるコンクールとは異なる哲学があります。結論は「競わず、共に育てる」です。
コンクールとの大きな違いは順位がない点です。各団体が演奏し、講師からフィードバックを受けますが、優勝・準優勝のような順位付けは行われません。保育士の視点から見ると、これは「評価より経験」を重視する保育理念と重なります。
1994年には「指導者のためのセミナー」と「子どものためのアトリエ」が初めて導入されました。つまり演奏だけでなく「学ぶ機会」を最初から組み込んでいた点は、現在の交流プログラムへと続く流れです。
海外団体の招聘実績も特筆すべき点です。これまでドイツのレーゲンスブルク大聖堂少年合唱団、フランスのリヨン少年合唱団、米国のThe Young People’s Chorus of New York Cityなど、世界各地の合唱団と日本の子どもたちが同じ舞台に立ってきました。世界の音楽文化に触れる機会が、地方都市にいながら得られるのはこのフェスティバルならではの強みです。
このフェスティバルが38年間も続いている理由は、単に「うまく歌わせること」ではなく、子どもたちに「音楽で人とつながる体験」を届けようという一貫した思想があるからではないかと感じます。
保育所・幼稚園での合唱活動を「発表会のための練習」だけで終わらせるのはもったいないことです。このフェスティバルが体現しているように、合唱は子どもの社会性・自己表現・集中力を育てる継続的な営みです。保育士自身がそのスケールを体験することが、日々の指導の奥行きを変えます。
全日本合唱連盟「こどもコーラスのページ」(イベント詳細・過去の大会記録・応募要項が掲載)

2025年度版「新版 コーラス フェスティバル 混声合唱曲集 2025」正進社 音楽 中学
