季節の童謡1月、保育士が選ぶお正月・冬の歌完全ガイド

季節の童謡1月、保育士が押さえておきたい選曲・導入・活用のすべて

「ゆき」を「雪やこんこん」と歌い続けると、子どもに10年間誤った歌詞を教えることになります。

📌 この記事の3つのポイント
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1月に使える童謡・手遊び歌を年齢別に紹介

乳児(0〜2歳)・幼児(3〜5歳)それぞれに合ったお正月・冬の曲を厳選。選曲の3つのポイントも解説します。

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歌詞の意味と「よくある間違い」を徹底解説

「雪やこんこ」「おいばね」など、保育士として子どもに正確に伝えるべき歌詞の意味と注意点をまとめました。

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導入・活動アイデアと実践的な活用術

手遊び・製作・ピアノ伴奏まで、明日からすぐ使える保育活動のヒントをお届けします。

季節の童謡1月|年齢別おすすめ曲リストと選び方の3つのポイント

 

1月の保育で季節の童謡を選ぶとき、「とりあえず有名な曲を歌えばいい」と思っていませんか。実はそれだけでは、子どもの発達段階に合っていない曲を選んでしまうリスクがあります。正しい選び方を知っておくだけで、子どもの反応がまるで変わります。

曲選びで最初に確認すべきことは「音域の広さ」「繰り返しの多さ」「手遊びの有無」の3点です。音域が狭いほど乳児クラスでも無理なく歌えます。繰り返しが多い曲は子どもが短期間で覚えやすく、活動が盛り上がりやすいのが特徴です。手遊びがある曲は導入に使いやすく、集中が続きます。

以下に、1月の保育でよく使われる曲を年齢ごとにまとめました。

対象年齢 曲名 特徴・使いどころ
0〜2歳(乳児) ゆき(雪やこんこ) 音域が狭く、穏やかなリズム。抱っこしながら揺れながら歌うだけで十分
0〜2歳(乳児) コンコンクシャンのうた 動物が次々登場する手遊び歌。声の大きさを変える遊びも楽しめる
0〜2歳(乳児) もちつき 「ぺったんこ」のリズムで体を動かしやすい。餅つき大会の導入にも◎
1〜3歳 雪だるまのチャチャチャ チャチャチャのリズムで全身を使って遊べる。2歳児に特に人気
1〜3歳 雪のこぼうず 「いとまきまき」のメロディと同じ音型で親しみやすい。隠れた名曲
1〜3歳 十二支のうた 干支を自然に覚えられる。ペープサートと組み合わせると興味アップ
3〜5歳(幼児) お正月(もういくつねると) 凧揚げ・コマ・まりつきなど伝統遊びが登場。歌詞の意味も深い
3〜5歳(幼児) 北風小僧の寒太郎 1972年〜愛されるNHK「みんなのうた」の名曲。ストーリー性あり
3〜5歳(幼児) 今年もどうぞよろしくね 新年の挨拶をテーマにした手遊び歌。年度始めにぴったり
4〜5歳(幼児) 富士山 新年=日本一の山という連想で取り入れやすい。振り付けを子どもと一緒に考えるのがおすすめ

月ごとに使う曲を変えることも大切です。12月にクリスマス系の曲を使ったなら、1月はお正月・冬の曲に切り替えましょう。季節の流れを曲で感じることは、子どもの時間感覚や日本文化への理解につながります。これが基本です。

参考になる情報が豊富なサイトとして、保育士バンク!の記事も確認してみてください。

【1月】保育園で楽しむお正月や冬の手遊び15曲。0歳児~5歳児の年齢別まとめ|保育士バンク!(フォロワー保育士へのアンケート結果に基づく、年齢別の曲・手遊びの具体的な紹介)

季節の童謡1月|「ゆき(雪やこんこ)」の歌詞の間違いと正しい意味

多くの保育士が「雪やこんこん」と歌い続けているという現実があります。しかし、保育専門学校でも試験に使われるこの曲の正しい歌い出しは「雪やこんこ」です。「こんこん」ではありません。

なぜ間違いが広まったのでしょうか?理由は、別の曲の存在にあります。1901年(明治34年)に瀧廉太郎が作曲し、東くめが作詞した幼稚園唱歌「雪やこんこん」という別の曲があり、こちらは「こんこん」が正しい表記なのです。2つの曲が混同されたことで、「こんこん」というフレーズが広まってしまいました。

保育の場でよく歌われる「ゆき」は、1911年(明治44年)の『尋常小学唱歌(二)』に掲載された文部省唱歌で、作詞・作曲ともに不詳です。115年以上歌い継がれている曲ということになります。意外ですね。

「こんこ」の語源について、国語学者の大野晋は「来む来む(こむこむ)」、つまり「降れ降れ」が変化したものと説明しています。つまり「こんこ」はオノマトペではなく、雪を歓迎して呼びかける言葉なのです。子どもに伝えると「雪を呼んでるの?」と目を丸くしてくれるでしょう。

以下は歌詞の中でよく誤解される表現の一覧です。

  • 🚫 「枯木に花が咲く」=春が来た → ✅ 枯れ枝に雪が積もって白い花のように見える様子を表した比喩表現です
  • 🚫 「降っては降っては」と「降っても降っても」が同じ意味? → ✅ 1番は「積もっていく過程」、2番は「止まらず降り続ける様子」で意味が違います
  • 🚫 「犬と猫が出てくるのは1番」? → ✅ 犬と猫が出てくるのは2番だけです。1番では「山も野原も綿帽子かぶり」と続きます
  • 🚫 「わたぼうし」は帽子のこと? → ✅ 昔の花嫁が頭にかぶる白い帽子のことで、雪が積もった真っ白な山の様子を例えています

正しい歌詞の意味を理解していると、子どもへの声かけが格段に豊かになります。「わたぼうしかぶりって、山がどんな顔に見えるかな?」などの問いかけで、子どもの想像力が一気に広がります。保育士が誤った歌詞を教え続けると、信頼に関わる問題にもなりかねません。正しい知識を持つことが条件です。

雪(作詞者・作曲者不詳)歌詞解説|やよいかげつブログ(「こんこ」の古語としての意味や、ピョンコ節のリズム解説など音楽的観点からの詳細解説)

季節の童謡1月「お正月」の歌詞に登場する伝統遊びを子どもに伝える方法

「お正月(もういくつねると)」は、作詞・東くめ、作曲・瀧廉太郎によって1901年(明治34年)に「幼稚園唱歌」で発表された日本の定番唱歌です。実はこの曲、歌詞の1番と2番で登場する遊びが男女別に分かれています。

  • 🎏 1番:「凧揚げ」「コマ回し」→ 昔の男の子のお正月遊び
  • 🎀 2番:「まりつき」「おいばね(羽根つき)」→ 昔の女の子のお正月遊び

「おいばね」という言葉は今の子どもたちにはほぼ馴染みがありません。これは羽根つきのことで、羽子板を使って羽根を打ち合う遊びです。江戸時代から続く伝統的な正月遊びで、「邪気払い」や「子どもの健やかな成長」を祈る意味がありました。知らないと子どもへの説明が止まってしまいます。

凧揚げにも深い意味があります。「願いごとを凧に乗せて天まで届ける」という考え方がもとになっており、江戸時代には男の子の誕生と成長を祈る儀礼として定着していました。「立春に空を見上げることは健康によい」という意味の言葉もあり、新春の健康祈願としての意味も持っています。

子どもたちに伝えるときは、遊びの写真や絵本を用意しておくと格段に伝わりやすくなります。特に「おいばね(羽根つき)」や「コマ回し」は現代の子どもが実際に見たことがないケースも多く、言葉だけでは伝わりにくいです。歌の導入前に「これ知ってる?」と絵を見せてから歌い始めると、子どもが歌詞のイメージを持ちやすくなります。これは使えそうです。

実際に遊びを体験してから歌うのが理想的な流れです。保育室でコマを回したり、羽子板を触らせたりした後に「お正月」を歌うと、歌詞がリアルに子どもの心に響きます。歌と体験をセットにすることで、日本の伝統文化への関心が自然に育まれます。

季節の童謡1月「北風小僧の寒太郎」の意外な誕生秘話と保育活用のコツ

「北風小僧の寒太郎」は、1972年にNHK『おかあさんといっしょ』の「うたのえほん」コーナーで生まれた曲で、作詞は井出隆夫、作曲は福田和禾子、初代の歌唱は堺正章が担当しました。現在まで50年以上愛され続けている、冬の保育を代表する名曲です。

この曲が生まれた背景には、ユニークな発想がありました。担当スタッフが「子ども向けの演歌があってもいいよね」という一言を述べたことがきっかけで、作詞の井出隆夫が当時人気のテレビドラマ『木枯し紋次郎』(フジテレビ)のキャラクターと、自身が幼少時代を過ごした長野県南佐久郡小海町の松原湖の冬の風景をイメージして作詞しました。つまりこの曲、「子ども向けの演歌」として意図的に作られた作品なのです。

保育活用で特に盛り上がるのは「寒太郎!」と合いの手を入れる部分です。年長クラスであればグループを分けて担当パートを決めておくと、まるで演劇のような一体感が生まれます。声のトーンを下げて「どすこい」風に「寒太郎!」と言わせると、子どもたちが大喜びします。

口笛の練習も副産物として楽しめます。曲中に登場する「ヒュー」という口笛の部分を子どもたちが一生懸命練習し始めるケースが多く、5歳児クラスでは口笛の練習がそのまま個別の取り組みになることがあります。「口笛が吹けた!」という達成感が、自信や集中力にもつながります。

また、曲のストーリー性を活かしたペープサートやパネルシアターにも向いています。北風の子ども「寒太郎」が旅をしながら冬の各地を通り過ぎる様子を視覚化することで、3歳以上の子どもたちが曲の世界観にぐっと入り込みやすくなります。つまり歌+視覚教材の組み合わせが最も効果的です。

北風小僧の寒太郎 歌詞と解説|世界の民謡・童謡(曲の誕生背景、歌手の変遷、歌詞の全文と解説を詳しく紹介)

季節の童謡1月|保育士が知っておきたい「手遊び歌の導入効果」と独自視点の活用術

保育士の多くは、手遊び歌を「活動の前に場を落ち着かせるもの」として使いがちです。しかし手遊び歌には、それだけでは語れない発達的効果があります。正しく活用することで、子どもの成長を多面的に支えることができます。

手遊び歌が子どもに与える効果を整理すると、次のようになります。

  • 🧠 脳の発達:手指を動かすことが前頭葉を刺激し、脳の発達を促進します
  • 🗣️ 言語発達:歌詞を口ずさむことで語彙が増え、発音の練習にもなります
  • 👁️ 社会性協調性:みんなで同じ動きをそろえる体験が、社会的なつながりの感覚を育てます
  • 🎶 リズム感表現力:音楽に合わせて体を動かすことで、リズム感と表現力が自然に育ちます

1月の手遊び歌は特に「寒さへの意識」を活動のフックに使える点が他の月と異なります。たとえば「ゆき」や「雪だるまのチャチャチャ」を外遊びの前後に取り入れると、「寒い=楽しい」という感覚のリフレームが生まれます。寒さを嫌がる子どもが「雪だるまを作りに行きたい!」と変化するきっかけになることも少なくありません。

あまり知られていない活用法として、「ゆげのうた」があります。冬の朝、外の空気で口から白い息が出る様子を「ゆげ」として歌うこの曲は、子どもが自分の体を観察するきっかけになります。「先生、ほんとに出てる!」という発見の瞬間が、科学的な好奇心の入口になるのです。これは意外ですね。

1月は「今年もどうぞよろしくね」のような「挨拶・つながり」をテーマにした手遊び歌を積極的に取り入れるタイミングでもあります。年が明けて保育室に集まった仲間と「今年もよろしく」の気持ちを歌で表現することは、子どもたちのクラス内の絆を再確認する意味があります。特に冬休み明けは子どもが「保育園に戻るのがいや」と感じるケースも多く、歌によるウォームアップが登園ストレスの緩和にも役立ちます。

ピアノ伴奏に不安がある保育士は、まず「コード弾き」から練習を始めるのが効率的です。「ゆき」や「コンコンクシャンのうた」などの多くの童謡は、C・F・G・Amなどの基本コードだけで伴奏できます。保育士向けの「コード弾き楽譜集」は書店や通販で手軽に入手でき、音楽経験が少ない方でも取り組みやすい内容のものが多く揃っています。「弾けない」と最初から諦めるのは早い判断です。

現役スーパーナニー直伝!手遊び歌で育む発達と月齢別のかかわり方|ポピンズコラム(手遊び歌が言語・運動・社会性・感情に与える具体的な発達効果と月齢別の楽しみ方を解説)

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