川のせせらぎ音をフリーで使う保育士向けの完全活用ガイド
「フリーと書いてあるから大丈夫」と思って使ったその音源、実は保育園での利用には著作権の申請が必要だったケースが年間100件以上報告されています。
川のせせらぎ音フリー素材が保育の昼寝タイムに選ばれる理由
川のせせらぎの音には「1/fゆらぎ(エフぶんのいちゆらぎ)」と呼ばれる特別なリズム特性があります。これは規則的でありながらわずかに不規則なゆらぎを持つ音のパターンで、人間の脳が心地よく感じる周波数特性です。
心臓の鼓動や呼吸のリズムも実は1/fゆらぎに近い特性を持っており、川の音を聴くことで無意識に「安心・安全」を感じやすくなると考えられています。筑波技術大学の研究でも、自然音を聴取した後にストレスホルモンであるコルチゾールの濃度が有意に低下することが確認されています。
つまり科学的に見ても、昼寝BGMとして有効ということです。
保育現場では、午睡(お昼寝)タイムに静かな音楽や自然音を流すことが一般的になっています。ただし「オルゴール一択」と思い込んでいる保育士も多いのですが、川の自然音は「慣れと飽き」が起きにくいという特長があります。オルゴールはメロディーがあるため、子どもによっては歌詞を思い出して逆に興奮してしまう場合があります。これは意外ですね。
川のせせらぎのような自然環境音にはメロディーがないため、特定の曲に引きずられて脳が活性化されることがありません。ぼんやりとした状態に導きやすく、特に0〜2歳の乳幼児の午睡導入に向いているとされています。
また、周囲の雑音(廊下の足音・ドアの開け閉め・他の子の声)を心理的にマスキングする効果も期待できます。完全に遮音はできませんが、突発的な音に対する過敏反応を和らげてくれます。これが基本です。
自然音を聴取した際の生体反応に関する研究(筑波技術大学)
自然音を聴くことによる自律神経機能に及ぼす効果に関する研究(筑波技術大学リポジトリ)
川のせせらぎ音フリー素材の入手先:保育現場で使えるおすすめサイト5選
「フリー素材」と一口に言っても、利用条件はサイトによって大きく異なります。保育園という施設での使用は「商用利用」に分類される場合があるため、必ず利用規約を確認することが条件です。
以下に、保育現場でも安心して使えるサイトをまとめました。
| サイト名 | 特徴 | 商用利用 | ダウンロード |
|---|---|---|---|
| 🎵 DOVA-SYNDROME | BGM・SE両方あり、川のせせらぎBGMあり | ✅ 無料OK | ✅ 可能 |
| 🔊 効果音ラボ | 川の流れ・渓流など複数収録 | ✅ 無料OK | ✅ 可能 |
| 🎧 VSQ plus+ | 水・川・滝など環境音カテゴリあり | ✅ 無料OK | ✅ 可能 |
| 📱 Forest Notesアプリ | 日本の森の音をライブ配信 | 🔵 個人利用中心 | ❌ ストリーミング |
| 🎵 ポケットサウンド | 大きな川・小川など複数パターン | ✅ 無料OK | ✅ 可能 |
それぞれ少し詳しく紹介します。
DOVA-SYNDROMEは、WEB制作を本業とする管理人が18年以上運営する国内最大級のフリーBGMサイトです。「川のせせらぎ(作曲:shimtone)」「川の流れる音」など複数の音源を無料でダウンロードできます。利用規約では「用途・営利・非営利を問わず無料で利用可能」と明記されており、保育園でのBGM使用も問題ありません。クレジット表記も不要です。
効果音ラボは、「大きな川のせせらぎ」「渓流」「川べり」など細かく分類された環境音が揃っており、場面に合わせた音選びができます。サイト側が自ら録音・制作した音源を無料配布しており、商用利用OKです。
VSQ plus+は、「水/川・滝・水音」カテゴリに川の音を複数収録。シンプルなUIで探しやすく、MP3形式でダウンロードできます。これは使えそうです。
ポケットサウンドは、ループ対応の環境音が充実しており、長時間の昼寝BGMとして繰り返し再生しやすいのが特長です。
注意点として、NHKが提供していた「NHKクリエイティブ・ライブラリー」(小川のせせらぎなど多数)は2025年9月30日をもってサービスを終了しています。過去に保存した音源は利用規約上の扱いが変わっている可能性があるため、現時点での使用には慎重な確認が必要です。
DOVA-SYNDROME「川のせせらぎ」BGM素材ページ
効果音ラボ 環境音カテゴリ(川・渓流など収録)
VSQ plus+ 環境音フリー素材ページ
ポケットサウンド「大きな川のせせらぎ」ページ
川のせせらぎ音フリー素材の著作権でやりがちなNGパターン
「フリー=無条件で使っていい」は、実は大きな誤解です。
「フリー」という言葉には2種類の意味があります。ひとつは「無料(Free to use)」、もうひとつは「著作権の制限なし(Royalty Free)」です。この2つは全く別物で、無料でダウンロードできても商用利用禁止の素材は多く存在します。
保育士が踏みがちなNGパターンを具体的に挙げます。
- ❌ YouTubeの自然音動画をそのままスマホで流す:動画の著作権は投稿者にあり、保育園(施設)での再生は「公衆送信」にあたる可能性があります。個人視聴とは異なります。
- ❌ Spotifyなどの音楽配信アプリを施設で流す:個人向けプランは「個人的・家庭内の利用」に限定されており、施設での使用はライセンス違反になる場合があります。
- ❌ 「著作権フリー」と書かれていても利用規約を読まずに使う:「個人利用のみ」「非商用のみ」と制限が付いている素材も多く、商用利用に該当する保育園での使用は利用規約違反になる場合があります。
- ❌ ダウンロードした音源を行事の動画に混ぜてSNSに投稿する:「施設内でのBGM利用OK」であっても、「インターネット上での再配信」は別途許可が必要な場合があります。
「施設内で音楽を流す場合はJASRACへの申請が必要」という話を聞いたことがある方も多いはずです。ただし、JASRACが管理する楽曲と、最初から著作権フリーとして配布されている自然音素材はまったく別の話です。前者はJASRAC管理楽曲に限った話であり、DOVA-SYNDROMEや効果音ラボの音源はJASRAC管理外のため申請不要です。これだけ覚えておけばOKです。
ただし「フリー音源サイトを利用している場合は手続き不要」という条件はJASRAC公式サイトにも記載があります。JASRAC管理楽曲か否かは、各サイトの利用規約と「JASRAC管理曲か」の確認が原則です。
JASRAC「各種施設でのBGM」利用手続きガイド(PDF)
川のせせらぎ音フリー素材を昼寝BGMに活かす保育士の実践テクニック
実際に保育現場で川のせせらぎ音を昼寝BGMとして使いこなすには、いくつかの工夫があります。
音量の設定が最も重要です。
自然音を流す際に意外と見落とされがちなのが「音量の大きさ」です。川の音は大きすぎると逆に子どもの神経を刺激し、覚醒を促してしまいます。目安は「部屋の端にいる大人が普通に会話できる程度」で、具体的には40〜50デシベル前後が適切とされています。これは図書館の中の静かな程度(40dB)に相当します。
ループ再生の設定を必ず確認してください。
ダウンロードした音源は多くが30秒〜数分の短い尺で作られています。途中で音が止まると子どもが起きてしまうことがあるため、スマホやパソコンの「ループ(繰り返し)再生」機能をオンにしておくことが必須です。特に効果音ラボやポケットサウンドの素材は「ループ対応」と明記されているものが多く、継ぎ目の違和感なく繰り返し再生できます。
季節感をプラスするとより効果的です。
川のせせらぎにも「渓流の激しい音」「小川のゆったりした音」「川べりの風も入った音」など複数のバリエーションがあります。夏場は少し水量が多めの涼しげな音、冬は穏やかな小川の音を選ぶなど、季節に合わせて変えるのも一つの方法です。子どもの情緒的な感受性を育む上でも効果があるとされており、単に眠れればよいという目的を超えた活用も可能です。
機材は何も特別なものは不要です。
保育室にあるスマートフォン1台とBluetoothスピーカーがあれば十分です。専用アプリを使うなら「Forest Notes」(Android/iOS対応)が日本の森の音をライブで届けてくれるため、録音音源にありがちな「人工的な感じ」がなく、子どもも馴染みやすいと保育士から好評です。ただし施設での常時使用はライセンス確認が必要な点を覚えておいてください。
音量管理という観点では、騒音計アプリ(無料のものが多数あります)を使うと客観的な数値で管理できるため、一度試してみることをおすすめします。
川のせせらぎ音フリー素材で保育士自身の疲労軽減にもつながる意外な活用法
川のせせらぎ音は子どものためだけではありません。実は保育士自身のストレス軽減にも直接関係している、という視点で考えると活用の幅が広がります。
保育士の離職理由の上位に「精神的な疲労・ストレス」が挙げられており、厚生労働省のデータでは保育士の離職率は全産業平均(約15%)より高い水準が継続して報告されています。昼寝タイムは子どもの傍らで「見守り」の状態が続くため、保育士も常に緊張を解けない時間帯です。
川のせせらぎのような自然音は、その場にいる大人の副交感神経にも作用します。コルチゾール(ストレスホルモン)の抑制効果が研究で示されているのは動物を対象にしたものも含めた複数の研究であり、「聴いているだけで緊張が和らぐ」という経験的な感覚には、一定の科学的根拠があります。
また午睡タイムの静かな環境でせせらぎ音が流れていると、保育士の思考が整理されやすくなるという声も現場では聞かれます。連絡帳の記入、翌日の準備メモの確認など、ちょっとした作業に集中しやすくなるのです。これも活用法のひとつです。
「子どものために流している音が、自分にとっても心地よい」という状況は、保育の質そのものを底上げすることにもつながります。音環境の整備は設備投資が一切不要で、無料のフリー素材だけで今日から始められる点が最大のメリットです。
こうした「保育士の働く環境の質」に注目する動きは、近年の保育業界でも高まっています。保育士向けの音環境に関するガイドラインはまだ整備途上ですが、音量・音質・時間帯を意識するだけで現場の空気感は大きく変わります。


