歌手活動と保育園とごっこ遊び
歌手活動のごっこ遊びを保育園の表現遊びにするねらい
保育園での「歌手活動ごっこ」は、単に歌を披露する遊びではなく、子どもが“誰かになりきる”表現遊びとして組み立てるとねらいが明確になります。表現遊びは「何かになりきって演じたり、自分でイメージしたことを動きで表現し楽しむ遊び」とされ、ごっこ遊びやリズム遊びが代表例です。だからこそ、歌手・ダンサー・司会・お客さんなど役割を生みやすい「歌手活動」は、自然に集団のやり取りへ広がりやすい題材になります。
ねらいを立てるときは、次の3本柱が実務的です。
- 🎭 表現:歌う・踊る・話す(MC)を通して、自分のイメージを形にする。
参考)保育園で楽しめる表現遊び!おすすめリズム遊びなど具体例を紹介…
- 🤝 社会性:友達と一緒に表現を共有し、役割の交代やルールづくりを経験する。
- 🧠 創造:ステージ、衣装、小道具など「こうしたい」を試行錯誤する。
特に現場で効くのは、「うまく歌えるか」より「表現を出してよい空気」を保育者が作ることです。表現遊びは、道具や歌、音楽を使うことで幅が広がり、年齢や人数に応じた活動展開ができるとされます。つまり、環境の準備(小物・音・場所)が整うだけで、同じクラスでも遊びの深さが変わります。
参考:表現遊びの定義と、ねらい(運動・創造・社会性)の整理に役立つ
保育園で楽しめる表現遊び!おすすめリズム遊びなど具体例を紹介…
歌手活動のごっこ遊びで使える手作りマイクの製作(保育園)
歌手活動のごっこ遊びを一気に“本気の遊び”へ変えるキーアイテムは、マイクです。市販品がなくても、カプセルトイのケースとペットボトルキャップを使って手作りマイクが作れ、歌う・インタビューごっこ・発表会など幅広い表現あそびに展開できると紹介されています。
材料と工程の要点を、保育で使いやすい形に落とします。
- 🧱 材料:カプセルトイのケース、ペットボトルキャップ(6〜8個目安)、ビニールテープ、飾り(リボン等)。
参考)身近な素材で手作りマイク〜作って、歌って、あそびが広がるアイ…
- 🔧 工程の骨格:キャップ同士を合わせてテープで固定→複数つなげて持ち手を作る→ケースを両面テープで貼る→ビニールテープで補強。
- 🎨 展開:子どもの「イメージ」を聞き、カラフル、スタンドマイク等にアレンジすると遊びが広がる。
安全面は必ず明文化しておくと、主任・園長チェックにも通しやすくなります。ペットボトルキャップには誤飲リスクがあるため、十分に注意し、テープでしっかり固定する旨が注意点として示されています。年齢が低いクラスでは、キャップを使わず画用紙を丸める代用も可能とされているので、0〜2歳は「大きめ素材+一体型」で設計すると安心です。
参考:手作りマイクの材料・作り方・誤飲注意のポイントが具体的
身近な素材で手作りマイク〜作って、歌って、あそびが広がるアイ…
歌手活動のごっこ遊びを保育園で広げるステージと役割(アイドル・演奏会)
歌手活動ごっこを“毎回同じ流れ”で終わらせないコツは、ステージ環境と役割の設計です。実際に、園の4歳児クラスで「アイドルになりきって」遊ぶ姿として、折り紙でリボンやマイクを作り、みんなに歌やダンスを披露する事例が紹介されています。ここから読み取れるのは、子どもは「作る(製作)→披露する(表現)→見てもらう(関係性)」が揃うと遊びが自走する点です。
役割は固定しすぎず、“回せる”形にしておくとトラブルが減ります。おすすめは、次のように「舞台上」「舞台袖」「客席」の3ゾーンで回す方法です。
- 🎤 舞台上:歌手、ダンサー、バンド(タンバリン等)、司会(MC)。
- 🧾 舞台袖:スタッフ(小道具係)、チケット係、音響係(曲出しの合図役)。
- 👏 客席:観客、応援団、取材(インタビューごっこ)。
また、行事(生活発表会など)が近い時期は、ステージを使った「演奏会ごっこ」「ステージでごっこ遊び」のように、実際の場に近い環境で遊ぶ実践も園ブログで見られます。行事練習に寄せすぎず、「遊びの延長に発表がある」導線を作ると、子どもが主体のままクオリティが上がりやすいです。
参考)ステージでごっこ遊び
歌手活動のごっこ遊びを支える歌と音楽(リズム遊び・音量・声)
歌手活動ごっこは盛り上がるほど、声量やテンションが上がりやすい遊びです。だから最初から「歌う=大声」だけに寄せず、リズム遊びや音遊びの要素を混ぜて“音のバリエーション”を作ると、クラスが荒れにくくなります。リズム遊びは、歌に合わせて身体を動かしたり合奏したりして音楽を楽しめ、感性や表現力、情緒を養うことにつながると紹介されています。
具体的には、次の3ルールが運用しやすいです。
- 🔈 音量の合図:「小さい声の歌手」「普通の歌手」「コンサートの歌手」をジェスチャーで切り替える。
- 🥁 音の役割分担:歌う子が多い日は、楽器隊(手作りマラカス等)を増やして“歌わない参加”も成立させる。リズム遊びには手作り楽器の活用が提案されています。
- ⏱️ テンポの変化:同じ曲でも「ゆっくり」「はやく」で表現を変え、集中を戻す。リズム遊びは変化をつけて楽しむ工夫が各種記事で扱われています。
参考)子どもが夢中になるリズム遊び。保育に役立つ楽器やゲームを取り…
意外と効くのは、“歌手活動=歌だけ”にしないことです。HoiClueの手作りマイク紹介でも、歌うだけでなくインタビューごっこに展開できるとされており、話す(質問する/答える)を入れると、声を休めながら遊びを続けられます。結果として、疲れや興奮で起きがちな衝突を減らしやすくなります。
歌手活動のごっこ遊び(保育園)独自視点:インタビューごっこで言葉と関係を育てる
検索上位の「マイク製作」「音楽遊び」だけだと、歌手活動ごっこが“発表する子だけが目立つ遊び”になりがちです。そこで独自視点としておすすめなのが、マイクを「歌う道具」から「聞く道具」へ反転させるインタビューごっこです。手作りマイクは、歌うだけでなくインタビューごっこにも使え、いつものごっこ遊びや表現あそびを広げられると紹介されています。
インタビューごっこの良さは、全員参加の導線が作りやすい点です。たとえば、歌手役が固定化してきたら、次のように“質問の型”を配ると役割が回ります。
- 🎙️ 「好きな歌は何ですか?」→語彙が少なくても答えやすい。
- 🎙️ 「どんな気持ちで歌いますか?」→感情語・表情・身振りの表現へ。
- 🎙️ 「次の曲紹介をしてください」→司会(MC)体験になり、舞台の流れが生まれる。
さらに、表現遊びのねらいとして「友達や仲間と一緒に表現を共有する」「コミュニケーション能力や協調性といった社会性を身に付ける」ことが挙げられているため、インタビューごっこはねらいと直結します。歌が得意な子も苦手な子も、聞き役・答え役として活躍でき、クラスの関係がほぐれやすいのが実感として強みです。
最後に、保育者が入るタイミングは“盛り上げ役”より“編集者”が向きます。子どもの発言を短く拾って「つまり、○○が好きなんだね」「次は△△さんに聞いてみよう」とつなぐと、遊びの流れが切れません。これも、表現遊びで保育者が子どもの表現を引き出し、自信を育てる関わりが大切だとされている点と一致します。

桐島です

