カレーライスのうた歌詞をおかあさんといっしょで深く知る
保育士が「カレーライスのうた」を歌詞まで覚えずに使うと、子どもの語彙発達の機会を7割以上損失すると言われています。
カレーライスのうたの歌詞とおかあさんといっしょでの誕生背景
「カレーライスのうた」は、NHKの幼児向け教育番組「おかあさんといっしょ」で放送された楽曲です。子どもたちに大人気のカレーライスをテーマにしており、歌詞の中にはにんじん・じゃがいも・たまねぎ・おにくといった具材が次々と登場します。
歌詞の構成は非常にシンプルです。「グツグツ煮えてる」「いいにおい」「カレーライスができたよ」といったフレーズが繰り返され、子どもが料理のプロセスを歌いながらイメージできるよう工夫されています。料理の完成までを順を追って歌う構成は、3〜5歳児の「順序立てて理解する力」の発達段階にぴったり合っています。
おかあさんといっしょは1959年から放送が続く、日本最長寿の幼児向け番組のひとつです。歌のお兄さん・歌のお姉さんが交代しながら何十年にもわたって歌い継がれてきた楽曲群の中に、「カレーライスのうた」は位置づけられています。
つまり、単なる童謡ではなく、教育的意図をもって作られた楽曲ということです。
保育士として歌詞の背景を理解しておくと、子どもへの導入説明がぐっと豊かになります。「カレーのにおいってどんなにおい?」「おうちでカレーを作ったことある?」と問いかけるだけで、歌の前に子どもたちの関心が一気に高まります。
カレーライスのうた歌詞に込められた食育メッセージ
歌詞に登場する具材——にんじん・じゃがいも・たまねぎ・おにく——は、どれも子どもたちが日常的に目にする食材です。意外かもしれませんが、これらの具材は意図的に選ばれており、栄養バランスの「3色食品群」(赤・黄・緑)をほぼカバーしています。
赤(おにく)=タンパク質・黄(じゃがいも)=炭水化物・緑(にんじん・たまねぎ)=ビタミンと、食育の基礎をそのまま歌に落とし込んでいます。これは使えそうです。
保育現場では、歌詞を使って「この食べ物は何色グループ?」と子どもたちに問いかける活動ができます。歌を歌いながら食材カードを並べるだけで、食育活動が完成します。特に3〜4歳クラスでは、視覚的な食材カード(A4用紙に印刷したもので十分)と組み合わせると効果が倍増します。
また、歌詞の「グツグツ」という擬音語は、子どもの言語感覚を刺激するオノマトペとして優秀です。オノマトペへの感受性は2〜4歳がピークとされており、この時期に意識的に取り入れることが言語発達に直結します。
「グツグツ・クツクツ・ぐるぐる」と歌いながら体を動かす活動は、言語と身体の統合を促す観点から、保育の専門家にも推奨されているアプローチです。
食育と言語発達、両方を一度に押さえられるのが基本です。
おかあさんといっしょのカレーライスのうたを保育で歌う際のポイント
実際に保育室でこの曲を歌うとき、何も考えずに「はい、みんなで歌いましょう」とするだけでは、せっかくの楽曲のポテンシャルが半減します。
まず「導入の問いかけ」が重要です。歌の前に「カレー好きな人!」と手を挙げさせるだけで、子どもたちの気持ちが歌に向きます。次に「歌詞の視覚化」です。にんじん・じゃがいも・たまねぎの絵を黒板やフランネルボードに貼り、歌詞に合わせて一つずつ登場させると、子どもの集中力が格段に上がります。
歌のテンポも意識しましょう。ゆっくりめのテンポから始め、慣れてきたら通常テンポに戻すと、歌詞を覚えやすくなります。特に初めて歌う週は、1日目はテンポ70%・2日目80%・3日目以降は通常テンポという段階的な導入が効果的です。
ピアノが苦手な保育士でも大丈夫です。NHKの公式サイトやYouTube NHK for Schoolでは、楽曲の音源が視聴・活用できる場合があります。音源を使いながら保育士が歌う「コーラス形式」でも、子どもたちはしっかり楽しめます。
NHKの幼児向けコンテンツに関しては、以下のページが参考になります。
NHK for Kids(NHKきっずページ)|子ども向け公式コンテンツ
歌詞を正確に把握するためには、NHKの公式番組サイトや、JASRACが管理する楽曲情報を確認することをおすすめします。著作権管理された楽曲の歌詞を保育現場で掲示物として使う場合、JASRACへの届け出が必要になるケースもあります。これは多くの保育士が見落としがちな点です。
JASRAC(日本音楽著作権協会)公式サイト|著作権管理と許諾手続きの詳細
カレーライスのうた歌詞を使った劇あそび・発表会アイデア
「カレーライスのうた」は、劇あそびや発表会の演目としても非常に使いやすい楽曲です。歌詞に具材が次々と登場する構造は、そのまま「キャラクター登場→お鍋に入る→カレー完成」というシンプルな劇の台本になります。
役割分担の例を挙げると、次のような構成が考えられます。
- 🥕 にんじん役:2〜3名(「私はにんじん!ビタミンたっぷり!」などのセリフ)
- 🥔 じゃがいも役:2〜3名(「ほくほくじゃがいもです!」)
- 🧅 たまねぎ役:2〜3名(「あまーいたまねぎですよ!」)
- 🍖 おにく役:2〜3名(「やわらかいおにくです!」)
- 🍲 なべ役:1名(両手を広げて具材を迎え入れる)
- 🧑🍳 料理人役:1〜2名(かき混ぜる動作でナレーター兼任)
クラス全員で20名前後なら、この配役で全員に役が回ります。衣装はエプロンや野菜の冠(画用紙で手作り可能)だけで十分です。制作コストは1クラスあたり500円以下に収まることがほとんどです。
劇あそびのクオリティよりも「全員が参加できる」ことが大切ですね。
セリフが少ない役(なべ役・料理人役)は、恥ずかしがりやの子や言語発達がゆっくりな子に割り当てると、無理なく参加できます。インクルーシブ保育の観点からも、この楽曲はとても扱いやすい素材です。
発表会後には「カレーをみんなで食べる給食の日」と連動させると、体験の記憶が強く定着します。食べた記憶と歌の記憶がリンクすることで、子どもたちは卒園後も長くこの歌を覚えています。
保育士だけが知るカレーライスのうたと食わず嫌い克服の意外な関係
ここからは、検索上位の記事にはほとんど載っていない、保育の現場経験から見えてくる視点をお伝えします。
「カレーライスのうた」を繰り返し歌うことで、野菜の食わず嫌いが改善されるという保育士の実体験報告が複数あります。仕組みはシンプルです。歌の中で「にんじんが大活躍する場面」を体験した子どもは、にんじんに対してポジティブな感情的文脈を持つようになります。
これは「メア暴露効果(単純接触効果)」と呼ばれる心理現象と一致しており、同じ対象に繰り返し接触することで好意度が上がるという原理です。歌の中で繰り返しにんじんの名前を聞くことで、給食のにんじんへの拒否反応が和らぐわけです。
意外ですね。歌を歌うだけで偏食対策になるとは、なかなか想像しにくいと思います。
具体的な実践として、「カレーライスのうた」を1週間歌い続けた後の給食にカレーライスを提供すると、普段ならにんじんを残す子どもの残食率が下がったという保育園の事例もあります。食育と音楽活動の連携は、保育の質を高めるうえで非常にコスパの良いアプローチです。
この「音楽×食育」の連携アプローチをさらに深めたい場合は、日本食育学会の提言や、食育基本法に基づいた保育所保育指針の解説書が参考になります。
食育は「食べさせる」だけではないということですね。歌・遊び・体験を組み合わせることで、子どもの食への関心は自然と育まれます。保育士がこの視点を持つだけで、日々の保育活動の意味合いがぐっと深くなります。
おかあさんといっしょのカレーライスのうたを保護者と共有する方法
保育園での音楽活動は、保護者と共有することでさらに効果が高まります。「今日、カレーライスのうたを歌ったよ!」と子どもが家庭で話したとき、保護者が「どんな歌?」と一緒に歌えるかどうかで、楽曲の定着度が大きく変わります。
連絡帳や園だよりに「今週の歌」として「カレーライスのうた(おかあさんといっしょより)」と一言書き添えるだけで、保護者はNHKの番組や動画で確認できます。それだけで家庭での歌の継続が期待できます。
保護者への情報共有で意識したいポイントは以下の3点です。
- 🎵 曲名と番組名を正確に伝える(「おかあさんといっしょ」は保護者世代にも馴染みが深い)
- 📝 歌詞のキーワード(具材の名前)だけでも伝えると、家庭で話題にしやすくなる
- 🍛 給食でカレーが出る日と歌の活動を連動させると、保護者も「あ、あの歌の日だ」と意識しやすい
保護者との連携が深まると、子どもの学びの連続性が生まれます。保育園と家庭で同じ歌を共有することは、子どもにとって「保育園と家がつながっている」という安心感にもなります。
また、発表会で「カレーライスのうた」を演目にする場合は、事前に保護者へ「一緒に口ずさんでもOKです」と伝えると、会場の一体感が生まれます。保護者参加型の発表会づくりに活用できる一曲です。
情報共有は「難しくしない」が基本です。連絡帳に3行書くだけで、家庭での歌の広がりが期待できます。保育士のちょっとした一言が、子どもの豊かな育ちを支えています。


