感染症 保育 対策 手洗い 消毒 登園

感染症 保育 対策

感染症対策を「園の毎日」に組み込む
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手洗いは最優先

接触感染を切る基本は「石けん+流水」。歌やルーティン化で、子どもも職員も抜けを減らす。

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消毒は場面で使い分け

嘔吐物・排泄物は塩素系、普段の高頻度接触面はアルコールなど、目的と素材で選ぶ。

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登園の目安を共有

「治った気がする」ではなく、園と家庭で基準を揃えると再燃と集団発生を抑えやすい。

感染症 保育 対策 手洗いの方法と歌

 

保育園は、子ども同士の距離が近く、遊び・食事・午睡などで接触も飛沫も起きやすい環境です。だからこそ、いちばん効く基本は「手洗いを外さない」ことに尽きます。厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」でも、接触感染対策の基本として手洗いの重要性が明記され、さらに「タオルの共用は絶対にしない」「手洗いは石けんを用いて流水で30秒以上」など、現場で守るべき具体が示されています。

特に“歌”に興味がある読者に刺さるポイントは、手洗いを「指導」ではなく「日課」に変えることです。例えば、園でよく歌う短い曲を“30秒の計測器”として固定化すると、子どもは「長さ」と「手順」を同時に覚えやすくなります。実際に、手洗い時に童謡を歌って約30秒を確保する取り組みが保育園の発信として紹介されています。

参考)<「手洗い指導」について> – あゆみ保育園 l…


さらに、メーカー系の啓発ページでも「正しい手洗いは30秒以上が基本」とし、歌や体操で楽しく習慣化する考え方が示されています。

参考)キレイキレイ手洗いのうた|キレイキレイ|ライオン


手洗いの“抜け”が起きやすいのは、忙しいタイミングが重なる瞬間です。ガイドラインは、食事の前、調乳前、配膳前、トイレの後、おむつ交換後、嘔吐物処理後など「やるべき場面」を具体的に挙げています。​

園の運用としては、次のように「歌」と「場面」をセットにすると定着しやすいです。

  • 🧼 食事前:席に座る前に“手洗いソング1回”→テーブルへ。
  • 🚽 トイレ後:戻る動線に手洗い場がある場合は“戻る前に歌”。
  • 🍼 調乳・配膳:職員は「作業開始前の歌」を合図にして、周囲も手洗い実施が見える化。
  • 🤢 嘔吐物処理後:処理担当はもちろん、補助に入った職員も「処理完了→歌→記録」の順で固定。

意外と知られていない落とし穴は「固形石けん」の扱いです。ガイドラインでは、固形石けんは保管時に不潔になりやすい点に注意し、液体石けんの詰め替え時も“使い切り→容器洗浄→乾燥→新しい液を詰める”といった運用が推奨されています。​

つまり、手洗いを頑張っているのに、石けん周りがボトル運用で汚染源になる…という逆転現象を避けることが大切です。

(手洗いを園で定着させるヒントの参考:歌で30秒を確保する事例)

手洗いの歌で約30秒を確保する園の実例(手洗い指導の工夫)

感染症 保育 対策 消毒と次亜塩素酸ナトリウム

「消毒」は万能ではなく、場面・素材・病原体に合わせて“使い分ける”ことで、効果と安全性を両立できます。厚生労働省ガイドラインは、嘔吐物や排泄物などの体液が付着している箇所は、まずそれらを丁寧に取り除いてから消毒する、残っていると消毒効果が下がる、といった順序を重視しています。

この“順序”は、現場の事故や集団感染の再燃を防ぐ上でかなり重要です。

特に感染性胃腸炎(ノロ等)を想定すると、嘔吐物処理と塩素系消毒の徹底が鍵になります。保育所での感染対策資料では、吐物を取り除いた後に0.1%次亜塩素酸ナトリウム液で拭き取る、といった具体が示されています。

参考)https://www.kankyokansen.org/other/edu_pdf/3-3_37.pdf


また、自治体等の資料でも、嘔吐物が飛散した範囲に0.1%次亜塩素酸ナトリウムを浸す・一定時間置くなど、実務に落ちる手順が詳しく説明されています。

参考)https://www.city.okayama.jp/kurashi/cmsfiles/contents/0000052/52949/kodomogaouto.pdf

日常の消毒でありがちな“もったいない失敗”は、次の3つです。

  • 🧽 いきなり消毒液をかける:汚れ(有機物)が残っていると効果が落ちるので、「除去→洗浄→消毒」の順が基本。
  • 🧴 濃度の使い分けが曖昧:吐物・便が付着した場面は0.1%など強め、環境表面は薄めなど、資料に沿って運用するほうが安全で確実。
  • 🧸 おもちゃを“拭くだけ”で済ませる:口に入る可能性がある物は、洗浄してから消毒の発想が大事。

もう一段深掘りすると、保育園の感染対策は「消毒」より「交差汚染の設計」で差が出ます。手洗い後に共用タオルを使えば台無しなので、ガイドラインが述べるように“タオル共用を避ける、ペーパータオルが理想”という前提を守ることが、消毒の回数を増やすより効果的な局面があります。​
現場の予算・在庫事情はありますが、「感染性胃腸炎が園内で出ている期間だけでもペーパータオルへ切替」を推奨する記載があるので、通年運用が難しい園でも“期間限定の強化”として導入しやすいです。​

(嘔吐物処理での0.1%次亜塩素酸ナトリウム等の実務手順の参考)

嘔吐物処理の手順(0.1%次亜塩素酸ナトリウム等の具体例)

感染症 保育 対策 登園の目安と保護者

感染症対策で揉めやすいのが「登園の目安」です。園としては拡大を防ぎたい一方、保護者には仕事や家庭事情があり、判断が揺れます。厚生労働省ガイドラインは、保育所が集団生活の場であることを踏まえ、感染力が大幅に減少するまで登園を控えてもらう重要性を述べ、学校保健安全法施行規則の基準に準じて“登園のめやす”を確認しておく必要があるとしています。

自治体のページは、現場でそのまま配布しやすい形で「病名ごとの休ませる期間(登園許可の目安)」を表にしていることが多く、保護者との共通言語にしやすいです。例えば目黒区の資料では、インフルエンザは「発症後5日+解熱後3日」など、病名ごとに具体的な日数や条件が整理されています。

参考)感染症にかかったお子さんの学校、幼稚園・こども園、保育園の出…

こうした表は、園の掲示物・入園時資料・感染流行時の一斉配信に転用しやすく、“感情の衝突”を減らす道具になります。

保護者連携で、効果が高いのに意外と抜けがちなのが「受診結果を速やかに園へ共有してもらう設計」です。ガイドラインでは、保護者に感染状況を情報提供し、保護者から医療機関での受診結果を速やかに伝えてもらう、といった情報の往復が重要だとされています。​

これを運用に落とすなら、次のような“短いテンプレ”が役立ちます。

  • 📩 園→保護者:本日、嘔吐・下痢(疑い含む)が複数。家庭でも手洗い強化・タオル共用回避の協力をお願い。
  • 📩 保護者→園:受診先/診断名/検査有無/薬の有無/登園再開の目安(医師の指示)を5項目で返信。
  • 🗂 園内:クラス別・日別に欠席理由と人数を記録(終息判断や保健所相談の材料)。

「知られざるポイント」として押さえたいのは、職員側が“不顕性感染”で感染源になる可能性です。ガイドラインは、職員は成人で軽症や無症状で気づかないまま感染源となりうる、と明記しています。​
つまり、登園基準の周知だけでなく、職員の体調管理・マスクや咳エチケット・業務分担の見直し(乳児担当をどうするか等)も、保護者説明に含めると「園もやっている」感が出て協力が得やすくなります。​

(登園の目安の表があり、保護者説明に使いやすい参考)

感染症の登園許可の目安(病名別の休ませる期間の一覧)

感染症 保育 対策 おもちゃと環境

「おもちゃ」「寝具」「テーブル」「ドアノブ」など、子どもが触れる環境面の整備は、日々の積み重ねが効きます。厚生労働省ガイドラインは、保育室内のドアノブやスイッチ等の清掃・消毒、玩具の洗浄、寝具の管理、おむつ交換場所の分離など、生活動線に沿った衛生管理を具体的に挙げています。

ここが強い園は、流行期の“爆発力”が抑えられやすいです。

重要なのは「全部を毎回消毒する」ではなく、優先順位をつけることです。ガイドラインには、乳児の玩具は“都度、湯等で洗い流し干す”、午前・午後で遊具交換、といった現実的な運用が書かれています。​
また、感染対策資料では、口に入れる可能性のあるおもちゃはまず洗う、消毒するなら次亜塩素酸ナトリウムに浸漬する等、より踏み込んだ注意点も提示されています。​

現場で効く「環境の工夫」を、やりすぎない範囲で整理すると以下です。

  • 🧸 乳児の“口に入る玩具”は「洗える素材」を優先し、洗浄→乾燥の回転を作る。
  • 🪑 テーブルは水(湯)拭きが基本で、状況に応じて消毒を追加する(食事前後のルーティン化)。
  • 🛏 寝具は個別管理・カバー洗濯・乾燥を定期化し、汚れた場合は消毒も含めて対応。
  • 🚼 おむつ交換は食事導線と交差しない場所で行い、便処理は手袋・手洗い徹底。

意外と盲点になりやすいのが「砂場」と「園庭」です。ガイドラインは、砂場は猫の糞便等由来で汚染される可能性があり、衛生管理が重要、遊んだ後は手洗い、夜間は覆う等の対策を挙げています。​

ここは“室内だけ頑張っている園”ほど落ちやすいポイントで、特に手洗いが雑になりがちな外遊び後に、手洗いソングを必ず差し込むと改善しやすいです(「外から帰ったら歌」ルール)。

感染症 保育 対策 独自視点 歌と行事

検索上位は「手洗い」「消毒」「登園基準」になりがちですが、保育園の現場では“行事”と“歌”が感染症対策の弱点にも強みにもなります。厚生労働省ガイドラインは、保育所は集団で遊んだり、歌を歌ったりする環境であり飛沫感染が生じやすい、と明記し、飛沫感染の範囲は1〜2m、咳エチケットや距離の配慮が有効と説明しています。

つまり「歌う」活動そのものを、やめる/続けるの二択ではなく、“設計し直す”余地があります。

ここでの独自視点は、「歌を“感染対策ツール”として二重に使う」ことです。手洗いソングはその代表例ですが、行事前の練習や朝の会にも応用できます。例えば、発表会の練習時期に風邪症状が出やすい園なら、歌の前後に次を固定化します。

  • 🎤 歌の前:手洗い(歌を30秒のタイマーにする)+座る位置の間隔を“床の目印”で可視化。
  • 🪟 歌の最中:換気の時間を決め、「1曲ごとに窓を開ける」などルール化(室内換気は基本対策として重要)。
  • 😷 職員:咳などの呼吸器症状がある場合のマスク着用、体調管理の徹底(職員が感染源になりうる前提)。

さらに、あまり語られない実務のコツとして「行事の練習ほど、共有物が増える」点があります。マイク、衣装、小物、手作り楽器などがクラス間を移動すると、接触感染の導線が増えます。ガイドラインが示す接


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