自由曲 保育園 合唱
自由曲 保育園 合唱の選曲ポイント(卒園式・発表会)
自由曲の選曲は「子どもが歌い切れる」「園のメッセージに合う」「当日の音響・会場に合う」の3点を同時に満たすのが基本です。
特に保育園の合唱は、上手さより“揃って聴こえる設計”が結果を左右します。揃って聴こえる曲は、難しい和音よりも、同じリズムが続く・フレーズが短い・サビが反復する、といった要素を持つことが多いです。
選曲チェック(現場で使える早見)
- 音域:高音が続きすぎないか(サビで上がりっぱなしは要注意)
- テンポ:速すぎて言葉が落ちないか/遅すぎて息が続くか
- 歌詞:意味が子どもに伝わるか(“ことばの理解”が表情に直結)
- 構成:Aメロが長すぎないか(集中力が切れるポイントになりやすい)
- 伴奏:ピアノが難しすぎないか(先生の負担=練習の質に影響)
また、卒園式と発表会では「求められる空気」が違います。卒園式は“余韻”を作る曲が合いやすく、発表会は“リズムとメリハリ”がある曲が映えます。自由曲の候補を並べたら、行事の目的(送る・見せる・祝う)に一番合うものから絞るのが現実的です。
自由曲 保育園 合唱の練習方法(歌詞・音程・リズム)
合唱の練習は、最初から通して歌うより「要素分解→短時間反復→通しで統合」の順にすると、子どもが“できた”を感じやすくなります。
とくに自由曲は園ごとに初見の曲になりがちなので、導入設計が重要です。
進め方の具体例(1回10〜15分でも回る)
- 1週目:歌詞(言葉)を揃える
- 2週目:リズム(手拍子・足踏み)で揃える
- 3週目:音程(出だしとサビの着地音)を揃える
- 4週目:表現(強弱・語尾・間)を揃える
- 直前:立ち位置・入退場・お辞儀も含めて通し
コツは「歌のうまい子が引っ張る」形に頼りすぎないことです。引っ張る子が休んだ瞬間に崩れるからです。代わりに、全員が迷うポイント(出だし、音が跳ぶ箇所、サビ前の転調っぽく聴こえる所など)を先生が先回りで“型”にします。
型づくりに効く小技
- 出だしは先生の合図を固定(息を吸う動きもセットにする)
- サビの頭だけ「話し言葉で読む→リズム読み→歌う」の順で固める
- 語尾は「伸ばす/切る」を明確に決める(バラつきが減る)
- 難しい音程は「階段ことば(上がる・下がる)」で身体化する
練習で録音を使う場合、園内での共有に留める設計が安全です。外部公開まで視野に入れるなら、著作権とセットで計画します(次の見出しで詳述)。
自由曲 保育園 合唱と著作権(JASRAC・DVD・配布)
自由曲選びで見落としがちなのが著作権です。園内の行事で「歌う」ことと、録音・録画して「配布・公開」することでは扱いが変わるため、最初に運用を決めてから曲を確定するのが安全です。
大枠の考え方
- 園内での歌唱・演奏:条件によっては手続き不要となるケースがある一方、録音・録画は別扱いになり得ます。
- DVDやデータ配布:合唱や発表会を録音・録画して配付する場合、手続きが必要になる旨が案内されています。
- Web掲載・SNS:学校(教育機関)でもホームページ等での利用は手続きが必要になる、という趣旨の説明があります。
さらに重要な注意点として、市販CDなど“他人の音源そのもの”を使う場合は、著作権だけでなく著作隣接権(レコード会社・演奏者等)にも配慮が必要、という整理が示されています。
卒園・卒業記念DVDを作るケースでは、JASRACへの許諾申請の必要性や、オンライン窓口(J-RAPP)に触れた解説も出ています。
現場の段取り(失敗しにくい順番)
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- 「歌うだけ」か「録画して配る」か「Webに載せる」かを決める。
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- 候補曲がJASRAC管理曲か確認する(管理曲なら手続き窓口が明確)。
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- 市販音源を使うなら“音源の権利”も確認し、必要なら制作会社や業者とも相談する。
参考リンク(教育機関での音楽利用の考え方/録音・録画配布の注意点)
JASRAC:学校など教育機関での音楽利用(録音・録画して配付する場合の注意)
参考リンク(学校での音楽利用と、音源を使う場合の“著作隣接権”の注意)
JASRAC PARK:学校で音楽を使うときには(音源利用時の注意点)
自由曲 保育園 合唱の人気傾向(定番・季節・年齢)
検索上位の“定番まとめ”は、卒園式・発表会の文脈で「感動」「ありがとう」「おもいで」「旅立ち」など、保護者が情景を重ねやすい軸で曲が集められる傾向があります。
ただし定番は“選べば安心”の一方で、園の声量・人数・会場の響きに合わないと、急に難曲に変わることがあります(静かすぎる会場だと、弱声が不安定に聴こえやすい等)。
年齢別にズレやすいポイント
- 年少:歌詞量が多い曲は、途中から口数が減り“合唱感”が薄れやすい
- 年中:リズムが揺れる(走る・溜める)箇所で崩れやすい
- 年長:表現を乗せる余地がある曲は映えるが、音域が広い曲は事故が増える
季節(行事)別に合いやすい設計
- 卒園式:ゆっくりめ、歌詞の意味が明確、サビでまとまる
- 発表会:テンポ感、手拍子や簡単な振りが乗る、短い反復がある
- お別れ会:クラスの思い出を言葉に乗せやすい、呼びかけ構造がある
「人気だから」だけで決めず、園の条件に合う“人気の理由”を取りにいくと失敗しません。定番曲の良さは、保護者が“知っている”ことによる安心感と、歌詞の理解が早いことなので、その利点が最大化される編成(立ち位置・声の出し方)をセットで作るのが効果的です。
自由曲 保育園 合唱の独自視点:楽譜より先に「話す」導入
検索上位の多くは「おすすめ曲」や「練習のコツ」を中心に書かれますが、現場で差が出るのは“歌う前の言葉づくり”です。ここでは独自視点として、楽譜より先に「話す→読む→歌う」を入れる導入を提案します。
なぜ「話す」が効くのか
- 子どもは“意味が分かる言葉”だと、自然に抑揚がつく
- 抑揚がつくと、結果としてフレーズ感が揃い、合唱がまとまる
- 意味が曖昧なまま歌うと、音程より先に“声の方向”がバラバラになる
導入の具体例(3分でできる)
- 先生:「この曲の“いちばん伝えたい言葉”はどこ?」
- 子ども:「ありがとう」「だいすき」など短い言葉が返ってくる
- 先生:「じゃあ、そこだけ“相手に届ける声”で言ってみよう」
- その後:同じ箇所をリズム読み→メロディで歌う
この方法は、音程が不安定な子にも“参加の入口”が作れます。歌が得意な子は音で貢献し、恥ずかしい子は言葉で貢献でき、最終的に全員が歌に合流しやすい流れになります。自由曲を合唱として成立させる最大の近道は、音楽の技術だけでなく「言葉を届ける方向」を揃えることです。

