イントロ 保育 伴奏
イントロの役割と保育の合図
保育の歌でのイントロは、音楽的な飾りよりも「全員が同時にスタートするための合図」です。特に幼児は、歌い出しの音程が定まらないまま始めると、最初の1フレーズで集団の音程が散りやすくなります。だからこそ、イントロは短くても「主音が分かる」「テンポが分かる」「息を吸う間がある」ことが優先です。
現場でよく起きるのが、先生が忙しくてテンポが揺れたり、子どもの反応を見てテンポを上げ下げしてしまったりすることです。イントロに“一定の拍”を入れておくと、先生自身もテンポの軸に戻りやすくなります。さらに、子ども側にも「ここで手拍子を入れる」「ここで息を吸う」などの予測が生まれ、落ち着いて歌い出しやすくなります。
実務で使いやすいのは、次の3タイプです。
- 1小節イントロ:最初の歌い出し直前にコードを1回(または分散)で提示してすぐ歌へ。
- 2小節イントロ:1小節目でテンポ提示、2小節目で「歌い出しの音」に寄せて着地。
- 4小節イントロ:行事や発表など、場を整える目的があるときに採用(ただし長くしすぎない)。
参考:保育士試験でも「前奏・後奏を付けてもよい」とされ、幼児に歌って聴かせる想定で弾き歌いする規定が示されています(伴奏は市販譜でも、コードネーム参照の編曲でも可)。
規定(前奏・後奏/コードネーム参照)参考。

イントロをコードで決める方法
イントロ作りが苦手な場合、「コードから先に決める」と迷いが減ります。理由はシンプルで、保育で扱う歌の多くは、和声が複雑ではなく、コード進行も定型が多いからです。コードが決まると、左手(伴奏)も右手(合図のメロディ)も同時に設計できます。
手順は次の通りです。
- まず曲の最初のコードを確認する(多くは主和音=トニックで始まりやすい)。
- イントロの最後は、歌い出しのコード(多くは同じトニック)に戻して「着地」させる。
- イントロの途中は、サブドミナントやドミナントに軽く触れて「始まる感じ」を出す。
たとえば、ハ長調の歌なら、C(トニック)→F(サブドミナント)→G(ドミナント)→C(トニック)のように、主要コードで完結できます。すると、右手は「ドミソ」などの分散、あるいは歌い出し音に近い音を置くだけで“それっぽい”導入になります。
さらに時短のコツとして、「イントロ=サビの最初の1小節を先に弾く」という手もあります。子どもは“聞いたことがある形”を手掛かりにできるので、音程もテンポも揃いやすいです。反対に、ジャズ風や凝ったフレーズは、先生が弾くのに集中してしまい、合図として機能しにくい場面があります。
伴奏の左手を軽くするコツ
伴奏の安定は、右手の華やかさより左手で決まります。左手が難しいと、テンポが落ち、歌も止まり、結果として子どもの集中が切れます。そこで「左手を軽くする設計」が有効です。
現場で効く具体策は次の通りです。
- 左手はルート(根音)だけにする:三和音を全部押さえず、根音だけでも伴奏の骨格が出ます。
- 左手は同じリズムを繰り返す:毎小節「ドー・ドー」など、拍を刻むだけでも歌いやすさが上がります。
- 右手はメロディを弾きすぎない:子どもが歌う音域とぶつかると、子どもが“先生の音”に引っ張られて歌いにくくなります。
「ミスをしても止まらず最後まで弾き切る」ことが重要という考え方は、試験対策の文脈でも繰り返し強調されています。保育の現場でも同じで、多少の音の抜けより“流れを止めない”ことが、子どもの安心に直結します。
参考(止まらず弾き切る重要性、試験でも重視)。

保育の弾き歌いのテンポとリズム
保育での伴奏は、音符の正確さより「歌いやすいテンポ」と「呼吸できる間」が要です。特に弾き歌いでは、先生自身が歌うため、ピアノが少し簡単でもテンポが安定している方が結果的に良い音楽になります。
テンポ設計のポイントは3つです。
- 子どもの声が出るテンポ:速いと歌詞が追いつかず、遅いと集中が切れやすい。
- 言葉が立つリズム:子どもの歌は“ことば”が中心なので、伴奏で拍を曖昧にしない。
- イントロでテンポを固定:イントロでテンポを示し、歌に入ったら大きく揺らさない。
行事やクラスの状況によっては、同じ曲でもテンポを変えたい日があります。そのとき便利なのが「イントロの長さを変える」方法です。テンポ自体は同じでも、2小節イントロにすると落ち着いて入り、1小節にするとキビキビ入れます。テンポを変えるより、入口(イントロ)を調整した方が、子どもは混乱しにくいです。
また、弾き歌いは声量も評価されやすい領域です。ピアノを難しくして息が苦しくなるより、伴奏を簡略化して“歌える体”を確保する方が、保育としても合理的です。
イントロと保育の独自視点:子どもの行動観察
検索上位の解説は「コード」「簡単伴奏」「試験対策」に寄りがちですが、現場で意外に効くのは“イントロを観察の時間にする”発想です。イントロの2小節〜4小節は、子どもの状態を瞬時に把握できる貴重な数秒になります。
例えば、イントロ中に次のような観察ができます。
- 口の動き:歌詞を覚えている子が増えたか(口パクでもOK)。
- 姿勢:立ち歌か座り歌か、集中が続きそうか。
- 目線:先生を見る子が多いか、周囲に気が散っているか。
- 呼吸:歌い出し直前に息を吸えているか。
この観察結果に応じて、先生は歌の導入を微調整できます。
- 集中が弱い日は:イントロを短くして、すぐ歌に入る(迷う時間を作らない)。
- 落ち着かせたい日は:イントロを2小節〜4小節にして、手拍子や合図を入れる。
- 新しい歌の日は:イントロで歌い出し音を明確に出し、最後を“止めて着地”させる。
この方法のメリットは、ピアノの難易度を上げずに保育の質が上がる点です。イントロが単なる前置きではなく、クラス運営の小さなレバーになります。ピアノが得意でなくても、イントロの設計意図が明確だと、先生自身の自信にもつながります。
- 🎯 イントロは「合図」:短く、主音とテンポが伝わる形が最優先。
- 🧠 コードで決める:最初と最後を同じコードに戻すと迷いが減る。
- 🎹 左手は軽く:ルートだけ、同リズム反復で止まりにくい。
- 👀 独自視点:イントロを“子どもの観察タイム”として使うと保育が回りやすい。
| 場面 | おすすめイントロ | ねらい |
|---|---|---|
| 朝の歌・導入 | 1〜2小節 | テンポ提示と同時スタート |
| 新しい歌の練習 | 2小節(最後は歌い出し音へ) | 音程の入口を揃える |
| 発表・行事 | 2〜4小節 | 姿勢と空気を整える |

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