蛍の光 歌詞 意味 保育士が教える由来と卒業式活用法

蛍の光 歌詞 意味

卒業式で歌う「蛍の光」、実は4番まである軍国主義的な内容を含んでいた曲です。

この記事で分かる3つのポイント
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歌詞の由来と本当の意味

「蛍の光 窓の雪」は中国の故事「蛍雪の功」に由来し、苦学して勉学に励む姿を表現しています

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スコットランド民謡が原曲

原曲は「オールド・ラング・サイン」で、友情をテーマにした別れの歌です

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戦後に削除された3・4番

「国の為」「千島の奥も沖縄も」という軍事的内容が含まれ、戦後の教育現場から消されました

蛍の光 歌詞1番の意味と中国故事の関係

 

「蛍の光 窓の雪」という冒頭部分は、中国の故事「蛍雪の功」から来ています。この故事は東晋時代の車胤と孫康という二人の貧しい学生の話です。domani.shogakukan+1

車胤は灯油を買うお金がなかったため、夏の夜に蛍を何匹も捕まえて絹の袋に入れ、その光で勉強しました。孫康は冬の夜に窓辺に雪を積み上げ、雪の反射光を利用して勉強を続けたのです。

参考)「蛍雪の功」って何て読む?由来は中国の故事

二人ともこのような苦労の末に高級官吏に出世したという話が元になっています。

つまり苦学の姿勢が基本です。

「いつしか年も すぎの戸を 明けてぞ けさは 別れゆく」には、複数の意味が重ねられています。「すぎの戸」は「杉の戸」と「時が過ぎる」の掛詞で、「明けて」は「戸を開ける」と「夜が明ける」の二重の意味を持つ言葉の技巧です。sybrma.sakura+1

学び舎での日々を重ね、いつの間にか年月が過ぎ、卒業の朝を迎えて級友と別れていく様子を描いています。この表現技法は当時の文学的な工夫の一例ですね。

参考)【蛍の光】の歌詞の意味を考える|Chiaki Matsuta

明治14年(1881年)に「小学唱歌集初編」で発表され、尋常小学校の唱歌として全国に広がりました。明治23年(1890年)頃から、卒業式で在校生または全員が「蛍の光」を歌う習慣が定着したそうです。iwgpusnever+2

蛍の光 歌詞2番に込められた別れの想い

2番の歌詞は、卒業式という別れの場面で最も感動的な部分です。「止まるも行くも 限りとて」は、在校生として残る人も、卒業して去る人も、今日でお別れという意味になります。hihiblo+1

「互いに思う ちよろずの」の「ちよろず」は漢字で「千万」と書き、「数限りない」という意味です。お互いを思う無数の気持ちや言葉があるということですね。

参考)蛍の光の歌詞の意味は? – 木になるメディア

「心のはしを 一言に 幸くと許り 歌ふなり」は、心の中の無数の想いをたった一言「無事でいてください」という言葉に込めて歌っているという内容です。「幸く(さきく)」は「無事で」「平安で」「幸せであれ」という意味の古語です。utaten+2

保育園や幼稚園の卒園式で、子どもたちに「みんなの幸せを願っているよ」と伝える場面で使えます。言葉では言い尽くせない想いを歌に託す、という日本的な感性が表現されていますね。

現代の卒業式では、この1番と2番だけが歌われることが圧倒的に多いです。

理由は次の項目で説明します。

蛍の光 4番まである歌詞の全文と封印された理由

「蛍の光」は元々4番まであり、3番と4番には軍国主義的な内容が含まれていました。

このことは意外に知られていません。

3番の歌詞は「筑紫のきわみ 陸の奥 海山遠く 隔つとも その真心は 隔てなく ひとつに尽くせ 国の為」となっています。九州の果てでも東北の奥地でも、海や山で遠く隔てられても真心は隔てられることはなく、ひたすらに力を尽くせ国のため、という意味です。

参考)蛍の光 歌詞の意味・現代語訳 唱歌・卒業ソング

4番は「千島の奥も 沖縄も 八洲の内の 護りなり 至らん国に 勲しく 努めよ我が兄 恙無く」という内容でした。千島列島の奥も沖縄も日本国の護りの要であり、統治の及ばぬ異国には勇敢に尽力せよ我が兄弟、という軍事的なメッセージが込められていたのです。

戦後、二度と戦争をしないという誓いの中で、3番や4番の歌詞は平和国家としての理念にそぐわないとされました。1947年以降、教科書からこれらの部分は削除され、1番と2番のみが掲載されるようになったそうです。

参考)https://diggity.info/music/hotarunohikari-lyric/

4番の歌詞は領土拡大に伴って変化し、明治初期には「八洲の外の守りなり」だったものが、千島樺太交換条約や琉球処分により「八洲の内の守りなり」に変わりました。1895年に台湾を獲得した年には「台湾の果ても樺太も」へと変わったという記録もあります。

保育現場では1番と2番のみを扱うのが原則です。子どもたちに歌の歴史的背景を説明する必要はありませんが、保育士として知識を持っておくことは大切ですね。

蛍の光 原曲スコットランド民謡「オールド・ラング・サイン」との違い

原曲は「オールド・ラング・サイン(Auld Lang Syne)」というスコットランド民謡です。15世紀に書かれた作者未詳の詩が源流で、1788年にロバート・バーンズという詩人によって現在の形になりました。ezokashi.opal+2

原曲の歌詞は「友情はとこしえに。かつて強い友情で結ばれていた友のことは決して忘れない。どんなに時間、場所、境遇が開いたとしても、最後には共に苦労し、涙を流し、笑った友人の手を握り笑顔で別れたい」という内容です。

別れと友情がテーマということですね。

参考)「蛍の光」歌詞の本当の意味は…… ベルリン銀熊賞受賞!激動の…

スコットランドをはじめ英語圏では、大晦日にその年一年を懐かしむ歌として歌われます。大勢で輪になり、胸の前で腕を交差して、右手で左隣の人の左手を、左手で右隣の人の手を取って、その手を揺らしながら歌うのが習慣です。

参考)https://ezokashi.opal.ne.jp/english/e_auldlangsyne.html

日本語版の歌詞を書いたのは稲垣千穎(いながき ちかい、1845-1913)という人物で、原曲とはやや異なる内容になっています。原曲が友情を歌うのに対し、日本版は学問への励みと別れを歌っています。note+1

かつて韓国やモルディブでは、この旋律に乗せて国歌が歌われていたこともあるそうです。

世界中で愛されているメロディーなんですね。

蛍の光を保育現場で活用する際のポイントと注意点

保育園や幼稚園の卒園式で「蛍の光」を活用する場合、いくつかのポイントがあります。

まず歌詞の難しさを考慮する必要があります。

古語が多く使われているため、年長児でも歌詞の意味を完全に理解することは困難です。そのため、事前に簡単な言葉で説明してあげることが大切ですね。

参考)卒業式の定番ソング「蛍の光」の歌詞の意味とは?

具体的には「一生懸命勉強した日々を思い出して、みんなとお別れする歌だよ」「お友達が幸せでいてほしいって願う歌なんだよ」という程度の説明で十分です。難しい文法や歴史的背景まで説明する必要はありません。utaten+1

近年、卒業式で「蛍の光」を歌わない学校が増えているという報告もあります。歌詞の内容が現代の教育観に合わない、古語が難しすぎるという理由からです。

参考)卒業式で「蛍の光」を歌う理由と歌わない理由 – 蒼き空に笑う

保育現場で別の卒園ソングを選択することも一つの方法です。「思い出のアルバム」「さよならぼくたちのほいくえん(ようちえん)」など、子どもたちが理解しやすい現代の卒園ソングも多数あります。

ただし、伝統的な日本の唱歌として「蛍の光」を大切にしたいという園の方針もあるでしょう。その場合は1番のみ、またはメロディーだけをBGMとして使用する方法もあります。

保護者の中には「自分が子どもの頃に歌ったから」という理由で「蛍の光」に思い入れがある方もいます。園の教育方針と保護者のニーズのバランスを考えることが重要ですね。

文部科学省が推進する「日本の歌百選」にも選ばれている曲なので、日本の音楽文化として触れておく価値はあると言えます。

参考リンク:文部科学省の唱歌に関する資料

蛍の光 歌詞の意味・現代語訳(世界の民謡・童謡)

この記事には1番から4番まで全ての歌詞と現代語訳が詳しく掲載されています。保育士として歌詞の全体像を把握したい場合に役立ちます。


幻の蛍