ホ短調の音階をピアノで弾く保育士向け完全ガイド

ホ短調の音階をピアノで弾く保育士向け完全ガイド

ピアノで短調を弾くとき、「ホ短調だけ覚えればほぼ全ての子ども向け曲に対応できる」と思っていると、実は現場で3種類の音階を使い分けられず子どもの歌伴奏で音を外してしまうことがあります。

🎹 この記事の3ポイント
🎵

ホ短調は3種類の音階がある

自然的・和声的・旋律的の3種があり、保育現場では使う場面がそれぞれ異なります。

📋

調号はシャープ1個だけ

ホ短調の調号は「ファ♯」の1つのみ。初心者にも取り組みやすい調です。

🏫

保育士試験にも頻出

保育実習理論の音楽問題でホ短調は繰り返し出題されており、確実に押さえておくべき調です。

ホ短調の音階とは何か・基本の構造をピアノで確認する

 

ホ短調とは、「ミ(E)」を主音とする短調です。調号はシャープが1個(ファ♯)だけで、初めて短調を学ぶ方にも取り組みやすい調のひとつです。

音階の基本構成音は「ミ・ファ♯・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ」の順番に並びます。これが自然的短音階(ナチュラルマイナースケール)の形です。

シャープが1つだけ。これだけ覚えておけばOKです。

ピアノの鍵盤上でこの音を確認すると、白鍵と黒鍵の混在が比較的少なく、視覚的にもわかりやすい配置になっています。保育士として伴奏の基礎を固めるなら、まずこの自然的短音階を指でなぞる練習から始めるのが王道のアプローチです。

ホ短調はト長調の平行調でもあります。ト長調の主音「ソ」から下に3度(短3度)下がった「ミ」を主音とするため、まったく同じ調号(♯1個)を共有しています。「平行調は同じ調号を持つ長調と短調のペア」という原則を押さえておくと、試験問題でも素早く判断できます。

調の種類 主音 調号 音階例(上行)
ト長調 ソ(G) ♯1個(ファ♯) ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ♯・ソ
ホ短調 ミ(E) ♯1個(ファ♯) ミ・ファ♯・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ

ホ短調の3種類の音階・自然的・和声的・旋律的の違いをピアノで弾き分ける

短音階には3種類あります。それぞれ使われる場面と音の動きが異なるため、混同しないよう整理しておきましょう。

まず「自然的短音階」は調号どおりに弾く最もシンプルな形。ホ短調なら「ミ・ファ♯・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ」で、上行も下行も同じ音を使います。

次に「和声的短音階」は7番目の音(レ)を半音上げてレ♯にするのが特徴です。上行・下行ともにレ♯を使い、導音(主音の半音下)を強調することで和声的な解決感が生まれます。つまりホ短調の和声的短音階は「ミ・ファ♯・ソ・ラ・シ・ド・レ♯・ミ」です。

レ♯が加わるだけで、ずいぶん雰囲気が変わりますね。

最後に「旋律的短音階」は上行と下行で音が変わる点がポイントです。上行時は6番目(ド)と7番目(レ)を半音上げてド♯・レ♯にし、下行時は自然的短音階の形に戻します。上行「ミ・ファ♯・ソ・ラ・シ・ド♯・レ♯・ミ」、下行「ミ・レ・ド・シ・ラ・ソ・ファ♯・ミ」という構造です。

保育士試験の音楽問題では和声的短音階が最も頻繁に問われるとされています。下の参考リンクでは保育士試験の音楽理論対策として調と音階の解説が丁寧にまとめられています。

保育士試験の「保育実習理論」音楽分野でのホ短調・調号・音階の詳しい解説はこちら。

捨てない!保育実習理論♪音楽【ゼロから覚える】徹底講座⑧ – hoikuen-job.club

ホ短調の音階をピアノで弾く際の運指・指番号のポイント

ピアノでホ短調の音階を弾くとき、運指(指番号)の使い方を間違えると演奏が途中で止まりやすくなります。これは保育士がピアノを独習するときに陥りがちな落とし穴です。

自然的短音階の上行では、右手は「1・2・3・1・2・3・4・5」という親指くぐりの基本形を使います。「ミ(1)・ファ♯(2)・ソ(3)・ラ(1)」と3音弾いたところで親指をくぐらせ、スムーズに上行します。左手は「5・4・3・2・1・3・2・1」が標準的な運指です。

運指は体で覚えるのが基本です。

和声的短音階でレ♯が加わっても、運指の基本形は自然的短音階と変わりません。ただし、レ♯(黒鍵)を弾く直前に指が黒鍵の手前でつっかえやすいので、手首を少し持ち上げる意識を持つと改善しやすいです。

練習の際は、最初はゆっくり4分音符で1音ずつ確認し、安定してきたら8分音符→16分音符と段階的に速くしていく方法が有効です。スマートフォンのメトロノームアプリを使うと、テンポ管理が手軽にできます。

保育現場でのホ短調の使い方・子ども向け曲との関係

保育現場で短調の曲を弾く場面は、長調に比べて少ないと思われがちです。しかし実際には、行事の合奏曲や劇の BGM など短調が使われる機会は意外と多く、なかでもホ短調は弾きやすい調として選ばれやすい傾向があります。

意外ですね。短調の曲も現場では頻出です。

子ども向けの曲をホ短調で弾く場合、自然的短音階の響きがそのまま「切ない・落ち着いた雰囲気」を生み出します。ハロウィンや秋の行事の劇伴奏、またクラシック曲をアレンジした合奏でも積極的に活用できます。

ホ短調はギターでも最低開放弦が主音になるため、ポピュラー音楽で頻繁に登場する調です。子ども向けアニメや童謡の伴奏アレンジにも登場しやすく、保育士が覚えておくことで即戦力になる知識です。

また、ホ短調の和音(ダイアトニックコード)の基本は「Em・F♯dim・G・Am・Bm・C・D」の7つです。特にEm・Am・Bm・Gの4つを押さえておくと、多くのホ短調の曲に対応できます。弾き語りや劇伴奏にも役立ちます。

コード 構成音 よく使う場面
Em(主和音) ミ・ソ・シ 曲の始まり・終止
Am(下属和音) ラ・ド・ミ 中間部の安定感
Bm(属和音) シ・レ・ファ♯ 終止前の緊張感
G(平行長調主和音) ソ・シ・レ 明るさのアクセント

ホ短調の音階が保育士試験に出る理由と独自の覚え方

保育士試験の「保育実習理論」音楽問題では、7つの調が重点的に出題されるとされており、ホ短調はそのひとつに含まれています。試験では「この楽譜の調は何か」「和声的短音階で使う臨時記号はどれか」という形式の問いが頻出です。

シャープ1個=ホ短調、これが原則です。

独自の覚え方として、「シャープの呪文」が有効です。シャープが増える順番は「ファ・ド・ソ・レ・ラ・ミ・シ」(ファドソレラミシ)と覚えます。シャープが1個ならファに♯がつき、調号♯1個の短調=ホ短調と一発で判定できます。

さらに短調の主音を特定する方法として、「調号から長調の主音を割り出し、そこから短3度(半音3つ分)下が短調の主音」というルールが使えます。♯1個→ト長調→ト(ソ)から短3度下の「ミ」→ホ短調、という流れです。

試験勉強では、調号・主音・音階の3点セットをセットで暗記するのが最も効率的です。以下のリンクでは調性とホ短調の音階について鍵盤図付きで詳しく解説されており、視覚的に確認しやすい内容です。

ホ短調の鍵盤図・五度圏・音階を視覚的に確認できる詳細解説。

ホ短調(Eマイナー) – 全調運指鍵盤図 piano-fingering.org

エマニュエル・パユ ~ フリードリヒ大王に捧ぐ – サンスーシ宮殿でのフルート協奏曲集(パユ/ピノック)