平井多美子モルダウ保育指導実践

平井多美子モルダウ保育実践

平井多美子氏のモルダウ指導法は、実は3歳未満児には不向きです。

この記事の3つのポイント
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クラシック音楽を保育に取り入れる意義

スメタナのモルダウを通じて、子どもたちの情操教育と音楽的感性を育む実践的なアプローチを紹介します

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年齢別の指導ポイント

3歳以上児から小学生まで、発達段階に応じたモルダウの活用法と注意点を解説します

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保育現場での実践方法

身体表現、絵画制作、言葉遊びなど、モルダウを多角的に活用する具体的な保育実践を紹介します

平井多美子モルダウ指導の基本理念

平井多美子氏によるモルダウ指導は、音楽教育における身体表現と情操教育を統合したアプローチです。スメタナの交響詩「モルダウ」は、チェコのヴルタヴァ川の流れを音楽で表現した名曲で、約12分という長さがあります。この曲は2つの源流から始まり、やがて大河となって流れる様子を描いており、子どもたちが自然の雄大さを音楽を通じて感じ取るのに最適な教材です。

保育現場では、この曲を単に聴かせるだけでなく、川の流れを身体で表現したり、音楽に合わせて絵を描いたりする活動に発展させます。つまり総合的な表現活動の核として活用できるということですね。

平井多美子氏の指導法では、子どもたちが音楽の情景を想像しながら、自由に身体を動かすことを重視しています。源流の部分では小さくゆっくりとした動き、大河になる部分では大きくダイナミックな動きというように、音楽の変化に合わせて表現を変えていきます。この活動を通じて、子どもたちは音楽の構造を自然に理解し、表現力を高めることができます。

ただし、この指導法を効果的に実践するには、保育士自身がモルダウという曲の構成を理解している必要があります。

曲の展開を事前に把握しておけばOKです。

平井多美子モルダウ年齢別活動展開

3歳児クラスでは、モルダウ全曲を通して聴くのではなく、印象的な部分を2~3分程度に編集して使用します。3歳児の集中力は約15分程度とされており、12分のフル演奏は長すぎるためです。具体的には、冒頭の源流部分と、中盤の大河が流れる部分だけを抜粋して活用すると効果的です。

この年齢では、川の流れをスカーフやリボンを使って表現する活動が適しています。小川は細くゆらゆらと、大きな川は腕を大きく広げてダイナミックに、というように視覚的な補助具を使うことで、音楽のイメージを具体化しやすくなります。

結論は視覚支援が必須です。

4~5歳児クラスになると、モルダウの全曲を通して聴く活動も可能になります。この年齢では、曲の各場面(源流、森の狩り、農民の婚礼、月光の下の妖精の踊り、大河)をストーリーとして理解し、グループごとに異なる場面を表現する活動も取り入れられます。1つのクラスを4~5グループに分け、各グループが担当する場面を身体表現や絵画で表すと、約30分の活動時間で充実した表現活動が展開できます。

小学生以上では、モルダウの背景にあるチェコの歴史や、作曲者スメタナの祖国愛という深いテーマまで掘り下げることができます。音楽が単なる娯楽ではなく、文化や歴史と結びついていることを学ぶ機会になりますね。

平井多美子モルダウ身体表現技法

身体表現活動では、まず保育士が音楽に合わせて川の流れを演じて見せることが重要です。源流の部分では指先でポタポタと水滴が落ちる様子を表現し、徐々に手のひら全体で小川の流れを表現し、最後は全身を使って大河のうねりを表現します。この段階的な表現の変化を子どもたちに視覚的に示すことで、音楽の構造理解が深まります。

具体的な指導手順としては、まず音楽なしで動きの練習をします。「小さい川はどんな動き?」「大きい川になったらどうする?」と問いかけながら、子どもたち自身に動きを考えさせます。

この事前準備が基本です。

次に、音楽を流しながら自由に表現させる段階に進みます。この時、保育士は「もっと大きく」「ゆっくりと」といった声かけで支援しますが、子どもたちの自由な表現を尊重することが大切です。正解を押し付けず、一人ひとりの感じ方を認める雰囲気作りが必要です。

発表会などで活用する場合は、青い布を使って川を視覚化する演出も効果的です。幅1メートル、長さ5メートル程度(教室の対角線くらい)の青い布を子どもたちが持ち、音楽に合わせて揺らすことで、観客にも川の流れが視覚的に伝わります。布の動きと身体表現を組み合わせることで、より豊かな舞台表現が実現できます。

平井多美子モルダウ制作活動連携

モルダウを聴きながら絵を描く活動は、音楽と造形表現を融合させる優れた実践です。画用紙は通常のA4サイズではなく、B3サイズ(約36×51cm、新聞紙を広げたサイズの半分くらい)以上の大きな紙を使うと、子どもたちがダイナミックに表現できます。

絵具は青系統だけでなく、緑、茶色、白なども用意します。源流の清らかな水は水色、森を通る部分は緑を混ぜた色、大河になる部分は濃い青というように、音楽の場面ごとに色を変えて表現できるようにします。

この多色使用が表現の幅を広げますね。

制作のタイミングとしては、まず1回目はモルダウを聴くだけの活動、2回目は身体表現、3回目に絵画制作という段階的なアプローチが効果的です。音楽に十分親しんでから制作活動に入ることで、子どもたちのイメージが豊かになり、より個性的な作品が生まれます。3回の活動で合計約90分の実践時間が必要です。

完成した作品は保育室に展示し、子どもたち同士で鑑賞し合う時間を設けます。「この絵は大きな波みたいだね」「ここは滝かな?」といった対話を通じて、音楽の解釈が多様であることを学び、他者の表現を尊重する態度も育ちます。

鑑賞活動には期限があります。

展示期間は1~2週間が適切で、それ以上長いと子どもたちの関心が薄れてしまいます。

平井多美子モルダウ言語活動結合

モルダウを使った言語活動では、音楽を聴いた後に「どんな景色が見えた?」「川はどこへ行くのかな?」といった問いかけをします。5歳児クラスでは、子どもたちが想像したストーリーを絵本形式でまとめる活動も可能です。1人につき1~2ページを担当し、クラス全員で1冊の絵本を作り上げるプロジェクトは、約1ヶ月かけて実施できます。

このプロジェクトでは、まず個々の子どもが想像した川の場面を絵に描きます。次に、その絵について保育士が「ここには何がいるの?」「川はどんな音がしてる?」と質問し、子どもの言葉を記録します。この記録した言葉を整理して、絵本の文章として清書します。子ども自身の言葉が文字になることで、言語表現への意欲が高まります。

また、擬音語・擬態語を使った言葉遊びも効果的です。「チョロチョロ」「ザーザー」「ゴーゴー」など、川の流れの変化を音で表現し、それを身体表現や楽器演奏と組み合わせます。タンバリンやトライアングルなどの打楽器で水の音を表現することで、音楽表現の幅がさらに広がります。

保護者との連携では、家庭でもモルダウを聴く機会を提案します。YouTubeなどで無料で聴けることを伝え、「お子さんがどんな反応をするか観察してみてください」とお便りで呼びかけると、家庭と園での体験が連続し、学びが深まります。

平井多美子モルダウ指導独自視点

モルダウ指導で見落とされがちなのが、静寂の場面の活用です。曲の中盤には、月光の下で妖精が踊るという静かで幻想的な部分があります。この部分では、激しい動きから一転して、ゆっくりとした優雅な動きに切り替わります。このコントラストこそが、子どもたちに「音楽には様々な表情がある」ことを教える重要な教材となります。

静寂の場面を活用する際は、保育室の照明を少し落とし、雰囲気を変えることも有効です。ただし暗すぎると子どもたちが不安になるため、カーテンで自然光を調整する程度が適切です。

光の調整が条件です。

また、特別な支援が必要な子どもへの配慮も重要です。聴覚過敏の傾向がある子どもの場合、モルダウの激しい部分が苦痛に感じられることがあります。このような場合は、無理に全員で同じ活動をするのではなく、別室で静かに過ごす選択肢を用意したり、イヤーマフを使用したりする配慮が必要です。

さらに、モルダウを季節の活動と結びつけることで、より豊かな学びが生まれます。梅雨時期には「雨が川になる」というテーマで展開したり、夏には「川遊びの思い出」と結びつけたりすることで、子どもたちの実体験と音楽が結びつきます。季節との連携により、年間を通じて何度も異なる角度からモルダウに触れることができ、音楽への理解が段階的に深まっていくのです。