春の唄 歌詞 保育士 指導
保育園で「春の唄」の歌詞を見ずに教えると、違う曲を歌ってしまう可能性があります。
春の唄 歌詞 2種類の違いと選び方
「春の唄」には、実は全く異なる2つの曲が存在します。1つは昭和12年(1937年)にラジオ歌謡として放送された、喜志邦三作詞・内田元作曲の「春の唄」です。この曲は「ラララ 紅い花束 車に積んで」という明るく華やかな歌い出しで始まります。
参考)https://bunbun.boo.jp/okera/haho/haru_uta.htm
もう1つは野口雨情作詞・草川信作曲の「春の唄」で、「桜の花の咲く頃は うらら うららと 日はうらら」という穏やかな歌詞が特徴です。
つまり2曲あるということですね。
保育現場では、内田元作曲版の方が幼児クラスで歌われることが多い傾向にあります。理由は、「ラララ」という擬音が子どもたちに馴染みやすく、花束や野菜など具体的なものが登場するため、春の情景をイメージしやすいからです。一方、野口雨情版は「うらら」という言葉の意味を理解する必要があるため、5歳児クラスなど理解力が高まった年齢に適しています。
選曲の際は、歌集やCDのタイトルだけでなく、作詞作曲者名も必ず確認してください。同じ「春の唄」でも、間違えると全く違う曲を教えることになり、保護者や他の職員との認識のズレが生じる可能性があります。
春の唄 歌詞 内田元版の全文と特徴
内田元作曲版の「春の唄」は、全4番まであります。1番は「ラララ 紅い花束 車に積んで 春が来た来た 丘から町へ すみれ買いましょ あの花売りの 可愛い瞳に 春の夢」という歌詞です。
2番では「青い野菜も 市場について 春が来た来た 村から町へ 朝の買い物 あの新妻の かごにあふれた 春の色」と続きます。
各番とも「ラララ」で始まるのが特徴です。
3番は「啼けよちろちろ 巣立ちの鳥よ 春が来た来た 森から町へ 姉と妹の あの小鳥屋の 店の頭にも 春の唄」、4番は「空はうららか そよそよ風に 春が来た来た 町から町へ ビルの窓々 みな開かれて 若い心に 春が来た」となっています。
この曲は昭和12年という激動の時代に生まれましたが、時代背景を感じさせない軽やかで可愛らしいメロディが印象的です。保育園では1番と2番を主に歌うことが多く、春の訪れを身近な野菜や花を通して感じられる内容になっています。
花売りや新妻、小鳥屋といった昔の職業や風景が出てくるため、保育士は子どもたちに「昔は町でお花を売る人がいたんだよ」と説明を加えると、より理解が深まります。現代の子どもたちには馴染みのない言葉(例:市場=いちば、籠=かご)も、実物や写真を見せながら教えると効果的です。
春の唄 歌詞 野口雨情版の全文と言葉の意味
野口雨情作詞・草川信作曲版の「春の唄」は、全3番からなります。1番の歌詞は「桜の花の咲く頃は うらら うららと 日はうらら ガラスの窓さえ みなうらら 学校の庭さえ みなうらら」です。
「うらら」という言葉は、空が晴れて日が穏やかに照っている様子を表します。
晴れた春の日の情景ですね。
2番は「河原でひばりの鳴く頃は うらら うららと 日はうらら 乳牛舎の牛さえ みなうらら 鶏舎の鶏さえ みなうらら」となっています。牛舎や鶏舎といった農村風景が描かれており、のどかな春の様子が伝わります。
3番は「畑に菜種の咲く頃は うらら うららと 日はうらら 渚の砂さえ みなうらら どなたの顔さえ みなうらら」という歌詞で締めくくられます。
この曲を保育園で歌う際は、まず「うらら」という言葉の意味を丁寧に説明することが大切です。「お日様がポカポカして、みんなの心も明るくなるような春の日のことだよ」と具体的に伝えましょう。また、「河原」は昭和初期では「河原に」と歌われた時期もありましたが、現在は原詩通り「河原で」で定着しています。
野口雨情は童謡作詞家として「赤い靴」「七つの子」「しゃぼん玉」など数多くの名曲を残しており、草川信も「夕焼け小焼け」などを作曲した著名な童謡作曲家です。こうした背景を知ると、曲への愛着も深まります。
参考)https://www.ne.jp/asahi/sayuri/home/doyobook/doyo00kusakawa.htm
春の唄 歌詞 保育園での年齢別の歌い方
春の唄を保育園で歌う際、年齢によって適した曲や歌い方が異なります。3歳未満児クラスでは、歌詞が短くリズミカルな「春が来た」(高野辰之作詞・岡野貞一作曲)のような童謡が適しています。この曲は「春が来た 春が来た どこに来た 山に来た 里に来た 野にも来た」という繰り返しの多い構造で、覚えやすいのが特徴です。hoikukyuujin+2
3歳児クラス以降になると、「ポンポンポンと春が来た」のような手遊びを加えられる曲が人気です。
手遊びと組み合わせると効果的です。
4歳・5歳児クラスでは、内田元作曲版の「春の唄」全4番を歌うことができます。この年齢になると歌詞の意味を理解する力がついているため、「花売り」や「新妻」といった言葉の説明を加えながら、情景を想像させる指導が可能になります。
また、春の歌は3月から5月にかけて歌われることが多く、入園・進級のタイミングで新しい環境に不安を感じている子どもたちの心をほぐす効果があります。歌を歌うだけでなく、散歩で見つけた花や虫の話題と結びつけると、より季節感を実感できます。
年齢に合わせた選曲をする際は、子どもたちの発達段階だけでなく、歌詞の言葉の難しさ、メロディの音域、曲の長さも考慮しましょう。無理に難しい曲を選ぶと、子どもたちが歌うことに苦手意識を持ってしまう可能性があります。
春の唄 歌詞 保育士が教える際の注意点
春の唄を保育園で教える際、保育士が注意すべきポイントがいくつかあります。まず、歌詞に出てくる古い言葉や表現について、子どもたちが理解できるよう配慮が必要です。例えば「すみれ買いましょ」という表現は、現代では「すみれを買いましょう」と解釈されますが、当時の言葉遣いをそのまま残している部分です。
また、「春の唄」というタイトルが複数存在することを保育士自身が認識していないと、保護者からの質問に答えられなかったり、他の保育士との引き継ぎでトラブルが起きたりする可能性があります。
認識のズレが問題になります。
歌集によっては「春の唄」を「春の歌」と表記している場合もあります。「唄」という漢字が児童には馴染みがないため、教育現場では「歌」の表記を採用しているケースがあるのです。
歌を教える際は、まず保育士自身が正確な歌詞とメロディを把握することが基本です。音源を活用する場合も、CDやYouTubeなどで複数のバージョンがあるため、どの作曲者の版を使っているか確認しましょう。
さらに、春の唄だけでなく「ちょうちょ」「チューリップ」「春よ来い」など、春の定番曲と組み合わせることで、子どもたちの季節への理解が深まります。ちなみに「ちょうちょ」には幻の2番から4番が存在し、2番では主役が「すずめ」に、3番では「とんぼ」に、4番では「つばめ」に変わるという意外な事実もあります。diamond+2
こちらのサイトでは、保育園で使える春の歌が年齢別に詳しく紹介されています。
内田元作曲版の「春の唄」の詳細な背景や作者情報が掲載されています。


