学童保育の資格取り方と放課後児童支援員になる全手順

学童保育の資格の取り方|放課後児童支援員になるための全手順

保育士資格を持っていると、学童保育の資格研修が16科目中4科目も免除されてお金も時間も節約できます。

この記事でわかること
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放課後児童支援員とは何か

2015年に創設された都道府県知事認定の公的資格。各クラスに1名以上の配置が義務付けられており、持っていると就職・転職に有利。

資格の取り方・受講資格

保育士・教員免許・社会福祉士があれば実務経験なしで受講可能。高卒+2年以上の実務経験でも受講できる。

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研修費用と取得後のメリット

研修受講料は原則無料。テキスト代は約1,000〜3,000円程度。取得後は資格手当がつく職場も多く、月額9,000円の処遇改善対象にもなる。

学童保育の資格「放課後児童支援員」とは何か

 

「学童で働くなら、資格なんていらない」と思っている保育士さんは少なくありません。それは半分正しく、半分は状況を見誤っています。

学童保育(放課後児童クラブ)自体は、無資格でも働けます。実際に「学童指導員」「支援員」と呼ばれる方の中には、資格を持たない方もいます。しかし2015年の「子ども・子育て支援新制度」によって、各支援の単位(おおむね40人以下のクラス)ごとに2名以上の放課後児童支援員を配置することが義務付けられました。

つまり、施設の運営側からすると、資格を持つ人材は「絶対に一定数が必要」な存在なのです。これは保育園で保育士の配置基準があるのと同じ構造です。

放課後児童支援員は、国家資格ではなく都道府県知事が認定する公的な専門資格です。「国家資格ではないから意味が薄い」と考えるのは早計で、法律で配置が義務付けられている以上、現場での価値は非常に高いと言えます。

比較項目 学童指導員(無資格) 放課後児童支援員(有資格)
資格の有無 不要 認定資格研修の修了が必要
配置義務 なし(補助員扱い) 各単位に1名以上の配置義務あり
給与・手当 基本給のみが多い 資格手当・処遇改善の対象になりやすい
転職市場での評価 普通 高い(需要が安定している)

保育士として長くキャリアを積んできた方が、学童保育への転職や副業的な働き方を検討する場面は年々増えています。その際、この資格を持っているかどうかで、採用されやすさや給与条件が変わってきます。

つまり、資格が条件です。

参考:放課後児童支援員の配置基準や法的根拠について、こども家庭庁の解説が詳しい。
こども家庭庁|放課後児童クラブ運営指針解説書(PDF)

学童保育の資格を取るための受講資格と条件の確認方法

放課後児童支援員認定資格研修を受講するには、まず「受講資格を満たしているか」を確認するところから始まります。これが最初の関門です。

受講資格は大きく分けて4つのルートがあります。

  • 🎓 有資格者ルート:保育士・社会福祉士・教員免許(幼・小・中・高のいずれか)を持つ人。実務経験は一切不要で、資格証明書だけで申し込めます。
  • 📚 関連学位ルート:大学・大学院で社会福祉学・心理学・教育学・社会学・芸術学・体育学などを専攻して卒業した人。卒業証明書と成績証明書で専攻を証明する必要があります。
  • 💼 実務経験ルート:高卒以上で、2年以上(目安として約2,000時間以上)、児童福祉事業に従事した人。実務経験証明書を勤務先に発行してもらう必要があります。
  • 📝 その他ルート:5年以上、放課後児童健全育成事業に従事し、都道府県知事が適当と認めた人。

保育士資格を持っている方は、有資格者ルートが使えます。実務経験ゼロでも受講申し込みが可能です。これは保育士にとって大きなメリットです。

注意が必要なのは「実務経験ルート」を使う場合です。勤務先が発行する実務経験証明書の原本が必要で、退職した職場に依頼する場合は発行までに数週間かかることもあります。研修の募集開始前から動き始めないと、書類が間に合わないケースがあります。早めの準備が大切です。

また、「大学で社会学を少し学んだが専攻ではなかった」などのグレーゾーンは、自治体によって判断が異なります。確認は必須です。

自分の状況 受講資格 必要な書類
保育士・教員・社会福祉士の資格あり あり(実務経験不要) 資格証明書(保育士証など)
大学で社会福祉学・心理学などを専攻 あり(実務経験不要) 卒業証明書・成績証明書
高卒以上+2年以上の実務経験あり あり(証明書が必要) 実務経験証明書(勤務先発行)
資格なし・実務経験なし なし まず児童福祉事業で経験を積む

どのルートが自分に当てはまるか、まずは確認しておけばOKです。

参考:受講資格の詳細条件を厚生労働省(現こども家庭庁移管)の原文で確認できる。
こども家庭庁|放課後児童健全育成事業の実施について(PDF)

学童保育の資格研修の内容と保育士が受ける科目免除のしくみ

受講資格が確認できたら、次は研修の中身を把握しましょう。放課後児童支援員認定資格研修は、国の基準に基づいた6分野・16科目・合計24時間のカリキュラムで構成されています。1科目あたり90分で、講義形式がメインです。試験はありません。

代わりに、1日の終わりにその日学んだ内容をまとめるレポートの提出があります。選択式や穴埋めではなく、「今日学んだこと・感じたこと」を自分の言葉で記述するスタイルが一般的です。

研修の6分野は以下の通りです。

  • 📌 放課後児童健全育成事業の目的・制度・運営指針の理解
  • 👶 子どもの発達理解・児童期(6〜12歳)の特徴
  • ♿ 障害のある子ども・特に配慮が必要な子どもへの対応
  • 🏡 育成支援の内容・遊びの理解・保護者との連携
  • 🏫 学校・地域連携・安全対策・緊急時対応
  • ⚙️ 放課後児童支援員の役割・運営管理・法令遵守

ここで保育士の方に知っておいてほしいのが、科目免除のしくみです。保育士資格を持っている場合、以下の4科目が免除されます。

  • 子どもの発達理解
  • 児童期(6歳〜12歳)の生活と発達
  • 障害のある子どもの理解
  • 特に配慮を必要とする子どもの理解

これはつまり、16科目のうち4科目(約6時間分)が短縮されるということです。

東京ドームの外周を4周走らなくて済むくらいの差、とはやや大げさですが、数日かかる研修で6時間は大きなゆとりです。

社会福祉士は2科目免除、教員免許(幼・小・中・高)の方も2科目免除となります。保育士のほうが免除科目数が多い点は覚えておくと得です。

ただし免除を受けるには、申し込み時に保育士証などの資格証明書のコピー提出が必要です。準備を忘れると免除が適用されないリスクがあるため注意しましょう。

自治体によってはオンライン(eラーニング)形式での受講が選べる場所もあります。東京都では2025年度からオンライン形式の実施実績があります。通勤などの負担を減らしたい方は、居住地の自治体に問い合わせてみましょう。

意外ですね。

参考:保育士の免除科目の詳細は厚生労働省の公式資料で確認できる。
厚生労働省|保育士についての研修受講科目の免除について(PDF)

学童保育の資格を取るための費用・申し込み手順と注意点

研修の内容がわかったら、次は実際の申し込みに進みます。ここが、情報収集が遅れると後悔しやすいポイントです。

受講料は原則として無料です。各都道府県が主体となって実施するため、国の補助が入っています。ただし、以下の費用は自己負担となります。

  • 📖 テキスト代:約1,000〜3,000円程度(自治体・版によって異なる)
  • 🚃 会場への交通費:自己負担
  • 🍱 昼食代:集合研修の場合は自己負担(研修は朝から夕方まで)
  • 🌐 オンライン受講の場合は通信費:自己負担

つまり、資格取得にかかるコストは数千円程度で収まります。保育士国家試験の受験料(12,950円)や専門学校の受講費と比較すると、圧倒的に低コストで取得できる資格と言えます。

申し込みの手順は自治体によって3パターンがあります。

  • 🏢 勤務先の学童保育の所轄課経由で申し込む
  • 🏛️ 市町村の子育て支援担当課へ直接申し込む
  • 📬 都道府県が指定する事務局へ直接申し込む

特に重要な注意点が2つあります。

1つ目は「すでに学童で働いている人が優先される」という点です。東京都を例にとると、定員超過の際は「都内の放課後児童クラブに現在従事している方」が優先されます。まだ働き始めていない状態で申し込んだ場合、抽選や順番待ちになることもあります。

2つ目は「募集期間が年に1〜2回程度」という点です。募集を見逃すと、次の機会まで半年以上待つことになります。住んでいる自治体のホームページをこまめにチェックする習慣をつけておきましょう。

厳しいところですね。

申し込みの時期は自治体によりますが、多くは春(4〜6月頃)と秋(9〜11月頃)に募集がある傾向があります。余裕を持って情報収集したい方は、在住の都道府県の子育て支援関連ページをブックマークしておくと便利です。

参考:東京都の放課後児童支援員認定資格研修の申し込み詳細は公式ページで確認できる。
東京都福祉局|令和7年度東京都放課後児童支援員認定資格研修について

学童保育の資格取得後の給与・キャリアと保育士とのダブルライセンス活用法

資格を取得した後、具体的にどんな変化があるのか気になる方も多いはずです。正直なところを言えば、資格を取ったからといって劇的に給与が変わるわけではありません。ただ、確実に「選べる選択肢が増える」のは事実です。

こども家庭庁の調査によると、放課後児童支援員(常勤・月給制)の平均年間給与は約289万円です。都市規模別に見ると、特別区(東京23区など)では約354万円と高い傾向があります。

都市規模 平均年間給与(常勤)
特別区(東京23区など) 約354万円
中核市 約294万円
一般市 約274万円
町村 約270万円

資格を持つことで期待できる経済的メリットは2つあります。1つは、職場によって設定されている資格手当(月数千円〜)の対象になること。もう1つは、国が実施する放課後児童支援員等処遇改善事業(月額9,000円相当)の対象に施設ごとなりやすくなることです。

保育士資格とのダブルライセンス活用は、特に注目したいポイントです。保育園と放課後児童クラブを両方運営している法人の場合、乳幼児から小学生まで対応できる人材として高く評価されます。

  • 🔄 保育士として保育園勤務 → 放課後児童支援員の資格も取得 → 学童部門への異動やキャリアチェンジがスムーズ
  • 🔄 学童保育で働きながら → 主任支援員・施設長 → 複数施設を統括するエリアマネージャーへのキャリアアップ
  • 🔄 時短勤務・パート希望の方 → 非常勤の放課後児童支援員として学童で働く(子育てとの両立がしやすい時間帯)

これは使えそうです。

共働き世帯の増加に伴い、放課後児童クラブの登録児童数は年々増加しており、こども家庭庁も受け皿整備を進めています。需要が高く、かつAIに代替されにくい「対人支援の専門職」として、長期的な安定性があります。

資格がある、というだけで転職先の選択肢が広がる。それがダブルライセンスの最大の価値です。

参考:放課後児童支援員の給与水準の詳細データはこども家庭庁の調査報告書で確認できる。

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