楽器の種類と名前を保育士が押さえるべき理由と基礎知識
金属でできているのにサックスは「木管楽器」で、ピアノは「打楽器」でもあります。
楽器の種類と名前の4大分類を一覧で整理しよう
楽器は世界中に数えきれないほど存在しますが、保育士として押さえておくべき基本の分類は「打楽器・弦楽器・管楽器(木管・金管)・鍵盤楽器」の4つです。この4分類は保育士試験の「保育実習理論」問6でも繰り返し出題されており、知識として持っておくと現場でも説明に役立ちます。
分類ごとの代表的な楽器名は以下のとおりです。
| 分類 | 代表的な楽器名 | 音の出し方 |
|---|---|---|
| 🥁 打楽器 | カスタネット・タンバリン・鈴・マラカス・トライアングル・マリンバ・クラベス・太鼓 | 叩く・振る・こする |
| 🎻 弦楽器 | バイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバス・ギター・三味線 | 弦を振動させる |
| 🎺 金管楽器 | トランペット・トロンボーン・ホルン・チューバ | 唇の振動+マウスピース |
| 🪗 木管楽器 | フルート・クラリネット・オーボエ・サックス・リコーダー・オカリナ・ハーモニカ | リードや息の振動 |
| 🎹 鍵盤楽器 | ピアノ・オルガン・チェンバロ・アコーディオン・鍵盤ハーモニカ | 鍵盤操作(内部構造はさまざま) |
つまり「見た目」ではなく「音の出し方」で分類が決まるのが基本です。
ここで多くの保育士が誤解しやすいのが、サックスとピアノの分類です。サックスはピカピカの金属製なのに「木管楽器」に分類されます。その理由は、音を出す際にリード(葦などの植物素材で作られた薄い板)を振動させているからです。管楽器の分類は「唇を振動させて音を出す=金管楽器」、それ以外の方法で音を出す=木管楽器」というルールが現在の通説です。
ピアノについても同様の驚きがあります。ピアノは鍵盤楽器として分類されていますが、内部構造を見ると「ハンマーで弦を叩いて音を出す」仕組みを持つため、「打楽器でもあり弦楽器でもある」と説明されることがあります。保育士試験の過去問でも「ピアノは打楽器でもあり弦楽器でもある」という出題があり、正解は「〇」です。これは保育の現場で子どもに楽器の話をする際のちょっとした雑学としても使えます。
参考:保育士試験で出題される楽器の分類や特徴についてまとまった情報はこちらから確認できます。
保育実習理論|おぼえよう!音楽の基礎知識④いろいろな楽器(hoikuen-job.club)
楽器の種類と名前の中でも「弦楽器」の特徴と覚え方
弦楽器とは、張られた弦を振動させることで音を出す楽器の総称です。保育士試験では「ヴァイオリン属」の楽器を大きさ順に覚えることが求められることが多く、現場でも子どもに「大きいほど低い音」と説明する際に役立ちます。
ヴァイオリン属を大きさ順に並べると次のとおりです。
- 🎻 ヴァイオリン:最も小さく、最も高音が出る。弦は4本、弓は馬のしっぽの毛で作られる。
- 🎻 ヴィオラ:ヴァイオリンより約10cm大きく、少し低い音域を担当。
- 🎻 チェロ:全長約125cm(ランドセルをほぼ縦に2つ並べた高さ)。床に立てて演奏する。
- 🎻 コントラバス:全長約185cm(大人の身長とほぼ同じ)。唯一、立って演奏するヴァイオリン属の楽器。
「大きいほど低音」というのが弦楽器の基本です。
ギターも代表的な弦楽器の一つで、6本の弦を持ちます。保育士試験の実技でもピアノと並んで選択できる楽器として登場します(2026年時点ではピアノとギターの2択)。三味線は日本の伝統的な弦楽器で、3本の弦をバチで鳴らします。調弦方法は「本調子」「二上り」「三下り」の3種類があり、伴奏する音楽のジャンルによって使い分けられます。
弦楽器を保育に直接使う機会は少ないかもしれませんが、発表会やコンサート鑑賞などで子どもに楽器の名前を紹介する際、正確な知識があると信頼感が高まります。これは使えそうです。
楽器の種類と名前の中でも「管楽器・鍵盤楽器」の意外な落とし穴
管楽器の分類でもっとも誤解されやすいのが「木管楽器か金管楽器か」の判断です。かつては楽器の材質(木か金属か)で分類されていましたが、現在は「音の出し方」が基準になっています。この変化のおかげで、フルート(現代では金属製が多い)もサックス(最初から金属製)も、どちらも「木管楽器」に分類されます。
木管楽器と金管楽器の見分け方をシンプルに整理すると、以下のようになります。
- 🔴 金管楽器:唇そのものを振動させて音を出す。例:トランペット、ホルン、トロンボーン、チューバ
- 🔵 木管楽器:リードを振動させる、または息を直接当てて振動させる。例:サックス、クラリネット、フルート、オーボエ、リコーダー
鍵盤楽器の中で特に注意が必要なのはオルガンです。鍵盤楽器として分類されますが、パイプオルガンは空気をパイプに通して音を出すため「管楽器でもある」と説明されることがあります。保育士試験では「オルガンは管楽器でもある」という出題がされたことがあります。正解は「〇」です。
アコーディオンは別名「蛇腹楽器」とも呼ばれ、鍵盤数は26鍵〜41鍵が一般的です。鍵盤数が多いほど重くなるため、保育現場での持ち運びには注意が必要です。鍵盤ハーモニカも同じく鍵盤楽器の一種で、25〜44鍵とメーカーによって鍵盤数が異なります(小学校では32鍵が一般的)。
管楽器・鍵盤楽器の分類は「見た目だけで判断すると間違える」のが落とし穴です。この点は保育士試験でも繰り返し問われるポイントなので、仕組みの理解とセットで覚えておくと安心です。
参考:楽器分類の仕組みをさらに詳しく確認したい方はこちら。
楽器の種類と名前を活かした年齢別の保育現場での使い方
保育士が楽器の種類と名前を知っておくメリットは、試験対策だけではありません。子どもの発達段階に合わせた楽器選びに直結するからです。発達の専門家や脳科学者も「3〜5歳は運動野の発達が盛んで、楽器演奏による感覚統合の効果が高い時期」と指摘しています。
年齢別のおすすめ楽器の目安は次のとおりです。
- 🍼 0歳〜1歳:鈴(ガラガラのように振るだけで音が出る)・マラカス(握って振る動作で音が出る)
- 🐣 1歳〜2歳:タンバリン・鈴(振ったり叩いたりして音を楽しむ)
- 🧒 3歳〜4歳:カスタネット・クラベス(シロフォン(木琴)も導入できる時期)
- 👦 4歳〜5歳:トライアングル・鍵盤ハーモニカ・マリンバ(音の高低を意識した演奏が可能に)
カスタネットの正しい使い方については、意外と知られていないポイントがあります。一般的な教育用カスタネットは青色と赤色がついていて、青色を上・赤色を下にするのが正しい持ち方です。また、柄付きのマラカスは「幼児の振り幅では音が十分に鳴らないことがある」という落とし穴があります。現役保育士のアドバイスとして「柄付きマラカスは注意が必要」という声も実際にあります。
アメリカのヴァーモント大学の研究では、楽器の演奏経験がある6〜18歳の子ども232人の脳をMRIで調べたところ、脳の皮質組織が厚くなり、注意力・感情コントロール・不安制御に関わる部位が発達していることが確認されています。楽器遊びは子どもの「楽しい時間」であると同時に、脳の発達にも明確な効果があるという根拠があります。
参考:子どもの脳と楽器演奏の関係については、こちらの記事に詳しいまとめがあります。
子どもの楽器演奏と脳の発達。科学的エビデンスも!(oriori)
楽器遊びのねらいとして、年齢ごとに整理すると次のようになります。0〜1歳児は「楽器に親しみ、音を出すことを楽しむ」、2〜3歳児は「音楽に合わせながら身体を動かすことを楽しむ」、4〜5歳児は「合奏を通じて音が合わさる心地よさを感じる」という段階的なねらいの設定が大切です。
楽器の種類と名前の知識で保育士試験の得点を上げる独自視点の攻略法
保育士試験の「保育実習理論」問6では、楽器の分類・発祥の国・特徴についての出題が多く、過去問を分析すると3回に2回程度の割合で楽器に関する問題が出ています。得点を上げるためには、「楽器の名前を覚えるだけ」では不十分です。
試験でよく問われる「楽器の特徴」の覚え方を整理すると、次の4点が軸になります。
- 🎵 音の高低とサイズの関係:「大きいほど低音」はほぼ全ての楽器に当てはまる法則です(コントラバスは最も大きく最低音)。
- 🌍 発祥の国・起源:カスタネット=スペイン(フラメンコで使用)、マラカス=ラテン音楽(マンボやサルサ)、ハンドベル=17世紀イギリスの教会が起源
- 🔧 音の出し方の仕組み:ハーモニカは「リード楽器」(息を吸う・吐くの両方でリードを振動させる)。過去問では「ハーモニカはリード楽器である」〇か✕か、という出題が実際にありました。
- ⚠️ 分類が紛らわしい楽器:サックス=木管楽器、ピアノ=打楽器かつ弦楽器、オルガン=管楽器でもある
ここで特に覚えておきたい楽器がチェンバロです。ピアノに見た目は似ていますが、ルネサンス・バロック音楽で使われた歴史的な楽器で、白鍵と黒鍵の色が現代のピアノとは逆(白鍵部分が黒、黒鍵部分が白)になっています。この「逆配色」は試験でも問われることがあるため、覚えておくと得です。
もう一つ試験頻出なのがタンバリンの奏法の多様性です。タンバリンは「叩く」だけでなく、「振る」「フチをこする」「スティックで叩く」など複数の奏法があります。
試験対策の勉強効率を上げるためには、楽器一覧を「分類」「音の出し方」「発祥・特徴」の3列で整理した表を作ってまとめると効果的です。フラッシュカード形式でスマホに取り込む方法もあります。子どもへの楽器紹介と試験勉強を同時に進められれば、保育の質も得点も上がる一石二鳥のアプローチです。
東京藝術大学の資料では、「音楽のために子どもを使うのではなく、子どもの発達や育ちのために音楽や楽器を上手に使う」という視点が強調されています。楽器の種類と名前を正確に知ることは、この視点を実践するための最初の一歩です。
参考:楽器の知識を保育の現場で活かすためのヒントは、こちらの東京藝術大学資料が参考になります。
子どもの心を育む音楽活動(東京藝術大学)PDF

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