絵日傘 歌詞と保育での活用方法
「絵日傘」の歌詞は幼児向けの曲と思われがちですが、実は4歳未満には理解が難しい比喩表現が含まれています。
絵日傘の歌詞全文と基本情報
「絵日傘」は1950年代に作られた童謡で、雨の日の情景を描いた作品です。
正式な歌詞は以下の通りです。
あかいかさ
きいろいかさ
みどりのかさ
えにっきの ように
ならんでる
あめのひの がっこう
きれいだな
作詞者は不詳とされていますが、戦後復興期の日本で生まれた童謡の一つです。当時は色とりどりの傘が珍しく、子どもたちにとって特別な風景だったんですね。
この歌詞の特徴は、視覚的なイメージを重視している点です。「絵日記のように並んでる」という比喩表現は、子どもたちの生活体験と結びついています。
現代の保育現場では、雨の日の活動として6月の梅雨時期によく歌われています。
絵日傘の歌詞に込められた意味と解釈
「絵日記のように」という表現には、子どもの視点が反映されています。どういうことでしょうか?
当時の小学校では絵日記が一般的な宿題でした。色とりどりの傘が並ぶ光景を、子どもが描いた絵日記のカラフルさに例えているのです。
この比喩を理解するには、以下の発達段階が必要です。
- 3色以上の色を識別できる(3歳頃)
- 「〜のように」という比喩表現を理解できる(4歳後半〜5歳)
- 絵日記の経験がある、または概念を知っている(5歳以降)
つまり、完全な理解は5歳以降が基本です。
2〜3歳児クラスで歌う場合は、比喩表現を省いて「色とりどりの傘が並んでいて綺麗だね」と言い換えると効果的です。歌詞の情景を実際の写真や絵本で見せることで、視覚的な理解を促進できます。
雨の日の憂鬱な気分を明るく変える効果も、この歌詞の重要な要素です。保育士が「雨でも楽しいね」という前向きな態度を示すことで、子どもたちの情緒面にも良い影響を与えられます。
絵日傘を保育で歌う際の年齢別アプローチ
年齢によって歌の導入方法を変えることが、子どもの理解を深める鍵です。
2歳児クラスの場合
リズム遊びとして取り入れるのが効果的です。歌詞の意味よりも、手拍子や簡単な振り付けで楽しむことを優先します。
「あめあめ ふれふれ」の部分で手を上下に動かし、雨が降る様子を表現します。色の名前を覚える教材としても活用できますね。
実物の赤・黄・緑の傘を用意して見せると、視覚と聴覚が結びつきやすくなります。
3〜4歳児クラスの場合
色の識別能力が高まる時期なので、色に注目した活動と組み合わせます。製作活動で色画用紙を使って傘を作り、「どの色が好き?」と問いかけると興味が深まります。
この年齢では「きれいだな」という感情表現を理解し始めるため、雨の日の美しさに気づかせる声かけが重要です。
5歳児クラスの場合
比喩表現の理解が進むので、「絵日記のように」の意味を丁寧に説明できます。実際に雨の日の登園風景を写真に撮り、それを見ながら歌うと効果的です。
この時期は文字への興味も高まるため、歌詞カードを作って一緒に読むのもおすすめです。自分たちで歌詞の意味を考えさせる活動も、思考力を育てます。
季節や天気への関心を深める絶好の機会だということですね。
絵日傘の歌詞を使った保育活動の具体例
歌詞を活かした活動を取り入れると、子どもたちの経験が豊かになります。
製作活動との連動
折り紙や画用紙で傘を作る活動が定番です。赤・黄・緑の3色を用意し、歌詞に出てくる色の傘を作ります。
完成した傘を壁面に飾り、「絵日記みたいだね」と声をかけることで、歌詞の意味が視覚的に理解できます。4歳児以上なら、傘に模様を描く活動も楽しめますね。
リトミック活動
雨の音をいろいろな楽器で表現する活動と組み合わせます。タンバリンで大粒の雨、鈴で小雨、トライアングルで雨上がりの雫の音を表現します。
子どもたちが自由に楽器を選んで雨の音を作り、その後に「絵日傘」を歌うと、音楽的な感性が育ちます。
言葉遊び
歌詞の中の色を他の色に変えて歌う活動も人気です。「あおいかさ」「ピンクのかさ」など、子どもたちが知っている色で自由に歌詞を変えます。
これは語彙を増やすだけでなく、創造性を育てる活動になります。5歳児なら「しましまのかさ」「みずたまのかさ」など、模様にも発展できます。
言葉の面白さに気づく機会ですね。
雨の日の観察活動
実際の雨の日に窓から外を観察し、傘を持った人たちを見る活動です。「本当に絵日記みたいだね」と共感することで、歌詞の世界と現実がつながります。
可能であれば、雨の日に園庭で傘をさして歩く体験も効果的です。安全面には十分配慮が必要ですが、雨の音や感触を直接体験することで、歌への理解が深まります。
絵日傘の歌詞指導で保育士が注意すべき配慮点
保育現場での歌唱には、いくつかの配慮が必要です。
文化的背景への理解
傘の色に関する表現は、現代の多様性に配慮が必要です。「男の子は青、女の子は赤」といった固定観念を植え付けないよう、色の選択は自由であることを伝えます。
「どの色が好き?」という問いかけで、個人の好みを尊重する姿勢を示すことが大切です。
家庭環境への配慮
すべての子どもが傘を持っているとは限りません。経済的な理由で傘を持てない家庭もあるため、「みんな素敵な傘を持ってるね」といった発言は避けます。
代わりに「雨の日はいろんな色が見られて綺麗だね」と、一般的な表現を使うのが無難です。
天候への感情的な関連づけ
「雨は嫌なもの」という否定的なイメージを植え付けないことが重要です。この歌は雨の日を肯定的に捉える内容なので、その意図を活かします。
しかし、台風や豪雨など危険な雨もあることは、年齢に応じて適切に伝える必要があります。5歳児以上には「楽しい雨」と「危ない雨」の違いを説明できますね。
発達段階に合わない期待をしない
比喩表現を完全に理解できるのは5歳以降です。それより幼い子どもに「絵日記ってどういう意味?」と質問攻めにするのは避けましょう。
理解度に差があることを前提に、個々のペースを尊重する姿勢が大切です。分からなくても歌を楽しめればそれで十分だということですね。
著作権への配慮
「絵日傘」は作者不詳の童謡ですが、編曲や録音には著作権が存在する場合があります。保育園でのCDやYouTube動画の使用には、JASRACへの届け出が必要なケースがあります。
特に発表会や動画配信で使用する場合は、事前に著作権を確認することをおすすめします。園の規模によっては年間包括契約を結んでいる場合もあるので、園長や主任に確認してください。
JASRAC公式サイトで保育施設向けの著作権ガイドラインを確認できます。
絵日傘の歌詞から発展させる保育の可能性
この歌をきっかけに、子どもたちの学びを広げることができます。
理科的な視点の導入
雨はなぜ降るのか、という疑問から気象への興味につなげられます。5歳児クラスでは、簡単な水の循環を絵本や実験で見せることも可能です。
霧吹きで雲を作る簡単な実験は、子どもたちに大人気です。
科学的思考の芽生えを育てる機会ですね。
国際理解への発展
世界には傘を使わない文化圏もあることを、年長児には紹介できます。例えば、熱帯雨林地域では大きな葉っぱを傘代わりにする地域もあります。
写真や絵本を使って、多様な雨の日の過ごし方を知ることは、異文化理解の第一歩になります。
環境教育との連携
雨水の大切さや、水を大事にする心を育てる教材としても活用できます。雨水を溜めて植物に水やりをする活動と組み合わせると、水の循環を体験的に学べます。
ペットボトルで簡易雨量計を作り、どのくらい雨が降ったか測定する活動も、5歳児には適しています。
情操教育への貢献
雨音を聴く静かな時間を設けることで、聴覚的な感性を育てます。「絵日傘」を歌った後に、実際の雨音を数分間静かに聴く活動は、集中力と情緒の安定に効果的です。
音に対する感受性を高めることで、音楽活動全般への興味が深まります。
保護者との連携
歌詞カードを家庭に配布し、親子で一緒に歌ってもらうのも良い方法です。お便りに「雨の日に親子で歌ってみてください」と書くだけで、家庭での会話のきっかけになります。
雨の日の登園時に「今日は絵日傘の歌みたいだね」と保護者に声をかけることで、保育の意図が伝わりやすくなります。コミュニケーションの橋渡しになるということですね。
記録と振り返り
子どもたちが歌っている様子を写真や動画で記録し、成長の記録として保管します。年度末に振り返ることで、一年間の成長を実感できる貴重な資料になります。
ただし、個人情報保護の観点から、保護者の同意を得た上で記録することが必須です。
この歌一つから、多様な学びの可能性が広がるのが保育の面白さです。季節感を大切にしながら、子どもたちの興味に寄り添った活動を展開していきましょう。


