江戸時代 童謡 歴史 わらべうた 子守歌 手まりうた

江戸時代 童謡 歴史

江戸時代の童謡を保育で活かす要点
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「童謡」より「わらべうた」が主役

江戸時代以前の子どもは、遊びや暮らしの中で「わらべうた」を歌って育ちました。保育で扱うときは“鑑賞”より“遊びの手順”として入れるのが近道です。

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種類を分けると指導が楽になる

あそびうた・てまりうた・こもりうた等に分けると、ねらい(運動・社会性・情緒)を説明しやすく、上司や保護者にも伝わります。

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「近代童謡」との違いを押さえる

明治以降の唱歌、大正期の童謡運動で“作品としての童謡”が整備されました。江戸の歌は地域・遊び・口伝が中心で、保育の導入もそこを意識すると自然です。

江戸時代 童謡 歴史 わらべうた 定義

 

江戸時代の「子どもの歌」を語るとき、現代の“作品としての童謡”より、生活の中で口伝された「わらべうた」を中心に据えると理解が早くなります。

江戸時代以前の子どもは、わらべうたを歌って遊び、その中には「あそびうた」「てまりうた」「こもりうた」などが含まれる、と整理されています。

つまり「歌を上手に歌う」ことよりも、「遊び方を共有する」「集団の合図にする」「安心して眠る」など、機能が先に立つのが特徴です。

保育園での導入を考えると、ここが重要です。わらべうたは、歌詞の意味を“説明して理解させる”よりも、手や体の動き・間合い・繰り返しの気持ちよさを通して入る文化です。

参考)ずいずいずっころばし【遊び方・ねらい解説】|保育士・幼稚園教…


また、同じ曲名でも地域や家庭で旋律や言い回しが変わる前提があり、「正解が一つではない」こと自体が伝承の特徴でもあります。

参考)https://www.shotoku.ac.jp/news/images/20240724_pdf05.pdf


上司チェックや指導案の文脈では、「伝承=地域と世代をまたいで歌い継がれてきた点」を押さえると、教材としての価値が説明しやすくなります。​

江戸時代 童謡 歴史 子守歌 こもりうた

子守歌は、子どもの遊びから生まれるわらべうたとは別に、子どもの世話をする人が自由に歌った歌として位置づけられ、物悲しい節が多い一方、情緒を育てるとも説明されています。

保育の現場で子守歌を扱う利点は、「静」「ゆったり」「反復」という要素が活動の切り替えに使える点で、寝かしつけ前・午睡前・気持ちを落ち着けたい場面に合います。

また「江戸子守歌」は江戸時代の記録にも残る古い歌として紹介され、各地で節やリズムを変えて伝わってきた、とされています。

一方で、子守歌の歌詞には当時の生活の影がにじむ場合があるため、保育園での扱いは“歌詞を丸ごと歌う”以外の選択肢を持つと安全です。

参考)むかしながらの子守歌【0・1・2歳児のふれあいわらべうた】|…


例えば、導入は「ねむらせ言葉」だけを繰り返す形で伝わった子守歌がある、といった伝承のスタイルを紹介し、園の子どもに合う長さ・テンポに調整する方針が立てられます。​
「歴史の歌だから原型を崩さない」ではなく、「伝承は変化しながら続く」という理解が、結果として文化理解にもつながります。​

参考:子守歌(ねむらせ言葉・江戸子守歌の伝承と保育での歌い方のヒント)

むかしながらの子守歌【0・1・2歳児のふれあいわらべうた】|…

江戸時代 童謡 歴史 手まりうた あそびうた

わらべうたには、遊びの進行を支える「あそびうた」や、手まり遊びと結びついた「てまりうた」が含まれる、と整理されています。

この分類が保育園で役立つのは、ねらいを言語化しやすいからです。あそびうたは集団遊びのルール共有(順番・合図・他児理解)に向き、てまりうたはリズム反復と手先の協応、言葉遊びに向きます。

「遊び歌として機能していた」という視点で見ると、歌詞は“鑑賞用の詩”というより“遊びを回す短いプログラム”に近い存在です。

また、意外に知られていない点として、手まり歌の一部は歌舞伎や人形浄瑠璃の作品内で引用されることがあり、子どもの歌が大人の芸能文化と行き来していた例が確認できます。

参考)うちの後ろの茶々の木に(手まり歌)日南町印賀/とりネット/鳥…


これは「子どもの歌=子どもだけの世界」という固定観念を崩し、江戸の町が“音やことば”でつながっていたイメージを持てる材料になります。​
保育で語るときも、単に「昔の遊び」ではなく、「地域文化・芸能・暮らしが交差する入口」として示すと、活動の厚みが出ます。​

参考:手まり歌が歌舞伎・人形浄瑠璃に引用された事例(由来の確認に便利)

うちの後ろの茶々の木に(手まり歌)日南町印賀/とりネット/鳥…

江戸時代 童謡 歴史 通りゃんせ 成立

「通りゃんせ」は、江戸時代に成立したと見られる日本のわらべうた(童謡)で、遊び歌として知られる、とされています。

成立が江戸とされる歌を扱うと、子どもたちには「昔の人も歌って遊んだ」という時間のスケールが伝わりやすく、保育者側は“歴史導入のフック”として使えます。

ただし、作者や成立事情には複数の説が併記されることがあるため、園内の説明では「江戸時代に成立したと見られる」という表現で留めるのが無難です。

活動設計としては、歌詞のストーリー性を長く説明するより、まずは「門をつくる」「くぐる」「止まる」などの動作遊びで体験させ、後から「昔の町の門・通行」を話題にすると理解が安定します。

参考)通りゃんせ – Wikipedia


また、同じ歌でも“遊び方”が地域・団体で変わるのは自然なので、園の安全基準(人数、スペース、転倒リスク)に合わせてルールを簡略化しても、伝承の本質を損ねません。​
「歴史の歌=固定」ではなく「歴史の歌=続いてきた変化」を示すことが、子どもにも大人にも伝わる導入になります。​

江戸時代 童謡 歴史 保育 ねらい(独自視点)

検索上位では「由来」や「意味」に寄りがちですが、保育園で本当に効くのは、江戸時代のわらべうたを“指導内容”ではなく“保育の環境”として設計する発想です。

わらべうたは日本に昔から伝わる歌に親しむこと、保育者や他児との触れ合いを楽しむこと、歌に合わせて手を動かしリズム感覚をつかむこと、といったねらいが提示されており、これは「歴史教材」以前に「生活技術」として機能します。

そこで、歴史の説明を前面に出すより、まず“毎日同じタイミングで同じ短い歌を入れる”ことで、子どもにとっての予測可能性(安心のリズム)を作るのが現実的です。

具体例として、朝の会の前に10秒で終わる手遊び系、移動前に1番だけの合図歌、午睡前に子守歌のねむらせ言葉だけ、といった「短い定型」を組むと、クラス運営の安定化に直結します。​
さらに、江戸時代以前はわらべうたが生活にあり、明治以降は文部省設置や音楽取調掛などを通じて近代的な音楽教育が整えられていった、という“歴史の流れ”を保育者が押さえておくと、「いま園で歌っている歌」の位置づけが説明しやすくなります。

参考)“かごめかごめ”など、どこか謎めいた「わらべうた」や「かぞえ…


歴史を語る目的は、暗記ではなく「なぜこの歌を園で扱うのか」を言葉にすることであり、そこが上司や保護者の納得につながります。​

保育で使う観点チェック(そのまま指導案に転用しやすい形)

  • ねらい:触れ合い/リズム/言葉遊び/切り替え(活動の合図)
  • 方法:短い反復、動作を先に、説明は後に
  • 配慮:歌詞の背景が重い場合は一部のみ、テンポ調整
  • 評価:子どもの参加のしやすさ、友だちとの距離感、切り替えのスムーズさ

参考:子どもの歌の歴史(わらべうた→唱歌→童謡運動までの流れを整理)

https://www.shotoku.ac.jp/news/images/20240724_pdf05.pdf

江戸の衣装と暮らし 解剖図鑑