童謡CD人気ランキングと保育士向けの選び方・活用術
CDのコピーを園で配ると、1,000万円以下の罰金になることがあります。
童謡CD人気ランキングTOP3:保育士が選ぶ定番タイトル
保育現場で実際に使われている童謡CDは、一般の「子ども向けCD」と少し異なります。大切なのは「使いやすさ」と「収録曲のバランス」。保育士向けに評価が高い3タイトルを紹介します。
| 順位 | タイトル | 収録曲数 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 🥇 1位 | Hoickおすすめ!超☆殿堂入り ほいくソング〜みんなが歌った!保育士さんイチオシの50曲〜 | 50曲(2枚組) | 月間25万人以上が閲覧する保育士専門サイト「Hoick」の殿堂入り曲を収録。現場の声を直接反映。 |
| 🥈 2位 | 保育園・幼稚園・こども園で人気のどうよう&あそびうた100(KICG-620) | 100曲(3枚組) | 定番童謡・季節の歌・遊び歌をバランスよく収録。65ページの解説書つきで遊び方まで丁寧に説明。 |
| 🥉 3位 | コロムビアキッズ 園の先生たちが選ぶ人気の手あそび&あそびうた | 約40曲 | 元保育士の保育アーティスト・出口たかし氏が選曲。手あそびに特化しており、活動への導入に使いやすい。 |
1位の「Hoickおすすめ!超☆殿堂入り ほいくソング」は2021年1月にキングレコードからリリースされ、月間25万人以上の保育士が利用する専門サイト「Hoick」の推し歌データをもとに50曲を厳選した一枚です。価格は税込約2,500円前後で、2枚組でありながらコストパフォーマンスが高い点も現場で評価されています。
2位の「どうよう&あそびうた100」(品番:KICG-620)は3,520円(税込)で3枚組・100曲と圧倒的な収録量を誇ります。解説書が65ページと充実しており、手遊び・ふれあい遊びのイラスト入り解説がついています。これは使える情報量です。
3位のコロムビアキッズシリーズは、保育士資格を持つ現役保育アーティストが実際の保育現場での使用感を踏まえて選曲している点が独自の強みです。フォーマットも実際の「導入→主活動」の流れを意識した曲順になっています。
保育士として購入前に確認したいポイントは3つです。
- 🎵 テーマ別・季節別に引き出しやすい構成か:曲を探す時間のロスを減らすため、歌いだし順や季節別インデックスがある商品が便利です。
- 📖 遊び方の解説書が付属しているか:特に経験の浅い保育士にとって、遊びへの展開例がわかる解説は大きな武器になります。
- 🔊 生楽器・生歌の録音かどうか:電子音主体のCDよりも、生楽器を使った録音のほうが子どもの聴覚に優しく、発声・模唱の参考にもなりやすいです。
参考:保育士専門サイト「Hoick」の殿堂入りほいくソング詳細はこちら
Hoickおすすめ!超☆殿堂入り ほいくソング〜みんなが歌った!保育士さんイチオシの50曲〜(すくいく)
童謡CDを年齢別に選ぶポイント:0歳〜6歳の発達段階と曲の関係
「とりあえず人気のCDを買えば大丈夫」と思いがちですが、年齢・発達段階によって響く曲の特徴は大きく異なります。発達に合わない曲ばかりでは、子どもが飽きてしまい、CDを活用しきれないケースが現場でも見られます。
【0〜2歳向け】ゆっくり・短い・繰り返しのある曲が基本
0歳〜2歳の乳幼児には、「ぞうさん」「チューリップ」「むすんでひらいて」のような、テンポが落ち着いていて歌詞が繰り返す曲が適しています。耳から入る音のパターンを覚えることが言語発達の土台になるため、同じ曲を何度も聞くことに意味があります。つまり「繰り返し」が原則です。
日本コロムビアの「年齢別どうよう 0〜2歳向」(品番:COCX-31882)は2枚組50曲収録で、この年齢層に特化した選曲がされており、保育現場でも導入しやすい一枚です。
【3〜4歳向け】リズム・手遊び・動きと連動できる曲
3〜4歳になると、体を動かしながら歌うことが楽しくなる時期です。「グーチョキパーでなにつくろう」「おはなしゆびさん」「いぬのおまわりさん」など、手あそびや動作が伴う曲が特に人気があります。これは使えそうです。
この時期の子どもの注意持続時間は3〜5分程度と言われているため、前奏や間奏が長すぎるCDはテンポが崩れやすく注意が必要です。キングレコードの「どうよう&あそびうた100」は、解説書の中で「前奏・間奏を短くした」とあり、保育現場での使い勝手を優先した編集方針がとられています。
【5〜6歳向け】少し複雑なメロディ・ストーリー性のある曲
5〜6歳になると、物語性のある歌詞や少し長い曲も楽しめるようになります。「おおきなくりの木の下で」「南の島のハメハメハ大王」「手のひらを太陽に」など、みんなで合唱する喜びが感じられる曲が適しています。発達によりそった選曲が保育の質を高めます。
| 年齢 | 適した曲の特徴 | おすすめCD例 |
|---|---|---|
| 0〜2歳 | 短く・繰り返し・ゆっくり | 年齢別どうよう 0〜2歳向(コロムビア) |
| 3〜4歳 | 手あそび・動き・リズム感 | どうよう&あそびうた100(キングレコード) |
| 5〜6歳 | ストーリー性・合唱・複雑なメロディ | Hoickおすすめ!殿堂入りほいくソング50曲 |
参考:発達によりそった「子どもが歌いやすい歌」の選び方について
発達によりそう「子どもが歌いやすい歌」を知り、自信を持って音楽を(第一興商)
童謡CDが子どもの発達に与える効果:保育士が知っておくべき3つの根拠
「CDをかけておくだけで本当に意味があるの?」という声を保育の現場で耳にすることがあります。結論は、効果があります。ただし、ただ流すだけでなく「かかわり方」によって効果が大きく変わります。
① 言語発達への影響
童謡の歌詞には、日常会話ではあまり使われない豊かな表現が含まれています。「しゃぼん玉とんだ」「どんぐりころころ」など、擬音語・擬態語・比喩表現が多く、語彙を広げる機会になります。くもん(公文)の「うた200かけ流し」をかけ続けた結果、1歳の子どもが1か月で童謡を口ずさむようになり、歌詞に出てくる表現を日常会話で使い始めたという事例も報告されています。
② 記憶力・音楽的感性への影響
七田式(しちだ)の研究では、乳幼児期のかけ流し学習(CDを繰り返し聴かせる)は、音を記憶する力を高める効果が期待できるとされています。特に乳幼児は「まねる」行為が得意で、音を聞いてそのまま記憶に定着させるスピードが大人よりも格段に速いとされています。これが基本です。
③ 情緒の安定・人との絆
小児保健研究(2008年)の論文では、子守歌が乳幼児の鎮静化・情緒安定に関係する可能性について言及されています。保育士が一緒に歌うという行為自体が、子どもとの信頼関係を深め、安心感を生む土台になります。CDを「BGMとして流すだけ」にとどまらず、保育士自身が歌いながら一緒に体を動かすことが、効果を最大化するポイントです。
参考:幼児期における音楽教育の意義(玉川大学リポジトリ)
保育士が知らないと危険な童謡CDの著作権ルール
「童謡って昔の曲だから著作権フリーでしょ?」と思っていませんか?これは大きな誤解です。
著作権には2つのレイヤーがあります。まず「作詞・作曲」の著作権は、作者の死後70年間保護されます(著作権法)。そして「演奏・録音」の著作隣接権は、CDのマスターテープ(原盤)が作られた時点から70年間保護されます。つまり、「♪チューリップ」という曲自体は著作権が切れていても、市販のCDに収録された演奏・録音には著作隣接権が存在するケースがほとんどです。著作権と著作隣接権は別物です。
保育士がやりがちで注意が必要な行為は以下の通りです。
- ❌ CDを園用にコピーして複数クラスで配る:著作権法違反(複製権侵害)にあたる可能性があり、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が規定されています(著作権法119条1項)。
- ❌ CDを流しながら運動会や発表会を録画し、保護者にDVDで配布する:JASRAC管理楽曲が含まれる場合、事前に許諾申請と利用料の支払いが必要です。
- ❌ CDを流している場面を動画に撮り、YouTubeやSNSにアップする:公衆送信権の侵害にあたる可能性があります。
- ⭕ 園内での保育活動中にCDを再生する:営利を目的としない教育機関での利用は、一定の条件下で著作権者の許諾不要とされています。
- ⭕ 保育士自身がピアノで弾いて歌う:自演・自唱は問題ありません。
「保育士がやりがちな著作権違反の具体例」について学ぶ機会が増えており、愛知文教女子短期大学では2024年にJASRAC中部と連携した講義を実施しています。保育士養成の現場でも著作権教育が始まっているのです。
CDのコピーが著作権的にグレーまたはアウトになる状況でも、解決策があります。複数クラスや複数の先生で共用する場合は、CDを人数分購入するか、園として正規ライセンスを持つ配信サービスを利用することを検討しましょう。音楽配信サービス「AWA」や「mora」などにも童謡コンテンツがありますが、施設での業務利用には別途ライセンスが必要な場合があるため、各サービスの利用規約の確認が必要です。
参考:JASRAC公式・学校など教育機関での音楽利用について
Music Users 学校など教育機関での音楽利用(JASRAC公式)
保育士だけが気づく:童謡CDの「独自活用術」で保育の質が変わる
ここまでは定番のランキングや選び方を紹介してきました。このセクションでは、一般的な記事には載っていない「保育士視点の活用術」を紹介します。CDは「流すもの」ではなく「使うもの」です。
① 「かけ流し」より「歌いだし確認用」として使う
ベテラン保育士の中には、CDを子どもたちに聴かせるためではなく、「自分が歌いだしや歌詞を確認するため」に使っているケースがあります。特に季節の歌は年に一度しか使わないため、歌詞や音程が曖昧になりがちです。登園前や準備中に該当曲を確認する「自習ツール」としてCDを活用すると、保育士自身の歌の質が上がります。これは意外な使い方です。
② テンポ変化で子どもの動きをコントロールする
CDの曲を活動の流れに合わせて意図的に選ぶ方法があります。例えば、室内フリー遊びからお片付けへの切り替えには「ゆっくりテンポの曲→少し速い曲」を順番にかける。これだけで子どもが自然に動き始めることがあります。指示をせずに雰囲気で動線を作るテクニックです。言葉よりも音楽が動かすことがあります。
③ 「年間CDセット」を活用して季節感を作る
複数枚のCDをバラバラに買い足すより、季節ごとのインデックスがついた100曲以上収録の大容量CDセットを1枚持っておく方が、結果的にコストを抑えられます。1曲あたりのコストで比較すると、100曲収録3,520円のCDは1曲あたり約35円。バラ買いで50曲収録2,500円のCDを複数買うと1曲あたり約50円になり、コスト差は約3割になります。コスパが条件です。
$$\text{1曲あたりコスト} = \frac{\text{CD価格(円)}}{\text{収録曲数(曲)}}$$
$$\text{100曲盤} = \frac{3520}{100} = 35\text{ 円/曲}$$
$$\text{50曲盤} = \frac{2500}{50} = 50\text{ 円/曲}$$
④ 子どもが「歌いたい!」と感じる曲かどうかを最優先にする
人気ランキング上位の曲でも、クラスの子どもたちの反応が薄い曲はあります。どれだけ評価が高いCDでも、実際のクラスの子どもたちに響くかどうかが最優先です。試聴できる環境(Amazon Music・YouTubeの公式試聴など)を活用し、子どもの年齢・クラスの雰囲気に合う曲が収録されているか事前に確認してから購入するのが賢明です。子どもの反応が全てです。
参考:保育現場での音楽教材の使われ方に関する調査研究
