ド・レ・ミ 何語 と イタリア語
ド・レ・ミ 何語 と 起源 と ラテン語
「ド・レ・ミ 何語?」の問いに対して、まず押さえたいのは“いま私たちが口にするドレミ”はイタリア語系として広まりつつも、出発点にはラテン語がある、という二段構えの歴史です。グイード・ダレッツォが「聖ヨハネ賛歌(Ut queant laxis)」の各句の冒頭音節から Ut-Re-Mi-Fa-Sol-La を取り、歌唱教育のための階名(ソルミゼーション)として広めたことがよく知られています。
つまり、元の材料(音節)はラテン語の歌詞であり、ラテン語のテキストから“歌いやすい音節”だけを抜き出して体系化した、というのが実態です。
声楽学習者にとってここが大切で、ドレミは「単にイタリア語の単語」なのではなく、発声練習に向く音節が選ばれた結果として定着した、と理解すると腹落ちしやすくなります。
さらに、初期は7音ではなく6音(ヘクサコルド)中心だった点もポイントです。中世の体系では Ut-Re-Mi-Fa-Sol-La を状況に応じて移動させて歌い、現在の「ドから始まる固定の並び」を当然視しない運用でした。
参考)http://maucamedus.net/solmization/gamut01.html
この「6音を回して運用する感覚」は、のちに移動ド(移動階名)的な発想へつながるので、ソルフェージュや聴音が伸び悩む人ほど一度“元の思想”に触れる価値があります。
参考:音名・ドイツ語・英語を場面別に整理(声楽/楽典の使い分け)
ド・レ・ミ 何語 と ド と Ut と 変更
「ド・レ・ミ 何語」という検索意図で頻出する疑問が、「そもそも最初からドだったの?」という点です。結論から言うと、最初は Ut で、のちに Do へ置き換わった説明が一般的です。
Ut が Do に変わった理由としてよく語られるのは、発音上の言いにくさです。歌唱・発声の実用面から、母音をはっきり響かせやすい形へ寄せた、という説明は声楽の感覚とも一致します。
この変更史を知っていると、たとえばヴォカリーゼで「u母音が詰まる」「t子音で息が止まる」感覚がある人ほど、なぜ Ut が敬遠されやすかったかが身体で理解できます(理屈ではなく、歌ってみると実感できます)。
また「ド」を Dominus(主)由来とする説が紹介されることもあり、少なくとも“17世紀頃にUtからDoへ”という流れで語られることがあります。
ただし、声楽学習の実務では語源の細部よりも、「ドは後から整えられた音節で、学習者が歌いやすい母音へ最適化されてきた」という観点のほうが役に立つ場面が多いです。
ド・レ・ミ 何語 と 音名 と ドイツ語
声楽のレッスン現場で混乱が起きやすいのが、「ドレミ=イタリア語」と覚えた直後に、譜読みや和声・移調・スコアでドイツ語が出てくるケースです。日本のクラシック音楽教育では、歌うときはイタリア語のドレミを多用しつつ、臨時記号付きの音の高さを伝える場面で Cis などのドイツ語がよく使われる、という整理が示されています。
この「何語が正しいか」ではなく「場面で言語が切り替わる」という前提を持つと、練習効率が上がります。
具体的には次のように分けると、頭の中が散らかりにくいです。
・声に出して歌う(ソルフェージュ、読譜、旋律暗記):ド・レ・ミ(イタリア語系)
・音高を厳密に言い当てる(シャープ/フラット付き、転調点、和声分析の材料):ドイツ語表記が便利な場面がある(例:Cis、Des)
・ジャズやポップスの現場、コードネーム中心:英語圏由来の表記が混ざりやすい(日本でも普及)
そして、声楽学習者にとっての実害は「用語の混線」そのものより、混線が原因で“初見で脳内変換に時間がかかり、呼吸やフレーズ感が崩れる”ことです。スケール練習やコンコーネの短い課題でも、言語スイッチで一拍遅れる癖がある人は、楽譜の難易度ではなく表記体系で損をしている可能性があります。
ド・レ・ミ 何語 と 音名 と 英語
ド・レ・ミが「イタリア語(系)の呼び名」として通る一方で、英語圏では C D E F G A B のアルファベット(レター・ネーム)が基本になるため、「ドレミ」と「CDE…」の対応関係を行き来する必要が出ます。
声楽でも、伴奏者とのやり取り、リハーサルでのキー指定、移調楽器の話題、DTMや譜面作成ソフトの設定などで英語表記に触れる機会が増えています。
ここで押さえたいのは、「英語=別の読み方」ではなく、そもそも体系の目的が違うことです。ドレミ(階名的運用を含む)は“歌って音程関係を把握する”方向に強く、CDE…は“音高を記号として扱う(固定の名前)”方向に強い、という性格差が練習感覚に影響します。
参考)“ドレミファソラシド”ってイタリア語?|音楽がもっと楽しくな…
たとえば、あなたが移動ドで歌っているのに、頭の中でC固定に変換しようとすると、相対音感で捉えた距離感が一度ほどけてしまい、跳躍で外しやすくなることがあります(特に短調や転調が絡む曲)。このズレは、能力不足ではなく“内部言語が二重化しているだけ”の場合が多いです。
学習上の対策としては、次のような「変換の順序」を決めておくと安定します。
・旋律を歌う:まずドレミ(相対関係)で把握 → 必要なときだけCDE…に落とす
・和声やコードを読む:まずCDE…で構造を掴む → 歌う直前にドレミへ戻す
この“行ったり来たり”を意識的に設計すると、初見でもブレスと語感を優先しやすくなります。
ド・レ・ミ 何語 と 声楽 と 母音(独自視点)
「ド・レ・ミ 何語」を声楽向けに掘り下げるなら、最後は“言語学的な正解”より“発声の設計”に接続させるのが一番実用的です。ドレミの各音節は、母音が明確で響きを前に集めやすく、スケール練習で共鳴の変化を観察しやすい並びになっています(特に e / i はフォルマントの当て方を点検しやすい)。
一方で、練習が進むほど「母音が練習を支配してしまう」落とし穴もあります。たとえば mi の i で喉が締まりやすい人は、音程の問題に見えて実は母音形成の問題だった、ということが起きます(耳ではなく声道の形が原因)。その意味で、ドレミは便利な反面、母音癖を増幅しやすい教材でもあります。
ここで意外に効く工夫が、「ドレミ」を“言語”として扱うのではなく、“母音パターンのテスト”として扱う視点です。
・同じ音階を「ドレミ」と「レターネーム」両方で小さく歌い、母音で響きが変わる箇所をメモする(DoとCでは口の形が変わる)
・苦手母音(i など)が出る箇所だけ、子音を軽くして母音を遅らせる感覚でアタックを作る(息を止めない)
・転調が多い曲ほど、階名で相対関係を先に掴み、レッスンでは「母音が崩れる瞬間=音程が崩れる瞬間」を一致させて原因を切り分ける
このアプローチを取ると、「ドレミは何語?」という知識が、発声・読譜・聴音の三方向に一気に効いてきます。あなたの課題は“どの言語が正しいか”ではなく、“どの場面でどの体系を使うと、声が一番自由になるか”ではないでしょうか。


