ドラえもんのうた歌詞を保育で活かす方法と知られざる秘密
あの有名フレーズ「アンアンアン」は、実は「あんこを取っても大好き」という意味で中学2年生が考えた歌詞です。
ドラえもんのうた歌詞の誕生秘話と作詞者の正体
「ドラえもんのうた」が世に出たのは1979年4月25日のこと。アニメ放送スタートとともにリリースされ、歌手・大杉久美子の歌声が子どもたちの心をつかんだ。作曲は『仮面ライダー』のBGMでも知られる菊池俊輔が手がけ、あのキャッチーなメロディが生まれた。
実は、作詞者が誰なのかを知ると驚く方が多い。
歌詞を書いたのは楠部工という人物で、アニメ制作会社シンエイ動画の創設者・楠部大吉郎の息子だ。歌詞はシンエイ動画の社内公募で選ばれたが、採用時の楠部工の年齢はなんと中学2年生。10代の少年が書いたとは思えないほど、キャラクターとひみつ道具の世界観を端的にとらえた歌詞として長年愛されている。
中学生作詞のヒット曲、というのは珍しいですね。
さらに細かく見ると、歌詞の言葉は楠部工の名義とはいえ「家族でアイデアを出し合った」と本人が話しており、家族ぐるみで制作された作品でもある。ドラえもんのセリフ部分(「ハイ!タケコプター」「ソレ!とつげき」「ウフフフ!どこでもドアー」)はすべて初代声優・大山のぶ代が考案したという逸話も残っている。
保育の現場でこの曲を使うとき、子どもたちに「この歌詞は同じくらいの年齢の中学生が作ったんだよ」と伝えると、歌に対して特別な親しみを感じてもらえる場面もある。子ども自身の「自分にも何かできる」という前向きな気持ちを引き出すきっかけになりうる、そんな豆知識だ。
参考:「ドラえもんのうた」の詳細な歴史と各バージョンの情報が確認できます。
ドラえもんのうた歌詞3番の構成と2番「おもちゃのへいたい」の謎
歌詞は全部で3番まであるが、テレビ放送のオープニングではテレビサイズとして1番のBメロから3番のコーダに繋がる構成で使われていた。保育現場で歌う際、3番まで通して歌える保育士は意外に少ない。
つまり、全番を知っておくと他の保育士との差別化になります。
各番に登場するひみつ道具を整理すると次のようになっている。
| 番号 | 願い事 | 登場するひみつ道具 |
|---|---|---|
| 1番 | そらをじゆうにとびたいな | タケコプター |
| 2番 | しゅくだい・とうばん・しけんにおつかい | おもちゃのへいたい |
| 3番 | せかいりょこうにいきたいな | どこでもドア |
1番と3番はタケコプター・どこでもドアというひみつ道具の中でも知名度トップクラスの2つが選ばれているのに対し、2番だけが「おもちゃのへいたい」という明らかにマイナーな道具だ。
意外ですね。
しかも構成上の違いも大きい。1番・3番は「願い事→ひみつ道具」という流れで展開されるのに、2番だけは「ひみつ道具→掛け声(ソレ!とつげき)」という逆パターンになっている。おもちゃのへいたいはボディーガードのような使い方ができる道具で、指揮官と4名の兵隊計5人編成なのだが、判断力が低く味方すら攻撃してしまうという扱いにくい特性がある。
子どもたちに「なんでここだけ違う道具なの?」と聞かれたとき、「のび太くんにはたくさんの悩みがあって、ドラえもんはいろんな方法で助けてくれるんだよ」という形で話を広げられる。歌詞の謎を入り口に、子どもたちとドラえもんの世界についてやりとりする導入としても使える。
参考:2番の歌詞「おもちゃのへいたい」についての詳しい考察が読めます。
「ドラえもんのうた」2番の歌詞を知っていますか?謎すぎる道具の話 – QuizKnock
ドラえもんのうたと「夢をかなえてドラえもん」の違いを保育に活かす
保育現場でよく混同されるのが、「ドラえもんのうた」(1979年~)と「夢をかなえてドラえもん」(2007年~)の2曲だ。どちらも子どもに人気だが、それぞれの特徴を理解すると、保育の場面に合わせた使い分けができるようになる。
2曲の違いが分かれば選曲の迷いが減ります。
「ドラえもんのうた」は三連符を主体とした4拍子のテンポ感があり、ひみつ道具が次々と出てくる展開で子どもたちが自然に体を動かしたくなる曲調だ。一方「夢をかなえてドラえもん」は黒須克彦が作詞・作曲し、maoが歌うポップなナンバーで、「大人になったら忘れてしまうかもしれない夢や希望」を子どもたちに向けて歌った内容になっている。「シャラーラーラーラー」というサビのフレーズは、2〜4歳の子どもでも口ずさみやすく、お遊戯会や体操タイムの導入にも使われている。
年齢別の活用場面をまとめると、次のように考えると使いやすい。
- 🔵 1〜2歳:「ドラえもんのうた」のリズムに合わせて手拍子や揺れる動作を取り入れる。三連符のリズムが耳に残りやすく、聴かせるだけでも十分。
- 🟢 3〜4歳:「夢をかなえてドラえもん」のサビを一緒に歌う。メロディがシンプルで覚えやすく、振り付けを加えた体操にも発展しやすい。
- 🟡 5〜6歳:どちらの曲も歌えるようになる時期。歌詞の内容から「どんな夢がある?」「どこに行きたい?」と会話を広げる言語活動とも連携できる。
「ドラえもんのうた」の原曲キーはニ長調(D-dur)だが、保育でピアノを弾く際はハ長調(C-dur)にアレンジされた楽譜が広く流通している。黒鍵が少なくなるため弾きやすく、ピアノが得意でない保育士でも取り組みやすい。Piascoreなど楽譜ダウンロードサービスでも、ハ長調の簡易アレンジ版が多数提供されている。
参考:子どもに人気の幼児向け楽曲ランキングの中に「夢をかなえてドラえもん」の順位と情報があります。
幼児向けの人気曲ランキング – ラグインターナショナルミュージック
ドラえもんのうたを使った手遊び「とんとんとんとんドラえもん」の遊び方
「とんとんとんとんドラえもん」は、保育現場で長年にわたり親しまれている手遊び歌だ。もともと「とんとんとんとんひげじいさん」のメロディをベースに、ドラえもんのキャラクターたちに置き換えたアレンジ版で、1〜4歳を対象とした活動に幅広く使われている。
これは使えそうです。
基本の遊び方は、歌いながら各キャラクターの特徴を体で表現するというものだ。ドラえもんなら「まあるいお腹」、のび太なら「眼鏡」、ジャイアンなら「こぶし」、スネ夫なら「とんがり鼻」、しずかちゃんなら「お団子ヘア」といった動きを順番に組み合わせていく。
振り付けのポイントをシンプルにまとめると次のようなイメージだ。
- 🐱 ドラえもん → 両手で大きな丸を描く(お腹の形)
- 👓 のび太 → 両手の人差し指と親指で眼鏡の形を作る
- 👊 ジャイアン → 両手でこぶしを作って前に突き出す
- 👃 スネ夫 → 人差し指を鼻の前に立てる
- 🎀 しずかちゃん → 両手を頭の上でお団子の形にする
特に初めて実施する場合、保育士が大げさにキャラクターを表現することが大切だ。子どもは「先生が楽しそう」という視覚的な情報から参加意欲を引き出す。動作が分からなくても、音楽に合わせて体を揺らすだけで十分に楽しめる場面を先に作ることが重要となる。
活動の準備として、YouTubeには保育士監修の手遊び動画が複数公開されている。事前に1〜2本確認し、振り付けの流れを頭に入れておくと本番でスムーズに動ける。練習時間の目安は1回通しで約3分程度。それが基本です。
ドラえもんのうたを保育士が歌うときに知っておきたい著作権と音楽療法的効果
保育の現場で歌を使う際、意外と気になるのが著作権の問題だ。「ドラえもんのうた」の著作権について整理しておくと、作詞の楠部工・ばばすすむ、作曲の菊池俊輔それぞれに著作権が存在する。菊池俊輔は2021年4月に91歳で逝去しており、著作権の保護期間は死後70年が原則のため、2091年まで保護が続く計算になる。
保護期間が長い、ということですね。
保育施設内での歌唱・演奏は「非営利かつ無償で行われる場合、著作権者の許諾なく実施できる」という著作権法第38条の規定が適用されることが多い。発表会などで録画・配信を行う場合は条件が変わってくるため、施設の方針や法人の顧問弁護士に確認しておくことが望ましい。発表会の録音・録画を後で販売するようなケースは対象外になる点に注意したい。
また、歌うことそのものが子どもの発達に与える効果も研究で示されている。歌唱活動には、音感・リズム感の形成、社会性・協調性の育成、言語発達の促進といった効果が期待されており、「ドラえもんのうた」のような反復性が高くリズムが明確な曲は特に小さな子どもの脳への刺激として有効とされている。
さらに、音楽療法の視点から見ると、子どもが「知っている歌」を聴いたり歌ったりすることは安心感や自己効力感につながるとされている。初めての行事前や環境変化の多い入園・進級シーズンに「知っている歌」として「ドラえもんのうた」を取り入れることで、子どもたちの情緒を安定させる効果も期待できる。
知っておくと保育計画に活かしやすいですね。
参考:保育現場における歌唱活動の役割と発達への効果についての学術的考察が読めます。
幼児期の音楽表現活動における歌唱の役割(岡山大学リポジトリ)
ドラえもんのうたが歩んだ45年の歴史と現在への影響
「ドラえもんのうた」は1979年のリリース以来、実に多くのアーティストがカバーしてきた。大杉久美子版(1979年〜)、山野さと子版(1992年〜)、東京プリン版(2002年〜)、渡辺美里版(2003年〜)、AJI版(2004年〜)、そして2019年の放送40周年には水田わさびをはじめとする第2期声優陣によるアレンジ版まで、時代に合わせてリニューアルされてきた。
カバーの多さが曲の生命力を証明しています。
2007年に「夢をかなえてドラえもん」が登場した後もオープニング主題歌としての役割は引き継がれ、2019年の放送40周年では再び「ドラえもんのうた」がスポットを浴びた。また、小田急線・向ヶ丘遊園駅のホームでは藤子・F・不二雄ミュージアム開館(2011年)以降、「ドラえもんのうた」のAメロをオルゴール調にアレンジした接近メロディが使われており、JR南武線・登戸駅の発車メロディにもサビ部分が採用されている。
子どもたちが駅でこのメロディを聞いたとき、保育園で覚えた曲と一致して歓声を上げるという体験は、音楽が日常生活とつながる瞬間を生み出してくれる。保育士として子どもの「知ってる!」を積み重ねる経験の一つとして、この曲の背景を知っていることは決して無駄にはならない。
さらに2008年には高校の音楽教科書に掲載されたことも大きな出来事だった。アニメソングが高校の正規カリキュラムに組み込まれることは当時としては異例であり、「ドラえもんのうた」が単なる子ども向け楽曲を超え、文化的・教育的な価値を持つ楽曲として認められた証と言えるだろう。
1980年にはオリコンのTVマンガ・童謡部門で年間1位を獲得した記録も持っており、リリースから約45年を経た今も保育現場で現役の曲として歌い継がれている。その理由は、誰もが知っているキャラクターへの親しみと、シンプルながら飽きない三連符のリズムにある。保育士がこの一曲を深く理解して使うことで、単なる「賑やかし」ではなく、子どもたちの発達を支える豊かな音楽体験へと変えていける。それが保育の場における「ドラえもんのうた」の本当の価値だ。
参考:「ドラえもんのうた」に関連する楠部工の作詞秘話や中学生作詞の背景が読めます。


