でんしゃにのって絵本を保育士が使いこなす読み聞かせ完全ガイド
「でんしゃにのって」の絵本を3歳未満の子に読んでも、言葉より先に「絵の動き」で理解するため、ページをゆっくりめくるだけで十分な刺激になります。
でんしゃにのって絵本の内容とあらすじ・作者情報
「でんしゃにのって」は、作者・とよたかずひこが描く「うららちゃんシリーズ」の中でも特に人気の高い一冊です。うららちゃんが一人で電車に乗り出発すると、駅に停まるたびにおなじみのキャラクターが次々と乗り込んでくる、繰り返し構造のストーリーが特徴です。繰り返しのリズムが心地よく、子どもが自然と「次は誰が乗ってくるの?」と前のめりになります。
大型絵本版はサイズが43×39cmと大きく、集団での読み聞かせに最適なサイズです。アリス館から刊行されており、読み聞かせ用として保育現場での導入実績も豊富な一冊です。これは使えそうです。
繰り返し構造の絵本は、子どもが「次の展開を予測する力」を育てると言われています。言語発達の観点からも、同じフレーズが繰り返されることで語彙が定着しやすくなるため、1〜3歳の保育クラスにとくに向いています。繰り返しが基本です。
- 🚃 作者:とよたかずひこ
- 📚 出版社:アリス館(大型絵本版あり)
- 👶 推奨年齢:1歳〜3歳(読み聞かせは0歳から可)
- 📐 大型絵本サイズ:43×39cm(集団読み聞かせ向け)
- 🔁 構造:繰り返し型・累積型ストーリー
保育士が「どうしてこの絵本をこのクラスで選んだのか」を言語化できると、保護者への説明や指導案作成にも活きてきます。選ぶ理由が明確なら安心です。
アリス館公式:でんしゃにのって(大型絵本)の詳細ページ。ページ数・サイズ・シリーズ情報の確認に。
でんしゃにのって絵本の読み聞かせで子どもの言葉が伸びる理由
「でんしゃにのって」の繰り返し構造は、子どもの脳に「予測と確認」のサイクルを生み出します。このサイクルは、言語習得研究において語彙定着率を高める有効な仕組みとされており、ただ読むだけで言葉への興味が育ちます。意外ですね。
繰り返しフレーズを保育士が少しだけゆっくり読むと、子どもが自然に声を合わせてきます。これをコーラス読みと呼び、集団保育の場でも全員参加を促せる効果があります。声が出ない子でも口の動きで参加できるため、内向きな性格の子どもへの配慮にもなります。これが条件です。
また、絵本の中に登場するキャラクターの名前を読み聞かせ後に子どもに問いかけると、記憶の再生訓練になります。「だれが乗ってきたっけ?」という一言が、実は語彙の復習になっているということですね。
- 🗣️ 繰り返しフレーズ → 語彙の定着・音韻意識の発達
- 🎵 コーラス読み → 発語を促し、集団参加意識を育てる
- 🧠 「誰が乗ってきた?」の問いかけ → 記憶の再生・語彙復習
- 👁️ 絵を見ながら聞く → 視覚と聴覚の統合的な発達を促す
言語発達支援の観点では、繰り返し型の絵本は週に2〜3回同じ本を読んでも効果が落ちません。むしろ回数を重ねるほど子どもの反応が豊かになります。つまり何度読んでも価値があります。
でんしゃにのって絵本を使った発展活動と製作アイデア
絵本を読んだあとの活動が、学びを「体験」に変える最大のチャンスです。「でんしゃにのって」の場合、電車ごっこへの発展が自然な流れで、椅子を並べるだけで保育室が即席の電車に早変わりします。準備物がほぼゼロなのが強みです。
製作活動としては、画用紙で「自分だけの電車チケット」を作る取り組みが人気です。名前を書く練習にもなり、「乗ってきたキャラクター」を描く絵日記的な工作に発展させることもできます。5歳クラスなら、登場キャラクターを紙人形にして「自分だけのでんしゃにのって」を作る活動も高い集中力を引き出します。
| 活動内容 | 対象年齢 | ねらい |
|---|---|---|
| 🪑 椅子で電車ごっこ | 1〜3歳 | 絵本世界の再現・友達との協調 |
| 🎫 電車チケット製作 | 3〜4歳 | 文字への興味・自己表現 |
| 🧸 登場キャラクター紙人形 | 4〜5歳 | ストーリー再構成・想像力 |
| 📝 「乗ってきたのは誰?」絵日記 | 5〜6歳 | 記憶の言語化・描写力 |
発展活動を指導案に落とし込む際は、「ねらい」に「絵本の内容を再現しながら友達と関わる楽しさを味わう」と書くだけで、保育の意図が明確になります。これが原則です。
でんしゃにのって絵本と似た電車絵本との比較・選び方
「でんしゃにのって」以外にも電車絵本は多数あり、クラスの状況や目的によって使い分けることが保育の質を上げます。同じ「電車絵本」でも、ストーリー重視・写実的な絵・知識系など方向性が大きく異なります。
たとえば福音館書店の「でんしゃにのったよ」(岡本雄司・作)は版画の絵が特徴で、視覚的に落ち着いた子どもや特別支援の場面で集中力が維持されやすいと現場から報告されています。実際に「集中力が続かない子が最後まで見ていた」という声が複数寄せられている実績ある一冊です。厳しいところですね、でも選択肢は広がります。
| 絵本タイトル | 作者・出版社 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| でんしゃにのって | とよたかずひこ/アリス館 | 繰り返し・累積型・カラフル | 乳幼児・集団読み聞かせ |
| でんしゃにのったよ | 岡本雄司/福音館書店 | 版画・写実的・落ち着いた雰囲気 | 3歳以上・特別支援・個別読み |
| パンでんしゃ | ユニーク系/各社 | 食べ物×電車のコラボ | 食育との連携・4〜5歳 |
絵本選びのポイントは「絵のトーン」「ストーリー構造」「使用場面(個別か集団か)」の3つに絞ると迷いがなくなります。3点だけ覚えておけばOKです。
福音館書店公式:でんしゃにのったよ の詳細ページ。特別支援や個別読み聞かせへの活用事例レビューが参考になります。
でんしゃにのって絵本を保育指導案に組み込む独自の視点
多くの保育士が見落としがちな点があります。それは「絵本の読み聞かせ」を「静かに聞かせる時間」として設定してしまっていることです。「でんしゃにのって」のような参加型絵本は、むしろ子どもが声を出したり体を動かしたりすることを想定した設計になっています。静かにさせようとすると、絵本本来の力が半減します。
指導案への記載例として、「環境構成」の欄に「椅子を電車の座席のように半円形に並べ、読み聞かせ後すぐごっこ遊びに移行できるようにしておく」と書くだけで、活動の流れが格段にスムーズになります。準備が学びの質を決めます。
また、保護者向け園だよりに「今月の絵本:でんしゃにのって」として一言紹介し、家でも同じ絵本を読んでもらうよう促すと、園と家庭の連携が自然に生まれます。子どもは「知ってる!」という感覚が自己肯定感につながるため、家庭読み聞かせとの連動は侮れない効果があります。いいことですね。
- 📋 指導案のねらい例:「繰り返しのリズムを楽しみながら、友達と一緒に声を出す喜びを味わう」
- 🏠 家庭連携:園だよりで紹介 → 家庭でも同じ本を読む → 「知ってる!」体験が自己肯定感に
- 🖊️ 記録のコツ:読み聞かせ中に声を出した子・体を動かした子をメモ → 発達記録に活用
- 🔄 継続のコツ:同じ絵本を週2〜3回読むことで反応の変化を観察・記録できる
読み聞かせの記録を「子どもの反応」で残す習慣をつけると、連絡帳や保護者面談での具体的なエピソードが自然に増えていきます。結論は記録が保育士の武器になるということです。
