出会いの歌 吉幾三を保育士が子どもへ伝える全手順
「出会いの歌」を歌うだけでは、子どもの語彙力は伸びません。
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出会いの歌 吉幾三の誕生背景と歌詞に込めた意味
吉幾三の「出会いの歌」は、1980年代に作られた楽曲であり、人との出会いがいかに人生を豊かにするかをテーマにした作品です。吉幾三は青森県出身のシンガーソングライターであり、「津軽弁の詩人」とも称されるほど、日常の言葉に深い情感を乗せることに長けています。
この楽曲の特徴は、難解な言い回しを一切使わず、誰もが経験するような「人との出会いの瞬間」を平易な言葉で描いている点にあります。歌詞の中には、初めて人と交わすあいさつ、共に過ごした時間の温かさ、そして別れのさみしさといった感情の流れが丁寧に描かれています。つまり感情の起伏が一曲にぎゅっと詰まっているわけです。
保育士として注目したいのは、この歌が「感情の言語化」に非常に優れている点です。子どもは自分の気持ちを言葉にする力がまだ未熟なため、歌詞を通じて感情に名前をつける練習ができます。「うれしい」「さみしい」「ありがとう」といった感情語が自然な文脈の中で登場するので、押しつけがましくなく感情教育に活用できます。
吉幾三は自身のインタビューで「歌は人と人をつなぐ言葉だ」と語っており、その思想がこの曲には色濃く反映されています。歌の背景を保育士自身が深く理解することが、子どもへの伝え方の質に直結します。背景を知ることが第一歩です。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| アーティスト | 吉幾三(よしいくぞう) |
| 出身地 | 青森県北津軽郡金木町(現・五所川原市) |
| 楽曲のテーマ | 人との出会い・感謝・別れ |
| 歌詞の特徴 | 平易な日常語・感情語の豊富な使用 |
| 保育への活用ポイント | 感情の言語化・語彙力育成・情操教育 |
吉幾三の公式プロフィールや楽曲情報については、公式サイトや信頼性の高い音楽情報サイトでも確認できます。歌の背景を調べる際の参考にしてください。
出会いの歌 吉幾三の歌詞を子どもに伝える保育士の手順
歌詞を子どもに伝える際、最も避けるべきは「いきなり歌わせること」です。言葉の意味を理解しないまま歌っても、記憶には残りますが感情はほとんど動きません。まず歌詞の言葉を一つひとつ「体験」と結びつけてから歌うという順序が重要です。これが基本です。
具体的な手順として、まず「出会い」という言葉そのものを子どもが経験している場面と結びつけます。「今日、初めてお友達と話したとき、どんな気持ちだったかな?」という問いかけから始めると、子どもは歌詞の世界に自分の体験を重ねやすくなります。3〜4歳の子どもでも、自分の言葉で「うれしかった」「ドキドキした」と言えるようになります。
次のステップとして、歌詞の中のキーフレーズを保育士が声に出してゆっくり読み上げます。歌うよりも先にセリフとして聞かせることで、子どもは音程ではなく言葉の意味に集中できます。この「語り読み」のステップを入れるだけで、子どもの理解度が大きく変わります。これは使えそうです。
その後、メロディーと一緒に歌詞を流しながら、保育士が感情豊かに歌ってみせます。子どもは大人の表情から感情を読み取る能力が高いため、保育士が本当に嬉しそうに・悲しそうに歌う姿がそのまま感情教育になります。表情が教材です。
- 📌 ステップ1:「出会い」の体験を言葉で引き出す(問いかけから始める)
- 📌 ステップ2:歌詞キーフレーズを「語り読み」で届ける(音程なし)
- 📌 ステップ3:保育士が感情豊かに歌って見せる(表情を意識する)
- 📌 ステップ4:子どもと一緒にゆっくり歌う(強要しない・自然な参加)
- 📌 ステップ5:歌い終わったあとに「どんな気持ちになった?」と聞く
ステップ5の「振り返りの問いかけ」は、感情語の定着に非常に効果的です。子どもが「なんかいい気持ち」と言ったとしても、それを「温かい気持ちってことかな?」と保育士が言語化してあげることで、感情語の引き出しが少しずつ広がっていきます。
出会いの歌を使った情操教育と保育士が知るべき語彙力育成の実践法
「出会いの歌」が情操教育に適している最大の理由は、歌の中に「感情の変化」がストーリーとして組み込まれている点にあります。単なる楽しい歌ではなく、出会いから別れ、そして感謝へという感情の流れがあるため、子どもが感情の「移り変わり」を体感できます。感情の流れを追う体験は貴重です。
語彙力育成の観点では、この歌に登場する「出会う」「つながる」「ありがとう」「さみしい」「温かい」といった感情語は、文部科学省が示す幼児期の語彙発達において特に重要とされる語群と重なります。幼稚園教育要領および保育所保育指針でも「感情を言葉で表現する力の育成」が明記されており、この楽曲はそのねらいと非常に相性が良いといえます。
保育所保育指針(厚生労働省)の言葉に関する領域では、感情を豊かに表現する経験の積み重ねが語彙力の土台になるとされています。
保育所保育指針(厚生労働省)|言葉の領域・感情表現育成の根拠確認に
具体的な実践法として、「感情カード」と組み合わせる方法があります。歌を聴いた後に、うれしい・さみしい・温かいなどの感情が描かれたイラストカードを子どもに見せ、「この歌のどこで、この気持ちになった?」と問いかけます。カードは言葉の補助輪になります。言葉を選ぶ経験の積み重ねが語彙力の根になるのです。
また、週に1回程度このような「歌+感情振り返り」の時間を設けるだけで、3ヶ月後には子どもの感情表現の語彙数が増えたという保育現場からの報告もあります。毎日行う必要はありません。継続が条件です。
出会いの歌 吉幾三を保育士が選ぶべき季節と場面のタイミング
「出会いの歌」をいつ使うかは、効果の大きさを左右する重要なポイントです。最も適したタイミングは、子どもたちが実際に「出会いと別れ」を体験する時期、つまり4月の進級・入園と3月の卒園・修了の時期です。この2つのシーズンがベストです。
4月の導入期に使う場合は、「新しいお友達と仲良くなれそうな気持ちを歌にしたよ」という紹介の仕方が効果的です。子どもたちが緊張や不安を感じている時期だからこそ、歌が「場を柔らかくするツール」として機能します。特に転入してきた子どもや、引っ込み思案な子どもへの配慮として取り入れると、無理なく集団に溶け込むきっかけになります。
3月の修了・卒園時期に使う場合は、「お友達と過ごした日々への感謝」という意味合いで歌うことができます。この時期の子どもは5〜6歳になっており、歌詞の内容をかなり深く理解できるようになっています。意外ですね。歌いながら涙を流す子どもが出ることもあり、感情の豊かさを引き出す場面としては最高の機会になります。
また、日常の保育の中でも「新しいお友達が来た日」「行事の後」「お別れ会」など、感情が自然に動く場面に合わせて使うと、子どもの心に深く刻まれます。日常の中にも使い場面は多いです。
- 🌸 4月(入園・進級):新しい出会いへの期待と不安を和らげる場面
- ☀️ 行事終了後:頑張った達成感と仲間への感謝を言葉にする場面
- ❄️ 3月(卒園・修了):別れの感情を豊かに表現するための場面
- 🎉 お別れ会:特定の友達や先生への感謝を伝えるセレモニーの場面
タイミングを意識するだけで、同じ歌でも子どもに与える感動の深さが大きく変わります。場面設計が保育士の腕の見せどころです。
出会いの歌 吉幾三から保育士が学ぶ「歌選びの独自基準」と感情教育の広げ方
多くの保育士は「子どもが好きな歌=元気でリズムがよい歌」と思いがちですが、感情教育という目的で考えると、この常識は少し見直す必要があります。感情を育てる歌には、テンポが遅くても歌詞に感情の変化があるものを選ぶという独自の基準が重要です。
吉幾三の「出会いの歌」のようにテンポがゆったりした楽曲は、子どもが歌詞の言葉を一つひとつ聞き取りやすく、感情語の習得に向いています。脳科学の分野でも、ゆっくりとしたテンポの音楽は感情の処理を担う扁桃体への刺激が高まるという研究が報告されています。ゆったりした歌の力は侮れません。
保育士が歌を選ぶ際の「感情教育の独自基準」として、以下の3点を持っておくとよいでしょう。
- 🎯 歌詞の中に「感情語」が3語以上含まれているか(うれしい・さみしい・ありがとう など)
- 🎯 歌の中で感情が1つ以上「変化」するか(楽しい→さみしい など感情の流れがあるか)
- 🎯 子どもの実体験(友達との出会い・別れ・遊び)と歌詞がリンクできるか
この基準で選んだ歌を、月1〜2回程度「感情をテーマにした活動」の中で使っていくと、1年間で子どもの感情語の使用数が増えていきます。地道な積み重ねが大切です。
さらに、吉幾三の「出会いの歌」を入り口にして、他の感情豊かな楽曲に広げていく「感情教育ソングリスト」を保育士自身が作成することもおすすめです。例えばフォークソングや童謡の中にも、感情の変化が豊かな楽曲が多数存在します。ソングリストは保育の財産になります。
保育士の専門性を高めるための情報は、全国保育士養成協議会や保育士養成校の研究誌にも掲載されています。感情教育の理論的根拠を深めたい場合は以下も参考にしてください。
全国保育士養成協議会|保育士の専門的知識・感情教育理論の参照に
歌を「伝える技術」として磨いていくことが、保育士としての大きな強みになります。吉幾三の「出会いの歌」はその入り口として、非常に優れた教材といえます。感情教育の第一歩に最適な一曲です。


